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Date: Thu, 09 Jul 1998 23:44:33 +0900
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From: Masahiko Aoki <btree@pop1.osk.3web.ne.jp>
Subject: [keystone 408]  自衛隊、陸・海・空で「最大演習」参加中
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X-Sequence: keystone 408
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 マスコミではほとんど報道されていないのですが、今、今日現在日本の陸・海・空
の「3軍」は、それぞれ「最大」の軍事演習を実施中であることを御存じでしょうか。

<陸ー北方機動特別演習>
 陸自隊員3000人と、海・空の部隊を動員した陸自最大の演習。移動を含め、演
習期間は6月20日から8月1日まで。この演習についてはすでにこのMLで案内があ
りました。

<海ーRIMPAC98>
 ハワイ沖で7月7日から8月7日まで行われている、現在の世界では最大の海軍演
習。米第3艦隊が主催し、日本、韓国、カナダ、チリ、オーストラリアの海軍が参加
。トータルで25000人参加。海自も、4隻の「護衛艦」や5機のP-3Cなどを参加
させている。これもここで案内がありました。

<空ーCOPE THUNDER 1998>
 7月9日から24日までアラスカで実施される米空軍最大の演習。日本、英国、オ
ーストラリア、シンガポールの空軍も参加。これについては、下に日、米のプレスリ
リースを転載しておきます。この演習は、「実際の脅威」を想定して、空中格闘戦、
対地攻撃、戦術的連携が訓練されます。全部で2500人が参加。日本は戦闘機の参
加はないのですが、AWACSへの同乗、というのが注目されます。
 国防総省のリリースには唐突に、Japan will participate on a bilateral basis
 with the U.S. representatives. という謎めいた文章が出てきますが、これは例の
集団的自衛権問題で日本が多国籍軍と軍事演習したと非難されないための米側の気配
り。つまり日本だけはアメリカとのみ演習を行っていますという、リムパックと同じ
「おまじない」で、やることは同じです。

 このように、自衛隊法と並ぶ戦後最大の軍事法=周辺事態法の国会審議を目前に控
えて、自衛隊の皆さんはそれぞれに国民の税金で充実した時を過ごしておられるよう
ですが、問題なのはこの事実がほとんど報道されてないので、一般の国民の意識には
上りようがないことです。フツーの国民はしょうがないとしても、今選挙戦の真っ最
中ですが、たくさんの候補者の中で一体何分の人が、これらの軍事演習を念頭に置い
ておられるかということです(賛否を問わず)。現在の日本の仕組みでは軍の行動を
制度的にチェックできるのは国会だけなのです(周辺事態法ではそれも不可能なよう
になっていますが)。
 軍人というのは、「実際の脅威」を想定して計画を立て演習する。ところが、各党
・各候補の公約を見ても、安全保障に関しては抽象論が多く、どうもこういう軍事訓
練とは別次元の議論です。選挙のあるなしに関らず、政治家が軍事訓練や装備などに
ついて絶えず正確な情報を得る仕組みが必要だと思います。自衛隊・安保に原則反対
という党の人よりも、むしろ安保堅持・自衛隊増強を唱える人に知ってもらいたいと
ころです。もちろん単なる「演習見学」は意味がありません。都合のいいところだけ
見せるので、軍人に操られることになるのは火を見るより明らかです。

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防衛庁リリース
   10.7.1
                  空幕広報室
                                        お知らせ
           COPE THUNDER98−4への参加について

        航空自衛隊は、標記の演習に以下のとおり参加します。

       1 目的
        米空軍が主催するCOPE THUNDER(コープサンダー)98−4
に参加し、我が国国内では実施困
       難な訓練等を行い、部隊の戦術技量の向上を図る。

       2 期間
        平成10年7月2日(木)〜8月2日(日)
        (うち、COPE THUNDER期間:7月13日(月)〜7月24日
(金))
       3 場所
        米国アラスカ州アイルソン空軍基地及びエレメンドルフ空軍基地並びに同
周辺空域等
       4 参加部隊
       (1)航空総隊
        ア 人員    :41名
        イ 使用装備品:携帯SAM用追随訓練器材 6セット
        ウ 指揮官  :1等空佐 上田完二

       (2)航空支援集団
        ア 人員   :64名
        イ 稗用航空機:C−130H 3機
        ウ 指揮官  :2等空佐 田中淑智

       (3)航空開発実験集団
         ア 人員    :2名
         イ 指揮官  :1等空尉 橋田和浩

       5 参加部隊の訓練等の内容
       (1)航空総隊
        ア 携帯SAM用追随訓練器材による防空戦闘訓練
        イ 米空軍戦闘機への同乗等

       (2)航空支援集団
        C−130Hによる戦術空輸訓練(低高度航法、物料投下、不整地着陸)
       (3)航空開発実験集団
        米空軍AWACSへの同乗等

       6 参考
       (1)参加部隊(空自を除く)
        米空軍、英空軍、オーストラリア空軍及びシンガポール空軍
       (2)空自部隊が、COPE THUNDERに参加するのは、8年度及び
9年度に引き続き3回目である。

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国防総省ニュースリリース コープサンダー
No. 351-98
(703)695-0192(media)
IMMEDIATE RELEASE
July 8, 1998
(703)697-5737(public/industry)
EXERCISE COOPERATIVE COPE THUNDER 1998
Air forces from the United States, United Kingdom, Australia, Japan and
Singapore will participate in this year's largest U.S. air combat exercise
in the Pacific July 9-24, 1998.
Cope Thunder 98-4 will be held at Eielson and Elmendorf Air Force bases in
Alaska.  The exercise will enable air force units to sharpen air combat
skills, exchange air operations tactics, and promote closer relations with
personnel from each of the participating countries.  During the various
scenarios, the pilots will fly air-to-air and air-to-ground combat, and
combat support mission using a variety of aircraft against a realistic set
of threats.
Although the Cope Thunder series is held up to four times each year, the
July exercise represents the first time that five countries have converged
for a Cope Thunder.
More than 2,500 people will participate, including approximately 1,400 U.S.
Service members.  Japan will participate on a bilateral basis with the U.S.
representatives.  In addition to the participants, representatives from
Russia, China, Brunei, Malaysia, Thailand and the Philippines will also
attend as observers.
The U.S. Pacific Air Forces sponsors the Cope Thunder exercise series.
Cope Thunder exercises were first held in 1976 at Clark Air Base,
Philippines, but moved in 1992 to Alaska when Mount Pinatubo erupted,
forcing curtailment of operations at Clark.
-END-
 

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      青木雅彦
      Masahiko Aoki
      btree@osk.3web.ne.jp
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