Date: Mon, 31 Aug 1998 09:20:00 +0900
From: 加賀谷いそみ <QZF01055@nifty.ne.jp>
Subject: [keystone 587]  <岩国>強制わいせつ致傷事件 no2
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 8月1日に山口県岩国市で起きた女子高校生に対する暴行事件は、いまだに加害者が
特定されていません。しかし地域市民の間では米兵であろうという認識になっているよ
うです。
 それに対し、在日米軍では米兵の関与はないとしています。今日の基地に関する関心
が高まる中、まだ加害者が不明な段階においてそう言わしめたということは、私たちの
今までの思いが十分に伝わっていないとも受けとめています。
 1日におきた暴行事件に関連して、一部教組が、市当局から在日米軍に対し、米兵の
教育の徹底を要請するよう口頭で申し入れたそうですが、市当局ではマスコミに非公開
で応対し、その場に居合わせた方の印象では、教組側の申し入れもはなはだ腰の弱いも
のにとどまったとのことです。
 また、岩国では現在、米海兵隊岩国航空基地に麻薬を持ち込んだとされる伍長(23
)が、13日の軍事裁判にかけられる直前に逃亡し、行方不明ということです(8/26)
。身柄は拘束されていなかったとのこと。これに対し、県と岩国市、由宇町は25日、
司令官に対し、米兵による不法麻薬所持と、基地外へ逃走させたことに遺憾の意を表明
し、再発防止に向けて隊員教育を徹底するなど、基地内の綱紀保持を求める要請書をフ
ァックスで送りました。
 これらは、米軍基地の度重なる暴力に対し何の有効な手段とはなり得ていないという
ことです。
 下記に岩国でこの問題に取り組んでいる方からfem-netに届いたメッセ−ジの一部を

介します。この怒りを共有し広げていこうという意見もfem-netでは出ています。運動

タイルは多様ですし、その選択は自己責任においてなすものと考えますので、個人的意
見は差し控えます。
 また、基地のある地域とそうでない地域では、問題の受けとめ方に温度差があるとも
思います。しかし岩国では、6月に山口県外からやってきた女性が基地内に連込まれ、
米兵の独身舎で、強姦暴行される事件が起き、加害者の米兵(21)は基地内の軍事裁
判で禁固6年の刑が言い渡され、除隊処分となりました(8/27)。米兵は使い捨てられ
たようです。被害者は、被害に対して申請の手続きをせず、警察も捜査を行なっていな
かったとのことです。これはフェミニズムの面からも大きな問題ですが、もし被害者が
軍隊の仕組みをもっと知っていたならば、基地内に入り込んで暴行される危険を避ける
ことが出来たでしょうし、またまわりにその理解があったなら「ぶらさがり族」などと
安易に非難することはできないであろうと思います。この種の事件は基地のある町では
いくつか起こっており、また今後も起こり得るであろうことを考えれば、決して地域の
問題ではないことが解ります。
 私自身、現地の実態を正確に把握できない部分も多くあるかと思います。ただ、日米
地位協定がいかようなものであるか一つとっても、今回の事件の真相究明と責任追求が
、いかに厳しい取り組みになるかは、私なりに理解しているつもりです。岩国の1万人
自治会では、自主的に現場検証などを行い、自ら真相究明を行い、事件をあいまいにし
てはならないとの取り組みもはじまっているとのことです。
以下fem-netより一部転載
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Date: Mon, 24 Aug 98 16:45:55 +0900

 いま、岩国では市民の間で、岩国警察署、岩国市当局の対応への怒りの声が出ていま
す。
 警察は、女子中・高校生の事件にかんして、被害者や近所への事情聴取にも時間をか
けて行っていますが、捜査はいっこうに進展しないどころか、事件を公表することはせ
ず、似顔絵も公表せず、関係者には事実を語ることを規制して歩いています。理由は「
生徒の人権のため」というものですが、実際の行動は、市民には横柄な態度をとりなが
ら、こと米兵の犯罪となると米軍の顔色をうかがい、もみ消しをはかるという態度です

 私たちは、岩国警察署がこの事件を「積極的な態度で捜査している」などと、受け止
めていません。まったくその逆であり、彼らの態度に強い怒りを感じていることをお伝
えしたいと思います。
 市の基地対策担当部長は「現状では米兵かどうか不明である。したがって示唆できな
い」と繰り返していますが、その根拠は警察が「捜査上、米兵かどうか回答できない」
としていることを唯一の根拠にしています。しかし被害者や事件を目撃した住民の証言
は無視しつづけているのです。
 岩国市当局や二武(にぶ)教育長は、「警察からは事件とは報告を受けていない」「
呼び止められた程度で、たいしたことはなかった」という見解を繰り返し(防衛庁広報
とウリふたつ!)「中高校生の夜間外出に注意を喚起する」という対応をしています。
 米兵の犯罪は「たいしたことなく」、逆に被害をうけた側の「夜間外出する方が無防
備で悪い」とは本末転倒もはなはだしい、もっぱっら女子生徒とその家庭のしつけが悪
いからといわんばかりの態度は、絶対に許せるものではありません。
 このような態度が岩国での度重なる米兵の犯罪を野放しにし、はてしもなく犯罪が繰
りかえされる事態をつくりだしています。
 市民のなかに、「まるで植民地だ」という声と同時に「夜、女性が出歩くのは無防備
だ」という声があるのは当然のことです。なぜなら、米兵の危険性を日頃からよく知っ
ており、警察や市当局がこと米兵の犯罪にたいしては何の力にもならないことも知って
いるからです。住民がやむをえない自衛の気持ちから語ることと、警察や市当局のいう
本質は根本的に違っています。
 岩国には米軍の海兵隊が駐留しています。海兵隊は第一線の戦場への出撃部隊であり
、いまも臨戦態勢下におかれ、その危険性は、一般の外国人とは異質のものです。しか
も彼らの犯罪は、ベースに逃げ込めば日本の警察は手出ししない、という「治外法権」
にある、それがわかったうえで、犯罪をおかすから、殺人や暴行といった凶悪犯罪がた
えないのです。
 今回の事件も、未遂ではあるものの、地域の住人がかけつけなかったら、殺されかね
なかった、あきらかな暴行事件です。たんなる「強制わいせつ」事件ではありません。
 またマスコミは、この事件を「外国人?」としか報道していませんが、私たちは直接
、女生徒を助けた関係者の方からお話をきき、その証言からあきらかに米兵であると考
えています。これだけの証言と直接の被害届けまでありながら、警察発表の規制の枠内
で、「外国人?」としか報道できないマスコミの限界性、権力構造をつかったすさまじ
い抑圧に怒りを覚えます。
 いったい、岩国ではいままでどれだけの米兵による犯罪、暴行事件等が、犯人が特定
できない、米兵とは断定できない、などのいいぐさで、うやむやのままになり、もみ消
され、泣き寝入りを強いられてきたことか!!
 最近でも、米兵によるひったくり事件、畑のスイカを盗む事件、風呂場の窓を外から
叩かれる事件、基地内につれこまれ大阪の女性がレイプされた事件、数限りなくありま
す。しかし、いずれも、米兵の犯罪として処罰されることなく、もみ消しにされつづけ
ています。
 沖縄も同じだと思いますが、基地のある現地で抗議行動をおこすことは、権力をつか
った関係者にたいするすさまじい抑圧がかけられます。それをはねのけるには強力な大
衆運動、社会的世論なしには、事実を糾明することさえ、できないことなのです。
 ぜひ、そのことをご理解くださるようお願いします。 
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 8月23日、岩国基地の沖合拡張反対連絡会議(代表・落合孝一 )は『岩国基地通信

号外1万6000枚を基地周辺の川下地区や南岩国をはじめ、岩国市内に戸別配布しました

(岩国市は人口約10万人、4万数千世帯)それにくわえ、宣伝カーや街頭での配布活動

おこなって、この事実を広く岩国市民に訴える行動に立ち上がっています。
 「岩国 米兵が女子中・高校生に暴行 この屈辱と蛮行を決して許してはならない」
という見出しです。
 市民の反響は大きく「近所の人にも知らせたい」と号外を数十枚もって帰る人や、戸
別訪問による市民の意見の聞き取り調査では、「米軍や行政のいいなりになってはいけ
ない」「”安保”がからんで、もみ消す力は強く、全県、全国の問題として運動をおこ
してほしい」「抗議署名はしないのか」などの強い要望が出ています。
 この号外のなかに、岩国でおこった米軍の犯罪の主なものが掲載されていますので、
一部を紹介します。
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 1955年7月19日夜、門前町養老院にいた中村喜三郎氏は寿橋を通行中、米兵によって

へ投げ込まれた。1961年の10月31日夜、今津川製氷会社で働いていた吉田岩美氏は、寿
橋のうえからいきなり米兵に川に投げ込まれ、歩行困難になってしまった。これらの事
件は犯人がはっきりしたにもかかわらず、日本の警察はなんら手をうとうとしないばか
りか、最高検察庁は指示を出して不起訴にした。
 1955年には「投げ銭事件」がひきおこされた。愛宕小5年生100人が社会見学にいき

中、トラックに乗った米兵数人が生徒にむけて10円玉や100円札をばらまいた。児童を

物園のサルくらいにしか見ていない米兵の態度に、怒りに燃えた教師は米軍当局に厳重
に抗議したが、米軍は態度をかえようとしなかった。
 1958年、夕刊を配達していた19歳の少年がよっぱらい運転の米軍将校のジープにはね
られ、負傷。日本の警察は「できるだけおだやかに」とおさえつけ、米軍はわずかな見
舞金をもって「公にせず内密にする。これでいっさいすませ、今後米軍に文句をいわな
い」という一札を脅迫的に新聞社からとってひきあげた。1958年「特急かもめ転覆事件
」をひきおこした。米軍トレーラーが暴走、特急に衝突し脱線して、乗客22人が負傷す
る大惨事になった。損害は1億円以上にのぼったが、米軍は「国鉄は国家機関であるか
ら」と補償し
ないばかりか、米兵は軍内裁判で無罪になった。
 婦女暴行事件、強姦事件は数え切れないほどひきおこされている。(婦女暴行事件の
一覧表は省略)
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