keystoneML2001/02

Date: Thu, 22 Feb 2001 02:21:27 +0900
From: 加賀谷いそみ<QZF01055@nifty.ne.jp>
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Subject: [keystone 3610] 衆院憲法調査会２月８日
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　「危機管理あなたがいうから危機状態」というわけで、「有事法制を検討す
る」という違憲施政演説から始まった第151回通常国会。５Ｋ（景気低迷、危機
管理、ＫＳＤ、機密費、会員権）＋αの泥沼から抜けられない政府の支持率がと
うとう一桁台に。
　原潜事故の内容も定かでないうちにまずとった策が、日米軍事同盟の危機管
理。国外の事故については基本的には相手国しだいではあるけれど、その後の処
理の経緯が、軍事同盟で果たして国民の生命・安全を守れるのかという疑問を残
す展開となっています。
　事故に対する危機管理の失態が、森政権にとっても痛手となっていますが、日
本の最大の危機管理の欠如は、ペンタゴンの介入を許す要因となった理念なき改
憲論にうつつを抜かす姿の露呈。
「日本国内では憲法問題も含めて自衛姿勢の根幹に関わる論議がでてきている。
米国にとっては議論の方向性に影響力を行使できる絶好の機会だ」（カート・
キャンベル元国防次官補代理）
　
　西澤潤一・岩手県立大学長は、教育基本法改定を「国民運動」で推進するた
めに、昨年結成された「新しい教育基本法を進める会」の会長。同会は２００年
９月１７日「新しい養育基本法を求める要望書」を森首相に提出。（①伝統の尊
重と愛国心の育成②家庭教育の重視③宗教的情操の涵養と道徳教育の強化④国家
と地域社会への奉仕⑤文明の危機に対処するための国際協力⑥教育における行政
責任の明確化）。草案者は「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーでもあ
り、「教科書改善連絡協議会」副会長の石井公一郎さん（元ブリヂストンサイク
ル株式会社会長）。政府では、教育基本法の脇をすり抜けて関連法案を提出。
　西沢さんは調査会で中山太郎会長とのじっこんの仲を強調。

衆院憲法調査会（21世紀の日本のあるべき姿）
開会日：2001年02月08日 (木)
ビデオ収録時間：6時間 27分http://www.shugiintv.go.jp/video.cfm
（参考人陳述）http://www1.sphere.ne.jp/KENPOU/

◎西澤潤一参考人（岩手県立大学長）
　個人主義と利己主義を線引きできていないのが社会のいろいろな問題の原因で
は。憲法は個人の権利を丁寧に書いているが、そういう社会を維持するため一人
一人が資質を発揮する義務に言及が足りない。個人主義社会での権利と義務のあ
り方を前文でバランスよく書くべきだ。
　軍事力だけが脅威ではない。広い範囲で国民が社会を守る態度を決めるという
形で憲法を構成し、例えば環境問題などへの対応を個々の条文でうたえばいい。
国民全体の才能を活用するために、年齢や学歴による差別もなくすべきだ。
　まねしたものを安く売って相手の産業を絶滅させることが、戦後日本の展開に
あった。科学技術を活かして世界に喜ばれる新しいものを次から次へと生み出す
ことで、資源のない日本の経済レベルや、戦後のベースとなった「平和国家」を
維持することができる。

◎高橋進参考人（東京大学教授）
　欧州連合（ＥＵ）は「ヨーロッパ合衆国」といった最終目標を決めていない。
各国の対立が激しい安全保障を重視するより、経済の特定分野のような合意しや
すいところから統合をすすめている。東アジアの連帯も、環日本海など各地域の
連携の積み重ねが土台となる可能性がある。
　地域の連携には歴史問題も重要だ。ＥＵ域内では一定程度の共通理解を築こう
と加盟国で歴史教科書をつくる動きもある。一方でグロ－バル化での混迷を心配
する傾向もある。そういう大衆感情が動員されると、新右翼のように民主主義に
危険な作用もでてくる。
　グローバル化する世界と日本の相互関係の将来像を描こうとするとき、現憲法
は現状にそぐわない点がでてきている。安全保障を念頭に置く狭義の平和主義に
加えて、環境保護や開発援助などさまざまな課題に対応できる理念が必要だ。
（朝日2月9日）

衆院憲法調査会は１５日の幹事懇談会で、地方公聴会を４月１６日に仙台市で開
くことを決めた。「二十一世紀の日本のあるべき姿」をテーマに、一般公募２
人、各党推薦８人の計１０人が意見陳情津する。公募と一般傍聴（１００～１５
０人）は東北６県在住者が対象。詳細は今月下旬から同調査会事務局で受け付け
る。
（読売01.02.16）

次回衆議院憲法調査会参考人質疑は、２月２２日、３月８日、３月２２日。三月
までは同じテーマで三回、計六人の参考人を招く予定
参議院憲法調査会は、２月２１日午後１時から訪米報告と、意見交換。２月２８
日、３月１４日、２８日と参考人質疑。参考人の候補は９人、人選については未
定。

－－－－－－－－－－－－－－－－
　この世に完璧な憲法など存在しないのですから、憲法論議は尽きることはな
く、「良心的改憲論」があって当然のこと。そして社会も「竹槍精神」では追い
つけない複雑な構造になっています。ただこの国においては、その際は、願わく
ば日米安保条約を取っ払ってからやっていただきたいところ。その上で現憲法に
不都合があれば、民衆も喜んで、天皇の置き場所なり、首相の選びかたなり、喜
んで論憲に参加することでしょう。
　今回の改憲論も民意から発生したのではありませんので、改憲派もなかなか
「国民運動」づくりに難渋しているようです。
　
　雑誌「法学セミナー」で一月号から憲法学者同士の対談連載「憲法学を問う」
を企画し話題になった方とのこと。ややいいわけめいているところもなきにしも
あらず。確かに国民は愚かではありません。しかし、政府は平和憲法のもとでガ
イドライン関連法を成立させることができました。

　棟居快行・成城大教授
－今までの護憲、改憲論は、いずれも夢物語だった。冷戦時代には、九条を変え
ても「自主憲法」を制定しても、核の傘から出ることはあり得ないから、客観的
にはなにも変わらない。「国のかたち」を決めたのは憲法ではなく冷戦構造だっ
た。
－グローバル化が進む今は百年に一度の大激変期。憲法の前提だった日本の社会
構造も雪崩を打って変わっているときに、従来型の護憲も改憲ももう無意味。
－私は「憲法を使い切る」ことを考え、行動してきた。護憲、改憲という問題の
立て方がおかしいと気づいた。
－私はいわば、改憲をタブー視しない「護憲的改憲論」。護憲派憲法学者は新し
いスタイルの護憲論を考えるべき。今のままでは、目が覚めたら改憲されてい
た、となりかねない。
－「軍事国家を狙う一部勢力の企て」という「改憲謀略論」があるが、国民は愚
かではありません。派手な改憲論の向こうを張って謀略説ばかり言っていると、
護憲論はオオカミ少年になって市民感覚から離れてしまう。「動機が不純だから
ダメ」というのは学問的でないし、純粋な動機の「いい改憲論」が登場したらど
うするのかも不明です。
－選挙にいかない人が増え、国会が法律を作っても法律を国民が尊重しない。権
力に対する信頼感、民主主義の正当性の低下というきわめて危険な兆候。政治風
土を一気に変えるには国民投票による直接民主制、首相公選制を真剣に考えるべ
き。

春名真章議員（共産）－８日衆院憲法調査会質疑語録
昨年、国連は多国籍企業の規制を強調するリポートを出し、開発途上国の集団
「グループ７７」は「公正・平等な国際経済関係を厳しく要請する」と宣言し
た。グローバル化の時代に、憲法前文の「全世界の国民が、等しく恐怖と欠乏か
ら免れ」という精神が生きる。
（朝日2月16日）

－－－－－－－－－－－－－－－
　民主、自由両党は、政府の新年度予算案への対応について、機密費（報償費）
の減額に絞った修正要求の検討に入ったとのこと。小沢さんもいることでもあ
り、野党束にしても軍需品については聖域らしい。
　
＜防衛庁長官「有事法制、1日も早く整備」＞
８日衆院予算委
亀井静香議員(自民、広島)　直ちに防衛庁を省に昇格させるべきだ
斉藤斗志二防衛庁長官　私としても一日も早く省昇格をお願いしたい。

亀井さん　有事立法に取り組むべきだ。
斉藤斗志二防衛庁長官　国民の生命、財産を守る観点でも推進したい。
亀井さん　同盟国が武力攻撃を受けた場合、集団的自衛権行使は可能だ。
防衛庁長官　公海上で米国が日本の援助に来る場合、参画できるが、単純に同盟
国を支援に行くのは現憲法上、許されない。憲法改正の範ちゅうの中での議論に
なる。
（８１年内閣法制局解釈「国際法上、国家は集団的自衛権を持つ。我が国も主権
国家として当然、それを有しているが、憲法九条に照らしてその行使は許されな
い」）
（産経2月9日）　

防衛庁は四日までに、月内のも立法化の準備作業を開始する方針。「自衛隊に関
する法制」だけでなく、これまで事実上手付かずだった「米軍に関する法制」
「国民の生命、財産保護に関する法制」にも検討対象を拡大する
（さきがけ夕2月5日）

　朝鮮民主主義人民共和国の平壌放送は四日、森義郎首相が先月三十一日の施政
方針演説で有事法制の検討を開始すると述べたことを非難。「日本当局者は有事
法制の整備を本格的に繰り広げる企画をさらけ出し、第二次世界大戦のような戦
時法を制定し、再侵略の道に入ろうとする無分別な狂気を示した」
（河北新報2月5日）

　斉藤斗志二防衛庁長官は5日昼、都内のホテルで講演し、有事法制について
「（一部の）野党は大反対、公明党は慎重な対応だが、必要なものは必要だ。1
日も早くやっていきたい」と述べ、早期の法整備に強い意欲を示した。中身につ
いては「緊急の時に道路を補修することを特例で認めるようにするなど常識的な
内容だ」と強調、今後は内閣官房を中心に関係省庁が連携をとり法案化を目指し
た研究を進めていくとの見通しを示した。
　朝鮮半島情勢については「南北首脳会談など外交上は進展があったが（軍事的
には緊張緩和の）具体的な証左を見ることができない」と指摘した。その上で
「朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）は相当貧しいが（資源の）一点集中方式を
政治的にとってくる可能性が高く、その一点がミサイル開発につながる懸念があ
る」と述べ、引き続き注視していく必要性を強調した。（共同01.2.5）

＜危機管理　伊吹担当相＞
　伊吹文明危機管理担当相は１４日午前の衆院予算委員会で、米原潜と実習船の
衝突事故について「落ち着いて考えると、外交、安全保障に大きな影響を与える
かもしれない事故だった」と位置付けた。ただ政府対応としては「グレーゾー
ン」とも述べ、最上級の危機管理の範囲に入っているかどうか、発生直後には極
めて判断が難しかったとの考えを示した。
　また伊吹担当相は「（どのレベルで対応すべきかという）そもそも論をやって
いる暇が無いのが、あらゆる情報がきた時の現実だ」と指摘した。
　福田康夫官房長官は「事故発生後、伊吹担当相と河野洋平外相が米国に申し入
れし、米国で大規模な捜索活動が継続している。内閣全体としてしっかり取り組
んでいる」と述べた。
（共同01.2.14）

＜予備自衛官を災害派遣に活用＞
　防衛庁は四日までに、現在は防衛招集に限り任務に就くことになっている予備
自衛官（四万七千九百人、定員ベース）を二〇〇一年度から災害派遣にも活用す
る方針を固めた。今国会に自衛隊法改正案を提出する。
　防衛招集が出された場合、即応予備自衛官は前線で、予備自衛官は後方支援
で、それぞれ勤務することになっている。ただ、災害派遣については、即応予備
自衛官に限られていた。次期中期防衛力整備計画（次期防、二〇〇一～〇五年
度）で災害派遣重視の方針を打ち出していることから、予備自衛官のうち希望者
を募って任務に就かせる方針を固めた。
(読売2月4日)

　政府は１６日の閣議で、大規模な災害が発生した場合、元自衛官で民間企業な
どに勤務している予備自衛官（約４万６０００人）にも招集命令を出し、災害派
遣することを可能にする自衛隊法改正案を決定した。改正案には、専門知識を持
つ民間人を任期付き隊員として採用する制度や、元自衛官以外の人も公募で予備
自衛官に採用する道を開く予備自衛官補制度を導入することも盛り込まれた。
（朝日01.2.16）

　世界第２位、アジア第１位の海軍装備を持つ日本に災害派遣を求めることは、
経済成長を目指すアジア諸国にとってはいわゆる危機管理にも関わること。空中
給油機では物資輸送も断られるだろう。

＜派遣中止はインド側の事情＝防衛庁長官＞
　斉藤斗志二防衛庁長官は５日、内外情勢調査会での講演で、地震被害を受け
たインドへの自衛隊医療チームの派遣が直前になって中止されたことについて
「こちらは『すぐに出したい』と希望したが、インドには『自衛隊を迎えたら、
パキスタンとの関係がどうなるか』との逡巡（しゅんじゅん）があった」と述べ
た。派遣中止をめぐっては、日本政府の対応の遅れを指摘する声が一部に出てい
たが、これを否定したもの。
（時事2001/02/05）

　身から出たさびとはいえ、知性・品性・常識が食い違う政治主導に振り回され
るのには耐えきれず、見切りをつけ始めた官僚もでてきているとのこと。自衛隊
がこの成り行きをどう眺めているか。

＜政治主導＞
　モスクワで先月開かれた日ロ外相会談の際にロシア側が、領土交渉は今後両国
が外務省主導で進めるべきだとの意向を日本側に伝え、ロシア外務省とは別に政
治ルートでプーチン大統領周辺への直接の働きかけをはかる日本側の二重外交戦
略を強く牽制した。
　ロシア政府筋は「ロシアでは外務省以外に複雑な領土問題を扱いたがる国家機
関はない」と皮肉った。
（さきがけ2月6日）

　「あんなひ弱な連中に外交交渉を任せるわけにはいかない！」
八日の副大臣会議で、外務省への批判が吹き出し、副大臣が直接、外交交渉に乗
り出すことを決めた。会議では、外務省、農水省、防衛庁の各副大臣と内閣府の
経済財政担当副大臣が、外交、財政などの交渉を進めることを決めた。手はじめ
に米国を相手に、副長官級の交渉の場を設ける。
上野公成官房副長官「政治家ならばけんかする時にいいたいことが主張できる」
（朝日2月9日）

＜建国記念の日＞
　「建国記念の日」の１１日、各地で憲法、教育基本法、教科書、日の丸・君が
代などをテーマにした集会が開かれ、新世紀の日本の針路に対する、市民の危機
感を浮かび上がらせた。
　集会に先立つデモ行進では、右翼団体とみられる数人が妨害しようとして機動
隊などともみ合いになる騒ぎもあった。

西原博史・早稲田大教授「憲法９条は大事だが、９条が変わらなければそれでい
いのか。むしろ学校現場に権力が入り込み、子どもの意識に国家が直接働きかけ
ることの方が問題だ」。（東京・水道橋の集会）

五十川孝・平和フォーラム事務局次長「原潜の無謀な浮上で高校生らが不明のま
まだ。軍備では平和を守れず、逆に人の命を奪う」
上杉聡・関西大教員は、検定申請中の「新しい歴史教科書をつくる会」の社会科
教科書が憲法や教育基本法に反すると指摘。
自由法曹団・吉田健一弁護士「憲法と現実のかい離が問題にされるが、原因には
政府・自民党の政策と違憲立法審査に消極的な裁判所の姿勢がある」
参加者は、戦前の「紀元節」だったこの日を「神話をもとに侵略戦争を美化し天
皇を賛美する日」と批判し、アジア共通の歴史認識の確立を目指すアピール採
択。（東京都江東区の集会）

日本の建国を祝う会・小田村四郎会長「歴史教科書から神武天皇の御名は抹殺さ
れたが、伝統を教えなければ我が国が一系の天皇をいただく国家であると理解で
きない」
「新しい歴史教科書をつくる会」西尾幹二会長「日清・日露戦争を侵略戦争のよ
うに教えている。これではこの国がおかしくなる」（東京都渋谷区での「奉祝中
央式典」）
（朝日01.2.12）

　「建国記念の日を祝う国民式典」が１１日、東京・日比谷の日比谷公会堂で開
かれ、森喜朗首相と綿貫民輔、井上裕の衆参両院議長ら８００人が出席。
　首相は建国記念の日について「国民一人一人が、遠くわが国の成り立ちをしの
び、先人の文化の恩恵を思うとともに、国を愛する心をはぐくみ、国の発展を願
う、誠に意義の深い国民の祝日だ」と述べ、「私は確固たる意志と強い熱情を
持って、当面する諸改革に全力で取り組み、日本の新生を図る」と改革への決意
を強調。
（毎日01.2.12）

「改憲」のほうが「教育基本法改定」より票田に影響が少ないと読んだらしく、
「踏み込み」方に差も。もはやこの程度で「資質」をごまかせる段階ではないよ
うに思うが。
＜自民・運動方針原案＞
　自民党が来月の党大会で採択する二〇〇一年運動方針の原案が明らかになっ
た。外務省に「（機密費流用事件は）前代未聞の醜聞」「再発防止策を講じ、国
民の外交に対する失われた信頼を回復すること」を求める。「外交に関する国民
の信頼を著しく損ね、日本外交における対外権威の失墜という点においても許し
難い事件だ」
憲法改正論議を進め、「日本国の歴史、伝統、文化を踏まえ、調和のとれた国民
の権利と義務を規定」した「国民の憲法」を提案する。「国民的議論を巻き起こ
していく」から一歩踏み出した。①国際平和協力②地球環境③生命倫理④イン
ターネット時代のプライバシーの保護－などに配慮しながら、議論を進める。
教育基本法の改正については、「国家百年の計」となるよう積極的な見直しを行
う。
　調査会幹部「９条にこだわらず、幅広く議論し、改めるところは改め、国民の
ための憲法をめざしたい」（朝日01.2.6）
（読売2月14日）

　自民党が３月の党大会に出す運動方針案のうち、教育に関する部分の素案が２
０日、明らかになった。森喜朗首相が今春をめどに自民党の具体案をまとめるよ
う党側に求めてきた教育基本法改正については、素案でも「見直し」という表現
にとどまり、改正内容や時期は明記されていない。作業は大幅にずれ込んでい
る。
　素案では、教育基本法について「２１世紀にふさわしいものに見直し、新時代
に対応する日本教育の礎を築く」とした。
　教育基本法改正は首相が強い意欲を示してきたテーマで、亀井静香政調会長も
「党大会までに、改正の方向を出し、それを争点に参院選を戦いたい」と明言し
ていた。
　だが、連立を組む公明党が慎重なことに加え、自民党内でも意見調整が進んで
いない。文部科学省がさきに決めた「２１世紀教育新生プラン」でも、中央教育
審議会への諮問時期は示されなかった。
　素案は、教育改革国民会議が提言した奉仕活動について「多様な奉仕・体験活
動、環境教育等を通し、すべての子どもたちに豊かな心を育てる」とした。ま
た、基本的教科での２０人学級の導入や問題教師を教壇から追放する、など国民
会議が示した方向に沿った改革案も盛り込んだ。
(朝日01.2.21)

＜憲法改正論をけん制「集団的自衛権行使は可能」　自民・野中氏＞
　自民党の野中広務前幹事長は１０日、京都市内で講演し、憲法が禁じる集団的
自衛権の行使に関して「同盟国たる米国が攻撃を受けたときに、我が国の集団的
自衛権は発動されうる」と述べ、集団的自衛権の行使を条件付きで容認する見方
を示した。一方で、周辺事態について「周辺事態で米国が他国の地域紛争に入っ
たからといって、日本も自衛隊を兵力として（海外）派遣するようなことに手を
貸してはならない」と強調した。
　野中氏は米国のブッシュ新政権が今後、日米同盟の強化を求めてくるとの見通
しを示したうえで、「同盟国というのはお互いに責任を果たすということだ」と
指摘。「我が国の集団安全保障、集団的自衛権が独り歩きをしたら、おろかな戦
争に日本が再びまみえることになる」と述べた。
　また同党の山崎拓氏が独自の憲法草案作成に取り組んでいることを「憲法記念
日に合わせて憲法草案をつくるなどと言ってはしゃいでいる」と批判。野党内の
動きについても「（自由党の）小沢（一郎）さんと（社民党の）土井（たか子）
さんが最近何回か会って、安全保障の問題や憲法観で共通の理解ができたなどと
いわれている。土井さんは尊敬してやまない人だが、サッチャー（英国元首相）
の夢をみているのではないか」などとけん制した。
（朝日01.2.12）

＜外国人参政権は「国籍取得前提」　民主党内で法案に異論＞
　国会で継続審議になっている永住外国人地方選挙権付与法案をめぐり、早期成
立を目指す民主党で異論が高まってきた。慎重派の同党国会議員による「外国人
地方参政権を考える会」（上田清司座長）は７日の会合で、参政権付与には日本
国籍の取得が前提になるとの認識で一致。国籍を取りやすくする法案をつくり、
今国会での提出を検討することになった。党幹部からは「付与法案をつぶそうと
いうなら認められない」という声も出ている。
　この日の会合には、２７人の本人出席を含む４６人が出席。ジャーナリストの
櫻井よしこ氏や鄭大均・東京都立大教授らの話を聞いた。終了後、上田氏は「国
籍取得を条件にし、（地方だけでなく）国政にも参加する仕組みを作るべきだ、
という認識でほぼ一致した」と語った。
　鳩山由紀夫代表は７日の記者会見で「一度、答えをきちんと出している。民主
党は付与に意欲的と言っている」と念を押しながら、「勉強することは大事なこ
とだ」と語った。（朝日01.2.8）

自民党山崎派は１５日の総会で、永住外国人地方選挙権付与法案に反対する方針
を決めた。特別永住者の国籍取得要件については、許可制を届け出制に改め、原
則として無条件で国籍取得を認める内容の国籍法改正案の要綱を近く作成する。
（読売01.2.16）

＜「住基ネット構築費」見送る　東京・杉並区＞　
　東京都杉並区は５日、すべての国民に１１けたの住民票コード（番号）を付
け、ネットワークを利用して個人情報を全国的に一元管理する「改正住民基本台
帳ネットワーク」（住基ネット）の構築費を２００１年度当初予算案では計上し
ないことを決めた。
　住基ネットの構築を、めぐっては、山田区長は昨年６月の区議会で「個人情報
の保護という観点から大きな危ぐを抱かざるをえない」と慎重姿勢を表明、今月
１日から２８日までの期間中で、住民アンケートを実施している。ある区幹部は
「住民の意見も聞かないまま予算化できない」と話している。

　【住民基本台帳ネットワーク】
　改正住民基本台帳法では２００２年８月までに住基ネットを構築することを地
方自治体に求めている。総務省は、２００１年度予算案で、住基ネットの構築支
援費として約２４９億円を盛り込んでいる。構築費の総額は、約３２０億円、毎
年の運用費は約１８０億円が見込まれている。ただし、東京都や２３区など地方
交付税交付金の不交付団体の自治体への財政支援措置はなく、国の機関による利
用がメーンであることから不満は大きい。住民票を居住地以外の自治体でも取得
できることなどが住民メリットとされている。
（毎日2001.02.05）

改正住民基本台帳法に基づき、全国３２５０の市区町村のうち、導入に慎重な東
京都杉並区を除く３２４９市区町村が来年度予算に必要経費を計上していること
が２１日、総務省の調べで分かった。各自治体は、約１０００万～５０００万円
の予算規模で、住民基本台帳の新たなコンピューターネットワークの導入準備を
始める。
　４７都道府県も来年度予算で計上しており、東京都は３億４０００万円、大阪
府は２億６０００万円となっている。
（毎日２月21日）

＜個人情報保護＞
　政府が３月に国会提出を予定している「個人情報保護基本法案」の下敷きとな
る「個人情報保護基本法制に関する大綱」（個人情報保護法制化専門委員会－委
員長・園部逸夫前最高裁判事－が2000年10月11日森喜朗首相に提出）に対する日
本弁護士連合会（久保井一匡会長、日弁連）の意見書案が３１日、明らかになっ
た。大綱が公的部門より民間部門に細かな規制の網をかけようとしているのは
「重大な構造的欠陥」だとして、公的部門への規制が整備されるまでプライバ
シー侵害が懸念される改正住民基本台帳法（改正住基法）の施行延期を求めた。
さらに基本法による「言論・報道の自由を侵害する危険」を指摘し、報道や学術
分野などの適用除外を求めた。
（毎日2001.02.01）

＜自民が「放送活性化検討委」＞
　自民党は７日、幹事長の下に「放送活性化検討委員会」（熊代昭彦委員長）を
設けた。テレビ番組の政治報道を主な対象に、放送の公平中立性をどう保つか、
放送業界の規制改革をどう進めるかといった点を議論する。
　会合では、出席者から「（党の番組モニター制度を活用し）公平中立をうたう
放送法に違反しているとみた場合は、放送局を積極的に（民事訴訟などの形で）
提訴すべきだ」「まず抗議して、その社の反応をインターネットを通じて公表す
る」「再販制度はもう要らない」という意見が出た。
（朝日01.2.8）

＜福島県議会本会議場に日の丸掲揚＞
十九日開会の二月定例会から福島県議会本会議場に日の丸か掲揚された。今月九
日の県議会各派交渉会、議会運営委員会での了承を受けての掲揚。県議会事務所
によると、全国三十八番目。自民は壁面に広げて揚げる方式を求めていたが、反
対意見があったため、三脚にたてる方式で折り合いをつけた。一部には不満も
あったが掲揚については全体として歓迎。「当然のことだ」。所属政党が会派内
に混在する県民連合・公明は「議長が判断しということだ」とコメント。旗立て
方式は二十九議会で採用。
共産党県議団が同日「県議会にとって重大な汚点」と抗議文を提出。
県議団団長「日の丸イコール国旗にはいろんな考えがあり、議長として慎重さが
必要だったのではないか」
議長「慎重の上に慎重を重ねてきた結果で、（抗議文の）趣旨については充分
承っておく」
（福島民友新聞２月２０日）
掲揚については昨年五月三十一日に自民党が提案。義運で全会不一致のため棚
上げ。

1998年　　　3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月

1999年　　　1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月

2000年　　　1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月

2001年　　　1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月

［キーストーンメーリングリスト　目次］