X-Sender: btree@pop1.osk.3web.ne.jp
Date: Thu, 11 Jun 1998 00:49:21 +0900
To: aml@jca.ax.apc.org, keystone@jca.ax.apc.org
From: Masahiko Aoki <btree@pop1.osk.3web.ne.jp>
Subject: [keystone 326]  周辺事態法反対の請願:呉市
Mime-Version: 1.0
Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 326
Precedence: bulk
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org

 周辺事態法に反対する請願。地方自治法第124条に基づく請願書です。
 この後、広島県などできるだけ多くの県内の自治体議会(全部で87)に対し、同
様の請願を行っていく予定とのこと。
 同様の請願が出されている議会がありましたら、お知らせください。

-------------以下転載----------------------------------
呉市議会議長          1998年6月2日
 浜下積様
              請 願 書 
 戦争立法としてのガイドライン関連法に反対し、特に日本周辺事態措置法の<自治
体への戦争協力要請項目>の削除に関する請願 
                請願代表者:
            なまえ: 湯 浅 一 郎

     請願の趣旨 
 憲法が施行されて半世紀を越えた今年、その平和主義を捨て去ろうとする選択が日
本政府によって強行されようとしています。政府は4月28日、新日米防衛協力のた
めの指針(ガイドライン)の関連三法案を閣議決定し、国会に上程しました。この法
は、アメリカが世界のどこかで引き起こす戦争に、日本が国を挙げて金、もの、人な
どあらゆる面で支援し、支えるための法律であり、日本が戦争当事者になる宣言に等
しいもので、それだけで「平和産業港湾都市」をめざす呉市として絶対に容認できな
いものです。
 周辺事態とは「日本周辺地域における日本の平和及び安全に重要な影響を与える事
態」としているだけで、依然としてその定義は不鮮明ですが、戦闘や戦争を意味して
いることは歴然としています。政府は、あくまでも「周辺とは地理的概念ではない」
といい続けることで、日米安保の世界的規模での展開を意図しています。主な活動は
(1)米軍に対する「後方地域支援」(2)周辺事態の戦闘にかかわる遭難者の「後
方地域捜索救助活動」(3)国連安保理決議に基づく「船舶検査活動」(臨検)とし
ています。自衛隊法改正案では、邦人救出のために「輸送に適した艦船」も派遣でき
るとし、呉に配備されたばかりの揚陸艦「おおすみ」が対象になると考えられます。
しかし過去の戦争が示すように、「邦人救出」は戦端を開くきっかけになりやすい極
めて危険な作戦行動であることは言うまでもありません。日米物品役務相互提供協定
(ACSA)改正案は、戦時においても物品役務を国として提供していくという、ま
さに参戦することの意思表明に他なりませんが、これは国会にもかけずに、28日、
政府間で調印してしまいました。

 さらに、「周辺事態措置法」では、民間の港湾・空港や病院など施設提供に関する
政府による自治体への協力要請について、政府は(1)罰則で強制はしないが義務規
定である(2)正当な理由なく拒否すれば違法状態となる(3)自治体が理由の説明
をすべきだとしています。まさに国家の方針に自治体は言いなりになるべきであると
居丈高な態度で、自治体が独自の判断をとることを上から押さえ込もうとする強い意
志が示されています。4月には、全国基地協議会や防衛施設周辺整備全国協議会、渉
外関係自治体協議会が、当然にも事態を懸念して緊急要請をしましたが、防衛庁長官
は「法案が出てから」後で対処するとしていますが、これは民主主義の原則を一切無
視した暴挙です。事前に十分な説明をし、「合意」して初めて、民主的に政策が採ら
れていくことになるはずです。このような形で近未来の日本の政治の枠組みを決めら
れたら、市民はたまったものではありません。

  呉市には、海上自衛隊と米軍弾薬庫があり、ガイドライン関係法が成立すれば、こ
れらが、新たな文脈におかれることは必至です。秋月弾薬廠がアジア太平洋地域での
戦争に弾薬などを供給することを日本国として認めていくことになりますし、米軍は
、広湾での米艦船の入港支援や車両・プレハブ施設の提供などを求めることが予想さ
れます。自衛隊については、邦人救出をめいうっての揚陸艦「おおすみ」や補給艦「
とわだ」、機雷除去のための掃海艦隊、臨検のための護衛艦の派兵などが正当化され
ることになります。そして、戦争となれば、呉港に寄港する米艦船への民間港の提供
、燃料・物資の補給、自治体職員の動員などで自治体への協力が、暗黙の強制として
機能することは必至です。これは、呉市民である自治体職員や自衛隊員の生命と安全
を脅かす可能性も秘めており、市民の安全と財産を守るべき呉市としては黙視できる
問題ではないはずです。

 私たちには、日本は次の時代に対して最悪の選択をしようとしているようにしか見
えません。事実上、日米安保条約を大改悪し、二国間の軍事同盟をアジア太平洋規模
に拡張し、戦争国家への道をつけようとしています。<日本周辺の事態>に日米が共
同対処する『戦争マニュアル』が自治体や市民のあづかり知らぬところで作られ、米
軍への支援として、自衛隊施設はもとより民間港・民間空港の使用や、民間労働者の
動員が盛り込まれようとしています。アメリカが始めた戦争に、自治体や民間の協力
体制も作り、日本が「国家」として戦争当事者になろうとするもので、憲法の平和主
義を放棄する重大な事態です。
 この半世紀、日本はまがりなりにも平和主義を貫き、少なくとも自らの意志におい
ては決して戦争に加担する道はとってきませんでした。今、政府は、ガイドラインを
新たにつくりかえることで、名実ともに日米安保を憲法よりも上位に位置づけ、世界
で唯一、世界のどこでも戦争を引き起こす能力を持ったアメリカの戦争同伴者になろ
うとしているのです。ガイドライン関係法は、その突破口を開く戦後最悪の法律案で
す。そのような選択を、次の世紀の直前に行うことは、差別をなくし、人権・生活権
を尊重する道を放棄するものとして断じて許すことはできません。そこで以下要請し
ます。 

 請願項目 

(1) 現在国会に上程されているガイドライン関係2法案は、戦争をいかに
協力して遂行するかを公然と掲げているもので、憲法で戦争を放棄している日本にと
っては、踏み込んではならない問題のはずで、平和産業港湾都市としてガイドライン
関連法そのものに反対すること。 
(2)「日本周辺事態」を口実とした自衛隊施設・民間港・民間空港の使用や国立・
民間病院の使用、民間労働者の動員などの有事体制づくりを許さないために、自治体
として全力を挙げること。例えば、呉港に神戸方式のような規定や民間港の軍事利用
に反対する条例を作るなどの具体的な対応をとること。 
(3)この春、海上自衛隊呉基地に配備された大型揚陸艦「おおすみ」、掃海母艦「
ぶんご」は、軍事的な機能や役割からすれば、「専守防衛」の枠を一切無視した、海
外での作戦行動を前提として軍備です。特に「おおすみ」は、戦車を搭載した強襲上
陸用舟艇LCACを搭載し、強襲上陸作戦が可能な戦車揚陸艦であり、「自衛」の枠
組みを逆転するものであることは明白です。新ガイドラインに対応した自衛隊の変質
を象徴する、これらの配備を即時撤回するよう申し入れること。
(4)日米共同を含め実戦=戦闘を前提としたすべての演習に反対すること。特に6
月中旬から北海道十勝などで予定されている揚陸訓練を含んだ北方機動演習への揚陸
艦「おおすみ」、強襲上陸用舟艇「LCAC」の参加に反対すること。

              請願団体:入れるな核艦船!飛ばすな核攻撃機!
         ピースリンク広島・呉・岩国(30団体)アジアに学ぶ会 岩国
市職労平和研究所  カトリック正義と平和広島協議会共育・共生を進める広島連絡
会議   呉教育労働者研究会  呉YWCA79女たちから8.5広島集会世話人
会 芸南火電阻止連絡協議会原水爆禁止広島県協議会(広島県原水禁)原発はごめん
だ!ヒロシマ市民の会公害をなくす三原市民連絡会   在日韓国青年同盟広島県本
部  更紗の会市民運動交流センター福山  従軍慰安婦問題を考える会・広島 ス
トップ・ザ・戦争への道!ひろしま講座性差別は許さん!私たちは行動する会  全
国水平運動研究会  電磁波問題を考える会  トマホークの配備を許すな!呉市民
の会   東チモール問題を考える会 広島キリスト者平和の会 広島地区連帯労働
組合広島平和と生活を結ぶ会  デルタ女の会  日本キリスト教団西分区牧師会ピ
ースサイクル広島ネットワーク 除虫菊の会  広島YWCA    憲法九条の会
ヒロシマ
-------------------------------------------------------------------

/////////////////////////
      青木雅彦
      Masahiko Aoki
      btree@osk.3web.ne.jp
////////////////////////
 


  • 1998年
  • 3月4月5月6月、7月、

    キーストーンメーリングリスト 目次