Date: Thu, 22 Oct 1998 19:04:00 +0900
From: 加賀谷いそみ <QZF01055@nifty.ne.jp>
Subject: [keystone 759] <沖縄ひき逃げ事件>抗議声明(北海道)
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 沖縄県北中城村で、米海兵隊員が女子高校生をひき逃げして死亡させた事件で、北海
道在住者45名が呼びかけ人となって、抗議声明を発表しました。この声明へは、道在
住の23団体、3個人が賛同してます。声明文は10月20日、小渕首相、高村外相、
額賀防衛庁長官、在日米大使、沖縄・那覇市の在日米軍沖縄地域調整官(四軍調整官)
へ送付されました。
 『北海道と沖縄を結ぶ平和ネット』では、「復帰後、このような凶悪な米兵の犯罪が
5千件も引き起こされているのに、日米政府は全くなにもしていません。またマスコミ
は○○事件報道に狂奔し、沖縄の事態を真剣に受けとめて報道しようとしません。沖縄
は、県知事選挙の最中です。大田知事は、米軍基地の撤去、移転、縮小を訴えて闘って
います。その大田知事を政府は引きずり下ろそうとなりふりかまわぬ策動をしています
。これらは許せないことです。抗議の声をもっともっと大きくしなければならない」と
訴えています。

【抗議声明】

    米海兵隊員の女子高校生ひき逃げ致死事件に厳重に抗議し、
     日米地位協定・安保の抜本的見直しを要求する

             −声明−

 新聞報道によれば、去る10月7日未明、沖縄県北中城(きたなかぐすく)村比嘉の
国道330号で、飲酒運転の米海兵隊伍長ランド−ル・M・エクスリッジ容疑者の運転
する普通乗用車が、北中城高校3年生の上間悠希さんの原付バイクに追突、転倒させ、
意識不明の上間さんを放置して、米軍基地に逃げ込む事件が引き起こされました。被害
者の上間悠希さんは意識を回復することなく、14日夜、入院先の病院で死亡しました
(10/15道
新)。私たちは、亡き上間悠希さんの霊に深い哀悼の意を表するとともに、この海兵隊
員の蛮行に対し、厳重に抗議するものであります。
 事件当初、沖縄署はエスクリッジ容疑者の逮捕状をとり、身柄引き渡しを要求したが
、米憲兵隊は「地位協定」をタテに「身柄引き渡しを拒否」しました。日本政府は、悪
質な犯罪事件であるにもかかわらず、早々と「身柄引き渡しを要求せず」(野中官房長
官10/12)と言明。沖縄県警は、身柄引き渡しのないまま、容疑者の米海兵隊員を書類
送検し、
沖縄地検は、「スピ−ド起訴」しました。被害者の人権よりも米軍の横暴を上に置く日
本政府のこの態度は、主権放棄の屈辱的態度であると厳しく指摘されなければなりませ
ん。 亡くなった上間さんのご両親は「単純な事故なのになぜ地位協定がどうのこうの
という問題に発展するのか納得できない」(琉新10/13)と怒りを表明しています。
 先月、矢臼別演習場で実弾演習を強行した在沖米海兵隊は「買い物をするのも、飲み
にいくのも、ゲ−ムをするのもみんな訓練だ」と強弁し、道民の憤激をかいました。今
回沖縄でおきた事態は、矢臼別で、米兵の行く先々で、さらにおこりうることを証明し
ています。
 事件が発生した沖縄県中頭郡中城村議会は「抗議決議」を採択し、「戦後50年余、
沖縄県は膨大な米軍基地を抱え基地機能は益々強化の一途をたどっています。それにと
もなって米軍人による犯罪、米軍の軍事演習による事故が後を絶えず発生し、米軍当局
は、そのつど、綱紀粛正と事故防止を約束しながら、たびかさなる凶悪事件の発生は、
県民に対する占領意識と人命軽視のあらわれであり、人道上断じて許すことができない
」(10/9中城村議会抗議決議)と述べています。
 政府は、半世紀余、この沖縄県民の声に耳を傾けず、復帰後、このような凶悪事件が
五千件も引き起こされているというのに、米軍の蛮行を容認してきたのです。3年前の
「米兵の少女暴行事件」についても全く反省していないと言わなければなりません。
 私達は、平和憲法を貫く主権者の名において、沖縄県民は、日本国憲法によって、平
和的生存権をはじめ一切の基本的人権が保障されるべき主権者たる日本国民であること
。米軍の行動は、その根本において、「全ての人間は平等に造られ、生命・自由・幸福
追求の権利がある」と宣した「アメリカ独立宣言」に倚って立たねばならぬことを、日
米当局は深く認識し、行動すべきであると厳しく指摘します。
私達は、主権者の名において
 1)米軍当局・日本政府は米軍人の綱紀粛正を徹底させ、二度とこのような痛ましい
事件が起こらないようにすること。
 2)度重なる米兵の凶悪犯罪の根源をなす安保・地位協定の全面的な見直しを行い、
米海兵隊のアメリカ移転・基地の縮小・撤去を速やかに行うこと。
 3)被害者への完全な補償について日米政府が責任をもって、誠実に対処すること。
以上声明する。

1998年10月20日

【呼びかけ人】
北海道宗教者平和協議会会長 松田平太郎/日本キリスト教会牧師 黒木あい/日本キ
リスト教会牧師 中山洋一/日本キリスト教会牧師 渡辺輝夫/日本キリスト教会牧師
 梶村のぞみ/札幌カトリック正義と平和委員会 石田国夫/日本キリスト教会牧師(
檜山) 野村喬/靖国神社国営化阻止キリスト者グル−プ 野村永子/日本キリスト教
会牧師(小樽) 西岡昌一郎/北海道大学名誉教授 佐藤修/元日本学術会議会員 石
田昭夫/北海道大学名誉教授 神山桂一/日本キリスト教会牧師 山本光一/日本キリ
スト教会牧師 古賀清敬/日本キリスト教婦人矯風会札幌支部 松山正子/前北海道教
育大学教授 三宅信一/弁護士 廣谷隆男/弁護士 猪狩久一/弁護士 高崎暢/弁護
士 三津橋彬/名寄短期大学教授 木村克弥/北海道大学教授 明神勲/稚内北星学園
女子短期大学教授 加藤潔/苫小牧工業高等専門学校名誉教授 金田隆一/鹿児島大学
名誉教授(在札幌) 岡本洋三/大地の会代表(苫小牧) 山川美明/大地の会副代表
 斎藤けい子/北海道歴史研究協議会(幹事) 榊原康夫/弁護士 石田明義/弁護士
 佐藤博文/北海道大学教授 松田彌/函館チャ−ルズオ−バビ−講演会代表 米倉正
夫/函館チャ−ルズオ−バビ−講演会 佐藤かの/北海道大学教授 井上勝生/北海道
大学教授 笹賀一郎/北海道大学助教授 若原正巳/北海道大学名誉教授 藤原滉一郎
/小樽商科大学名誉教授 松本忠司/元北海道大学教授 坂下志郎/北海道大学名誉教
授 高村泰雄/元北海道大学教授 藤井寛治/「全ての軍艦・船を平和の船に」代表 
谷百合子/北海道学生自治会連合代表 布施祐仁/札幌チャ−ルズ・オ−バビ−講演会
 山本玉樹 (以上44名・順不同)


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