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Date: Sun, 6 Sep 1998 12:18:59 +0900
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From: "M.Shimakawa" <mshmkw@tama.or.jp>
Subject: [keystone 611] from FACTIVE > 北朝鮮がミサイル実験/ミサイルは人工衛星/他(1)
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Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org
 

                             [TO: aml, keystone]

                            (from FACTIVE <nifty.ne.jp> 改行位置等若干変更)
 ---------------------------------------------------------------------------

*- FACTIVE  MES(13):●分科会 戦争 平和 基地問題  
*191   SDI00872  山崎 久隆        RE:基地>F1空自機消息を絶つ
(13)   98/09/01 12:16  181へのコメント

 その後の消息ですが、第二管区海上保安本部の巡視船「あぶくま」などが26日午
前3時半過ぎに岩手県久慈市の東南東約60キロ沖で機体の一部を発見しました。
 空自松島基地のヘリコプターが26日午前8時前、同じ海域で身元不明の遺体の一
部を発見。後にDNA鑑定などでパイロットと確認。二機のパイロットの死亡が確認
されています。

 F1は3機編隊で1機が教官機、前を行く2機が訓練機で全国のF1のパイロット
から成績が優秀な4人が選ばれて行われる「戦技課程」の受講者。久慈市の沖合およ
そ60キロに設定した海上目標を、接近する敵艦船とみたてた洋上攻撃訓練中で、訓
練機2機は約30メートルの間隔を維持しながら、高度150メートルから300メ
ートルで洋上の攻撃目標に近づく訓練をしていたもの。
 目標に接近して、急旋回してほぼUターンに近い形で高度を上げている時に、2機
の位置で火の玉が見えたとの教官機の証言から、空中接触の可能性が高いとみられて
います。
 レーダーの画像上でも規定の30メートルよりも2機の間隔は接近していたとも言
われています。
 
 鈴木重令三沢市長は記者会見し「二度と事故が起こらないよう、原因を早く調査し
てもらいたい。それまでは飛行を遠慮してもらいたいと思う」と語ったそうです。
 
 八戸市の市民団体も、訓練中の事故を重く見ており、地上への墜落など、さらに危
険な事故につながりかねないと、市などに申し入れをしています。
 
 
                                                   YAMASAKI (SDI00872)

*192   SDI00872  山崎 久隆        ミサイル>98/08/31北朝鮮がミサイル実験
(13)   98/09/01 12:17                   コメント数:5

 第一報はNHKが流しています。昼過ぎのニュースではこれが軒並みトップになっ
ていたようです。

NHK   08/31 14:49 北朝鮮が弾道ミサイル発射 在日米軍が防衛庁に連絡
NHK   08/31 14:49 北朝鮮ミサイル発射実験 ノドン開発後の動きと背景
NHK   08/31 17:34 北朝鮮 過去に4発のミサイル発射実験
NHK   08/31 17:34 北朝鮮ミサイル発射 米は衛星で察知、今月初めから警戒
NHK   08/31 17:34 北朝鮮 弾道ミサイル発射か 技術開発誇示も
NHK   08/31 17:34 北朝鮮がミサイル発射 日本海公海上に落下 在日米軍連絡
NHK   08/31 18:04 北朝鮮ミサイル発射 米軍が早期警戒情報で初伝達
NHK   08/31 19:04 北朝鮮ミサイル発射 訪朝の中東軍関係者に性能アピールか
NHK   08/31 19:04 額賀防衛庁長官「北朝鮮ミサイル発射は遺憾」
共同通信 08/31 19:25 北朝鮮が日本海へミサイル発射実験  建国50年で政治的狙
朝日新聞 08/31 19:40 ◇極東ロシア軍事筋が北朝鮮ミサイルの着弾を確認◇
朝日新聞 08/31 20:25 ◇北朝鮮ミサイルに「なぜ」、緊張の空自小松基地◇
時事通信 08/31 20:29 ◎北朝鮮ミサイル、発射に失敗か=ロシア軍
読売新聞 08/31 21:48 ミサイル発射に中東関係者立ち会う?
読売新聞 08/31 22:10 9月1日付・読売社説(1)やはりTMD研究は急ぐべきだ
朝日新聞 08/31 22:30 ◇北朝鮮が日本海に向けて五年ぶりにミサイルを発射◇
朝日新聞 08/31 23:12 ◇北朝鮮が二段式ミサイルを発射、日本海と太平洋に落下◇
毎日新聞 08/31 23:41 <北朝鮮ミサイル>「事前通告なし極めて危険」野中官房長官
毎日新聞 08/31 23:41 <北朝鮮情勢>金総書記主席就任へ Q&A「素朴な疑問」
毎日新聞 08/31 23:49 <北朝鮮ミサイル>識者談話=武貞秀士氏「性能誇示する意味
毎日新聞 08/31 23:58 <北朝鮮ミサイル>防衛庁は騒然 識者ら「日本の空は丸腰」
時事通信 09/01 00:02 ◎北朝鮮に厳重抗議=日本の安全保障にとって極めて遺憾―官
読売新聞 09/01 00:21 ミサイル発射についての防衛庁発表
朝日新聞 09/01 00:23 ◇北朝鮮ミサイル試射、日本海沿岸各地に衝撃広がる◇
毎日新聞 09/01 00:51 <北朝鮮ミサイル>「厳重抗議する」野中官房長官コメント=
朝日新聞 09/01 01:09 ◇北朝鮮のミサイル発射実験は外国人訪朝中の売り込み?◇
朝日新聞 09/01 01:12 ◇北朝鮮が弾道ミサイルを発射、日本海と三陸沖の太平洋に◇
毎日新聞 09/01 01:12 <北朝鮮ミサイル>防衛庁は騒然 識者「日本の空は丸腰」=
毎日新聞 09/01 01:15 <北朝鮮ミサイル>政府に衝撃 「極めて遺憾」厳重抗議の意
毎日新聞 09/01 01:24 <北朝鮮ミサイル>日本海向け発射 本土上空越え着弾か=再
毎日新聞 09/01 01:29 <北朝鮮ミサイル>防衛庁に衝撃 識者「日本の空丸腰」=再
時事通信 09/01 01:40 ◎北鮮ミサイル発射、三陸沖に着弾=弾頭部分、列島上空飛び
時事通信 09/01 01:52 ◎現状ではミサイル対処困難―防衛審議官
読売新聞 09/01 02:09 地元関係者、ミサイルに不安と憤り
読売新聞 09/01 02:26 日朝関係悪化は必至
読売新聞 09/01 02:26 ミサイルは2段式、三陸沖に着弾
朝日新聞 09/01 02:56 ◇北朝鮮ミサイルで日本政府、「極めて遺憾」と直接抗議◇
時事通信 09/01 06:13 ◎ミサイル着弾海域を捜索へ=詳しい着弾点、種類など解明に
共同通信 09/01 08:33 北朝鮮ミサイル、日本上空を通過  太平洋と日本海に着弾
共同通信 09/01 08:35 政府、情報収集を本格化  北朝鮮ミサイルで対応協議
 
 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が弾道ミサイルを発射したという情報は、まず
在日米軍から防衛庁に伝えられました。
 在日米軍司令部が「早期警戒情報」として伝えた情報は、午後0時過ぎに日本海に
向けて弾道ミサイル1発が北朝鮮の東部沿岸から発射され、着弾予想地点は北緯40
度54分、東経134度3分の日本海というものでした。
 しかし夜になって防衛庁が発表した内容は、「諸情報を総合的に分析したところ、
北朝鮮東部沿岸から発射された弾道ミサイルは三陸沖の公海に弾着した可能性がある。
飛行距離から、テポドンの可能性がある。9月1日早朝から海上自衛隊の艦艇と航空
機でミサイルの捜索を行う。  領空侵犯に該当するかどうかは、  判断するのは困難
だ。」ということで、実際のミサイルは一部が日本海に、一部が太平洋上に落下した
としています。
 このあたり、情報が錯綜しているのですが、当初アメリカがつかんでいた情報が、
8月中旬頃から北朝鮮がミサイル実験を計画しているもようであり、フリゲート艦を
日本海に出していることから、5年前のミサイル実験と同様の実験を行う可能性があ
るとみていたところ、ミサイル発射を確認したのでフリゲート艦の付近を標的と見た
ということなのでしょう。
 
 野中官房長官のコメント。
 
 現時点で諸情報を総合的に分析した結果、北朝鮮東部から発射された弾道ミサイル
は、わが国三陸沖の公海に着弾した可能性がある。
 これは、わが国の安全保障や北東アジアの平和と安定と、大量破壊兵器の拡散防止
という観点から、わが国としては極めて遺憾であり、厳重抗議の意を表明する。
 わが国の船舶、航空機等が多数活動している日本近海で具体的な事前通報なしに行
われたことは極めて危険な行為だ。
 31日午後10時(日本時間)、北朝鮮国連代表部リ・グン次席大使に対し、今回
の実験実施に対する遺憾の意を直接伝えた。
 
 5年前に行われた実験はいわゆる「ノドン」とアメリカが呼称しているミサイルの
実験でしたが、 今回はそれより射程の長い弾道ミサイルと見られています。 これを
「テポドン」と呼称していますが、もちろん北朝鮮側の言い方ではなくて、これもノ
ドン同様、アメリカ軍が便宜的に付けたもので、最初に衛星で撮影された地点「大浦
洞(テポドン)」に由来するそうです。
 飛距離は2000〜3200キロとされていて、これですと日本列島全域が含まれ
ます。まえのノドンの場合は1000キロとされていて、日本の半分くらいが範囲に
含まれるとされています。
 
 北朝鮮は過去に4回ミサイル実験を行ったことが知られているのですが、いずれも
射程1000キロ以下のものとみられ、日本海上を目標としていました。日本列島を
飛び越えたのが事実となれば、初めてのことです。また、公海上に落ちたとしても、
領空を侵犯したのかも問題となります。防衛庁は大気圏外を通過していれば領空侵犯
とは言えないとしていますが、高度も含めて詳細はわかっていません。
 いずれにしろ、無通告で船舶が航行している可能性のある海域にミサイルを撃ち込
むなど、弾頭がついていようといまいと暴挙であることには変わりはありません。
 外務省首脳は、記者会見で実験準備の情報が8月中旬にアメリカから入って以来、
北朝鮮側に再三中止を求めてきたことを明らかにしましたが、結局無視された形とな
りました。
 
 
 暴挙は暴挙なのですが、経済的にも水害被害などでも危機的状況にある北朝鮮が、
いまなぜミサイル実験なのかという点が疑問とされています。
 報道では、中東諸国に北朝鮮がミサイル輸出をしていることから、それに関するデ
モンストレーションではないかという見方が強くあります。中東の軍事関係者が立ち
会っていたという報道(読売)もあります。もう一つの見方は、9日から開会される
北朝鮮の最高人民会議でキムジョンイル国家主席に就任することや、建国50周年に
当たることで、国威発揚を狙ったものではないかというのもあります。
 さらに行き詰まり状況の米朝会談の最中でもあることで、それに対する牽制という
見方もでていますが、こちらのほうは相手のある話だし、アメリカがそれで譲歩する
わけもないので、見方としては否定的です。
 
 結局は外貨獲得に背に腹を変えられないというのと、国威発揚という、どちらも想
像を絶する理由なのでしょう。
 
 さて、識者の談話というのがいくつか出ていますが、2つ紹介しておきます。
 軍事評論家の桃井真さん
 北朝鮮のミサイルが1300キロ以上飛ぶことを示したのは初めてで、重要な輸出
品であるミサイルの品質の証明が一番の狙いだろう。領空の高さは国際法上も明確な
規定はないので、今回のケースは違反とはいえない。それより、今後は日本にある原
発施設にミサイルを落とすと脅されても無視できなくなった。心理的な脅威は高まっ
たといえる。
 
 前田哲夫・東京国際大学教授
 北朝鮮のミサイル技術が予想外に進歩していたことは驚きだ。だが、狙った目標に
確実に達しているかが問題だ。向かって来るミサイルに対抗する軍事的な技術はいま
のところなく、外交的に対応するしかない。
 
 河尻融防衛審議官
 現有する(地対空誘導弾)パトリオットを含め、  北朝鮮の(ノドンやテポドンな
ど)スカッドミサイルに対応するシステムを日本は保有していない。対処は困難だと
思う。
 
 
 ま、こういう話が出てくるわけですが、読売社説は例によってやってくれました。
 今年の概算要求がでている時期なのですが、戦域ミサイル防衛構想(TMD)に関
して防衛庁は総合調査費2000万円だけしか要求していないのは、  表向きの理由
「アメリカとの調整が済んでいない」ではなく、中国の横槍が原因であるとして、そ
ういった外圧で日本の防衛政策が変更されたとしたら「安保政策の信頼性に自ら疑問
符をつけることにもなりかねない」として、TMD研究に積極的に取り組めと叱咤激
励をしております。
 しかし防衛庁は技術研究費として約10億円を年末の大蔵折衝で計上する方針とし
ていて、江沢民主席の訪日後には具体的に進めることは折り込み済となっているよう
ですから、別にTMD構想を放棄したわけでもありません。(放棄してくれたんだっ
たらなんぼか嬉しいがね)
 読売の最大の間違いは、TMD構想がそもそも「あてになるしろもの」であるかど
うかという点が考慮されていないことと、それがミサイル軍拡につながりかねない危
険を無視している点でしょう。
 
 だいたいがSDI構想にしろ、弾道弾ミサイルを空中で迎撃できる保障などはどこ
にもなく、莫大な研究費をかけて取り組んでみたところで結果は知れています。今回
の例を見ても、早期警戒段階でさえ発射したことはわかっても目標がどこなのかがわ
かるわけでもないし、着弾点に至ってはさっぱりわかっていません。
 湾岸戦争時に実際にイラクからスカッドミサイルを撃ち込まれているイスラエルで
さえ、TMD開発をしているとは聞いたことがありません。実用性に問題があるから
でしょう。
 社説では「平和主義を掲げる日本の安保政策が、周辺各国に脅威を与えたり、不安
定要素を作り出したりするようなことはあってはならないのは当然である。その点、
TMDは純粋に防御的であり、専守防衛の日本に適したシステムと言っていい。その
技術的な可能性を研究することは国際的にも認められる権利だ。」と主張しています
が、これもまた軍事の常識がわかっていない主張です。防衛的システムも、運用によ
っては十分「攻撃的」に使われますし、世界最初のミサイル防衛システムの議論でも、
ABS制限条約に見られるように、こちら側が弾道ミサイルを防衛しながら相手に脅
威を与えるようなケースは、防御システムであっても制限の対象とされたわけです。
(もっとも、実用性に重大な欠陥があるので当時の米ソも制限に合意したという点も
ありますが)
 日本とその周辺を北朝鮮との関係で考えるのであれば、日本独自の軍事力は確かに
あまり脅威とは言えないかも知れませんが、相手から見れば日米の軍事力は一体不可
分のものであり、軍事戦略上も日米軍との攻防を前提にするのは当然です。そうなっ
た場合、日本に配備されるTMDは日本にある米軍のTMDでもあり、北朝鮮にとっ
ては、まさに敵国の攻撃への反撃が封じられると映ります。それに対抗するには、単
純には配備ミサイル数を増大させると共に耐靭性の高い地下サイトなどに移すという
手段に出るでしょう。配備数が倍になっただけで、それまでのTMDはほとんど無力
化されるという説もありますので、結局はいたちごっこになるだけのことです。
 弾道ミサイルを軍事的に防御しようという発想そのものが、冷戦時代の遺物で、国
家の威信をかけて取り組んだはずのアメリカでさえ独力での開発を断念したしろもの。
日本を巻き込むことで、莫大な資金を捻出させようという腹でしょう。
 北朝鮮を軍拡競争に巻き込んで、暴発を招くようなことは、相手がどう出るか読め
ない国であるだけになおさら慎むべきでしょう。
 
 
                                                   YAMASAKI (SDI00872)

*196   SDI00872  山崎 久隆        ミサイル>98/09/01北朝鮮がミサイル実験
(13)   98/09/04 13:44  192へのコメント

 報道チェックの続きです。9月1日分をまとめます。

共同通信 09/01 09:07 「北」代表、沈黙  米国と北朝鮮の高官協議NYで続開
毎日新聞 09/01 11:04 <米朝高官協議>米国連代表部で再開 ミサイル実験に議題集
読売新聞 09/01 11:07 米朝協議で、米がテポドンに懸念表明
時事通信 09/01 11:14 ○ミサイル着弾海域を捜索―防衛庁など=自衛隊艦艇、航空機
朝日新聞 09/01 11:14 ◇北朝鮮ミサイル発射、安保理での論議も―高村外相◇
NHK   09/01 11:19 北朝鮮ミサイル日本上空通過の可能性 防衛庁の対応
NHK   09/01 11:19 北朝鮮のミサイル、太平洋に着弾の可能性 厳重に抗議
NHK   09/01 11:19 米朝協議再開 米、北朝鮮にミサイル発射で真意ただす
NHK   09/01 11:19 北朝鮮ミサイル発射問題できょう安保会議議員懇
毎日新聞 09/01 11:24 <北朝鮮ミサイル>岩手・宮城県の漁民に怒りと戸惑い
毎日新聞 09/01 11:24 <北朝鮮ミサイル>三陸沖東方数百キロに着弾 防衛庁発表
共同通信 09/01 11:29 首相、情報収集徹底を指示  北朝鮮ミサイル発射で安保会議
読売新聞 09/01 11:32 安保会議懇を緊急開催
NHK   09/01 11:37 高村外相 北朝鮮ミサイルで安保理に議題提案を検討
共同通信 09/01 11:43 あからさまな北朝鮮の威嚇行為  自由がミサイル発射で談話
NHK   09/01 11:48 北朝鮮ミサイルの破片 防衛庁が三陸沖で捜索
朝日新聞 09/01 11:53 ◇政府、安全保障会議議員懇談会を招集◇
共同通信 09/01 11:53 北朝鮮の傍若無人な発射実験  上空がミサイル交差点に
朝日新聞 09/01 11:55 ◇海上自衛隊、北朝鮮ミサイル着弾海域を捜索◇
共同通信 09/01 12:08 ミサイル発射は「極めて憂慮」と首相  緊張続く防衛庁
NHK   09/01 12:19 高村外相 北朝鮮ミサイル問題 国連安保理に提案検討
NHK   09/01 12:19 米朝協議 米側、北朝鮮のミサイル発射に強い懸念表明
NHK   09/01 12:32 「北」ミサイル問題で緊急安保会議員懇 高村外相、安保理で
朝日新聞 09/01 12:34 ◇米朝協議が再開、ミサイル問題で米が懸念表明◇
共同通信 09/01 12:41 首相「極めて憂慮」 北朝鮮のミサイル発射で安保会議懇
時事通信 09/01 12:45 ○国連安保理提起も選択肢=日米韓で緊密協議―高村外相
毎日新聞 09/01 13:11 <北朝鮮ミサイル>国連安保理への提起も選択肢 高村外相
朝日新聞 09/01 13:47 ◇北朝鮮ミサイル、政府が安全保障会議議員懇談会を招集◇
読売新聞 09/01 14:25 ミサイル問題、安保理協議も
時事通信 09/01 15:31 ◎テポドンの着弾確認は困難か=8月15日前後から監視強化
時事通信 09/01 17:36 ◎安保理提起、慎重に判断=戦域ミサイル防衛予算計上を示唆
NHK   09/01 17:48 北朝鮮ミサイル 先月中旬から日本海重点に警戒強化 海上幕
NHK   09/01 18:18 北朝鮮ミサイル発射問題 野党各党の反応
NHK   09/01 18:50 ミサイル発射問題 運輸省 旅客機安全運航で国際機関に申し
共同通信 09/01 18:52 太平洋上は2地点に落下  弾頭は三陸沖500キロ公海か
NHK   09/01 19:04 北朝鮮ミサイル捜索 太平洋・日本海に形跡みつからず
共同通信 09/01 19:14 国は毅然とした対応を  木村青森県知事
NHK   09/01 19:18 政府 北朝鮮政策を決定 国交正常化交渉当面見合わせ
共同通信 09/01 19:50 国交正常化交渉見合わせ  北朝鮮ミサイルで政府
毎日新聞 09/01 19:54 <北朝鮮ミサイル>「生き残り戦術」の一環との分析−韓国で
毎日新聞 09/01 20:03 <北朝鮮ミサイル>在日米軍基地を抱える自治体住民らいら立
朝日新聞 09/01 20:16 ◇高まる「偵察衛星保有論」、TMD推進の動きも◇
毎日新聞 09/01 20:24 <北朝鮮ミサイル>政府の「危機情報」をめぐる動きを検証
毎日新聞 09/01 20:25 <北朝鮮ミサイル>政府方針の骨子
共同通信 09/01 20:27 日韓防衛首脳会談の要旨
時事通信 09/01 20:40 ◎テポドンの着弾確認は困難か=捜索は当面継続の方針―海自
共同通信 09/01 20:42 太平洋には2地点に落下  弾頭は三陸沖5百キロ公海か
共同通信 09/01 20:42 各党が談話を発表
毎日新聞 09/01 20:49 <北朝鮮ミサイル>三陸沖の太平洋2カ所と日本海の計3カ所
毎日新聞 09/01 20:52 <北朝鮮ミサイル>日朝国交正常化交渉再開に当面応じない 
時事通信 09/01 21:01 ◎外相、安保理議長声明採択に積極姿勢=北ミサイル懸念共有
毎日新聞 09/01 21:07 <北朝鮮ミサイル>日韓両国の防衛審議官級協議開始で合意
朝日新聞 09/01 21:10 ◇政府、北朝鮮政策を転換、国交正常化交渉は凍結◇
朝日新聞 09/01 21:21 ◇北朝鮮ミサイルは三カ所に落下、防衛庁◇
毎日新聞 09/01 21:31 <北朝鮮ミサイル>「生き残り戦術」との分析−−韓国で有力
読売新聞 09/01 21:53 政府・自民が防空システム強化
毎日新聞 09/01 22:09 <社説・ミサイル>開発と配備、輸出中止せよ
読売新聞 09/01 22:16 政府の対北対処方針固まる
毎日新聞 09/01 22:44 <北朝鮮ミサイル>中東へ売却攻勢も 注目集めるイラン
朝日新聞 09/01 22:54 ◇政府、北朝鮮政策を大幅転換、国交正常化交渉は凍結◇
毎日新聞 09/01 22:55 <北朝鮮ミサイル>ミサイルの拡散問題
毎日新聞 09/01 23:14 <北朝鮮ミサイル>「国際法に抵触」−−外務省条約局長
毎日新聞 09/02 00:31 <北朝鮮ミサイル>安保理開催など野党各党求める
毎日新聞 09/02 00:50 <北朝鮮ミサイル>日朝交渉、再開応じず−−政府方針=替
USJournal09/02 06:27 (社説・論説)北朝鮮の挑戦
USJournal09/02 06:27 (アメリカから見た日本)北朝鮮ミサイル実験
USJournal09/02 06:27 (米国国際記事)北朝鮮が日本越ミサイル発射
 
 情報の流れかたに疑問が出てきています。一体何時日本は全貌を知ったのか。
 31日の深夜になり、ミサイルが日本を飛び越えて太平洋に着弾したことを防衛庁
の河尻融防衛審議官が明らかにするのですが、実はその前に韓国が着弾地点について
北緯40度11分、東経147度50分の太平洋上で、青森県三沢市の東北約580
キロの太平洋上にあたる、と発表していることから、マスコミや議員などが「いった
いどうなっているのか」と政府に詰め寄るという事になりました。
 額賀防衛庁長官は1日午前に明らかにしたところでは、アメリカ軍情報として太平
洋上に着弾したとの通知が防衛庁に入ったのは31日午後3時ごろだったそうで、そ
の段階では「ミサイルは2発発射された」などの情報もあって確認が遅れたことを公
表の遅れとしているようです。
 これについて与野党議員から「どうなっているのか」という疑問が続出しています。
まず、与謝野通産相「ニュースメディアとタイミングが同じ」関谷勝嗣建設相「電話
一本でも知らせてほしい。白昼夢を見ているような防衛体制だ。危機管理の基本で、
監視体制をもっときちっとすべきだ」。深谷自民党総務会長は午後6時ごろ、自動車
電話で外務省から「日本海公海に着弾した」と連絡を受けたものの、「三陸沖」の情
報を知らないまま夜を過ごし、議員会館の深谷事務所に防衛庁が官房長官談話をファ
クスで送ったのは1日午前2時38分で、秘書が翌朝来て初めて分かったというわけ
で、「危機管理の反応が鈍すぎる」と不満たらたらだったとか。
 額賀防衛庁長官はこれに対して「日本海に着弾したのとは大きく問題が違う。いた
ずらに情報を流して国民を不安にさせてはいけないと判断した」と反論。
 では自衛隊側はどうだったかと言いますと、海上自衛隊山本幕僚長によると、「事
前に情報を得て8月15日前後から警戒体制を強めていた。日本海側に重点を置き、
太平洋側の海上には艦艇は出さなかったが航空機は太平洋側にも出していた。着弾は
日本海、太平洋のいずれも可能性があると考えていた。」として、早い段階で北朝鮮
が射程距離の長い新型ミサイル実験を行うという情報を得ていたことを明らかにして
います。これは防衛庁長官も認めています。この事前情報を明らかにしてこなかった
ことについては、野党から批判の声も出ています。新党平和の神崎代表は記者会見で
「日本の安全保障に重大な脅威を与える問題であり、政府は、いつ情報を入手し、ど
のような対応をしたのか国民の前に明らかにすべきだ」と述べています。
 
 海の安全を守る役目の海上保安庁についてはどうだったかというと、防衛庁などか
らは事前にはなにも連絡がなく、マスコミ情報に基づく対応をせざるを得なかったと
のこと。31日昼過ぎに「日本海にミサイル落下」の通信社電を海保本庁が第9管区
海上保安本部(新潟)などに連絡し、現場は日本が主張する日露中間線(能登半島珠
洲岬の北西約350キロ)より約150キロ先のロシア側の排他的経済水域内とみら
れたことから、中間線手前まで巡視船2隻を派遣して付近を航行する漁船に被害の有
無や目撃などの情報提供を呼び掛けたそうです。そうするうちに午後9時ごろからテ
レビのニュースで「2段目が三陸沖に着弾」と放映されたので、第2管区海上保安本
部(塩釜)から巡視船2隻を着弾海域とされた北海道襟裳岬の東南東約440キロの
太平洋に向かわせるとともに防衛庁に問い合わせたそうですが、報道以上の情報は得
られなかったそうです。
 
 海上自衛隊は午前4時半から現場海域と思われる区域に捜索隊を派遣しています。
 派遣されたのは海上自衛隊大湊基地所属の護衛艦「さわぎり」など護衛艦3隻と、
八戸基地所属のP3C哨戒機1機。
 
 各党の談話要旨をまとめておきます。
 
 自民党(森喜朗幹事長)
 安全保障上、極めて由々しい事態で、強い怒りを持って抗議する。北東アジアの平
和と安定に緊張をもたらす暴挙で、国威発揚が狙いなら愚かな行動と言うほかない。
意図的ならば不幸な事態を招来してもおかしくない。
 
 民主党(羽田孜幹事長)
 極めて遺憾。政府は北朝鮮のミサイル開発能力と意図などを早急に調べるとともに、
国連安全保障理事会の緊急開催を求め、同国のミサイル開発禁止を国際社会の意思と
して働き掛けるべきだ。
 
 共産党(志位和夫書記局長)
 わが国の主権と安全を脅かすものとして、大変重大。北朝鮮に対し厳しく抗議する
とともに、事実関係の全容を明らかにし、こうした乱暴な行為を繰り返さないことを
求める。
 
 新党平和(神崎武法代表)
 ミサイルが日本上空を通過したのは日本の安全保障上、大きな脅威だ。政府はいつ
の時点で情報をキャッチし、これまでどう対応し、これからどうしていくのか明らか
にすべきだ。
 
 公明(高野博師国際局長)
 政府は、正確な情報の収集に手間取る原因となった防空システムを早急に再点検、
安全保障・危機管理体制の確立を図るべきだ。国交正常化交渉は当面、凍結するなど
断固とした姿勢を示すべきだ。
 
 自由党(野田毅幹事長)
 あからさまな威嚇行為で、看過できない。日米防衛協力指針関連の法制整備や有事
法制の整備を進めるべきだ。国交正常化交渉は凍結、日本人拉致(らち)疑惑の解明
など断固とした姿勢を貫くべきだ。
 
 社民党(渕上貞雄幹事長)
 東北アジア全体の緊張を増すことになり、強く是正を求める。軍縮と信頼醸成措置
を推し進める努力が重要。事態打開のため、四者会談の進展と国交正常化交渉の再開
を強く望む。
 
 さきがけ(武村正義代表)
 北東アジア地域の平和と安全に重大な脅威を与える挑戦的行為。早急に危機管理体
制を整備、北朝鮮に対しては断固たる態度で臨み、愚挙を容認しないことを強く示す
ことを求める。
 
 政府の対応をまとめておきます。
 31日夜(日本時間)ニューヨークの日本の国連代表部を通じて、北朝鮮の国連代
表部のキム・チャン・グク次席大使に対して遺憾の意を伝えました。北朝鮮側の反応
は高村外務大臣が翌日明らかにしたところでは「北朝鮮は抗議に対し、否定も肯定も
していないが、日米安保条約と日本の防衛政策への批判を繰り返した」もよう。さら
に政府は、KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)が核兵器開発の中止の見返りと
して北朝鮮に供与することになっている軽水炉の建設費の分担に関する合意文書への
署名を見合わせる決定をしました。
 1日午前には、閣議の後に「安全保障会議議員懇談会」を開きました。懇談会には
小渕首相、高村外相、宮澤蔵相、川崎運輸相、西田自治相、野中官房長官、額賀防衛
庁長官など10閣僚(一部報道では首相以下7閣僚とも)と秋山昌広防衛事務次官、
夏川和也統幕議長、佐藤謙防衛庁防衛局長、加藤良三外務省総合政策局長、江間清二
内閣安保・危機管理室長などが出席しています。「懇談会」というのは、報道によれ
ば「重大緊急事態への対処措置などを審議する安全保障会議と同じメンバーで、より
自由な討議を行うための会合」なのだそうです。なお、会議は10分間だったようで
す。
 この場では、高村外務大臣は、「日本の安全保障や北東アジアの平和と安定、大量
破壊兵器の拡散防止という観点からも、極めて憂慮する事態であり、政府は、ニュー
ヨークの国連代表部を通じて、北朝鮮側に厳重に抗議した。今後、北朝鮮との関係は
厳しいものになる」と述べ、額賀防衛庁長官は「弾道ミサイルに対する防衛体制の強
化についても早急に検討したい」と述べました。そして、小渕首相は「ミサイルが日
本の上を通過し、太平洋に着弾した可能性があり、国民各位の不安は高く、極めて憂
慮している。  北朝鮮にどのような政策をとるかという検討や情報収集に努めてほし
い」と述べたとのこと。
 
 国際法上の問題についての議論ですが、いくつかの見解が出ています。
 外務省の東郷和彦条約局長は1日に開かれた衆院安全保障委員協議会で、「一般論
として、公海でミサイル発射実験を行うこと自体は国際法上禁止されていない。ただ、
国連海洋法条約で、実験を行う場合は、航海の自由を行使する他国の利益などに妥当
な考慮を払って行わなければならないことが規定されている。今回は何の事前通告も
なく行われたわけで、妥当な配慮を払ったとは言いがたい側面がある」と述べたそう
です。
 また、IMO(国際海事機関)決議では、船舶航行の安全に支障となるような軍事
訓練などを行う場合、沿岸国への事前通報に努めることが決められていて、世界の海
域を16に分け、訓練などを行う国が各海域の担当国に連絡し、担当国が各国に「航
行安全警報」として情報提供する取り決めとなっています。今回、最初の着弾点の海
域である日本海は、日本が担当国になっていて、決議により北朝鮮は日本政府にミサ
イル発射を事前通告しなければならないはずでした。なお、IMOには北朝鮮も加盟
しています。
 ミサイルが大気圏外を通過していたとすれば、事故の際の補償を含めた「宇宙法」
の対象で、領空を侵犯したということにはならないのですが、いくらなんでも他国の
上空通過は避けるのが常識だろうと。ただし、北朝鮮の前にも中国が台湾での選挙へ
の牽制として行った軍事演習で、中国側ミサイルが台湾の台北上空を通過し南シナ海
側に着弾したと推定されたことや、89年8月にソ連がハワイ・オアフ島の上を通過
するミサイル実験をアメリカの抗議を無視して行ったり、アメリカもカリフォルニア
州から中部太平洋に向け大陸間弾道弾の発射実験を繰り返したりという歴史がありま
すので、これらミサイル大国の轍を踏んだということもいえましょう。
 最近の例では80年代末にソ連が実験中の巡航ミサイルが制御不能になりノルウェ
ー領空を侵犯したこともありましたし、この前のアメリカによるアフガニスタンミサ
イル攻撃の時は、コースを逸脱した巡航ミサイルトマホークがパキスタンに墜落した
ということもありました。
 
 1日の段階では政府は、総理大臣官邸で関係閣僚協議を開き「安全保障に直接かか
わる極めて憂慮すべき事態であり、毅然とした厳しい対応を取る必要がある」として、
あらゆるレベルで北朝鮮に北朝鮮に対し厳重に抗議し、ミサイルの開発と輸出の中止
を求め、さらに当面は日朝の国交正常化交渉の開催には応じず北朝鮮に対する食糧な
どの支援についても見合わせるなどの方針を決めました。またアメリカと韓国との協
議を行うと共に9月下旬にニューヨークで開かれる国連総会で大臣レベルの協議の開
催を目指すことも確認しました。
 
 地方自治体からは青森県の木村知事が最初に抗議談話として「国民や県民の不安を
解消するため、国は事実確認をして、毅然(きぜん)とした対応をしてほしい。青森
県は国と連絡を密にして冷静に対処する」というのを明らかにしております。真上を
飛んだということや三沢基地があるという事とか、核燃料サイクル基地があるとか、
いろいろありますね。
 それで、青森関連ということなのでしょうけれども、木村知事の談話に続いて結構
重要なニュースがつながっています。米軍三沢基地ではF16戦闘機が参加して行わ
れる特定地域作戦態勢運用演習(ローリー)を31日に打ち切ったと発表したそうで
す。この訓練は31日から5日間の予定だったとのことですので、始まってすぐ打ち
切ってしまったということになりますね。三沢基地では中止の理由を明らかにしてい
ないそうですが、何らかの即応体制を取るためとも思われます。
 
 
                                                   YAMASAKI (SDI00872)
 


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