Date: Wed, 07 Oct 1998 18:30:00 +0900
From: 加賀谷いそみ <QZF01055@nifty.ne.jp>
Subject: [keystone 709] 秋田県の「事態法」制定反対意見書のことな
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 「新ガイドラインに反対し、有事立法を阻止する秋田県実行委員会」(佐藤裕二代表
世話人)が県内69市町村に提出していた「アメリカの軍事介入に日本を参戦させる『
周辺事態法』の制定に反対する意見書の提出を求める陳情」が、9市町村で採択、3町
で趣旨採択になりました(10月5日現在)。今までは説明を求められた議会には出向
いていましたが、これからは積極的に説明・説得に出掛けようという案が出ています。
どこかの町長みたいに「知らなかったから受け入れた」なんていいわけされたらかない
ません。

採択:横手市・男鹿市・藤里町・五城目町・矢島町・稲川町・羽後町・東成瀬村・皆瀬
村趣旨採択:田代町・西目町・雄物川町

 「周辺事態法案」反対を訴えている市民団体などが、毎週土曜日秋田市駅前などで反
対署名活動をしています。若い人の反応も良いのですが、北朝鮮の話題が出てから、年
配の方の署名が減っているそうです。自衛隊員にも声をかけると、最初は「何に利用さ
れるかわからないから署名はしないよう言われている」と断りますが、説明を聞くと「
訓練が終わると、疲れて寝るだけだし、テレビもラジオもないから全く知らなかった」
と驚く隊員もいるとのことです。
 巷のサラリ−マンは、めいっぱい会社にこき使われて、新聞を読んでも考える気力も
出ない、と話していましたが、そういうのを聞くと、労基法改悪も労働者の「軍隊化」
の地ならしと思えてくるのでありました。

 秋田県議会では、食料不足の北朝鮮に救援米を送ることを求める陳情が不採択になり
ました。市民団体が昨年9月に提出して、ずっと継続審査になっていたものだそうです
。「県内にも人道的立場から遊休米を送ろうという人もいる。国のリ−ダ−がだれであ
ろうと、飢えている子どもたちには関係ない」という意見もありましたが、「県民感情
のたかぶり」を考慮すべきとする意見を受け入れ「(ロケット発射抗議意見書採択の)
議会の意思にそうべき」ということで農林水産委員会で不採択となり、本会議で不採択
にしました。陳情提出者が「県民感情からいってしょうがない」と納得したらしいので
、なんとも言えませんが。

 自衛隊の射撃場誘致を巡り、秋田県五城目町議会が全会一致で誘致の再考や白紙撤回
を求める陳情を採択した後、町長が地元町内会が提出した誘致を求める要望書を理由に
、町内関係者や議員5名(後に6名と判明)と共に上京し、本県出身の代議士の紹介で
、防衛庁長官に直接陳情していたことが明らかになりました。9月定例会で先に白紙撤
回を求めるなどした市民団体は、議会の立場の再度明確化と、関係省庁への誘致の陳情
に関係した議員には道義的責任があるとして、その釈明を求める要請を出し、採択され
ました。
 町議会は議会運営委員会を開いて対応を協議し、「造反」した議員に説明を求めまし
たが拒否。その後、懲罰委員会を設置すべきとか、町長に辞職勧告をすべきとか、「造
反」側からは議長への辞職勧告決議が出る(6:11で否決)など、擦った揉んだがあ
り、代表がその目的や、内容、現在の心情を述べるという妥協案が出されましたが、反
発が強く、一人ずつ本会議で説明するということになりました。その中で一議員は「議
会運営に混乱を招いて申し訳ない」と陳謝しましたが、全員が「法律上、議会の決議は
個人の政治活動を束縛しない」と延べ、今回の行為は正当な政治活動であることを強調
しました。
 町長らは、防衛施設局にも行きましたが、職員から「(誘致陳情などの)書類は上が
ってきていない」との回答を得たと述べています。
 自衛隊としても、町長の借財が絡む醜聞と一緒に世間の話題になったものは、すぐに
はことを運ぶのは避けたいでしょうし、五城目町には防衛庁にとって、それよりも大事
なIDDM(防衛統合デジタル通信網)の設置が決まっていて、土台ができています。
あと県内に何ヵ所か土台を探してしています。そちらまでもパ〜になってはたいへんで
すから、これからもっと「慎重」になるでしょう。
 町長の借財は利子を含めると十億に上るとも言われています。そのためにも是が非で
も町長職を手放すわけにはいかず、どんな手を使ってでもその職にしがみつくだろうと
いうのが、まわりの見方です。地域振興をエサに、住民を取り込む腕には定評があり、
産廃処分場と共に射撃場問題もまだまだ今後、どのような展開を見せるか注目されてい
ます。
 町にはマスコミを含めた「よそ者」にあれこれ言われる筋合いはない、という反発も
あります。まわりには問題の本質に対する地元の反応が鈍いという批判もあります。地
元でもたいていの人はどっちの気持ちも半分半分あると思います。おとなしい地域性を
狙っていかがわしい「よそ者」は入ってくるのです。今まで地域の問題は地域で解決し
てきたし、それが最も良い方法でしたし、村の良さでもありました。今はそれが機能で
きなくなってきています。そういうなごやかな関係の幸せが消えてきているんです。

某議員「事態法に反対する団体はあちこちにあるが、賛成している団体はないものか?
」「さあ、心当たりはありませんけど。国くらいのもんじゃないですか」「・・・・・」
さがせばないことないとは思うのだけれど・・・


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