Date: Fri,  1 Dec 2000 16:17:59 +0900
From: 加賀谷いそみ <QZF01055@nifty.ne.jp>
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Subject: [keystone 3345] 〔練馬〕「隊友会」の請願、阻止
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 〔練馬からの報告〕自衛官OBの組織「隊友会」の請願、やっと阻止される!

      報告者=井上澄夫(戦争に協力しない!させない!練馬アクション)
       報告時=2000年12月1日

       ◎「戦争に協力しない!させない!練馬アクション」は、以下では、
         「練馬アクション」と略します。
 
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  練馬区議会に本年9月12日提出された、自衛官OBの組織「隊友会」などの請
願書「自衛官募集広報記事掲載について」は、11月24日に開かれた区民環境清
掃委員会で、なんとか「継続審議」の扱いになりました。そして今会期(第4回議
会定例会)では、とりあえず、それが確定しました。危機は先送りされました。
  請願の要旨は「1、自衛官募集広報を区報に掲載されたい 2、庁舎アトリュー
ウム(註参照)等にポスターを掲示されたい」というもので、「隊友会」や自衛隊
協力団体が、防衛庁に代わって、区への自衛官募集業務のさらなる押しつけをもく
ろむ危険な動きでした。
(これまでの経過については、〔aml 19240〕〔aml 19290〕〔aml 19474〕をご覧
下さい。)
  *註=第1庁舎正面玄関奥の大広間

  この「継続審議」確定は、私たち「練馬アクション」など練馬の反戦市民グルー
プにとっては、辛勝、ないし惨勝でありました。というのは、11月14日の区民
環境清掃委員会で、同月24日の同委員会で採決に持ち込むことが合意され、しか
も、会派=「民主党・無所属」の議員が問題の請願書に賛成を表明したため、24
日の請願書採択は必至であったからです。
 それがどうして、とりあえず「継続審議」になったか。その次第を説明する前
に、まず11月14日の委員会を報告します。これは、私(井上)が、「練馬アク
ション」の仲間に宛てて発信したFAXの要約です。

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  〈報告〉 
   自衛官募集広報を区報に掲載することなどの請願、
   これに反対する陳情(2通)の審議をめぐる状況について

 11月14日午前10時から開かれた区民環境清掃委員会を傍聴しました。問題
に関する質疑は、およそ1時間20分程度でした。傍聴者は、隊友会や自衛隊協力
団体等から6、7人(雰囲気と審議中聞こえるツブヤキで判断して)、それにMさ
ん(生活者ネット)と私でした。
  審議では、自民・公明の議員が隊友会などの請願を支持し、同請願の採択に反対
する4議員(織田寿美子〔社民・当該委員会の副委員長〕、高橋正人〔共産〕、中
井八千代〔生活者ネット〕、片野令子〔緑と自治〕)のうち、高橋、中井、片野議
員が、小松丸さんの陳情(隊友会などの請願書への対抗陳情書)を援用しながら意
見をのべました。
  自民・公明が隊友会などの請願の即時採択を主張し、山田一義議員(民主・無所
属)がこれに同調する中で、柴崎幹男委員長(自民)が、その日、採択を強行する
姿勢をあらわにしましたが、反対派4議員は、審議不十分と区による資料未提出と
を根拠に抵抗しました。4議員はまた、請願は、自衛隊の評価という国政レベルの
重要な問題に触れているので、「案件を、企画総務委員会に差し戻すべき」と、強
く主張しましたが、それは委員長によって握りつぶされました。そして結局、次回
(11月24日)に採決に持ち込むことが決められたのです。

  同委員会は10人で構成され、柴崎委員長を除いても、自民、公明、民主・無所
属が5人ですから、このままだと、次回の委員会で、問題の請願が採択されます。
〔議会事務局に確認したところでは、次回の採決はまちがいなく、1請願と2陳情
がそれぞれ採決されます。〕
  ということですから、11月24日の区民環境清掃委員会は、決定的に重要で
す。11月24日に向けて、小松さんの陳情への連署を、早急に集めて議会に届け
ましょう。諸団体への協力呼びかけを急ごうではありませんか。

    2000年11月15日                                井上澄夫

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 「継続審議」扱いになったいきさつ

  問題の請願書の採択を阻止するため、「練馬アクション」の最高齢のメンバーで
ある小松 丸さんが、10月4日に「『自衛隊の募集に関する事務』の縮小に関す
る陳情書」を区議会に提出しました。また、それ以前の9月26日には、「練馬に
自治をつくる会」が同趣旨の陳情書を提出しています。ですから、「隊友会」など
の危険な動きに対抗する陳情書は2通出されたわけです。
  しかし11月24日の区民環境清掃委員会に向けて、小松さんの陳情に連署する
署名運動を広げる時間は、あまりに少なく、私たちは重苦しい気分で同委員会のな
りゆきを見守ったのです。

  11月24日の委員会で、すでに決まっていた採決が行なわれなかったのは、
「民主党・無所属」に属する議員が採決に反対したからです。その理由は「請願の
内容には賛成だが、各会派の意見が大きく分かれている以上、手続きとして採決に
なじまない」というものです。その結果、委員長(自民)を除く9議員のうち5議
員(社民、共産、生活者ネット、緑と自治、民主党・無所属)が採決に反対するこ
とになり、委員長は採択に踏み切れませんでした。
  私たちは、小松さんの陳情書への連署として158名の署名簿を区議会に届け、
それも一定の力になりましたが、委員会では会派=「民主党・無所属」の奇妙な姿
勢によって、やっと最悪の事態が避けられたのです。
 練馬区議会の現在の構成は、与党の自民・公明が24議席、その他の野党が26
議席となっています。ですから野党の26議員が結束すれば、与党(自民・公明)
の専横を阻止できます。しかしそれも、議会野党の枠組みを維持することに「民主
党・無所属」が利益を見いだしている限り、今回のようなことが起きるというにす
ぎず、同会派は問題の請願に賛成しており、しかも問題の請願については、自民・
公明とともに民主党の議員も紹介議員になっているというていたらくですから、今
後どうなるか、まったく予断を許しません。各委員会の審議は議会休会中にも開か
れますので、次の会期(来年2月)までは大丈夫ということにはならず、引き続き
監視が必要です。

  正直なところ「とりあえずヤレヤレ」という心境です。しかし、これまでの経過
で深く感じるのは、《戦争の芽を摘む仕事》は、どんなにしんどくても、やはり一
つずつ丁寧になされねばならないということです。あえていえば、そのような営み
は「成否を問わず」ということになるでしょう。
  個人的な総括としては、今回私たちは、情報のキャッチこそ迅速であったけれど
も、対応は後手後手に回ってしまったことが問題だろうと思います。区議会を密室
化させず、常にガラス張りにさせる努力も問われていると思います。それ以外に
も、わかりやすく共感を呼ぶ自衛隊批判の論理を構築することなど、なお工夫をこ
らすべきことが多々あるでしょう。
 「周辺事態戦争」に動員されることなど決してない議員たちが、若者たちを軍隊
に送り込むための動きを許してはなりません。11月14日の区民環境清掃委員会
で、ある高齢の自民党議員は「自衛官募集は強制じゃない。いやなら行かなくてい
いんだ!」と怒鳴りながら、一方で「国を守ることは尊いことで、そういうことに
協力するのは当然だ」とのべたのですが、それは、志願して兵となる若者たちに
「オレの安全」を守らせるのはアタリマエということでしょう。
 人道と平和に対する罪を平気で犯す議員を落選させ、戦争に反対し平和を創造す
ることを自らの使命とする議員を、大勢当選させることも大きな課題ではないで
しょうか。
  少々長い報告になりました。これを読んで下さるみなさんが、それぞれの在住の
地の自治体行政が自衛官募集について、どのような態度をとっているか、改めて調
査されることを呼びかけます。



 
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