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Date: Mon, 28 Aug 2000 23:40:37 +0900
From: 北野桂 <kitano@mc.neweb.ne.jp>
To: keystone@jca.ax.apc.org
Subject: [keystone 3018] 道議会議事録にみる基地移転問題(1)
Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 3018
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org

 札幌の北野です。
 サミット開催と公共投資というアメ+土地収用法というムチを引き換えにして
政治的に実現した軍事基地「移設」。その「移設」先のひとつに、北海道の矢臼
別(ヤウスベツ)があります。ここはもともと自衛隊の演習場で、年間300日もの
演習日があり、演習場内の荒廃化、河川汚濁、騒音被害、農業被害が深刻な場所
でした。
 移設先が矢臼別に選定されたのは、政府の説明では沖縄で155ミリりゅう弾
砲の「県道越え実弾演習」ができる場所ということでしたが、「移設」の実態と
しては、演習日数・演習場面積・演習内容とも沖縄基地よりも多く、移設どころ
か「基地拡張」となっているのが実態です。北海道の矢臼別演習場では昼夜連続
砲撃が行われており、わずか10日あまりの演習で沖縄基地の年間実弾使用数を
上回り、他の4移転先と比べても圧倒的に実弾発射数は多いという状況です。
 事実上の沖縄基地の拡張移転先である矢臼別基地に対し、地元自治体である北
海道は、いままでどのような対応をとっていたのかを検証する意味で、昨年の道
議会の議事録を抜粋して転載し、資料提供としたいと思います。

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平成11年第3回定例会,09月28日-02号
◆(三十九番西田昭紘君) 
 知事は、二期目の所信表明において、「二十一世紀には、平和と共生を基調
に、人々が真に心豊かに暮らすことのできる時代が到来する」とし、「限りない
可能性を秘めた北海道は、次の世紀をリードする立場に立たなければならない」
と語りました。
 平和と共生は、私たちの政治理念と共通するものでありますが、二十一世紀の
北海道において真にそうした社会が実現するかどうかは、今後の知事のリーダー
シップの発揮いかんに大きくかかっております。
 以下、こうした観点に立って順次質問をしてまいります。
 まず最初に、知事の政治姿勢について伺います。
 一点目は、米海兵隊の矢臼別移転訓練についてであります。
 道東の矢臼別自衛隊演習場において、九月八日から十八日にかけて、ことしも
在沖縄米海兵隊の実弾砲撃訓練が行われました。沖縄県外への移転訓練がスター
トした一九九七年から三年連続であります。
 この訓練は、米海兵隊員による沖縄少女暴行事件を契機に、在日米軍基地が集
中する沖縄の痛みを分かち合うとして、我が国政府が北海道を初め五つの道県に
受け入れを強要したものであります。
 しかしながら、沖縄では行われていなかった夜間の砲撃訓練が実施されるな
ど、政府が約束をしていた沖縄と同質・同量の訓練は守られず、むしろ痛みは全
国的に拡大しているのが実態であります。中でも、矢臼別周辺住民が強いられた
負担は重く、離農の選択を余儀なくされている実態もあります。
 矢臼別では、移転訓練が休みなく三年連続しており、毎年の発射弾数もほかの
演習場に比較して群を抜いたものとなっています。約束違反の夜間砲撃訓練はこ
としも七日間に及びました。
 道を初め地元四町でつくる連絡会議は、この間、訓練を固定化しないこと、夜
間の訓練の中止、規律維持などを政府に繰り返し要望しております。
 しかし、演習場の施設整備などに相当額を投資するなど、訓練の縮小ないしは
中止を願う地元の意向に反して固定化の動きが強まり、このままでは、北海道の
沖縄化、北海道の基地化が進むことが強く懸念されます。
 そこで伺います。
 再三にわたる中止要請にもかかわらず、ことしも夜間訓練が実施されました。
三年間にわたって地元の意向を踏みにじった米軍の行為をどう受けとめているの
か、見解を伺います。(発言する者あり)
 私は、今、北海道に求められていることは、沖縄の痛みを分かち合うことでは
なく、沖縄の痛みを解消していくために何ができるのかということであろうと思
っています。
 米軍基地が過度に集中する沖縄の痛みを解消していくためには、何よりも在日
米軍基地全体の整理・縮小及び日米地位協定の見直しが必要不可欠であります。
その実現に向け、北海道としての毅然とした態度を国に示し、沖縄県と連帯して
いくことが必要であると考えます。
 知事は、地域の意向が受け入れられない場合には訓練の見直しや中止を強く訴
えることを道民に約束して再選されました。
 地元の意向が踏みにじられたことがはっきりした今、公約に基づき、来年以降
の移転訓練については受け入れられないことを表明し、その旨を、知事みずから
が速やかに行動し、日米両政府に申し入れるべきと考えますが、所見をお聞かせ
ください。(発言する者あり)
 二点目は、米軍三沢基地のF16の攻撃訓練についてであります。
 米軍三沢基地所属のF16戦闘機が、檜山管内上ノ国町の大崎小学校など、周辺
施設を含む四カ所を目標に想定した模擬爆撃訓練を予定していたとの報道がこの
ほどなされました。仮にこうしたことが現実に行われているとすれば、道民にと
ってまさにゆゆしき事態であり、極めて遺憾なことと言わざるを得ません。
 本道の平和と安全な道民生活を守る立場にある知事のこの問題に対する認識と
今後の対応をお伺いします。

◎(知事堀達也君) (登壇・拍手)(発言する者あり)西田議員の代表質問に
お答えをいたします。
 最初に、私の政治姿勢についてであります。
 まず、米海兵隊の矢臼別での夜間の実弾射撃訓練についてでありますが、道と
しては、これまでも地元関係町とともに、夜間の実弾射撃訓練を行わないことな
ど五項目について国に申し入れを行ってきたところであります。
 本年の実弾射撃訓練は去る九月十八日で終了したところでありますが、私とい
たしましては、全国有数の酪農地帯であるこの地域の実情を考えますと、夜間の
実弾射撃訓練を行わないでほしいという地元の意向が十分尊重されなかったこと
につきましては、まことに残念なことと思っております。
 次に、来年以降の訓練に関してでありますが、安全保障に関する問題につきま
しては国の基本的な政策にかかわるものでありますが、私といたしましては、こ
の訓練の移転については、道民の間に大きな不安や懸念があることから受け入れ
がたいのではないかとの思いを申し上げ、道民生活への影響などを最小限にとど
めるために必要な事項として、在日米軍基地全体の整理・縮小など七項目を国に
求め、また、訓練の実施に当たりましても、地元関係町と矢臼別演習場関係機関
連絡会議を設置し、地域の住民の方々の安全確保を図るため、これまでも訓練に
かかわる事項について国に申し入れを行ってきたところであります。
 先般、本年の訓練の実施状況を踏まえ、副知事を上京させ、夜間の実弾射撃訓
練の自粛や規律の厳正保持、訓練が矢臼別演習場に集中しないよう改めて国に強
く訴えますとともに、先ほど申し上げました七項目について引き続き国において
努力していただくよう申し入れたところでありますが、私としては、今後とも、
これまでの申し入れが十分尊重されますよう、あらゆる機会を通じて、公約に沿
って、誠意ある国の対応を引き続き強く求めてまいりたいと考えております。
 次に、米軍の飛行訓練に関してでありますが、道といたしましては、これまで
も米軍の飛行訓練の都度、道民の生活に不安や支障を与えることのないよう、市
街地や集落などの人口密集地、家畜等の飼育地域上空での訓練を行わないことな
どについて要請するとともに、在日米軍基地を有する十四の都道県で構成する渉
外知事会を通じても、低空飛行訓練の自粛などについて国に対して要請を行って
きているところであります。
 また、先ほど申し上げましたとおり、矢臼別演習場の移転訓練に関して国に対
して申し入れを行った際、地域住民に不安を与えるような低空飛行訓練の自粛に
ついて改めて申し入れを行ったところであります。
 道といたしましては、今後とも、地域住民の方々の生活に不安を与えることの
ないよう、適切に対応してまいりたいと考えております。

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平成11年第3回定例会,09月29日-03号

◆(三十二番山根泰子君) (登壇・拍手)(発言する者あり)私は、日本共産
党を代表して、知事及び教育長に質問してまいります。
 北海道は今、陸では矢臼別の海兵隊実弾射撃訓練、海では第七艦隊旗艦ブルー
リッジの室蘭入港、空では小学校を標的にした道南の米空軍F16模擬爆撃訓練な
ど、ガイドライン関連法の実験場ともいうべき米軍の演習場と化しています。
 知事はこれまで、このような軍事演習に対して、道民生活に被害や不安のない
ように、固定化させないこと、自粛を求めるなどを国に求めてきましたが、軍事
演習はエスカレートする一方です。
 二十一世紀の北海道を米軍の演習場とするのか、基地や軍事演習のない平和な
北海道にするのか、知事の政治姿勢が問われているところです。(発言する者あ
り)
 そこでまず、矢臼別の演習について伺います。
 十八日に終了した三年目の演習では、住民団体の調査で、千八百三十九発の砲
撃が行われ、夜間訓練も七日間、三百三十九発に及んでいます。
 さらに、いわゆるNBC訓練−−核・生物・化学兵器による攻撃を想定した訓
練も行われたということが明らかになっているのです。
 そこでまず、知事は、固定化しないようにという繰り返しの申し入れにもかか
わらず、三年連続で行われていたことをどう受けとめているのか、また、繰り返
し自粛を求めていた夜間訓練が昨年以上の規模で行われていたことをどう受けと
めているのか、伺います。

◎(知事堀達也君) (登壇・拍手)(発言する者あり)山根議員の代表質問に
お答えをいたします。
 最初に、私の政治姿勢についてであります。
 まず、在沖縄米軍の実弾射撃訓練についてでありますが、道としては、これま
でも、地元関係町とともに、矢臼別演習場での訓練が将来にわたって固定化され
ないよう、在日米軍基地の整理・縮小に向けて最大限の努力を払うことや、夜間
の実弾射撃訓練を行わないことなど五項目について国に申し入れを行ってきたと
ころであります。
 本年の実弾射撃訓練は去る九月十八日で終了したところですが、私としては、
全国有数の酪農地帯にあるこの地域の実情を考えますと、夜間の実弾射撃訓練を
行わないでほしいという地元の意向が十分尊重されなかったことについては大変
残念に思っております。
 先般、本年の訓練の実施状況を踏まえ、夜間の実弾射撃訓練の自粛や訓練が矢
臼別演習場に集中しないよう改めて国に申し入れたところでありますが、今後と
も、これまでの申し入れが十分尊重されますよう、公約に沿って誠意ある国の対
応を引き続き求めてまいりたいと考えております。
 次に、訓練の内容に関してでありますが、核・生物・化学兵器訓練、いわゆる
NBC訓練の内容につきましては、札幌防衛施設局からは、この訓練は、米軍に
よる核や生物・化学兵器の使用を想定した訓練ではなくて、これらの兵器による
攻撃を受けたもとでの状況を想定して行われるもので、通常の訓練の一環として
行われるものであるとの説明を受けているところであります。
 いずれにいたしましても、道といたしましては、今後とも、矢臼別演習場にお
ける実弾射撃訓練において地域住民の方々の生活に不安が生じることのないよう
努めてまいりたいと考えております。
 次に、米軍の飛行訓練に関してでありますが、道といたしましては、これまで
も、米軍の飛行訓練の都度、道民の生活に不安や支障を与えることのないよう、
市街地や集落などの人口密集地、家畜等の飼育地域上空での訓練を行わないこと
などについて要請するとともに、在日米軍基地を有する十四の都道県で構成する
渉外知事会を通じても、低空飛行訓練の自粛などについて国に対して要請を行っ
てきているところであります。
 また、先般、国に対しまして、地域住民に不安を与える低空飛行訓練の自粛に
ついて改めて申し入れを行ったところであり、今後とも適切に対応してまいりた
いと考えております。

◆(三十二番山根泰子君) (登壇・拍手)矢臼別演習場について、訓練が固定
化されないためには、在日米軍基地全体の整理・縮小が何よりも求められている
との答弁がありましたが、SACO−−沖縄に関する特別行動委員会の予算によ
って、宿泊施設、トイレ、射撃観測・情報提供施設などが着々と整備されている
のです。
 米軍だけの使用ではないにしても、沖縄関連予算でこれらの施設整備をすると
いうことは固定化への準備と知事は考えないのか。また、この重大な事態に、知
事はこの三年間の演習や着々と整備されている現場を見ているのでしょうか、伺
います。

○(議長湯佐利夫君) 山根泰子君の質疑は同一議題について既に三回に及びま
したが、会議規則第五十七条ただし書きの規定により、この際、特に発言を許し
ます。
 山根泰子君。

◆(三十二番山根泰子君) (登壇・拍手)矢臼別演習場での米軍の訓練の固定
化を許さないように、知事は一度現地を見てください。知事の知らない間に施設
がどんどん拡大されて、気がついたら米軍の演習が固定化されているという、そ
ういう重大な事態になっては大変です。現地を見て、きっぱりと固定化反対の態
度を貫くことを求めます。

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平成11年第3回定例会−09月30日-04号

◆(五番岡田篤君) (登壇・拍手)(「よし」と呼ぶ者あり)通告に従いまし
て、順次質問をしてまいります。
 最初の質問は、矢臼別演習場における米軍実弾演習についてであります。
 知事は一昨日、我が会派の西田昭紘議員の代表質問に対して、地元の意向が十
分尊重されなかったことについてまことに残念に思っている、今後とも、これま
での申し入れが十分尊重されるよう、公約に沿って、誠意ある国の対応を引き続
き強く求めてまいりたいと答弁をされていますが、この三年間の演習実施内容を
検証すると、地元自治体の受け入れに当たっての要望事項の多くが踏みにじられ
たままで推移しており、これまでの国に対する申し入れという手法だけでは具体
的な問題の解決は不可能に近いと言わざるを得ません。
 そこで、道と地元関係町で構成をする矢臼別演習場関係機関連絡会議の五項目
の要請事項に従って問題点を指摘し、その解決に向けた具体的な取り組みについ
てお伺いをいたします。
 第一の要請事項は、分散実施のあり方について、特定の演習場に集中すること
なく、五カ所の持ち回り計画に基づき分散実施をすることであります。
 しかし、矢臼別においては、国内五カ所のうち最大規模の演習がこの三年間繰
り返されており、発射弾数も全体の六割から七割を常時占めております。米軍専
用施設の整備も他に比べて進められており、地元では演習の固定化が最も心配を
されているところであります。
 ただ、本年、演習開始前の米軍の記者会見において随行士官が、来年の演習に
ついては矢臼別が除外されることを明らかにしたと報じられたわけであります。
 防衛施設庁は、演習日程については日米間で年末に協議をする事項で、まだ来
年の日程は未定としていますが、この際、在日米軍に対して直接に事の真意を道
としてただすべきであると考えますが、いかがか、お伺いを申し上げます。
 第二項は、夜間の実弾射撃訓練の中止と、強いて実施する場合は、短日数、短
時間とすることであります。
 しかし、初年度は六日間、二年目は八日間、本年は七日間、夜間訓練が強行さ
れたわけであります。
 問題なのは、夜間の実弾発射数が年々増加をしているという事実であり、米指
揮官も、米軍の戦闘計画は夜間が多く、任務達成のためには夜間訓練が必要と公
言をしていることであります。
 短日数、短時間という最大限の譲歩すら守られないことに対して、道として在
日米軍に抗議をすべきであると考えますが、いかがお考えでしょうか。
 第三項は、情報の事前通知についてであります。
 この三年間、海兵隊は詳しい事前通知を一切行わないまま訓練を強行していま
す。自衛隊の実弾演習においてさえ、一週間前には詳細な訓練情報が各町に通知
をされているわけで、海兵隊のみ特別扱いという現状は容認できるものではあり
ません。
 米海兵隊に対して、情報非公開の理由は何なのか、アメリカ本土における演習
でも同様の対応なのか、直接ただすべきであると考えますが、見解をお伺いいた
します。
 第四項は、規律の維持であります。
 当初、受け入れに当たっては、演習期間中は米海兵隊員の公務及び団体での移
動以外は演習場外への外出を禁止することという要望が盛られていたはずであり
ますが、本年の要請事項には具体的な記述がないのはなぜなのか。
 また、この二年間、釧路市歓楽街への夜間外出が行われているわけであります
が、道はどのような問題意識をお持ちなのか。沖縄のような不幸な事件が起きて
からでは間に合わない問題であり、見解と具体的な対応についてお伺いいたしま
す。(発言する者あり)
 第五項は、騒音対策についてであります。
 防衛施設庁は本年五月、住宅防音工事と移転補償の対象となる周辺区域を決
定、地図の形で発表したわけでありますが、その根拠である騒音測定の結果を公
表しないことから、対象外の酪農家から不満の声が上がっております。同時期に
実施された乳量調査とあわせて、測定結果の公表を防衛施設庁に強く求めるべき
であると考えますが、見解をお伺いいたします。
 いずれにしても、国の責任において実施をするとした訓練にもかかわらず、そ
の窓口である防衛施設庁は、米軍を監督指導する権限はないと認めているのであ
ります。
 知事は、地方政府の樹立を掲げて道民の信任を獲得されました。受け入れを強
要された当事者として、受け入れに当たっての要望事項を守れと主張するのは当
然の権利ではないでしょうか。
 道民の安心と安全にかかわる問題である以上、国に要請を繰り返しても事態が
一向に改善されない今日、知事みずからが先頭に立って在日米軍やアメリカ大使
館に対して直接交渉を申し入れる姿勢があってしかるべきであると考えますが、
知事の考えと決意のほどをお伺い申し上げます。(発言する者あり)

◎(知事堀達也君) (登壇・拍手)岡田篤議員の質問にお答えをいたします。
 最初に、矢臼別演習場にかかわりまして、まず、分散実施のあり方に関してで
ありますが、この移転訓練は、矢臼別演習場を含む全国五カ所の演習場から異な
る演習場を使用して実施する、いわゆる五カ所の持ち回り計画により実施される
ものであり、道といたしましては、これまでも、矢臼別演習場に訓練が集中する
ことのないよう国に求めてきたところであります。
 来年度の訓練の日程等につきましては、今後、日米両国間の調整を経て決定さ
れるものと承知しておりますが、今後とも、訓練が集中することのないよう求め
ますとともに、訓練日程をできるだけ早く公表するよう働きかけてまいりたいと
考えております。
 次に、夜間の実弾射撃訓練に関してでありますが、これまで地元関係町ととも
に行ってきた申し入れの趣旨が十分尊重されなかったことについて大変残念に思
っており、先般、改めて夜間の実弾射撃訓練の自粛などについて国に強く訴えた
ところであります。
 私としては、今後とも、これまでの申し入れが十分尊重されますよう、あらゆ
る機会を通じて誠意ある対応を引き続き強く求めてまいりたいと考えておりま
す。
  〔副議長退席、議長着席〕
 次に、情報の提供に関してでありますが、住民の不安を解消する上で、訓練に
伴うさまざまな情報をできるだけ早く周知することは極めて大切なことと考えて
おります。
 道といたしましては、これまでも、地元関係町とともに、訓練の規模や時間な
ど、住民生活に関連する詳細な情報などを早期に通知することについて国に要請
しているところでありますが、今後とも、射撃訓練などに関する情報の提供につ
いて強く働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、規律の維持に関してでありますが、矢臼別演習場関係機関連絡会議とし
ては、訓練の移転に際し、地元四町からの隊員の外出に関する申し入れに対し
て、国からの、地元の懸念を踏まえ隊員の外出時には施設局職員が同行するなど
責任を持って対応するとの説明を踏まえ、規律維持等については安全管理に万全
を期すよう国に申し入れを行ったものであります。
 道といたしましては、住民の方々の不安を取り除く上でも、これまで国から説
明を受けてきた対応について万全の措置を求めてまいりたいと考えております。
 次に、騒音対策に関してでありますが、国におきましては、訓練の移転に際
し、地元四町が要望した住宅防音工事及び移転補償の区域指定を行うために、平
成九年度に、現地、矢臼別演習場におきまして騒音調査を実施し、本年五月に区
域指定がなされたところであります。
 道といたしましては、調査結果について照会したところでありますが、国から
は、騒音調査結果は内部的な検討資料で公表しないとの説明を受けているところ
であります。
 また、酪農被害実態調査につきましては、事前に地元町や農協に対しまして時
期や方法などについて説明を行い、了解を得た上で実施されたものと承知してい
るところであります。
 次に、今後の対応に関してでありますが、先般、本年の訓練の実施状況を踏ま
え、夜間の実弾射撃訓練の自粛や、訓練が矢臼別演習場に集中しないよう改めて
国に強く申し入れたところでありますが、今後、本年の訓練結果などにつきまし
て地元関係町と協議をした上で、さらに地元の意向を国に伝えますとともに、私
としても、あらゆる機会を通じて、これまでの申し入れが十分尊重されますよ
う、公約に沿って誠意ある対応を求めてまいりたいと考えております。

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平成11年第3回定例会−10月13日-08号

決議案第五号  矢臼別における在沖縄米軍移転訓練の中止並びに在日米軍基地
の整理・縮小を求める決議 審議

◎(四十番林大記君) (登壇・拍手)(「よし」と呼び、その他発言する者あ
り)私は、民主・道民連合を代表して、ただいま議題となりました決議案第五号
矢臼別における在沖縄米軍移転訓練の中止並びに在日米軍基地の整理・縮小を求
める決議について、その概要を説明いたします。
 道東の矢臼別において三年連続してことしも在沖縄米軍の実弾砲撃移転訓練が
行われました。この訓練は、当初、在日米軍基地が集中する沖縄の痛みを分かち
合うことを名目として、日米政府間において、沖縄と同質・同量が約束されてい
たものであります。
 しかるに、実際には、沖縄では行われていなかった夜間の砲撃訓練など、沖縄
の規模を超えた訓練が毎年実施され、このため、騒音被害などで離農を余儀なく
される酪農家もふえています。
 道と地元四町でつくる連絡会議は訓練の縮小を再三にわたって申し入れてきま
した。にもかかわらず、訓練は年々、拡大・固定化の傾向にあり、極めて遺憾で
あります。このままでは北海道の米軍基地化が強く懸念されます。
 堀知事も、地域の意向が受け入れられない場合には訓練の見直しや中止を強く
訴えることを道民に約束し、近く、この公約に沿って国に行動を起こすこととし
ています。
 したがって、議会においても、地元の意向を踏みにじるこの移転訓練の中止を
強く求めるとともに、沖縄の痛みを解消するためにも、在日米軍基地全体の整
理・縮小を強く求める決議を採択し、知事の行動が全道民挙げての行動となるよ
う御提案申し上げるものであります。
 以上、議員各位の御理解と御賛同をお願い申し上げ、提案説明を終わります。
(拍手)(発言する者あり)

◆(十七番伊東良孝君) (登壇・拍手)(発言する者あり)私は、道民クラ
ブ、道政会及び自由民主党・道民会議を代表して、本議会に提案された決議案第
五号矢臼別における在沖縄米軍移転訓練の中止並びに在日米軍基地の整理・縮小
を求める決議について反対の立場から討論を行います。
 御承知のように、冷戦後における我が国の周辺情勢は、いまだ平和にはほど遠
く、不透明で、しかも不確実であり、日米安保体制は、我が国の独立と安全にと
ってますます重要となっているのであります。
 今日、世界各地において武力紛争が多発しており、同時にまた、国際化が進展
し、かつ、核を含む近代兵器が著しく発展した現代においては、我が国だけで自
国を完全に防衛することは不可能になってきているのであります。
 特に、戦後の我が国の防衛政策は、専守防衛に徹し、軍事大国とならない、非
核三原則を守る、この三つを基本方針としていることから、日米安保体制の堅持
は必要不可欠となっているのであります。
 以上の点から、日本に駐留する米軍に、その必要とする基地を安定的に提供す
ることは日米安保条約に基づく我が国の義務であり、これをなくしては日米安保
体制は成り立たないと思うのであります。(発言する者あり)
 矢臼別演習場における米軍の実弾射撃訓練によって発生する騒音・振動対策な
ど周辺の整備対策について万全を期することや、隊員の規律保持の徹底について
国に求めることは、地域住民の安全を守り、不安を解消する上から当然のことと
思うのであります。
 しかし、在沖縄米軍移転訓練自体の中止を求め、さらには在日米軍基地全体の
整理・縮小を求めることは、現下の周辺情勢から見ても、また、日米安保体制の
堅持を図る観点からも、到底賛同することはできないのであります。
 以上の観点から、決議案第五号については反対するものであります。
 皆様の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)(発言する者あり)

◆(二十八番日高令子君) (登壇・拍手)(発言する者あり)決議案第五号に
ついて賛成する立場から討論を行います。
 連続三年目を迎えたことしの海兵隊実弾射撃訓練は、夜間訓練について見る
と、日数こそ前年より一日少ないものの、発射砲弾数は三百三十九発と前年より
さらにふえ、夜間訓練の自粛という道や地元自治体の要望は全く無視される形と
なりました。
 また、ことしは、NBC訓練、すなわち核・生物・化学兵器による攻撃を想定
した訓練が行われていたことが新たに明らかになり、さらに、SACO予算で米
軍用の宿泊施設や専用トイレが設置されるなど、沖縄と同質・同量という約束を
踏みにじって、着々と拡大・固定化が進められています。これは、沖縄の痛みを
分かち合うのではなく、沖縄の痛みを拡大して北海道に押しつけ、北海道の沖縄
化を進めるものです。(発言する者あり)
 周辺酪農民はこれ以上酪農は続けられないと、離農が相次ぎ、子供を登校させ
る父母にとっても、スクールバスが大幅に縮小され、不安が高まっています。
 このような移転訓練はことしで最後にさせる、これが広範な道民の声です。
(発言する者あり)道議会がこの声にこたえ、明確な議会意思を示すことが今こ
そ求められているのです。
 北海道は今、陸は矢臼別、空は道南上ノ国での小学校を標的にした米軍機の爆
撃訓練など、陸も空も米軍の演習場と化しています。二十一世紀の北海道を米軍
の基地演習場としてはなりません。
 沖縄を含め、在日米軍基地全体の整理・縮小は、その大部分が自民党からも推
薦されている十四都道県知事から成る渉外知事会も国に求めていることであり、
基地の移転ではなく、整理・縮小を求める声は今や国民全体の声と言っても過言
ではありません。(発言する者あり)
 最後に、堀知事は、その公約に基づいて、夜間訓練の自粛など地域の意向が受
け入れられない場合は訓練の見直しや中止などを強く訴えていくべきであること
を付言して、私の賛成討論を終わります。(拍手)(発言する者あり)

○(議長湯佐利夫君) 起立少数であります。
 よって、本件は否決されました。

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この項つづく

北野 桂         Email   kitano@mc.neweb.ne.jp
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