Date: Sat,  8 Jul 2000 15:03:27 +0900
From: 加賀谷いそみ<QZF01055@nifty.ne.jp>
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Subject: [keystone 2849] 沖縄の性犯罪
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 5年前の事件から何も学ぶことなく、90年代以前の人権感覚しか持てず、ま
た日米安保体制にどっぷり浸かったままのマスコミは、世界の軍縮の動きも認識
できず、今回の沖縄での性犯罪が、政治的にも外交的にも人権問題としていかに
重大かつ深刻な事件かも気がつかない。
 同様に、これよりさらに少なくとも50年は遅れる政府においては「火消し」
にあわてふためき、森首相の無責任きわまりない発言まで飛び出す始末。
 経済・軍事・食料・IT侵略をはかる大国の会議と、兵士の働き口と援助交際
を確約した「最も気前のいい隣人」とのきずなへの影響をおそれて、日米両国は
またしても、軍隊の被害者を排除しようとたくらんでいます。
 日本政府の姿勢に起因する犯罪は、星条旗に忠誠を誓い軍隊に良心を売り渡し
た兵士を開放しない限り、おこり続けます。
 

 沖縄の米海兵隊員が起こした女子中学生への準強制わいせつ事件について、
森喜朗首相7日「基本的にはとんでもないことだ」が「政府がどうこうという話
じゃない。これ以上、政府として罰することはできないので、どう処理していく
かは海兵隊が考えることだろう。事件そのものは残念で遺憾だ。何度もこういう
ことがあると、海兵隊には綱紀粛正をしてもらいたい。それでも守れないなら、
規則とかもっと厳しくしてもらわないと」「(海兵隊に)もっと自覚してもらわ
ないと、という思いだ。若いからいいということにはならない。ちゃんと教育し
てもらわないと」(朝日7月7日)

 虎島防衛庁長官は七日、防衛庁で、ロバート・チャプリン在日米海軍司令官と
会談
長官「日米両国間の関係を損なうことがあってはならない。そのために米側が有
効な措置をとることを確信している」
チャプリン司令官「心からお詫びする。必要な措置をとり、できる限りのことを
する」
(読売7月7日)

 沖縄の米海兵隊は7日、サミット期間前後の深夜外出や飲酒を禁止するなどの
「綱紀粛正策」を発表。ヘイルストン在沖米軍4軍調整官は事件に触れず、「サ
ミットの成功は我々の任務だ」と強調。
 新たな措置は、(1)14日夕―24日朝は深夜零時以降の外出を禁止(2)
14日―19日は午前零時以降の飲酒を禁止(3)20日朝―24日朝は酒類の
販売・購入も禁止(4)20日朝―24日夕の制服の着用義務などを挙げてい
る。
 発表では、連帯主義を取るとし、1人が規律を破れば全体の責任になることを
強調。クリントン大統領の沖縄訪問にも触れ、サミット成功に尽くそうと隊員に
呼びかけている。(朝日新聞7月7日)

以下沖縄タイムス、琉球新報7月3日〜7日より

<7月3日>
 沖縄署は三日午前四時四十五分、沖縄市内のアパートに侵入、寝ていた女子中
学生(14)にわいせつな行為をしたとして、住居侵入と準強制わいせつ容疑
で、普天間基地所属の米海兵隊上等兵の少年(19)を現行犯逮捕。
 また、同署は二日午後十時五分、タクシーを足げりし運転手に捕まえられそう
な外国人の男を逃したとして、逃走幇助容疑で、キャンプ・フォスター所属の米
海兵隊上等兵、ビッペン・エドワード容疑者(23)とキャンプ・キンザー所属
の米海兵隊一等兵の少年(19)を現行犯逮捕。

 県の親川盛一知事公室長は三日午後、在沖の米四軍事務所や米海兵隊外交政策
部、普天間基地司令官に対し「再発防止を強く申し入れているにもかかわらず、
事件が相次いで発生したことは極めて遺憾であり、相互の信頼関係を損ねるもの
である」と電話と文書で抗議した。四軍調整事務所のフロインド所長は「申し訳
ないことをした」と陳謝したという。
 親川知事公室長「(今回の事件は)過去の不幸な事件を想起させる悪質なもの
であり、綱紀粛正への取り組みなど関係者の努力や過去の教訓が十分に生かされ
ていないと言わざるを得ない」
 那覇防衛施設局の北原巌男局長も同日、在沖米軍トップのアール・ヘイルスト
ン四軍調整官あてに同様の抗議文書を送付。

 外務省は三日、在日米大使館に遺憾の意を表明し、事件の再発防止を要請。外
務省沖縄事務所の野村一成沖縄担当大使も、在沖縄米軍トップの沖縄地域調整官
アール・ヘイルストン中将に同様の申し入れ。

<7月4日>
 仲宗根正和沖縄市長は「米兵に強い憤りを覚える。被害者の心情を考えると心
が痛む」とコメントを発表。五日に在沖米海兵隊外交政策部のデイビッド・ラン
大佐を訪ね、綱紀粛正を求めて抗議する。
 同市長「あってはならない、実に不愉快な事件。米軍に強く抗議したい」「沖
縄市だけでなく、米軍基地所在の市町村全体で抗議を申し入れる必要があるので
は」

 同市PTA連合会の与那城美代会長「腹立たしい事件」「受けた傷は残る。一
日も早く傷がいえるように応援したい」「警察を通して米軍への抗議や父母への
危機管理の呼び掛けなど、対応策を検討していきたい」
 同市子ども会育成連絡協議会の久高将輝会長「米兵の不祥事があるたびに米軍
は兵隊の倫理や綱紀粛正を繰り返しているが、徹底して襟を正してもらわなけれ
ばならない」
 小渡良一同市教育長「国際文化観光都市を目指す市は基地内の児童と絵画交流
会を持つなど努力をしている。今回の事件はこうした取り組みに水を差すもの
で、誠に残念」
 基地・軍隊を許さない行動する女たちの会の高里鈴代共同代表「家にいて被害
に遭うとは。言語道断だ。駐留先の女性や子供を尊重する教育をしていないこと
が分かった」「少女は本当に怖い思いをしただろう。その恐怖を解消できるよう
に学校や地域、私たちの社会でサポートしていく必要がある」
 心に届け女たちの声ネットワークの真志喜トミ共同代表「米軍は『よき隣人』
を名乗るなら、沖縄の人の心をくみとって撤退してほしい。基地があるために女
性は安心して暮らせない」

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米国の市民団体、米軍基地に「ノー」

 米軍基地に反対する米国市民らの組織「ボストン沖縄ネットワーク」が、沖縄
サミット初日に合わせて二十一日付の沖縄タイムス朝刊に、普天間飛行場の国内
移転反対や米軍基地の撤退を訴える意見広告を掲載する。
 ネットワークの委員、ジョセフ・ガーソンさん「沖縄の米軍基地は犯罪だ。サ
ミットも沖縄にとっては実質的な利益にならない。沖縄の人と連帯して基地撤去
を訴えたい」
 ボストン沖縄ネットワークは、組織や団体にとらわれない米国市民の集まり
で、一九八〇年代からスタッフを沖縄に派遣し県民らと交流を続けている、とい
う。
 意見広告は、「“NO”To U.S.Bases!」のタイトルで大学教授や
議員、平和活動家など千六百人の署名とともに、G8首脳と沖縄県民に対する平
和のメッセージとして、沖縄、神戸、広島の市民との連帯を誓っている。
 その上で「米政府は日本政府の援助を受けながらアジア全域においてその軍事
的戦略拠点を再編・強化しつつある」と説明。名護市辺野古沿岸域への基地建設
は「米国の海外での軍事介入の危険性を北東アジアや南太平洋、中東にまで増大
させることになる」と指摘している。
 ガーソンさん「ほとんどの米国民は沖縄がどこにあるのか知らないし、基地の
ことも分からない。沖縄は軍事的な植民地と言える。その中で、長年にわたって
沖縄の人が反基地で闘ってきたことに感銘を受けるし、初の女性国会議員が誕生
するなど、女性たちの活躍もすごいと思う」

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<7月4日>
 米兵を送致
 沖縄市内で三日、アパートの一室に侵入し、就寝中の女子中学生(14)の顔
に触るなどしたとして、準強制わいせつ容疑などで逮捕された普天間基地所属の
米海兵隊員の男性(19)が四日午前、同容疑で、那覇地検に事件送致された。
同容疑者は依然として犯行を否認しているという。

 県議会(伊良皆高吉議長)六月定例会は四日午前、代表質問
 「県民に対してはサミットへの協力を呼び掛ける一方で、米軍にはどういうお
願いをしてきたのか」「米兵はサミットをどう考えているのか全く理解できな
い」「最も綱紀粛正をきちんとしないといけない組織の人間によって不祥事が起
きたことは許されない。百三十万県民の名において抗議しなければならない」―
など
 稲嶺恵一知事「大変遺憾な事件。三者協の議題として提案するなど、綱紀粛
正、再発防止を図るよう日米両政府に強く求めていきたい」
 傍聴席「安心だと思っている住宅地で起きた事件で、とんでもないこと」

 共産党県委の高江洲義一副委員長らは四日午前、那覇防衛施設局を訪れ抗議
「基地が存在する限り犯罪、事件はあとを絶たない」。事件の徹底究明と日米地
位協定の早急な改定、海兵隊基地の撤去を求めた。
横小路真一事業部長「起きてはいけない事件で残念に思う。われわれも努力が足
りない面があり、さらに米軍に再発防止を求めていきたい」
沖縄市議会の池原秀明市議「県民に対する屈辱的な行為であり、現状では平和と
は言えない。立件できない同様な事件はほかにもある」
県委員会のメンバーは県の安和朝忠知事公室次長にも同様の申し入れ。

県選出の照屋寛徳参議院議員や東門美津子、赤嶺政賢両衆議院議員らは四日午
前、外務省や警察庁を訪れ、事件の再発防止を求め抗議。

 同特別委は親川盛一県知事公室長、県警の伊佐政昭刑事部長を呼んで事件の概
要や対応などを聞いた。県警によると、今年の米軍関係の刑法犯の検挙数は五月
末現在で二十二件(二十七人)で昨年同時期に比べて八件(十三人)増加してい
る。沖縄サミット直前の事件発生という事態を重視し、各委員からは県警に比べ
て県の対応が弱いとの指摘が相次いだ。

 沖縄市区選出の前市長、新川秀清議員(護憲ネットワーク)「市長時代も米兵
の犯罪のたびに抗議をしてきた。米軍の問題は外交ルートに乗せ解決を図らなく
ては」
 西銘恒三郎議員(自民)は米兵の犯罪歴の公開を要求「プライバシーの問題も
あり難しいだろうが、犯罪歴のある米兵は沖縄に滞在させるべきではない。県は
部隊の移動ローテーションも把握するべきだ」
 喜納昌春議員(社大)「サミットを前にして、県の抗議は弱腰になっている。
問題を大きくしないようにとの政治的意図がうかがえる。もっと毅然(きぜん)
とした態度で抗議するべきだ」
 安次富修議員(自民)「この問題に与野党は関係ない。サミットや普天間基地
移設を控えた大事な時期だからこそ、事件をうやむやにしてはならない。稲嶺県
政が米軍に強い姿勢で臨めるよう、議会でも支えたい」「クリントン大統領はサ
ミットで、これまでの米軍の事件・事故について県民に謝罪すべきだ」

県警本部の伊良波幸臣捜査一課長は四日、北中城村の在日米軍沖縄地域調整官事
務所を訪れ、兵士の綱紀粛正を文書で申し入れ。西村泰彦本部長名でアール・ヘ
イルストン四軍調整官あて。応対したジョン・フロインド所長は「大変申し訳な
く思っている。在日米軍司令部にも伝える」と述べた、という。
 文書は、米軍関係者による事件が増えていることを指摘した上で、兵士の深夜
の外出と施設外で飲酒しないことを徹底するよう求めている。

豊見城村議会が意見書
 豊見城村議会(与那覇清雄議長)は六月定例会最終の四日、「繰り返される米
兵犯罪に厳重抗議し、米軍に対し、なお一層の綱紀粛正を求める意見書」を全会
一致で可。
 (1)米軍当局への厳重抗議、犯人の処罰、家族への謝罪をはじめ事件の真相
を徹底究明し、県民に明らかにすること(2)県民の人権を重視し、日米地位協
定を早急に改定すること(3)基地の整理・縮小の早期実現と、米軍に対し尚一
層の綱紀粛正を求めること―の三項目を強く訴えている。

宜野湾市(比嘉盛光市長)は普天間基地へ抗議
四日、普天間基地に対し抗議する方針を決めた。五日午前にも同基地司令官あて
に抗議文を提出する。

那覇市長は米独立記念祝賀会を辞退
親泊康晴市長は四日、在沖米国総領事館で開かれた米国独立記念日祝賀ガーデ
ン・パーティーへの出席をキャンセルした。同市長は「このような事件が起こっ
ている状況で独立記念日を心から祝う気持ちになれない」と理由を述べた。浦添
市の宮城健一市長も出席はせず祝電を打つ予定だったが、事件を受けて取りやめ
た。

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 米ロサンゼルス・タイムズ紙東京電
 事件は、「基地問題が比較的落ち着きをみせていたところに発生、米兵と沖縄
の住民との間に再び緊張感が起こりそうだ」「沖縄で開催されるサミットが三週
間足らずに迫った時期に事件は起きた」
 事件の詳細を伝えた上で、警察の発表として、米兵は容疑を否認しており、警
察は米兵の名前の公表を控えている、とした。
 また、「事件については深刻にとらえているが、事実関係についてはまだ不明
確なところもあり、警察の詳しい調査結果を待ちたい」とする米国大使館のコメ
ントも紹介。記事は、「最大の抗議運動」として一九九五年に起きた米兵による
暴行事件を挙げ、クリントン大統領はじめ政府高官が事件を謝罪、米兵の綱紀粛
正を約束したことにも触れた。

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<7月5日>
 那覇防衛施設局の北原局長は5日午後、社大党の新垣重雄書記長らが繰り返さ
れる米兵犯罪が組織的な欠陥ではないか、と指摘したことに対し、「綱紀粛正に
ついて米軍が具体的な再発防止策をどう取っているのか、透明性を確保し、(県
民に)示すことが米軍にとっても良いことだ」と、情報開示の必要性を強調し、
六日に予定しているヘイルストン米四軍調整官との面談で申し入れる考えを明ら
かにした。
 外務省沖縄事務所の竹若敬三副所長「単に腹立たしいという言葉では言い尽く
せない。従来求めている綱紀粛正、再発防止をさらに強く求めていきたい」

県の石川秀雄副知事は六日午前、ヘイルストン米四軍調整官に直接会い、抗議す
る。
 県幹部の一人「サミット前でも平時でも起こしてはいけない事件だ。五年前の
事件の教訓もあり、米軍側には強い態度で臨む必要がある」

 下地幹郎氏(自民)は河野洋平外相に「(この種の事件は)あなたには因縁の
ある問題」と外相の過去の“汚点”を指摘。同外相は一九九五年に発生した米兵
による暴行事件当時も外相で、県が事件に関連し日米地位協定の見直しを求めた
際、「議論が走り過ぎている気がする」と発言、県民から非難の声が上がった。
 下地氏は「野村外務省沖縄担当大使が米軍へ申し入れたというが、外相が直接
沖縄に出向き、被害者や家族にわび、同時に日本政府の姿勢を米側に示すべき
だ。米側の受け止め方も精神的に違う」と進言した。
 河野外相は終始、沈痛な面持ちで下地氏の要請を受け「(中川)官房長官とも
よく相談して結論を出したい」と答えるのが精いっぱいだったという。

 赤嶺政賢氏(共産)も同日、外務省に藤崎一郎北米局長を訪ね、「同種の事件
が繰り返され、県民には日米政府の言うことがうつろに映っている。基地あるが
ゆえの事件であり、県内たらい回しでなく、基地の整理・縮小、撤去を求めた
い」と訴えた。
 藤崎局長「事件が繰り返されることは遺憾に思っている。サミットがあるから
ということにかかわらず、こういう事件が起こらないようにしていかなければな
らない」

抗議行動を展開した市民団体は「記者会見を開き謝るべき」「向こうから説明し
に来るのが筋だ」
これに対し在沖米軍の最高責任者、アール・ヘイルストン四軍調整官は同日、謝
罪した上で「ふさわしい隣人になるよう努力する」と声明文で県民に回答。

 沖縄タイムス社は五日、ヘイルストン四軍調整官あてに(1)県民に謝罪する
気持ちはないか(2)記者会見を行う予定はないか―など数項目の質問状を送っ
た。
 米軍側が寄せた回答は「声明文を発表したので参考にしてほしい」という内
容。五日現在で今後、県や事件が発生した沖縄市に米軍関係者が訪れる予定はな
い。

 「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代代表「県が自ら出向
いて抗議するのではなく、米軍側が先に謝罪に来るべき。謝罪の前に綱紀粛正と
は順序がおかしい」
 沖教組の桃原和子女性部長「米軍側には『沖縄を守ってあげている』という意
識があるのではないか」「このような状況では、サミット時にクリントン大統領
が来県しても、謝罪の言葉も期待できない」
 県女性団体連絡協のメンバー「前県政時代は『謝罪に来い』という強い態度
だったのに、今回の県の対応にはがっかりした。電話やファクスの抗議で済むべ
きことではない。県民をどう守るかというスタンスが問われる」
行動する女たちの会「県も慣れっこになって大した反応をしていない。こんない
い加減な対応では県民を守れない」

普天間基地を抱える宜野湾市
宮城章助役らが同基地を訪れ、ジョン・M・メタリ大佐に文書で抗議。
 抗議文は、今回の事件が一九九五年の米兵による暴行事件を想起させ「許せる
ものではない」とし「一番安全な自宅で就寝中に事件が発生したことに市民、県
民は大きなショックと不安を受けている」と指摘。
 市基地渉外課によると、メタリ大佐は「少女やその家族におわびをしたい。二
度と事件が起こらないよう兵員教育を徹底させたい」と答えたという。

 西原町議会(宮平宗輔議長)
六月定例会最終本会議で「在沖米海兵隊員の住居侵入および女子中学生に対する
準強制わいせつ事件に関する意見書」を全会一致で可決。内閣総理大臣など関係
機関に送付。

県議会(伊良皆高吉議長)
五日午前、「在沖米海兵隊員の住居侵入及び女子中学生に対する準強制わいせつ
事件等に関する意見書・抗議決議」を全会一致で可決。
「県民の生命・財産と人権を守る立場から、今回の事件に対し厳重に抗議する」
とし、
(1)綱紀粛正(2)兵員に対する教育の徹底(3)再発防止について万全を期
すこと(4)県民に対する謝罪―などを求めている。県議会の軍特委の全委員が
十四日、在日米軍沖縄地域調整官や在沖米国総領事らに抗議するほか、代表団が
上京、外務省など関係省庁各機関に抗議・要請行動を展開する。
「事件のせいでサミットの歓迎ムードがぶち壊しだ」(与党議員)

 冒頭、米軍基地関係特別委員会の宮平永治委員長は「米軍に対する県民の不信
と不満は頂点に達している。五年前の暴行事件に対し県民総決起大会をすべての
立場を超えて成功させ、国内外にアピールし大きな反響を巻き起こした。今回、
五年前の事件を想起させるような事件の発生に怒りを感じるとともに、断じて許
せるものではない」と提案理由を説明。
 意見書などでは三日未明、沖縄市で発生した十九歳の米海兵隊員による住居侵
入、準強制わいせつ事件だけでなく、同日に北谷町で米海兵隊員二人が器物損壊
の容疑者の逃走を幇助(ほうじょ)して逮捕された事件や、五月二十日に発生し
た沖縄市内での在沖米空軍所属の上等兵による強盗事件などにも言及。
 意見書のあて先は内閣総理大臣、外務大臣など、抗議決議は駐日米国大使、在
日米軍司令官など。

 仲宗根沖縄市長
五日午前、北中城村石平の在沖海兵隊司令部で、同基地司令官のゲーリー・
ヒューイ准将、外交政策部のデビッド・P・ラン大佐らに会い、事件への厳重な
抗議と海兵隊の綱紀粛正を求めた。
 仲宗根市長「(一九九五年の)暴行事件以来、再三再四にわたる抗議を受けた
にもかかわらず、このような凶悪事件が発生したことに対し、強い怒りを覚え
る」
 ヒューイ准将ら「深くおわびをしたい」「米軍としても徹底した事件の調査を
進める」
 同市長はまた、市が計画しているサミット期間中のクリントン米大統領の招へ
い事業に関連させ「サミットを目前に控え、このような事件が起こるのは非常に
残念。事業に与える影響は大きい」と指摘。

 沖縄平和運動センターと中部地区労は五日、米海兵隊司令部のあるキャンプ・
フォスター第一ゲート前で「緊急抗議集会」。
 主催者を代表し、平和運動センターの崎山嗣幸議長が「一九九五年の暴行事件
が何ら反省されることなく繰り返されている。県民の人権が無視され、命を粗末
にされ、虫けら同然に扱われていることに怒りを覚える」などと訴えた。
 約百人の参加者は「米兵によるわいせつ事件、糾弾。許さんぞ」などとシュプ
レヒコールを上げ、事件に抗議した。

 基地・軍隊を許さない行動する女たちの会(糸数慶子・高里鈴代共同代表)の
会員七人が5日、県庁で会見し「海兵隊員による少女への性暴力を許さず軍隊の
撤退を求める要求書」を発表した。米大統領や在沖米総領事、在沖米四軍調整官
に送る予定。
 要求書は(1)被害者への謝罪と補償、加害米兵の厳正な処罰(2)子供たちの安全
の保障(3)米軍、特に海兵隊の撤退―を求めている。

 県女性団体連絡協議会(儀部葉子会長)の代表らは5日、浦添市の米国総領事
館を訪れ、事件の糾弾と基地の撤去を求めた要請文をローレンス・J・マイヤ次
席総領事(政治・経済・軍事担当)に手渡した。席上、マイヤ次席は「女性団体
はバーなどへ、未成年者に酒を販売しないよう要請したことがあるか。またこれ
からそういった協力をしてくれるか」と発言。儀部会長らは「本末転倒だ。責任
転嫁としか思えない。謝罪をし、誠意をもって事件後の対応策を検討していくと
いうことだが、いつもこの繰り返しだ」と怒りを表した。
 事件が未明に起きた事について代表が「朝の4時に米兵が住宅地をうろつくと
は、門限がないのか」と非難すると、マイヤ次席総領事は「オフリミッツ(夜間
外出制限)を解除したのは、沖縄市や業者などの問題だった」と言葉を濁した。
 次席総領事と面談できたのは、儀部会長ら五人のみ。県職労や沖縄市職労の六
人は「当初の訪問予定者の項目に入っていない。サミット前の警備のため予定外
の入館は不可能」(同館説明)という理由で同館入り口や館外で足止め。話し合
いはマイヤ次席総領事の発言で紛糾。30分の予定を超え約50分間行われた。
 儀部会長らは同日、外務省沖縄事務所も訪れ、外務大臣あての要請文を手渡
し、日本政府として住民が納得できるような厳しい対応策を取ることを求めた。

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星条旗紙五日付
「サミットでクリントン大統領が来県する直前の事件は、やっかいなことになる
恐れがある」「今回の事件が沖縄県民に一九九五年の暴行事件を思い起こさせて
いる」
 同紙によると、逮捕された十九歳の海兵隊員は、泥酔していたため、詳しいこ
とを記憶していないとし、海兵隊報道部は「今回の事件は地域と良い隣人関係を
築こうと努力しているわれわれの努力に反する行為である」と厳しく批判、県警
側の捜査に協力する姿勢を示している。
 記事は、県や沖縄市、女性団体から上がっている抗議の声も取り上げ、五年前
の事件が反基地運動につながった、としている。

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<7月6日>
 米軍のアール・ヘイルストン四軍調整官(中将)と在沖米国総領事館のロバー
ト・ルーク総領事は六日午後、県庁に稲嶺恵一知事を訪ね、被害者やその家族、
県民に対する謝罪の意思を伝えた。
稲嶺知事「隊員に対する綱紀粛正への取り組みや過去の教訓がまったく生かされ
ていない。厳重に抗議したい」
在沖の米軍トップと行政責任者が事件、事故で県に出向き、謝罪するのは極めて
異例。
 ヘイルストン中将は「被害者やその家族、県民に悲しみと怒りを与えたことに
深く陳謝したい」と述べ、在日米軍が隊員の教育プログラムを実行している点を
強調。「二度とこのようなことがないよう二倍の努力をしたい」

 ルーク総領事は、5日の女性団体の要請に対するローレンス・マイヤ次席総領
事の「未成年に酒を売らないよう(飲食店などに)要請したことがあるのか」と
の発言について、「責任転嫁したのではない。意味の取り違えがあった」と釈明
した。6日知事との面談後、琉球新報社の取材に答えた。

 これに先立ち、石川秀雄副知事は同日午前、具志川市内の米軍キャンプ・コー
トニーに同中将を訪ね、事件発生に強く抗議していた。同副知事は、今回の事件
がサミットに与える影響について、「サミットとは関係なく、起きてはならない
ことだが、サミットは国際的行事で、この時期に起きたことは残念だ。(サミッ
トが)違う形になっては困る」との考え方を示した。
 また、那覇防衛施設局の北原巌男局長も同日午後、ヘイルストン中将に会い、
再発防止に対する米軍の考え方をただす。

 6日午後、米総領事館に要請で訪れた沖教組の新垣仁英委員長にローレンス・
マイヤ次席総領事が、ロバート・ルーク在沖米総領事らが近く、被害者の沖縄市
内の自宅を訪れ、家族らに直接謝罪する方針であること明らかにした。
 新垣委員長らによると、「米総領事や司令官は県知事よりも家族に直接謝罪す
るのが先ではないか」とただしたのに対し、マイヤ次席総領事が「早々にも家族
に直接謝罪したい。関係者と調整作業をしているところだ」と話し、近日中にも
謝罪に訪れる意向を示したという。
 要請で新垣委員長は今回の事件について「学校で子どもたちをあずかる立場と
して満身の怒りを込めて強く抗議する。子どもの人権を守る立場として絶対に許
せない」と抗議した。
 その上で「今回の非人道的、卑劣極まりないわいせつ行為は単に一米兵の問題
だけでなく、軍事がすべてに優先する国の政治や今の県政のあり方が厳しく問わ
れている」と指摘し、事件の徹底追及と米軍基地の完全撤去を求めた。
 これに対してマイヤ次席は事件について「大変申し訳ない。少女や家族の精神
的なショックは計り知れず、心が痛む」と答えたという。

市民は冷ややかな受けとめ
 「謝罪と今後の対策は別で、綱紀粛正を言う前に、基地が無くならなければ事
件は無くならないことを踏まえるべきだ」「沖縄サミットを控え、おたおたして
いるのではないか」「県知事への謝罪は迅速かもしれないが、事件が発生した沖
縄市に先に謝罪すべきではないか」「沖縄市はクリントン大統領を招へいしてい
るが、この事件で実現は厳しくなったのではないか」など

 1960年代から県内の女性運動に携わってきた外間米子さん「何十年も米軍
基地が存在し、事件が何度も起こって、その度に謝って。その繰り返し。基地が
無くならなければ事件は無くならない」
 米軍人軍属の事件事故による被害者の会代表世話人の池宮城紀夫弁護士「犯罪
を多く起こしている海兵隊の基地を整理縮小しない限り問題解決にならない」
「(被害者の中学生とその家族に在沖米総領事が直接謝罪する意向を示している
が)被害者の中学生をさらに傷つけることがないよう配慮しながら謝罪をすべき
だ」
 

 県議会六月定例会一般質問
稲嶺恵一知事「昨日、那覇防衛施設局長に三者協開催を申し入れた。緊急三者協
の開催について日程を調整している」「県は米軍人軍属の綱紀粛正、兵員の教育
徹底を含む再発防止に万全を期すよう要請している。三者協では具体的な再発防
止策も当然求めていく」

 虎島和夫防衛庁長官が五日、普天間飛行場代替施設の使用期限十五年は困難と
の発言を深夜に撤回した問題で、知事は「十五年使用期限については知事、名護
市長の要請を重く受けとめると閣議決定されている。中川官房長官、河野外務大
臣も同方針に沿って進められることを明らかにしている。深夜の会見で今後閣議
に沿って取り組まれることが明らかにされた」などと答弁。

名護市議会(島袋吉和議長)
六日午前、米軍の綱紀粛正を求める抗議決議案などを全会一致で可決。
 決議は今年に入って米軍犯罪が増加していることを指摘。さらに、「沖縄サ
ミットを控えた重要な時期にこのような事件が起きることは、米軍の『綱紀粛
正』『良き隣人』という言葉が形がい化していることの表れと断じざるを得な
い」と抗議。
 決議は在日米軍司令官など、意見書は内閣総理大臣などあて。同議会は七日、
県内の関係機関に要請行動を行う。
 審議に先立ち、岸本建男市長は五日にキャンプ・シュワブ司令官に抗議したこ
とを説明。「非常に残念。起きてはいけないことが起きてしまった」と述べた。

 政府は六日、米兵の女子中学生わいせつ事件を深刻に受け止め、浅野勝人・外
務政務次官を急きょ沖縄へ派遣するなど、事態の沈静化に乗り出した。「反米
ムードが高まる中で、サミットを迎えるのは日米両国にとってマイナスだ」(政
府筋)。サミットに先立つ日米首脳会談で、森喜朗首相がクリントン米大統領に
再発防止を直接、訴えることも検討するなど、県民の反発を和らげようと躍起。
 河野洋平外相六日午後「私自身、大変心を痛めており、政府としても深刻に受
け止めている」「政府として事件が繰り返されることのないよう、米側の迅速か
つ実効的な取り組みを期待している」
 防衛庁の佐藤謙事務次官同日午後「あってはならないこと、大変遺憾だ。米軍
に対しては那覇防衛施設局や防衛施設庁から、抗議を申し入れるとともに、引き
続きこういうことが一切起こらないよう米軍に求めたい」

 浅野勝人外務政務次官は六日夕、浦添市のキャンプ・キンザーでヘイルストン
在沖米四軍調整官とルーク総領事に会い、米兵によるわいせつ事件に抗議し、言
葉だけでなく目に見える形で抜本的かつ実効的な綱紀粛正策を講じるよう申し入
れた。同政務次官がその後、県庁に稲嶺恵一知事を訪ね、政府の対応を説明する
中で明らかにした。さらに政府として、県議会での全会一致による抗議決議や知
事の言葉を重く受け止め、米国政府に対し引き続き再発防止策を求めていく考え
を示した。
 同政務次官は、四軍調整官と総領事に対し遺憾の意を伝え、「これは抗議と受
け取ってよい」と、強い姿勢で対応したという。その上で「米軍も懸命に取り組
んでいるというが、再三にわたり期待が裏切られることになると、大勢の中の一
人の出来事では許されない」として、一層強力な防止策を求めた。
 また「サミット成功に向けて、知事をはじめ県民が全面的に協力している中で
水を差すような事件は、残念なことである」と、サミットへの影響に懸念を表明
したという。
 これに対し四軍調整官は「自らリーダーシップをとり、二度とこの種の事件が
起きないよう一層の綱紀粛正に努める」と答えた。
 稲嶺知事は浅野政務次官に「細かな対応策をしても現実にこのような事件が起
きるので、末端まで浸透させる方策をフォローするよう四軍調整官に強く申し入
れた」と経緯を説明。これに対し同次官は「知事の言葉を肝に銘じ、政府として
も強くフォローしていきたい」と述べた。

 県選出の衆参八議員は六日、国会内で緊急に会合を持ち、日米両政府に厳重抗
議と再発防止などを強く求めていくことで一致。週明けにも、在沖米軍のヘイル
ストン四軍調整官や在日米国大使館、河野洋平外相、中川秀直官房長官らに対
し、要請行動を展開する考えだ。
 会合では、繰り返される米兵事件に厳しい指摘が相次いだ。衆院の仲村正治氏
(自民)は「許されない事件であり、県民として毅然(きぜん)とした対応で臨
むべきだ」と語気を強めた。下地幹郎氏(同)が「大変な問題であり、党派の違
いを超えて取り組みたい」と語り、赤嶺政賢氏(共産)は「一致できる点で行動
していく」と応じた。
 参院の照屋寛徳氏(社民・護憲)は「県選出国会議員が一致して抗議すること
は大事で、速やかに動くべきだ」と述べ、白保台一(公明)嘉数知賢(自民)、
東門美津子(社民)の各氏も積極的な姿勢を見せた。参院の島袋宗康氏(社大)
も賛同した。
 県選出全国会議員が党派の違いを超えて、同一行動を取るのは昨年四月の沖縄
サミット誘致活動以来。県民の怒りが高まる中、繰り返される米兵事件について
日米両政府に強い態度で対応していくことにしている。

沖縄平和運動センター(崎山嗣幸議長)は、県内のさまざまな平和団体が参加す
る大規模な県民大会の開催を検討している。主催の沖縄平和運動センターは七日
の幹事会で、最低でも千人規模の抗議集会を十三日に実施する案を議論する予
定。
 同平和センターの事務局「一部報道で先走っているが、まだ決まったわけでは
ない」が、「沖縄は五十五年何度も同じことが繰り返されている。地位協定の運
用を改善すると言いながら、五年前と結果的に同じだ。基地あるがゆえの事件
だ。きちんと主張していきたい」

宜野湾市のトロピカルビーチでは4日深夜から5日早朝にかけて、駐車場の鉄製
の門扉が車両による衝突とみられる衝撃を受けてゆがみ、閉められなくなってい
るのが分かった。被害額は約40万円。
 宜野湾署は6日、現場にあったYナンバーの車を運転していた在沖米海兵隊
キャンプ・フォスター所属の伍長(31)から事情を聴いた。調べに対し、伍長
は「(門扉が)開くかもしれないと思いぶつけてみた」と門扉を壊したことを認
めている、という。伍長は無免許の上、酒を飲んでいた。同署は同日午後、ビー
チを管理する市公共施設管理公社からの告訴状を受理しており、器物損壊容疑で
近く伍長を書類送検する。
 同ビーチではこれまでも閉門後に南京錠がたたき壊されたり、門扉に車をぶつ
けて逃げ去るケースが起きていたという。

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全国の米軍人凶悪犯罪、県内で50%発生
殺人4、婦女暴行25件

 県内の米軍人・軍属の凶悪犯罪が、検挙された件数、人数ともに全国の五割を
占めるなど、高い比率で発生している。六日の県議会で西村泰彦県警本部長が答
弁で明らかにした。県警のまとめでも今年に入ってから五月末までの刑法犯の検
挙数が昨年に比べると一・五倍に増えた。事件のたびに米軍が取り組む綱紀粛正
や兵員教育とは裏腹に、米軍人らの犯罪は収まる気配を見せていないのが実情
だ。一方、県民からは「基地が集中するからこんな事件が起こる」「米軍は罪の
意識がない」など怒りと不安の声が上がった。

 西村県警本部長の県議会答弁によると、一九八六年から九九年の十四年間の県
内での米軍構成員等による凶悪犯の検挙件数は七十件。全国百三十八件の五〇・
七%に当たり、八十二件あった九州の八五・四%になる。
 検挙された人数は百五人で、全国(二百六人)の五一%。九州(百二十二人)
の八六・一%に達した。
 犯罪別に見ると、殺人の検挙件数と人数は全国が十二件と十五人で、県内は四
件と六人。中でも婦女暴行は全国が四十一件、五十五人。そのうち県内は二十五
件、三十人で全国の半数を超えた。
 強盗は全国が八十三件、百三十四人で県内四十件、六十八人だった。いずれも
全国の三割から六割を占めた。

 県警によると、今年の米軍人・軍属の刑法犯の検挙数は二十二件、二十七人
で、前年同期(十四件、十四人)に比べると、八件、十三人増えた。このうち性
犯罪(婦女暴行、強制わいせつ、公然わいせつ)については、今年は二件、昨年
は一件発生している。

市民の声
「とんでもない。家の中にいた被害者の女の子もショックだっただろう。彼女が
男性に対して不信感を持たないか心配」「米兵暴行事件を思い出した。米軍は沖
縄の人を軽く見て、罪の意識を持っていない」「米兵個々人が人ごとと考え、真
剣に受け止めていない」「沖縄に基地が集中しているからだ」「被害者には恐怖
心が一生残る。大変なこと」「警察や県が強く抗議すれば防げるのでは。オフリ
ミッツをなくしたのが悪い結果。でもサミットで沖縄の現状は伝わるだろう」
「米軍トップが謝罪に来るのは当然」「サミットで浮かれすぎず、現実をちゃん
と見てほしい。基地がある限り、こういう事件はなくならない」「カギを閉めて
なかったのが一つの問題点。基地がそばにある沖縄では、いつ何が起こるか分か
らない」「沖縄に基地がある根拠をもっと議論するべきだ。五年前の事件の後、
次にこういった事件が起これば米軍が撤退するという約束をするべきだった」
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<7月7日>
沖縄市議会(新里八十秀議長)
七日午前、臨時会を開き、抗議決議と意見書を全会一致で可決。その中で、
「(事件は)非人道的犯罪であり、被害者の計り知れない恐怖と苦しみ、家族の
怒りと無念さを察すると激しい怒りを覚え、断じて許せない」「過去の米軍人に
よる事件・事故に対し、これまで幾度となく強く抗議してきたにもかかわらず抜
本的な解決がない」
 抗議要請の内容は(1)米軍人、軍属等の事件・事故の再発防止と綱紀粛正の
徹底(2)米軍当局の被害者への完全補償、家族および県民に対する謝罪(3)
午前零時以降(深夜)の外出禁止(4)事件・事故の処理の在り方について県民
への公表(5)日米地位協定の抜本的改正―など。
 米軍は一九九五年九月の米兵による暴行事件発生後、同年十月から九九年六月
末までの間、沖縄市の繁華街への米兵の立ち入りを規制(オフリミッツ)してき
た。同市議会は昨年六月の定例会で、市のイメージダウンによる経済への影響を
憂慮し、オフリミッツ解除を決議している。
 決議は駐日米国大使、在日米軍司令官、在日米軍沖縄調整官、在沖米国総領事
などに、意見書は日米両政府などに送る。
 新里議長「米軍の”良き隣人政策”も掛け声にしか聞こえない。サミットとい
う重要な時期に、国際文化観光都市を目指す本市のイメージは大きく損なわれ
た」
 仲宗根正和市長「議会の速やかな対応は当然のことだ」「(沖縄サミットでの
クリントン米国大統領招へい事業に)悪影響が懸念されるが、こういう事件が
あったからこそ、逆に沖縄市に来て、市民の声を聞くべきだと思う」

 また同日午後、議会代表(正副議長、基地調査特別委員十一人)が、在沖米国
総領事館、在沖海兵隊司令部を訪れ、抗議要請した。

 名護市議会(島袋吉和議長)
議長ら十三人は七日午前、県庁に安和朝忠知事公室次長を訪ね、米兵のわいせつ
事件について、米軍に綱紀粛正と再発防止を徹底させるよう申し入れた。
 島袋議長は「沖縄サミットを控えた重要な時期に、このような事件が起きるの
は、『綱紀粛正』『よき隣人』という言葉に内実がなく形がい化していることの
表れ」とする抗議決議を読み上げ、米軍に対し強い姿勢で当たるよう求めた。
 安和次長「今後もあらゆる機会を利用し、働き掛けたい」

那覇市
真栄里泰山総務部参事らが七日午前、那覇防衛施設局を訪れ、事件の再発防止や
米軍基地の整理・縮小、撤去を要請した。
 横小路真一事業部長「施設局長から四軍調整官に口頭と文書で申し入れてい
る。政府が一丸となって対応している」

稲嶺恵一知事
七日午前、県庁に就任あいさつのため訪れた仲村正治防衛政務次官との面談の席
上で、米軍の綱紀粛正策について「いろんな形で対策が打たれているが、どう具
体的にやったのか、それに対しどうフォローしたのか具体的な中身の開示が必
要」と述べ、対策の結果を含め今後、米軍に対し県への情報開示を求める考えを
明らかにした。
稲嶺知事「(米軍の)上の方は相当気を配っているが末端まで徹底することが重
要」
 仲村防衛政務次官は、同事件について同日午後、キャンプ・コートニーにアー
ル・ヘイルストン米四軍調整官(中将)を訪ね、強く抗議する意向を稲嶺知事に
伝えた。

在沖米海兵隊は7日、沖縄サミット(21日から23日)に向けた綱紀粛正策と
して、飲酒の禁止やサミット期間中の基地内外での軍服着用を義務付けなどを全
兵士に命じた。
 綱紀粛正策は、(1)7月14日から19日までは午前零時以降、20日から2
4日までは一切の酒の購入販売を禁止する(2)20日から24日まで、公務内外
を問わず、軍服着用を義務付ける―となっている。
 アール・ヘイルストン四軍調整官「サミットはわれわれにとっても重要だ。兵
士らも理解してくれると確信している」

在沖米海兵隊は7日、沖縄サミット(21日から23日)に向けた綱紀粛正策と
して、飲酒の禁止やサミット期間中の基地内外での軍服着用を義務付けなどを全
兵士に命じた。
 綱紀粛正策は、(1)7月14日から19日までは午前零時以降、20日から2
4日までは一切の酒の購入販売を禁止する(2)20日から24日まで、公務内外
を問わず、軍服着用を義務付ける―となっている。
 アール・ヘイルストン四軍調整官「サミットはわれわれにとっても重要だ。兵
士らも理解してくれると確信している」



 
  • 1998年     3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
  • 1999年     1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
  • 2000年     1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月

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