Date: Thu, 01 Oct 1998 21:57:00 +0900
From: 加賀谷いそみ <QZF01055@nifty.ne.jp>
Subject: [keystone 691] <釧路>海兵隊外出
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 実弾砲撃訓練で矢臼別演習場入りしている在沖縄米海兵隊第12海兵連隊第三大隊で
は、訓練終了後、釧路市内への外出を表明し、29日280人、30日100名が民間
の貸し切りバスで釧路市内の繁華街を訪れ、買物や飲食をしました。幹部十数名は同市
内のホテルに一泊。この外出に備えて、先の18日には海兵隊幹部7人が釧路市内の繁
華街を視察しています。防衛施設局員が同行しましたが、「外出は日本人が米国を自由
に歩けるように、海兵隊もできると考える」として局員と離れて行動する場面もありま
した。
 海兵隊員の外出の際は、施設局員が同行する約束でしたが、今回の訓練に参加する海
兵隊員は390人に上り、職員の同行は事実上不可能として、巡回に切り替えています

 札幌防衛施設局現地本部(別海町)では、「隊員の外出は大隊長の許可が必要であり
、訓練の一環としての外出であるので、公務に当たるもの」としています。30日で集
団的な外出は終了したが、個人的な外出は上官の許可のもとにありえるとし、同様に公
務としての外出であり、施設局員が「案内にたつ」と述べています。
 「公務」としての外出であると強調するのは、隊員の「慰安」のための外出であって
も、その際の事件事故に対して「公務の際の裁判管轄権が、日米地位協定に基づき」適
用され、日本の裁判権が及ばない事を意味するものです。
 しかし隊員の中には、「公務」としての外出であるという認識のない人もいて「自由
な外出」と話す隊員もあり、また施設局員の同行に関しても「約束は知らない。われわ
れはどこでも自由に歩ける」と断言する隊員もいたとのことです。
 市民の観察によると、施設局員の同行を伴わない行動もみられ、少人数のグル−プで
買物や飲食を楽しんだ様子です。
 商工団体など「以前釧路港に寄港した米海軍が街で飲んだが、何の問題もなかった。
お客さんとしてきてくれるのはありがたい」と歓迎する声もありますが、高校などでは
生徒に早めの帰宅を呼びかけるなどの対応におわれ、「海兵隊の外出禁止」を求めてい
る市民団体などは、「約束さえも反古にするものであり、なし崩しに既成事実を積み上
げ、米軍の意のままにされる」として反発を強めています。
  某幹部は、「最高の規律ある」海兵隊員の人権を振りかざしているようですが、人
権無き軍隊の維持者にそれをうんぬんできるものでしょうか。
 以下、市民団体「市民フォ−ラム946」の釧路市長にあてた要請文と、集会の案内

【要請文】

    米海兵隊の実弾砲撃訓練の固定化に反対し、米国本土への早期撤退
    および、第12海兵隊第3大隊隊員の外出禁止を関係機関に求める
             要請文

 釧路市長
    綿貫健輔 様

 去る9月17日から開始された、沖縄米海兵隊による矢臼別演習場での実弾射撃訓練
で、10日間で約3、000近い砲弾が発射され、地域住民が強く反対していた夜間砲
撃訓練も、昨年より二日間も多い八日間にわたって行われましたが、これは昨年、日米
両政府間で交わされた本土移転条件である「沖縄と同質・同量の訓練」さえも無視する
ものとして、絶対に容認できるものではありません。
 また、昨年と今年の演習で、兵員や武器の輸送に釧路・中標津・花咲の空港や港が使
用されたことは、「有事」の際における米軍による施設利用最優先を謳った「新ガイド
ライン」を先取りしたものであったことを一層明らかにしたと言えます。
 しかも今年は、以前より予想されていた「海兵隊の外出」が早々と発表され、既に現
地では、「隊員の外出は文化や地域を学ぶ訓練」ということで外出が行われています。
またここ釧路においても、今月の上旬に釧路市内繁華街の調査が数回行われるなど、訓
練終了に伴って、今週中にも外出が強行されようとしています。
 この事に関して市長は、「海兵隊は良識をもって行動すると思う。釧路を堪能してほ
しい」などと発言したとされますが、戦争の斬り込み隊である海兵隊が、沖縄を始め世
界各国で引き起こした事件事故は枚挙に暇がないほどであり、三年前に起きた沖縄少女
暴行事件はその典型的な例に他なりません。
 市長の発言は、「外出禁止」を強く要望している地元三町の住民感情を逆なでするば
かりか、この釧路で生活する市民の安全を第一に考えるべき立場を忘れた暴言であると
言わざるを得ません。
 「隊員の外出には職員が同行するので問題がない」とする防衛施設庁の回答もありま
すが、「日米地位協定により、隊員は自由にどこでも行ける」とする現地海兵隊第三大
隊長の発言や、その後目撃された外出状況を聞く限り、彼らがそれを完全に守る保証は
全くなく、地域住民の不安は大きくなるばかりであると考えます。
 よって『反核平和都市』を高らかに宣言している自治体の長として、戦争訓練のため
に地元の空港を使用されること、更には、同じ地方自治体が中央政府の強引な手法によ
る移転強要の結果、様々な方面で軋轢を生んでいることの問題性を直視し、これ以降の
砲弾訓練の中止と米海兵隊の本国撤退、そして今回の海兵隊の外出の禁止を、関係省庁
はもとより日米両政府に強く求めることを要請いたします。

                1998年9月28日
                     市民フォ−ラム946

【集会案内】
   米海兵隊の実弾砲撃訓練の固定化と、外出問題
       を考える市民の集いのご案内

 去る9月17日から開始された、沖縄米軍海兵隊による矢臼別演習場での実弾砲撃訓
練で、10日間で約3、000近い砲弾が発射され、地域住民が強く反対していた夜間
砲撃訓練も、昨年より二日間も多い八日間にわたって行われました。
 これは昨年、日米両政府間で交わされた本土移転条件である「沖縄と同質・同量の訓
練」にさえも反するものであり、絶対に容認できるものではありません。
 また、昨年と今年の演習で、兵員や武器の輸送に釧路・中標津・花咲の空港や港が使
用されましたが、迷彩服のままの兵士が白昼堂々と航空管制を無視して空港に降り立つ
ということは、「有事」の際における米軍の国内施設利用最優先を謳った「新ガイドラ
イン」が、早くも機能していることを物語っています。
 加えて今年は、以前より予想されていた「海兵隊員の外出」が早々に発表され、現地
別海町では、「隊員の外出は文化や地域を学ぶ訓練」「ボランティア」と称して神社の
草刈りや老人ホ−ムの訪問が行われるなど、海兵隊のイメ−ジアップに乗り出しました

 またここ釧路市においても、今月の上旬に釧路市内繁華街の調査が数回行われ、訓練
終了に伴って今週中にも外出が強行されようとしています。
 この事に関し釧路市長は、「海兵隊は良識をもって行動すると思う。釧路を堪能して
欲しい」などと発言し、「外出禁止」を強く要望している地元三町の住民感情を逆なで
したばかりか、ここ釧路で生活する市民の安全を第一に考えるべき立場を忘れ、政府・
防衛庁にただ追従する言動に終始しています。
 しかし、海兵隊の任務は、戦争地に真っ先に乗り組む「斬り込み隊」であり、軍隊の
もつ攻撃性を最大限に発揮するように訓練された部隊でもあります。三年前の沖縄少女
暴行事件を始め、海兵隊が世界各国で行ってきた蛮行には枚挙に暇がないほどです。
 防衛施設局は「隊員の外出には職員が同行するので問題がない」と言っていますが、
「日米地位協定により、隊員は自由にどこにでも行ける」とする現地海兵隊第三大隊長
の発言や、その後各地で目撃された外出状況を聞く限り、彼らがそれを充全に守る保証
は全くなく、地域住民の不安は一層拡大されています。
 こうした事態を目の前にして私達は、『反核平和都市』を高らかに宣言している街の
市民として、戦争の訓練のために空港が使用されたこと、更には、米海兵隊の外出によ
って引き起こされる多くの問題点などについて広く意見を交換し、市政の主人公として
の意思表示をする場を設けることにしました。是非皆さん方の参加をお待ちしています

            1998年9月28日
                   市民フォ−ラム946
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■と き  10月5日(月)・午後6時30分
■ところ  釧路市福祉会館5階(504号室)
■なかみ  ビデオ上映・主催者からの問題提起
      意見交換・アピ−ル採択(予定)
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