Date: Sun, 11 Mar 2001 15:03:21 +0900
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Subject: [keystone 3675] 人種差別撤廃委員会日本政府報告書審査(2)
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前田 朗@人種差別撤廃委員会NGO連絡会、です。
3月11日
 

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CERD58通信 第2号(2001年3月7日)
  人種差別撤廃委員会NGO連絡会
  ジュネーヴ発
  担当:前田 朗、大谷美紀子
 

1……パレ・ウィルソン

 今回CREDが開かれているのは、人権高等弁務官事務所のあるパレ・ウィルソン
です。レマン湖に面した建物で、眺めは抜群です。コルナバン駅から1番のバス
で5分、徒歩でゆっくり20分。人権高等弁務官事務所は、以前はパレ・デ・ナ
シオンの中にありましたが、最近、こちらに移転しました。

2……ロドリゲスさん

 CERDの日本政府報告書審査において、日本政府報告書の担当になっている委員
のルイ・ヴァレンシア・ロドリゲスさん(エクアドル)さんは、エクアドルの大
使経験者で、IMADR顧問でもあります。
 ちなみに、CERDの委員は18人ですが、多くは、法律家・弁護士、大使・外交
官経験者、社会学者、神学者です。アメリカのマクドゥーガルさんや中国のタ
ン・チェンギョンさんやドイツのルディガー・ヴォルフルムさんは法律家。ロシ
アのユーリ・レチェトフさんやキプロスのミヒャエル・シェリフィスさんは大使
経験者です。

3……CERD

 本日のCERD、午前は前日に引き続きアルゼンチン報告書の審査でした。傍聴し
ているのは、国際NGOのARIS(Anti-Racism Information Service)以外はほと
んど日本NGOで、約20名が出たり入ったりしていました。アルゼンチンNGOは5
名ほど。パレ・デ・ナシオンのいつのも会議室だと傍聴は全部で10名しか入れ
ませんでしたが、今回は広い会議室で40名くらいは入れそうです。アルゼンチ
ン報告書審査の途中で、日本政府の尾崎人権人道課長ら3名が見学に来ていまし
た。本日午後と明日の午前はアイルランド報告書審査です。多分、傍聴者はごく
少数になりそうです。

 朝、ゲイ・マクドゥーガルさんにご挨拶。髪型がまたまた大きく変わっていま
した。彼女の人権小委員会への報告書「戦時組織的強姦・性奴隷制最終報告書」
と「アップデイト」の翻訳『戦時性暴力をどう裁くか・2000年新装版』と、
私の『戦争犯罪論』を進呈しました。
 

4……ブリーフィング

 7日午後、パレ・ウィルソンでNGO連絡会が委員へのブリーフィングを行いま
した。委員は7人出席。日本NGOは25名ほど参加。進行は午前中の相談によ
り、前日の打合せとは異なるものになった。
 まずNGO連絡会(藤岡)がNGOレポートの概要を紹介した。特に部落差別が政府
報告書では取り上げられていないことを指摘し、部落差別問題はICERD1条の
「人種差別」に当たるので、報告書で取り上げるべきとしたうえで、インターネ
ット上での部落差別書き込み、結婚差別、就職差別等を紹介した。
 次に在日コリアン・グループ(岡本)が、まず在日コリアンは日本による朝鮮
植民地支配に由来する存在であることを示し、戦後の日本国籍「喪失」過程を説
明して、なぜコリアンが日本国籍を持っていないかを明らかにした。
 次いで、移住労働者と連帯する全国ネットワーク(鈴木)が、移住労働者の状
況について、日本では、外国人労働者、非登録外国人、日系外国人等々に分けら
れていることを説明。日系人の特別扱いの問題や、移住女性労働者について発言
した。
 次に日弁連(大谷)が、日弁連報告書を紹介した。まず石原三国人発言を取り
上げ、こうした人種差別発言を規制する国内法がないこと、政府は表現の自由を
根拠にしていること、しかしチマチョゴリ事件のような被害が生じており、人種
差別に基く暴力行為の規制が必要とし、人種差別の禁止と効果的な人権救済機関
の必要性、最後に人権教育(特に裁判官の国際人権教育)について言及した。
 ソンベリー委員が部落差別の根拠・根源について質問。ロドリゲス委員がアイ
ヌの状況について質問。ピライ委員が人口構成に関する政府の統計とNGO統計の
差異について質問。シェリフィス委員が報告書作成における政府とNGOの対話に
ついて質問。その他、日本のNGOの活動についえ、沖縄・ウイルタ・ニブヒ等に
ついて、部落が教科書でどう扱われているか等。
 

5……記者会見

 7日午後、NGO連絡会は、日本記者向けの記者会見を行いました。
 参加記者は、朝日、読売、共同、時事、日経。参加NGOは、約20名。
 最初に、部落問題(部落解放同盟)。部落差別問題が条約の適用対象であるこ
と、インターネット上の差別が著しいことを説明。
 次ぎに、アイヌ問題(北海道ウタリ協会)。政府は人権保障しているかのよう
にいうが、事実と異なる。二風谷訴訟判決を受け入れているか。アイヌ文化振興
法の限界(アイヌの参加なき立法、適用を北海道に限定、先住民としての権利を
無視)を説明。
 沖縄(宮里)。政府報告書では沖縄に触れていない。SACO。日米地位協定。協
定改定はできなかったのに、運用で改定している。
 在日(岡本)。条約の何条に違反するか。それはどういう意味を持っている
か。朝鮮学校児童・生徒への暴行が繰り返されている上、加害者が逮捕されず、
処罰されない。4条違反。国籍取得では、ほとんど日本名に変わっているのは、
政府が指導しているから。政府は指導していないというが、実は政策を変えてい
ない。法務省の手続きの記入例は名前を変えることを前提にしている。
 移住労働者(鈴木)。受け入れの際に人としてではなく経済的な観点で受け入
れた過程。住居を借りるのも困難、賃金未払い、日本人と結婚した女性へのDV、
人権侵害についての保護の枠組み不足。神奈川県警のポスターのように政府自身
が人権侵害している。
 石原発言(辛)。石原発言への抗議に対する日本社会の反応。堂々と実名を出
して差別するようになった。差別、デマ、かつそれを軍隊の前で話した。日本政
府は「差別助長の意図がないから条約違反でない」としているが疑問。被害調査
もしていない。
 最後に日弁連(吉井)。効果的な措置をどうするか。条約批准以後政府は何も
していない。差別禁止法をつくるべき。公務員の差別発言・行為を処罰する立
法。私人間の差別禁止法。4条abの留保をしているが、留保していても、現実
の差別的暴力を処罰すべき。効果的な救済措置の法律もない。人権擁護局は独立
性がない。学校教育に系統的なカリキャラムなし。法執行官(とくに裁判官)へ
の教育。
 質疑。共同、政府報告書が部落を取り上げていない理由。差別宣伝規制法は存
在しないが暴力規制法は存在するという見解について。
 読売、フランス、ドイツなど法律を持っている国家の例は。
 朝日、政府との対話を踏まえて、この分野ではどう期待できるといった印象は
あったか。
 共同、ダーバン2001に向けた地域会議で議論されている補償問題に関連し
てウタリ協会に質問。



 
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