keystoneML2000/12

To: aml@jca.apc.org, keystone@jca.apc.org
Subject: [keystone 3407] 戦争協力拒否ファックス通信12/17
From: toshimaru ogura <ogr@nsknet.or.jp>
Date: Tue, 19 Dec 2000 14:28:53 +0900
X-Dispatcher: imput version 990905(IM130)
Lines: 457
Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 3407
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org

小倉です。以下、戦争協力を拒否し、有事立法に反対する全国ファックス通信
最新号です。各地の情報をお寄せください。転載自由です。

　　 ---------------------------------------
　　　戦争協力を拒否し、有事立法に反対する
　　 ---------------------------------------
　　∨∨∨ YYYYYYYY　YYY　　　YY　　YY ∨∨∨
　　 ∨∨　YY　　　 YY YY　　　YY　YY　 ∨∨
　　　∨ 　YYYYYY　YY　 YY　　　YYYY 　　∨
　　　｜　YY　　 YYYYYYYYY　　YY　YY　　｜
　　全国　YY　　YY　　　 YY　YY　　YY　通信
　　 ---------------------------------------

●「戦争協力を拒否し、有事立法に反対する全国Fax通信」のファクシミリと
　郵送での購読料は半年間3,000円です。
●この11月から新たに再スタートとなります。ファクシミリ／あるいは郵送で
　の定期購読者を募集しています。ぜひ、定期購読をお願いします！
●この【電子版】は、より多くの方々に読んでいただきたいという趣旨から公
　開していますが、もちろん、こうしたメディアを編集し、発行を継続してゆ
　くためには、様々な経費が必要です。
●この【電子版】をご覧になった方で、多少なりともこうしたメディア／取り
　組みに意味があるとお考えの方は、＊是非カンパをお送りくださるよう＊お
　願いいたします。
●下記に記載の郵便振替口座をご利用ください。

//////////////////////////////////////////////////////////////////////
【電子版】
戦争協力を拒否し、有事立法に反対する全国FAX通信
Ｎｏ．４　2000年12月17日（月２回発行）
◆◆◆第１期・第４号◆◆◆

東京都千代田区三崎町３－１－18　近江ビル４階
TEL：03-5275-5989
FAX：03-3234-4118
電子メール：tokada@jca.apc.org
購読料　3000円（半年間／第１期：2000年11月～2001年４月）
郵便振替　00110-4-408708　全国ＦＡＸ通信
＊〈Fax通信〉は情報の受け手が同時に発信者となるメディアを目指します。
＊全国からの情報、企画、意見をお待ちしています。
----------------------------------------------------------------------
目次
●船舶検査法が成立！
　　－－有事体制の構築は、隠された形で進行する
●名護市民投票3周年　市庁舎包囲行動と「やんばる平和まつり」
　　－－参加を！　応援メッセージとカンパを！！
●ていこうせん
●12月8～12日「女性国際戦犯法廷」閉幕
　　－－「民衆法廷」の「仮判決」を読んで
●リレー連載◆定点観測◆　その４　札幌
　　－－21世紀は反原発と反戦の一体の運動を！
●メディア紹介『港湾問題パンフ（３）　空母随伴艦を止めた小樽市』
●沖縄・安保 News クリップ（11/29～12/13）
●「フジモリの帰国を求める緊急集会」
　　－－なぜフジモリにとって日本は居心地がよいのか？
●「名護にあらたな米軍基地をつくらせないために」
　　－－2001年〈ひびけ沖縄のこころ関西のつどい〉スタート！
●「戦争協力への抵抗」連続学習会を開催
●各地集会・行動予定（12/20～12/25）
●事務局から

----------------------------------------------------------------------
船舶検査法が成立！
　－－有事体制の構築は、隠された形で進行する

　「加藤の乱」が不発に終わり、ドラマにもならなかった第150臨時国会で、会期末
１日前の11月30日に船舶検査法案が参院本会議で可決・成立した。私たち「新しい反
安保実Ⅴ」は、Fax通信でも紹介したように参院・衆院でそれぞれ共産、社民両党議
員の報告を受け、議員面会所での緊急の抗議集会を行った。
　ここで改めて船舶検査法の特徴についておさらいしてみよう。同法の成立で、新ガ
イドライン関連の戦争法のワンセットが完成した。同法は、昨年に周辺事態法から切
り離され「先送り」された時と異なり、「国連安保理決議」の存在以外にも、同決議
が成立しなかった場合を想定して「旗国の同意」があれば、自衛隊自身による「船舶
検査」活動や同活動に従事する米軍への「後方支援」が可能になるものとなっている
。
　しかし「国連安保理」決議がない場合、日米安保条約という2国間の取り決めで第3
国の船舶に検査の強制ができる国際法上の根拠は何か、という質問に対する明確な回
答はなかった。また「旗国」の同意はどのように取りつけられるのかという質問に対
する、政府側の回答は「国際法上の規則、先例、慣行は成立していないし、その手段
についても規定されていない」「合意をいかなる方法で取りつけるかについては、個
別具体的な状況で異なるので、確定的なことを言うのは困難」というものだった。つ
まり事実上、状況次第で何でもできる、ということなのだ。
　さらに法案という形を取らない形で有事体制の実質的な構築が進んでいることであ
る。その一つは、臨時国会終了後の12月4日に防衛庁が「部隊行動基準」＝「交戦規
則」（ROE）の作成に向けた訓令を制定したことである。来年2月１日の訓令施行に基
づいて陸海空3自衛隊の幕僚長と統合幕僚会議議長が3自衛隊のそれぞれについてこの
基準を作成し、最終的には防衛庁長官の承認を得て決定することになっている。今年
3月からこの「交戦規則」策定のための検討会が設置され、そこでは①日本有事、②
周辺有事、③武装ゲリラ対策、④国連PKOなどを想定した検討が進められてきたので
あるが、これまで憲法9条の「国の交戦権はこれを認めない」という条文のために公
式には作成されなかった「交戦規則」が改憲を待たずに決定されることになったとい
うことだ。
　二つ目に、同じ12月4日、防衛庁は自衛隊の治安出動について国家公安委員会と結
んでいる「治安の維持に関する協定」を改定した。旧協定は警察力による対処を前提
としていたが、新協定では「外国の武装ゲリラ」を想定し、武装の程度に応じて警察
力では対処しきれない場合、当初から自衛隊が前面に出て鎮圧作戦にあたる場合もあ
るとされる。
　石原都知事が自衛隊を動員して展開した9月3日の治安出動訓練は、新協定を通じて
さらにより実戦化した形で全国的に行われることになる。
　他方、野党の民主党も11月30日に「緊急プロジェクトチーム」の名で緊急事態法制
＝有事法制に関する党見解の原案をまとめた。それは戦争や大規模災害などの緊急事
態にあたって、国が土地・物資の収用や住民の避難・誘導を行う「国家緊急事態法」
（仮称）の制定を目指している。またこの民主党見解原案は、「平時」においても自
衛隊が出動して治安維持にあたる「領域警備」を自衛隊の任務に加え、海上などでの
「スパイ行為」を取り締まる法律の制定を提起している。
　こうして、必ずしも法律という形を取らないで「平時」から「有事」＝戦時に対応
する機能を兼ね備えた国家の体制が実施に移されようとしていることに私たちは自覚
的でなければならない。土地収用法の改悪の企図なども、こうした観点からするとき
明らかに「有事法制」的機能を備えた国家権力の強化をめざしたものなのである。
（事務局／国富）

----------------------------------------------------------------------
名護市民投票3周年　市庁舎包囲行動と「やんばる平和まつり」
　－－参加を！　応援メッセージとカンパを！！

　岸本名護市長のリコールは断念をせざるを得ませんでしたが、「新たな基地はいら
ない」「大事なことはみんなで決めよう」という原点に立ち返り、多様な取り組みが
行われています。サミット期にはシンポジウムと街頭行動の「ヤンバル・ピース・ウ
ェーブ」（ヘリ基地反対協など）、毎日市長を訪問する「平和のプレゼント」（二見
以北十区の会）、IUCNでのジュゴン保護勧告決議や米国内での働きかけ（ジュゴン保
護基金委員会）など、それぞれが成果を得つつあります。
　そして今回、市民投票3周年に基地建設反対の気持ちを新たにしようと、市庁舎包
囲行動と「やんばる平和まつり」が行われます。手作りで培ってきた名護の運動の一
つの成果として、必ずや成功させましょう。
　多くの方々の参加を！　そして応援メッセージ、資金カンパをぜひお寄せください
。お願いします。

============
スケジュール
============
【名護市役所庁舎包囲行動】12月21日（木）
12:15に名護市役所前集合／予定：市役所包囲、市役所前ひろばにてアピール発表、
市長への申し入れ
【やんばる平和まつり】12月23日（土）
11:00～18:00／場所：名護市21世紀の森野外ステージ、名護市労働福祉センター／主
催：同実行委員会、基地の県内移設反対県民会議
◆連絡先／応援メッセージ・資金カンパの送り先：
海上ヘリ基地建設反対・平和と名護市政民主化を求める協議会［ヘリ基地反対協］
〒905-0017　沖縄県名護市大中3-9-1
TEL：0980-53-6992／FAX：0980-53-6993／e-mail：hantaiky@m1.cosmos.ne.jp
郵便振替：01700-7-66142　ヘリ基地反対協議会
＊応援メッセージは50字以内で。郵送、FAX、
　e-mailいずれも可。

----------------------------------------------------------------------
ていこうせん

◆仕事で「風俗画報」ほぼ全巻を眺める機会があった。明治から昭和初期にかけて発
行された色刷版画の冊子である。いわゆる美人画の類いもそれなりにあるのだが、「
報道」という「残酷絵」の多さに驚かされる。日露戦争はいうに及ばず、地震、火事
、水害、風害、絵の中は腕も頭もとびまくって、血みどろどろなんである。みんな好
きなんだなぁ。◆六道輪廻の絵解きの地獄図から始まって、「残酷」は何か人を引き
つける。例えば幼い頃に恐くて恐くて触ってはいけないと思っていても、そおっと表
紙をつまんで持ち上げて確認せずにはいられなかった、ゴヤの子どもを食べる巨人の
絵や黒こげの死体の写真。あの時のくらい興奮。◆「バトル・ロワイアル」を機に少
年犯罪防止をいいつつ、またぞろ映画検閲法案の動きが出ている。どんな名目であれ
検閲を許してはならない。わたしの足下のくらい道、たくさんの亀裂に阻まれながら
も生体実験や核兵器につづくこの道をみつめ続けることでしか、踏み出さないための
「何か」は見いだせない。（み）

----------------------------------------------------------------------
12月8～12日「女性国際戦犯法廷」閉幕――「民衆法廷」の「仮判決」を読んで

　12月8日から東京で開催された「女性国際戦犯法廷」は、12日に英文の「事実認定
概要」（「仮判決」と呼ばれていた）を公表して幕を閉じた。サヴァイヴァー（生存
者）と呼ばれる、日本軍によって「慰安婦」にされ組織的強かんの被害にあった女性
たちのうち、証言者として出廷した人が75人以上。法廷と連携して行われた「『現代
の紛争下の女性に対する犯罪』国際公聴会」をふくめた5日間とも、会場の九段会館
は満員だった。「仮判決」は、時間的制約のため主要被告である天皇ヒロヒトの、日
本軍性奴隷制に関する責任をどう評価するかに焦点を絞ったものとなった。その他の
軍事的政治的責任者に対しての判決をふくむ「最終判決」は、2001年3月8日の国際女
性デーに言い渡される。
　天皇ヒロヒトは、「強かん及び性奴隷制に関する責任」および「人間性に対する犯
罪としての強かんについて」有罪。「日本政府が慰安婦制度の設置と運営に関して国
家責任を負うこと」も確認された（仮判決39項）。
　この女性法廷は、「グローバルな市民社会の声によって設立された民衆法廷」とい
う特殊なもので、「複数の国家が不履行とした領域に分け入りながらも国家の役割を
代行する意図」はなく（同6項）、その判決も国内法や国際法にあるような法的拘束
力をもってはいない。そして「仮判決」は、「個人の犯罪責任と国家責任を組み合わ
せて」「国際的不法行為」に対して「司法権を行使する」（同11項）もので、日本政
府による「謝罪、原状回復、損害賠償、リハビリテーション（あるいは名誉回復）」
を追及する（同12項）。被害者にさせられた女性たちが、「みずから悲劇の責任者で
あるとみなすような女性差別的な社会のあり方の結果、羞恥と沈黙を強いられた」こ
とを糾弾し、性のステレオタイプ全体に警告を発した（同17項）のも、特徴的だ。
　この前提に立って「仮判決」は、天皇の、戦時性暴力ひいては戦争そのものに対す
る主体的関与（責任と罪）を明記し、日本国家の現在までつづく歴史の隠蔽と責任逃
れ、性差別と民族差別が分かちがたく結びついていることを指摘し、当時の連合国が
みずからの都合によって日本と天皇に対する責任追及をしなかったことの問題を記し
ている。そして、好むと好まざるとに関わらず日本国民である人間も、日本国家のこ
の責任を追及することで、他のアジアの人びとの仲間に入れてもらえる可能性がある
ことを示唆している。
　「民衆法廷」のあり方については、たぶん国際法の専門家でも一様の評価を下すこ
とは難しいだろうし、「民衆」法廷なのだから、専門家でなくてもそれぞれの評価を
下すことが許されるはず――ということは、あらゆる評価や解釈が今後噴出してくる
ということだろう。その中には、国家や国際連合の「お墨付き」をもらっていないゆ
えに法的拘束力をもたないこの「民衆法廷」が、そのことによってかえって、この法
廷を支持する人びとの「権威」を国家のそれより確かなものにする可能性がふくまれ
るはずだ。
　その「権威」は、一般的な法廷と同様のいわゆる権威と「正式さ」をも確かに纏っ
ていた、この法廷の裁判官と検事の態度や法衣や法律用語や開廷前の「起立着席」に
あったのではない。それはたとえば、裁判官の、サヴァイヴァーに対して「ここに来
られて証言をなさったことに感謝し、勇気に敬意を表します」とねぎらう言葉が表面
的なものではなく、私たち参加者の証言者に対する敬意を代表する真摯なものである
ことに現れていた。閉廷後のセレモニーで、数十人のサヴァイヴァーのおばあさんた
ちが、それまで「法廷」であった舞台の中心に上がり、泣いたり笑ったり踊るように
して、手に手に白い布を振り私たちにアピールをした姿にも現れていた。主役は明ら
かにあのおばあさんたちだった。息を呑むようなみごとな弁舌の国際的な法律家たち
も、法廷の中をのぞく間もなく寒空で右翼と対峙していた警備陣も、徹夜で遠来の証
言者を迎える準備をしたスタッフも、この主役を支える結果になったということが、
女性法廷の「権威」のひとつだったと私は思う。
　一方この「権威」は、この「有罪判決」を、今後少しでもサヴァイヴァーの訴えに
沿う具体的な効果（日本政府の謝罪と補償）に結びつけることができるか、にかかっ
ているのだと思う。
（青山薫／ピープルズ・プラン研究所、法廷ちょっとだけボランティア）
◆法律用語もおぼつかない私的な翻訳です。訳文の転載はしないでください。正規の
翻訳は、VAWW-NET Japan（Fax：03-5353-4088／URL：http://www.jca.apc.org/
~vawwjs）の公表をお待ちください。

----------------------------------------------------------------------
◆定点観測／その４◆札幌　21世紀は反原発と反戦の一体の運動を！

　国会の乱行ぶりは世紀末を飾るのに相応しい感があるが、ここ北海道でも民主主義
不在の議会が展開された。堀知事は道民の75％が反対する泊原発3号機を容認し、幌
延町長以外の近隣町村長が全員反対を表明した深地層研究所も、条件付きで認めた。
問題は何故知事が、自らの公約も無視して、道民投票を望む声をつぶしたからである
。

アイヌモシリは、政治家と役人と
ゼネコンの食い物に

　「知事は、十勝出身の国会議員（鈴木宗男）に脅されて、自分の首と引き替えに泊
3号機増設容認をした！」これは私たちが言ったのではない。札幌市内を走り回った
右翼の街宣車だ。どんな裏があるのか市民には計り知れない。
　しかしキティホーク寄港、帯広空港への米軍機無許可着陸、F16の渡島大島沖墜落
などの重大事件にも堀知事のきっぱりした姿勢は見えない。道庁は汚職の巣窟であり
、建設部長の逮捕、側近の副知事の突然の辞任。こんな事で道民合意を踏みにじられ
てはたまらない。堀知事の裏にいる科技庁やゼネコン、政治家など半ば見える敵を相
手に、道民は日夜会議を持ち、知恵を振り絞っている。

核兵器材料のプルトニウム450トン！
反戦・反核・軍縮運動は、この事の認識から

　ドイツのゴアレーベンという放射性廃棄物処分場予定地に行った時、“60歳以上の
反原発の会”の方から「日本は被爆国なのに何故、原発を導入したのか？」と聞かれ
た。ドイツでは反戦と反原発運動は一体なのである。台湾では原発のことを核電と呼
ぶ。日本企業の第4原発輸出は台湾からのストップがかかったが、実現していたら日
本の第二の侵略である。韓国の市民運動は反原発運動の事だと、新潟のノー・ニュー
クス・アジア・フォーラムで会った韓国女性は言い切った。日本は未だに、この二つ
が分離した運動が続いている。原発に関する悪法が、あっという間に国会を通り、兵
器に使用可能なプルトニウムが450トンも日本に蓄積される。アジアや世界中の恐怖
の的である。またNASAの宇宙開発は軍需と原子力の策謀で、すぐにも止めなければ地
球全体が被爆する恐ろしい計画である。反原発と反戦で超多忙になったが、年内は先
生たちと「日の丸・君が代」反対で走り納め！
（谷百合子／無防備・非核ネットワーク）

----------------------------------------------------------------------
メディア紹介
『港湾問題パンフ（３）　空母随伴艦を止めた小樽市』

　前号の「定点観測」で、横須賀の新倉裕史さんは、キティホークの随伴艦ビンセン
スの入港を小樽市が拒否したことを「小樽市の頑張り」とし、こう書いた。「『派兵
チェック』98号は巻頭で『キティホークが巡洋艦ビンセンスを随伴して小樽に寄港』
と書く。しかし、小樽市がビンセンスを止めたことの重要性は意識されていない。だ
から、新しいパンフレットを作った」。
　そのパンフが、この『空母随伴艦を止めた小樽市』である。パンフレットの主張は
きわめて鮮明だ。97年のインディペンデンスと今回のキティホーク。この2度の米空
母の小樽寄港に関する主な項目を表にして、空母が入港・着岸したということを除き
、「すべて私たちが求める方向に、事態は動いた。……なかでも画期的だったのは、
小樽市が随伴艦の入港を拒否したことだ」とする。小樽市の拒否にいたるドキュメン
ト、米軍の論理と自治体の論理など、わかりやすく具体的に書かれた小冊子である。
　「派兵チェック」のメンバー（ただし、執筆担当者がそう言っていたという伝聞だ
が）の話では、入港が拒否されたとはいえ、それがキティホークに随伴して民間港の
すぐそばまで入ってきたということのもつ意味を訴えたかったらしい。『チェック』
の巻頭の文章は、周辺事態措置法施行以後初めての空母の寄港と日米合同軍事演習の
展開、船舶検査法の審議入りなどという流れの中で、それらの動きへの強い危機意識
を表明する文脈で書かれている。その点、確かに小樽市の「がんばり」を重視するも
のでないことは確かだ。だが、私たちはもちろん、その双方の立場を対立的にとらえ
る必要は全くなく、動き全体を見ておくべきだろう。
　横須賀という地域と現場にこだわりつつ、行政の姿勢を少しでもいい方向に変えて
いこうとしてきた、新倉さんたちの長年の活動が、住民の運動につき動かされた小樽
市の姿勢を評価させていることは、言うまでもないだろう。私自身は、集会などで報
告される、そういう具体性をもって展開されている横須賀の運動の姿に、励まされる
思いをしてきた。横須賀のパンフはこう述べている。「こうした小さな『変化』を正
しく評価することが、次の『希望』につながる」。私たちは確かに、そういう「希望
」の芽を見いだすことに、もっと自覚的であるべきかもしれないと、これを読んで強
く感じた。
（北野誉／事務局）

●A5版、40頁、200円
●発行：非核市民宣言運動・ヨコスカ（電話／Fax：0468-25-0157）

----------------------------------------------------------------------
沖縄・安保Newsクリップ（11/29～12/13）

【11月29日】米軍普天間基地の代替施設の基本計画について政府、県、地元自治体
が話し合う「代替施設協議会」の第4回会合が首相官邸で。政府側は、民間地域に騒
音を及ぼさない滑走路の中心が、辺野古地区の中心部から最短で約1.1キロの位置に
なると説明。
【11月30日】米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキングチーム
（県、基地所在5市町村などで構成）の第4回会合が、外務省沖縄事務所で。
【12月4日】防衛施設庁が、名護市辺野古沿岸海域でサンゴ・藻場の補足調査を今月
中旬から3カ月間実施する、と発表した。▼「八重山・白保の海を守る会」が環境庁
で記者会見し、新石垣空港カラ岳陸上案の撤回と国立公園の早期指定を求める声明を
発表した。
【12月5日】第二次森改造内閣が発足。行政改革担当相兼沖縄・北方対策担当相に橋
本竜太郎元首相（橋本長官は翌6日、稲嶺恵一知事と初会談）。▼「沖縄南北縦貫鉄
道を実現する会」が、ポスト三次振計に鉄軌道導入を求める署名が目標の10万人を超
えた、と発表。
【12月6日】防衛施設庁が、米軍普天間飛行場の移設に伴う代替施設の工法などに関
し、技術的な基礎資料の収集を民間の部外団体へ委託すると発表。また滑走路の長さ
は約2400ｍを想定、と初めて明らかにした。▼普天間飛行場の移設問題で岸本名護市
長が、同市役所久志支所で久志地域13区の代表と初めての懇談会。各区の区長や行政
委員ら約60人が出席。
【12月7日】「新嘉手納爆音訴訟」の第2回口頭弁論が那覇地裁沖縄支部で。▼沖縄
県収用委員会が、米軍楚辺通信所と牧港補給地区に係る一部土地の強制使用手続きに
ついての公開審理を来年１月17日に開催することを決めた。使用期限が切れる来年3
月末までに3回の審理を開き、裁決を下す考えという。
【12月8日】沖縄振興開発審議会総合部会専門委員会が、那覇市内で会合。ポスト三
次振計の新たな沖縄振興の基本理念や方向性について、本格的な議論を開始。
【12月10日】翁長雄志那覇市長が、自衛隊那覇基地で開かれたエアーフェスティバ
ルに出席。那覇市長が、自衛隊の公式行事に出席するのは復帰後初めて。
【12月11日】航空自衛隊（那覇基地）と米空軍（嘉手納基地）が、夜間暗視装置な
どを使用した共同救難訓練を開始。日米の捜索活動能力向上が目的で3日間。
【12月12日】翁長・那覇市長が、同市議会12月定例会代表質問で、那覇軍港や普天
間基地内にある市有地の契約、自衛官募集業務、市庁舎への日の丸掲揚を行う考えを
示した。▼MV22オスプレイが、米ノースカロライナ州で墜落事故。乗員4人全員が死
亡。米国防総省は、同機の飛行全面停止を打ち出した。
【12月13日】那覇市議会12月定例会の代表質問で翁長雄志市長は、航空アクロバッ
トチーム「ブルーインパルス」の訓練実施を自衛隊が提案していることについて、「
現在のところ反対」と述べた。

----------------------------------------------------------------------
「フジモリの帰国を求める緊急集会」
　－－なぜフジモリにとって日本は居心地がよいのか？

　11月19日、ペルー大統領アルベルト・フジモリが辞意を表明した。事情はどうあれ
、ペルーでその意志表明が行なわれていれば、しかるべき過程がその後踏まれていこ
う。だがフジモリはブルネイでのAPEC会議に出席した後立ち寄った日本から、ペルー
へのファクス送信でそれを行なった。そして帰れぬ事情があると言って、日本滞在を
続けたいことをほのめかす思わせ振りな発言を繰り返した。
　急遽結成された「ペルーの民主化を支援するネットワーク」は、11月26日、東京・
早稲田で「フジモリの帰国を求める緊急集会」を開いた。あまりに緊急な集まりだっ
たために電子メールでの告知しか出来なかったにもかかわらず、在日ペルー人労働者
10人を含め40人有余が集まった。在日ペルー人をはじめ4人が発題したが、論点は以
下に集中した。ペルー共和国大統領として10年間にわたって政治・経済・社会・軍事
のすべての局面で強権的に全権を揮ってきたフジモリが、子飼いの前情報局顧問モン
テシノスとの関係が破局に至り、いまだ軍と警察の秘密部門に実権が残るモンテシノ
スとの確執によって故国における形勢が不利になったからといって、居心地のよいら
しい日本に留まるというのは、あまりに無責任に過ぎる。
　同時に、ひるがえって考えてみるに、フジモリにとって日本はなぜかくも居心地が
よいのだろう？　それは、この10年来、フジモリが日系人であることを理由に特別待
遇してきた日本政府および社会全般の関わり方と無関係ではないだろう。政治家に対
する私たちの共感ないしは批判は、その価値観・政策路線・民主主義や人権問題に対
する態度など、その人物の具体的な考えと実践に即してしか生まれ得ない。ところが
、フジモリに対してこの10年間組織されてきたのは、彼が日系人であるがゆえに政府
開発援助額を大増額し、曽野綾子が責任者を務める日本財団などの民間援助額も増え
るというように、「日系人」であることを前提としての共感や親近感であった。この
血族主義を断ち切ること。フジモリ問題が私たちに指し示す課題はここにある。
（太田昌国）

----------------------------------------------------------------------
「名護にあらたな米軍基地をつくらせないために」
　－－2001年〈ひびけ沖縄のこころ関西のつどい〉スタート！

　来年で第6回を迎えるこの「つどい」の実行委員会発足の講演集会が、「沖縄から
基地をなくし世界の平和を求める市民連絡会」の事務局長崎原さんを迎えて、12月10
日に持たれた。崎原さんからは冒頭、サミットを前に結成された「市民連絡会」が9
月18日の総会を経て「ヘリ基地を絶対に許さない」ために第2期の運動に入ると紹介
された。以下発言の趣旨。今年の12月20日でコザ暴動から30周年になるわけだが、今
日の沖縄の基地の再編強化の実態は当時と決して変わらない。「沖縄のマグマ」は今
も眠っていて、いつ爆発するか分からない状況である。昨年再改悪された特措法によ
る、国の一存で米軍基地が強制収用可能というのは、米軍統治下の「布令109号」に
逆戻りしたに等しい。
　稲嶺県政は①歴史資料館の改竄問題、②反戦一坪地主を県や外郭団体からはずす、
③SACOによる基地の県内移設の推進という三悪に手を染めた。しかし、数々の住民投
票や世論調査では、県内移設に反対の意見が多数を占めているし、SACOの究明会議で
、那覇軍港の浦添への移設はすでに1968年から検討されていることもわかっている。
県内移設の受け入れについての「シナリオ」の存在も暴露された。普天間基地の移設
協議会も第4回目に、工法や規模を小出しにしてきたが、これも日米政府で早くから
検討されてきた計画案の存在も指摘されている。
　しかし朝鮮半島の情勢や、米軍高官の沖縄からの基地移転発言、国際環境保護連合
でのヤンバルの自然やジュゴンの保護勧告もあり、明るい材料もある。当面来年2月
の浦添市長選が焦点化されるが、嘉手納包囲行動のエネルギーを次にどうつなげて行
くか課題である。
　講演終了後、活発な質問意見が交わされた。岩国の海兵隊基地も強化される中で、
沖縄の運動の状況に一喜一憂するのではなく、本土の我々がどう自立して闘っていく
のかが問われているという問題提起もあった。
　来年の4月1日（日）に大阪城野外音楽堂で第6回の集いを数千人規模で行うことを
決め、終了した。
（服部良一／ひびけ沖縄のこころ関西の集い実行委員会事務局）

----------------------------------------------------------------------
「戦争協力への抵抗」連続学習会を開催

　「周辺事態」って、どんな事態になるのだろう。それが曖昧なのは「周辺」と言わ
れる地域が全く定かではないばかりか、実際にどんなことが起こるのか、はっきりし
ていないからだ。確かに朝鮮戦争やベトナム戦争の経験は役たつだろうが、今度は自
衛隊が米軍の「後方支援部隊」として機能させられ、行政・自治体、民間諸機関まで
動員させられる。
　私達が相手としている東京都の首長は、かの石原慎太郎だ。彼は「一旦緩急あれば
、一切をなげうって協力する」という御仁であり、その配下の役人の私達に対するガ
ードも固い。これまで私達は何度か要求と公開質問状を提出してきたが、明確な回答
は得られていない。役人は曖昧に擦り抜けようとしている。
　それにしても行政法は行政に都合よく（無責任）できているものだし、官僚機構で
ある行政はなかなか侮れない。そこで行政が準備している戦争協力の罠を私達は事前
から十分に把握しておき、都交渉に役立つ論理構成を獲得し、動員構造に風穴を開け
、《拒否の論理と心理》を探るための連続学習会を開催する。
◆第１回のテーマは「防災が戦争を準備する？」。既に施行されている防災体制は戦
争を準備（動員）しているようだ。危機管理体制が敷かれ、動員構造がかなりできあ
がっている。「東京都地域防災計画」を素材として検討したい（12月20日／会場・時
間は、下欄参照）。
◆第2回は「防衛白書」（１月23日）。以降は未定。
◆主催・問い合わせ先：東京都は戦争協力をするな！平和をつくる市民連絡会（電話
／Fax：03-3953-9550　山本）
（山本英夫／平和をつくる市民連絡会）

----------------------------------------------------------------------
各地集会・行動予定（12/20～12/25）

12月20日（水）また戦争をしますか？　時間＊18:00～／場所＊シニア・ワーク東
京（東西線ほか飯田橋駅）「教えられなかった戦争　沖縄編」上映／報告＊高岩仁（
映像文化協会）／1000円／主催＊同実行委（045-981-0834　高岩）
■防災が戦争を準備する？　開場＊18:30／場所＊四谷区民センター（丸の内線新宿
御苑前駅）／お話＊山本英夫／主催＊東京都は戦争協力をするな！平和をつくる市民
連絡会（03-3953-9550　山本）
■パレスチナ紛争とゴランPKO　時間＊18:30～／場所＊練馬区役所本館19F（西武池
袋線練馬駅南口）／講師＊田浪亜央江（一橋大学大学院）／付忘年会／主催＊戦争に
協力しない！させない！練馬アクション（03-3825-8428　池田）
12月21日（木）「コザ暴動」から30年、いま未来を語ろう　時間＊19:00～／場所
＊琉球センターどぅたっち（山手線駒込駅2分）／森口豁ドキュメンタリー「激突死
」上映／500円／主催＊命どぅ宝ネットワーク（03-5974-1333）
■ゆれる朝鮮半島と日本　時間＊18:30～／場所＊豊島生活産業プラザ（池袋駅・豊
島区民センター隣）／講師＊渡辺健樹／300円／主催＊有事立法を許すな！北部集会
実行委（048-475-3212　芝崎）
12月23日（土）グローバリゼーション下で象徴天皇制はどう再編されているか　開
場＊13:00／場所＊文京区民センター（三田線春日駅・ＪＲ水道橋駅）／問題提起＊
小倉利丸、天野恵一／主催＊反天皇制運動連絡会（03-3368-3110）
■戦争国家化と天皇誕生日に反対する大阪集会　時間＊13:30～／場所＊エルおおさ
か（地下鉄天満橋駅）／講演＊伊藤晃（千葉工業大学）ほか／800円／主催＊同実行
委（06-6303-0449）
12月25日（月）ジュゴンをまもれ！～報告・交流会～　開場＊18:30／場所＊労働
スクエア東京702号室（営団地下鉄八丁堀駅A3出口より、右へ徒歩約１分）／報告者
＊東恩納琢磨、宮城康博、まよなかしんや、玉城芳喜、高江洲あやの、ほか／500円
／主催＊ジュゴン保護基金委員会（事務局・電話／Fax：0980-55-8587）

----------------------------------------------------------------------
事務局から

◆購読料は3000円です。振替はこちらに！
　口座番号：00110-4-408708
　加入者名：全国FAX通信
◆購読料の領収書が必要な方は事務局まで連絡を。
◆FAX送信／郵送の別を明記してください。FAX送信の際に、送信エラーが出た場合（
紙切れなど）は、郵送に切り替えて送らせていただく場合があります。ご了承くださ
い。
◆集会や紙面で紹介するパンフレットなど、情報を積極的にお寄せください。

1998年　　　　　3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月

1999年　　　　　1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月

2000年　　　　　1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月

［キーストーンメーリングリスト　目次］