Date: Mon, 18 Dec 2000 16:29:10 +0900
From: 加賀谷いそみ <QZF01055@nifty.ne.jp>
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Subject: [keystone 3401] 【緊急】熊本市議会に「つくる会」請願
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「子どもと教科書全国ネット21」からの緊急要請です

熊本市議会に「新しい歴史教科書をつくる会」熊本県支部より「熊本市に於け
る中学校歴史教科書採択制度運用の改善に関する請願書」が12月8日提出さ
れました。紹介議員は市議会最大会派である自由民主党熊本市議団の団長で
す。
12月15日の委員会では全会一致で採択、20日の本会議で採択されようと
しています。
同請願は、締め切り5分前に急遽提出されたもので、対抗する請願は出されま
せんでした。
 この暴挙に対し、様々な個人・グループが、20日の本会議採決に向けて、
各会派に不採択を求める要請を行っています。
 各地のみなさまからも、不誠実な請願書の採択を阻止する要請を各会派に届
けてくださるよう呼びかけます。

子どもと教科書全国ネット21
E-mail:kyokashonet@a.email.ne.jp
HP・URL:http://www.ne.jp/asahi/kyokasho/net21/

共産党以外は、ほとんど賛成
<要請先>
熊本市議会
熊本市手取本町1−1
TEL 096−328−2111(代表)
FAX  096−324−3284(議会事務局)

江藤正行・熊本市議会議長      
自由民主党熊本市議団(23名) (嶋田幾雄・団長)
平成クラブ(9名)       (賛成討論を行いとの意向を示している)
くまもと21(8名)  (団長が民主系のため、社民系議員も賛成を容認)
公明党熊本市議団(7名)(積極的に賛成) 
自由クラブ(1名)、無所属(1名)
日本共産党熊本市議団(3名)  
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各会派あて要請文

「新しい歴史教科書をつくる会」熊本県支部提出請願の
不採択を求める緊急要請

「新しい歴史教科書をつくる会」熊本県支部から熊本市議会に対して、今年1
2月8日付けで提出された「熊本市に於ける中学校歴史教科書採択制度運用の
改善に関する請願書」(以下「つくる会請願」と略する)につきましては、議
会が教科書選定委員や調査委員の人選に関与することを求めており、教育基本
法とその関連法にうたわれた教育の政治的中立に反します。同時に「新しい歴
史教科書をつくる会」のメンバ−が執筆し、扶桑社が出版した歴史教科書を採
用させようとしていることは明白であり、特定出版社の教科書売り込みを、熊
本市議会が支援することになります。よってこの請願を不採択にされるよう強
く求めます。

1、この「つくる会請願」のどこを読んでも、現在熊本市が採用している教科
書採択制度のなにが問題なのかさっぱりわかりません。政府の教科書採択に関
わっての閣議決定「規制緩和推進計画の再改定」(1997年)に示されたよ
うに、地方分権の時代にふさわしい採択地区の小規模化、将来的には学校単位
の実現、また教科書採択の調査研究により多くの教職員の意向を反映させるな
どの採択方法の工夫改善が求められていることはいうまでもありません。「つ
くる会請願」一項めの「学習指導要領の・・」云々については、熊本市教育委
員会が、今まで学習指導要領を尊重してこなかった事実があったからこうしな
さい、というのであれば理解できないわけでもありませんが、なぜ学習指導要
領を取り上げるのか意味不明です。教科書採択に当たっては憲法と教育基本法
をふまえた選択が重要であることもいうまでもありません。

2、「つくる会請願」の第二項に突然「絞り込みを行なわないこと」が出てき
ますが、「理由」の中にもその合理的な説明は出てきません。これは他の県で
「つくる会」が起こしている請願にはっきり記載されているところでは、教科
書採択に現場の教職員の意見を反映させるやり方を止めて、教育委員会の独断
で行なうことを求めているのです。まったく民主主義破壊の暴論といえます。

3、三項目の「委員の氏名公表」についてもそれがなぜ必要なのか「理由」の
中に説明はありません。この請願がいかにも情報の公開を求めているかのよう
な装いを取るためか、あるいは教職員組合に所属する「選定委員」をやり玉に
挙げるための手段かどちらかでしょう。

4、以上見てきたように、この請願がなぜ今熊本市議会に提出されねばならな
いか、合理的説明は何もありません。この請願の結論は「今こそ、先人が築き
あげてきた日本とそれぞれの地域の伝統と良心を教える中学校用教科書社会
(歴史的分野)の採択が望まれます。」ということです。つまり「新しい歴史
教科書をつくる会」が編集し、扶桑社から出版した歴史教科書を採択せよと要
求しているのです。
「新しい歴史教科書をつくる会」という特定のオデオロギ−のもとに編集した
集団が、自分たちの特定の思想で塗り固めた教科書を、その出版元とともに熊
本市に売り込むために起こした請願です。

5、教育基本法に基づいた「義務教育諸学校に於ける教育の政治的中立の確保
に関する臨時措置法」第一条は、「義務教育諸学校における教育を党派的勢力
の不当な影響または支配から守り、もって義務教育の政治的中立を確保すると
ともに、これらに従事する教職員の自主性を擁護する」ことを謡っています。
「つくる会請願」は議会の名によって教育行政に影響を与え、教科書選定委員
や調査委員の人事に関与することまで求めており、教育基本法とその関連法に
反するものであることは明白です。よってこの請願を直ちに不採択にするよう
強く求めます。
                       12月15日
                 平和憲法を活かす熊本県民の会
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   熊本市に於ける中学校歴史教科書採択制度運用の改善に関する請願書

要旨
単独採択地区となっております熊本市教育委員会が行う、市内の義務教育諸学
校において使用する教科書の採択について、その適正且つ公平な実施を図るた
め、同委員会におかれては、次の三点を重視して採択を行なっていただきた
く、ここに請願します。
一、教科書の採択に当たっては、あくまでも「学習指導要領の目標に基づいた
内容の比較検討」を基本とすること。
二、教育委員会の下部機関(選定委員会・調査委員会など)が答申を行う場
合、絞り込みを行わないこと。
三、選定委員等については、教育委員会の教科書採択決定後、委員の氏名の公
表を行なうこと。

理由
 中学校義務教育の教科書採択事務は、次代を担う子供達を育てる上で、極め
て重要な公務ですが、この採択事務が適正公平に行われることは、私たちに
とって大きな関心事でございます。
 特に、現在、全国で採択されている中学校用教科書社会(歴史的分野)は、
近代史の歴史的事象の記述に差が見られ、扱い方によっては児童生徒の歴史的
認識を誤らせることも考えられます。
 学習指導要領によれば、「歴史敵事象に対する関心を高め、我が国の歴史の
大きな流れと各時代の特色を世界の歴史を背景に理解させ、それを通して我が
国の文化と伝統の特色を広い視野に立って考えさせるとともに、我が国の歴史
に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる。」と、はっきりと示してあ
り、そのような授業の展開を期待するものです。
 今こそ、先人が築き上げてきた日本とそれぞれの地域の伝統と良心を教える
中学校用教科書社会(歴史的分野)の採決が望まれます。
 私たちは、このような中学校用教科書社会(歴史的分野)により、次代を担
う子ども達が、日本の歴史を学び、それぞれの地域に生まれた喜びを知り、日
本への、また、地域への誇りを後世に引き継いで貰うことを心より願っている
次第です。
平成十二年十二月八日
           請願者 「新しい歴史教科書をつくる会」熊本県支部
           紹介議員 自由民主党熊本市議団 団長
熊本市議会議長 江藤正行 様
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「新しい歴史教科書をつくる会」熊本県支部提出の請願に不採択の緊急要請行
動報告
            2000年12月18日  熊本県平和委員会 会長

 12月8日付で「新しい歴史教科書をつくる会」(以下「つくる会」)熊本
県支部から、熊本市議会に対して「熊本市に於ける中学校歴史教科書採択制度
運用の改善に関する請願書」が出されました。
 重大な問題を含む請願書で、緊急に11団体から「採択するな」の緊急要請
が行われました。教育市民委員会で満場一致で採択されたとのことですが、放
置できません。問題点を明らかにして今後の運動へのご協力をお願いします。

◇私たちはなぜ不採択要請を出したか
1.「つくる会」のメンバーが執筆し、扶桑社で出版した歴史教科書を全国で
採択させるよう、なりふり構わぬ売り込みが行われています。「つくる会」請
願を採択することは、特定出版社の売り込みを熊本市議会が支援することにな
ります。また「つくる会」要請文の中で、教科書選定委員や調査委員の人選に
関与することも求めていますが、これは教育の政治的中立に反するものです。
2.「つくる会」の請願の中身については意味不明の部分もありますが、文脈
をたどると、現在行われている多数の教職員の意見を反映させる民主的な教科
書採択をやめ、教育委員会の独断で行うことが求められています。これは憲法
や教育基本法の精神に反するものです。要請の最後に、「今こそ先人が築きあ
げてきた日本とそれぞれの地域の伝統と良心を教える中学校用教科書の採択が
望まれます」と自分たちの出版した教科書を採択するよう訴えており、これが
目的だろうと推察されます。

3.「つくる会」による歴史教育の考え方と教科書記述の一端
(1)歴史を学ぶのは過去の事実を知ることではない。過去の事実について過
去の人々がどう考えたかを学ぶことです。歴史は科学ではない、物語だ。
(2)憲法については大日本帝国憲法の改正の必要はなかったのに、GHQが
日本政府に憲法改正を迫った。憲法が自衛隊に違反している。
(3)アジア・太平洋戦争を「大東亜戦争」と表現し、日本の緒戦の勝利は、
東南アジアの人々、さらにアフリカの人々にまで独立の夢と勇気を運んだ。ア
ジア解放の戦争と美化している。
(4)「従軍慰安婦」、強制連行、強制労働、南京大虐殺にはふれず、恥部を
抹殺して日本の歴史に誇りを持てといっている。
(5)過去の戦争が正しかったことを理解することが結局は自分を守り、平和
を維持することにつながる。戦争について謝罪してはいけない。

<抗議を寄せた団体>
民主医療機関連合会・日本民主財同盟熊本県委員会・熊本県原水協・国民救援
会熊本県支部・熊本県平和委員会・憲法を学ぶ女性の会・平和憲法を活かす熊
本県民の会・新婦人熊本県支部・子どもと教育くらしを守る熊本教職員懇談
会・熊本県革新懇・中央法律事務所



 
  • 1998年     3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
  • 1999年     1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
  • 2000年     1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月

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