Subject: [keystone 823] Re: わたしめげません。
Date: Wed, 18 Nov 98 21:57:44 +0900
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静岡の笹沼です。keystoneでは初めての書き込みです。

>知事選のほうは、えらいことになってしまいました。

 比嘉さんのおっしゃるとおり、沖縄知事選は基地を無くしていく運動にとって大
きなショックを与えたと思います。

 その意味で

>本土に住んでる者になにがわかるといわれるかもしれませんが、ひき逃
>げ事件の直後であっただけに、命よりも金なのかとも思えるこの結果に
>対して正直言って悲しく腹立たしい思いがあります。

 という、比嘉さんの悲しみ、怒りは分かるつもりです。

 しかし、知事選の結果は沖縄の人々が平和よりも基地+経済を選んだと結果だと
言えるのでしょうか。
 そもそも、平和か経済か、というように平和と豊かな生活とは二者択一しなけれ
ばならないものなのでしょうか。

 本土の人々は、日本国憲法によって平和と民主主義、人権を保障され、それなり
に豊かさを享受してきました。少なくとも本土の多くの日本国民にとっては平和と
豊かさは二者択一しなければならないものではなく、同時に享受できるものであっ
たわけです。それが半世紀を経た日本国憲法がもたらしたものだったといえるでし
ょう。

 しかし、沖縄の人々にとっては、本土の国民にとっては当たり前のことが当たり
前に許されず、平和か経済かの二者択一が迫られるということ自体が問題なのだと
おもいます。そんなことは比嘉ご自身もkeystoneの皆さんも十分承知していること
なのだと思います。もちろん、このメールも比嘉さんを批判する趣旨で書いている
わけではありません。それは、なすびさんが次のように書いているのと同様に、比
嘉さんの悲しみと怒りを私なりに捉え返し、沖縄の問題を考えていきたいと思うか
らです。

> 「本土」の運動が一般的にそうだったとは言いませんが、僕自身の沖縄の人達に対
>する「うしろめたさ」を含めて「沖縄から」に依拠していた部分は否定しようもあり
>ません。しかし、今回の結果は、それ自体を打ち壊すものとしてありました。別の次
>元で僕たちのやるべきことを感じてもいます。そしてこのことは、僕自身と多くの仲
>間たちとの関係の豊かさを作る契機になるはずだという予感もあります。
> 僕は日雇労働者・野宿労働者と関わる中で、山谷で沖縄の人達と出会いました。そ
>の原点にかえって、僕も関わりたいと思います。

 今回の知事選とその結果は、「日本国民」が安保条約・地位協定、特別措置法等
によって沖縄に基地とそれによる様々な人権侵害、低開発を押しつけている理不尽
さを改めて浮き彫りにするものとなったのではないかと思います。平和か経済・暮
らしかという選択しえないものの選択を強制される理不尽さを沖縄の人々は強く感
じているのではないでしょうか。

 私にとっては改めて沖縄の問題を鋭く、重く突きつけられた思いがしています。
 

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H. Sasanuma
ebhsasa@ed.shizuoka.ac.jp
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