Mime-Version: 1.0
X-Sender: kaymaru@mail.jca.apc.org
Date: Thu, 4 May 2000 21:54:47 +0900
To: aml@jca.apc.org
From: "MARUYAMA K." <kaymaru@jca.apc.org>
Subject: [keystone 2658] ビエケス(排除前の国防総省記者会見)
Cc: keystone@jca.apc.org
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X-Sequence: keystone 2658
Precedence: bulk
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org

 ビエケス関連の記事です。少々古いのですが、5月2日に行われた米国防総省での
記者会見のやりとり。もちろん排除が始まる以前の話。(仮訳、固有名詞はそのま
ま)
 原文は以下にあります。
http://www.defenselink.mil/news/May2000/t05022000_t502asd_.html

 なかなか辛辣な質問が続いて面白い。

 軍隊は一度つかんだ権利をそう簡単には手放さない。必要不可欠で代え難いは常套
句。
 住民投票の結果を進んで守ろうとする気はさらさらない。基地を撤去させるために
は、断固たる抗議の姿勢が必要。日本政府のような対応では、100年たっても基地
はなくなるはずがない。

 ここでは出てきませんが、住民投票の前に基地使用が再開されるならば、島の経済
振興のために4000万ドルを出すとワシントンは約束している。また、住民投票で
海軍の演習場の存在が認められたら、さらに5000万ドル出すことになっている。
地球の裏側でも、そっくりなことが行われているな。対応は違うけど。
==========================================================================

2000年5月2日のCraig R. Quigley海軍少将記者会見

(前略)

ADM. QUIGLEY:では、みなさんの質問を受けます。Charlie、どうぞ。

Q:ありがとう。Vieques沖に停泊中の二隻の船には、連邦執行官が乗っています
か。Viequesからデモ隊を排除するのに軍のヘリコプターを使うつもりか?つまり、
あなたが、いやこの建物の人々(つまり国防総省の役人)がこれまで繰り返し言って
いるように、米軍は警察活動を行わないはずだが、(今回の作戦では)軍のヘリコプ
ターは輸送に使われるのか?

ADM. QUIGLEY:えーと。この問題が、今日の会見に出席しているみんなが聞きたいた
ぶん一番重要な点だということは分かっている。時間の節約のために、まず、今日こ
こで話せることと話せないことをはっきりさせておいた方が、お互いの時間の節約に
なると思う。
 質問が、数ヶ月前に連邦政府とプエルトリコ政府との間になされた合意に関するも
のならば、ある程度は詳しく話すことはできる。
  また、Viequesの演習場が大西洋艦隊の出動態勢を維持するために非常に重要で
あると米軍が考えている理由についても再度説明することができる。
  しかし、これからの作戦については何も言うことはできない。そのことに触れる
つもりは全くない。
  何が言えて、何が言えないかをはっきりさせたところで、質問はありますか?

Q:船に誰が乗っているかをなぜ言えないのか?秘密事項ではないですよね。

ADM. QUIGLEY: あの船には、通常の乗組員が乗船している。これ以上は、これからの
作戦に関することが含まれるので、言えないよ Charlie。悪いけれど、Jamieどう
ぞ。

Q:カテゴリー2の質問です。

ADM. QUIGLEY: カテゴリー2か。どうぞ。(クスクス笑いが漏れる)

Q:映画スターだよ。 あなたの言ったことを繰り返すのですが、つまり、海軍は
Viequesの代わりになるところはないと言い続けています。根拠は何ですか?

ADM. QUIGLEY: えーと。昨年行われたFallon-Paceの調査報告(注)について思い出
してもらいたいのだが。代替の場所はかなり徹底的に探しました。潜在的な代替地が
大西洋にあるかどうか。Viequesはいろいろな要素を併せ持っていることによってそ
れほど(代替地を見つけることができないほど)の価値があるのです。一つの場所
で、地球上のある特定の場所において、航路の状況、地勢、あるいは空域に関して、
混雑した定期航空路からはずれており、深い海があり、などなど……。そこは、商船
・客船、旅客機の頻繁に行き交う場所ではないので、非常に広い場所がとれ、もし必
要なら、揚陸演習と海軍の砲撃演習、あるいは空対地砲撃訓練など、空母を中心とし
た戦闘部隊や揚陸部隊などがよく行う演習ができる。こういう特徴を持っているのは
今の時点ではViequesしかない。

Q:では、そうすると、もしViequesが使えないとなるとどうするのか?合意に沿う
ならば、それに備えないといけないが。

ADM. QUIGLEY:  もちろん。

Q:カテゴリーAに戻りますが。住民投票によって(基地使用が)拒否されたら、海
軍は基地を去らなければならなくなる。そうなったら、基地を撤去しなくてはならな
いのにその代替が無いなんてことでいいのか?

ADM. QUIGLEY:  そうですね。こういうしかないと思います。今のところ、大西洋艦
隊の演習場としてViequesに代わるところはないと。確かに、今年はじめに署名され
た合意によると、Viequesの人々が米海軍の撤去を求めるという住民投票結果を出せ
ば、海軍はそうせざるを得ない。しかし、今日Viequesで行われているような演習地
の複製を作るには、他の場所を見つけ建設するのに、莫大な金がかかることになる。
今のところ、Viequesは一つしかないのだから。

Q:(演習場として)選ぶことのできる無人島があるのに、海軍はひたすらそうする
ことを拒んでいると人々は言っているが……。

ADM. QUIGLEY: それはちょっと違う。あの辺や大西洋には無人島はたくさんあるが、
私が先ほど言ったような(Viequesがもつ)いろいろな要素を併せ持つところを海軍
は今のところ一つたりと見つけていないと言うことだ。

Q:海軍が、プレルトリコの別の島、Culebraから追い出された時も、Culebraででき
るような演習はほかの場所ではできないという、ほとんど同じ議論があった。
(Culebra)を離れ、そして完全に条件がそろった別の島を見つけたじゃないか。

ADM. QUIGLEY:えーと、そのときのことを振り返ってみれば分かるはずだが、
Culebraの演習場を閉鎖したすぐ後に、膨大な投資が行われたが、しかも、そのとき
にはViequesの施設があった。しかし、Viequesの施設の改善のために膨大な投資が行
われた。今もそういう状況にある。Viequesの人々が住民投票で海軍の撤退を求める
ならば、海軍はどこか違う場所に移ってそこに演習場を作らなくてはならない。しか
し、今回は、(Viequesにしかないような)演習場の特別な状況が問題である。
CulebraとViequesの場合を比較をすると、海軍がCulebraを撤退したとき、Viequesの
演習場改善のために投資をした。そして今度はそこが問題になっている。

Q:そうすると、施設を改善すれば必要な演習ができる島があるはずだ。

ADM. QUIGLEY: そうだが、まだ見つからない。しかし、そうするしかあるまい。

Q:言い換えると、金の問題と言うことか?

ADM. QUIGLEY:  いや、まだ……、ある面では金の問題だよ、Jamie。しかし、金の問
題はさておいて、Viequesが今日提供しているような複合的な特質を併せ持つような
場所をまだ見つけてないだけだ。
 どうぞ。

Q:George Washington空母群の演習予定はどうなっているのか。空母Kearsargeでし
たっけ。

ADM. QUIGLEY: そう。たしか2、3年前に海軍が発表したと思うけど、うろ覚えだ
が、George Washington戦闘群はViequesの周辺、少なくとも浜辺では、演習をやめた
はずで、ほかの場所を見つけたと思う。たしか、空対地砲撃訓練はフロリダのPine
Castle射爆場だった。どこが選ばれたかはっきりしないけれど、それ以外の揚陸訓練
場もあったはずだ。しかし、Viequesの訓練場を使わないことに決まったことは確か
だ。
 はっきりさせておきたいのだが、今問題になっているのは、その後を受け継いだ二
つの戦闘群の話だ、容認できる範囲での訓練ができるが、射爆場を使うためにはえら
く面倒な手続きが必要で、しかも(使えるという)保証は何もない。
 以前、Cape Wrathについて話したことがあるが、(煩雑な手続きをとっているの
は)合衆国の強い絆の片鱗としての友愛と援助の姿勢を見せるためだ。しかし、あそ
この気候はきつい。一年のうち射爆場が使えない時期が何度かある。親友や味方が気
持ちよくそれらの演習場が使えるように善意と援助がいつもあると期待することはで
きない。かれらにとって都合の悪いときもある。
 だから、Viequesの射爆場のような広範な複合軍事訓練のできるところが常に存在
しないと、安心できないわけだ。
 どうぞ。

Q:海軍長官が海軍調査センター(the Center of Naval Analysis)に対して代替地
を探すように命じていると思うが、――場所と演習方法について――、期限は、4
月、5月、いや6月だったかな。もう報告はあがったのか?

ADM. QUIGLEY: 調査がどういう状況かは知らない。その点については海軍に直接聞い
てみたらどうか。

Q:それに関係した質問ですが。大統領の指示では、Viequesでの住民投票は18ヶ月
の猶予が与えられたが、もし代替地を探すのを急ぐ必要があるならば、結果を早く知
るために住民投票を早めに行うほうが海軍にとっていいのでは?

ADM. QUIGLEY:  少なくとも現在、住民投票の期日についての話し合いが行われてい
るとは聞いていない。だから、それについては分からん。Tomどうぞ。

Q:G.W.戦闘団は、ほかの場所で演習しなければならないと仰いましたが、砲撃演習
についてはどうですか。Cape WrathとSardiniaは立入禁止になっていると理解してい
るんですが、それとも……。

ADM. QUIGLEY: 立入禁止というわけではない。しかし、制限はある、いや、先ほど言
ったように、少なくとも潜在的な制限がある。だから、ほかの戦闘群や揚陸群を前線
に配備しようとする場合に、それぞれについていつも(交渉を)しなければならない
問題の一つだ。それ(演習)が必要なときに、(交渉が)うまくはこぶか何も保証は
ない。前回はうまくいった。配備が決まった戦闘群の艦船がCape Wrathなどへ行っ
て、砲撃の資格試験を完了した。たった今説明したように、本当に必要としていると
きでも、毎回毎回うまくいくかどうかは全く当てにならない。

Q:G.W.空母群はいつ湾岸地域へ配備されるのか?7月、でしたっけ?

ADM. QUIGLEY: この夏だが、正確な日付は覚えていない。分かりません。後で教えま
す。Billどうぞ。

Q:そうすると、住民投票が行われ、その結果がはっきりした時点においては、
Viequesしか射爆場が無いのだから、(撤退するとしても)ほかの演習場が開設され
るまで、その履行が遅れることになる。

ADM. QUIGLEY: そういうことだ。

Q:そうすると、住民投票で「基地はいらない。アメリカは出ていけ」ということに
なっても、合衆国は、当分の間、Viequesを使わざるを得ないのか。

ADM. QUIGLEY:その時がきたら、決定を迫られる問題がそれだ。(その時に)あの合
意がどのようにきいてくるか全く想像できない。

Q:現況についての質問に戻りますが、本質的には国内法の執行であるにもかかわら
ず、何らかの形で国防総省が関与するかもしれないという懸念を持っている人をどの
ように納得させることができるのか?

ADM. QUIGLEY: えーと、それに関しては我々――国防総省という意味だが――はプエ
ルトリコ政府、あるいは大統領府や司法省と射爆場の再開について議論しているとこ
ろだ。しかし、我々は機会あるごとに言ってきたことだが、結局これ(排除)は法を
執行する手続きであり、軍隊を、陸海空海兵隊のどの部隊も、法の執行に使うことは
ない。それは、軍事力の適切な使用法ではない。

Q:そうすると、(排除)作戦が完了したら、つまり、この建物にいる人間(国防総
省関係の人間のこと)が言っているように、その時には、軍が介入し、警備体制を確
立し、デモ隊が戻ってこれないように基地の境界警備を確立するのか。

ADM. QUIGLEY:いや、最終的にはこの件に関して実際に施設を管理している海軍が、
再びこの射爆場を演習の目的に使用し、管理する立場に戻ると言うこと。
 どうぞ、Tammy。

Q:Craig、警察権力の行使が終了した後、射爆場の使用が始まるのはいつになると
予想しています。どのくらいかかりますか?

ADM. QUIGLEY: えーと。一つ一つ順を追ってやることになるでしょう。まず、射爆場
が再び使えるようにすること。これは、そんなに時間はかからないでしょうが、その
時の状況でどうなるかはわからない。慎重に状況を判断しなくてはならないだろう。
しかし、すぐにうまくいくと思う。しかし、きっちりした時間を設定しなくてはなら
なくなるだろうね。Pam、どうぞ。

Q:こういったことに軍隊を使ってはならないという禁止条項が憲法にはあるのか。

ADM. QUIGLEY:はい。Posse Comitatus Act(注)という法律があります。実質的な警
察活動に軍隊の使用を禁じる法律です。
 例えば、 州のレベルでは州兵を使うことはできます。州知事の指令下で州兵が様
々な法執行活動(警察権力の行使)、――災害復旧、ハリケーン、山火事、暴動――
を行っているのを目にしているはずだ。これは最近だけのことではない。しかし、こ
れらは州知事の要請を受けた行動であって、今回とは状況が違う。しかし、連邦のレ
ベルでは、軍隊を法の執行やここで議論しているような警察権力の行使に発動すると
いうのは、大統領が決定することです。

Q:プエルトリコ知事との合意事項は、演習形態を将来変更することを求めていま
す。あそこでの演習にとってこれはどれほど悪影響があるのでしょうか?

ADM. QUIGLEY: 模擬弾の使用のことですか?

Q:そうです。

ADM. QUIGLEY: えーと。模擬弾の使用には、もちろん意味があります。ちょっとここ
ではっきりしておきましょう。模擬弾とは、実際の弾丸と空力的・物理的特性が同等
の形・大きさ・重さを持ちますが、高性能爆薬が入っていない弾丸です。だから、模
擬弾を使う意味があり、いつも使用している。しかし、あつかう兵士に緊張感を与え
るという意味で、実弾を使うことにも、重要な意味がある。本物をあつかっていると
いう感覚、「こいつは本物だぜ」という現実感がある。実戦において、兵士は非常に
強い緊張を強いられる。戦闘で遭遇する状況をできるだけ再現するように、実戦に近
い訓練を心がけている。実戦さながらの極度の緊張を強いられる状況を作る場合に、
実弾を使う意味がある。だから、両方(模擬弾と実弾による演習)が必要なんだ。

Q:そうですね。

ADM. QUIGLEY: 合意事項によって、現時点での模擬弾使用について話しているわけだ。

Q:そうすると、今までとは違ってくると言うことか?

ADM. QUIGLEY: そうです。そうです。

Q:なるほど。そうすると、総体としてのViequesの価値は、低下したということに
なりませんか。この記者会見の冒頭であなたが言及した実際的な価値という意味です
が。

ADM. QUIGLEY:長年、軍は実弾と模擬弾の両方をViequesで使用してきた。だから、模
擬弾の使用は別に新しいことではない。しかし、模擬弾しか使用できないという制約
は確かに重要なのだ。空対地や揚陸訓練、あるいは艦砲射撃が一度に行えるという複
合的軍事活動の演習ができるという(他では得られない)すばらしい恩恵を今後も享
受できる。(Viequesが使用できないことによって)断片的な演習を強いられている
現状よりはまだましなんだ。Chris、どうぞ。

Q:posse comitatus(法)の制約があり、司法省が(占拠している)人々を排除し
なければならず、しかも、基地使用に抵抗している人々が排除されても、そのつど戻
って来たり、あるいは代わりの抵抗者が島に渡って抵抗を続けると言っている、ある
いは脅かしていることを考えあわせると、連邦執行官や司法省の役人がさらなる抵抗
者を排除するために常駐すると予想していますか、それとも、射爆場から人々が排除
されたあとは、軍の問題だから、従来通りの基地警備の規則を適用するつもりか。

ADM. QUIGLEY: えーと、これまで通り、つまり1年前の事件以前と同様に、基地警備
は軍に任せることになるだろう。ある程度までは、楽譜なしで演奏せざるを得ないよ
うな状況(状況に応じて手探りでやるということ)になるだろうが、最終的には、射
爆場が再び使えるようになれば、射爆場の管理や警備は海軍や海兵隊の管轄下に戻
る。

Q:えーと、それは……。

ADM. QUIGLEY: どうぞ、Barbara。

Q:ごめんなさい。関連質問ですが、それは、軍が警察権を行使することにならない
のですか、もし、眼前で行われているデモに対してだとすると。

ADM. QUIGLEY: えーと。それは別のことだ。世界中の様々な基地で軍人が行う警備活
動と、検挙――そう――連邦政府の官憲だとか連邦執行官だとか、もろもろの、法律
を守らせるための行動、は区別しなければならない。海兵隊の警備兵や海軍の警備兵
が検挙のための官憲と行動をともにするようなことはない。厳然なる区別がある。彼
らできちんと警備できるのかって?もちろんできるさ。世界中の軍事基地の安全をお
びやかすような、様々な脅かしがある。しかし、実際の法の執行は、法律を厳格に適
用するならば、逮捕権限、――あるいはそれに類するもの――で、明らかに法の執行
の問題であり、それを行使するための権限を持った機関が行った方がうまくいく。

Q:しかし、(基地使用に)抵抗している人々は単に軍事基地に侵入しているだけで
はないですか?

ADM. QUIGLEY:現在彼らは侵入しているだけだが、そこは連邦政府の敷地だ。何度も
言っているように、射爆場を再び使用するためにこれから行おうとしていることは、
少なくとも初期の段階では、軍ではなく、警察権力を使うことだ。

Q:えーと、あ、ごめんなさい。今現在占拠している人々と軍隊が警備する状況に戻
った後に抗議に来る人々とはどこが違うのか?

ADM. QUIGLEY: 許可を受けた訪問者などでない限り、基地に彼らを入れないように最
善を尽くすつもりだ。だから、軍隊が基地の境界を警備し、Vieques演習場がある政
府の土地には立ち入らせない。しかし、現在、彼らは基地の中にいる。侵入者は今も
そこにいる。1年にわたってそこを占拠している。彼らを排除するためには、警察権
力を使う方が(軍隊を使うよりは)遙かによい方法だ。
   どうぞBarbara。

Q:民間人の騒動に関して警察権力の支援のために米軍が戦艦を派遣したのは今回が
初めてですか。

ADM. QUIGLEY: 「最初」「最大」「最高」「最低」という言葉を使う時はいつも逡巡
してしまう。分かりません。その質問にきちんと答えるためには、完璧に歴史的検証
をしなくてはならないから。

Q:そのような例は思いつきませんか?

ADM. QUIGLEY: 思いつかない。そんなに昔まで記憶をたどることは不可能だよ。

Q:ちょっと違う見方なんだけど。『Defense Week』の最新号が、ユタ州選出の下院
議員Jim Hansen、政府を支持しているとはとても思えない共和党員、の話を載せてい
る。彼は、下院の軍事委員会に対し今回の措置に対する政治的問題を調査するように
要求しているそうだ。かれは『Defense Week』に次のように言っている、「私には、
この動きは政治的なものに思える。Clinton婦人がNew York(州の選挙区)で出馬し
ようとしており、そこには多くのプエルトリコ人が選挙権を持っている。だから、な
ぜこれが行われようとしているかは、見え見えだ」と。
   あなたは、ある種の意味合い、つまり政治的な意味合いについては全く言及して
いないが、今回の行動の裏には大統領府がClinton婦人の選挙戦を応援するというこ
とも含まれているという見方について、何かコメントできますか?

ADM. QUIGLEY:それについてはお答えできません。ただ、これだけは言っておきたい
のだが、私の記憶にある限り、この会見場の演壇、いやこの建物の中(ペンタゴン)
でそのようなことが言及されたことは一度もない。国防総省はこの件をVieques射爆
場の演習場としての価値から判断している。それだけだ。
   どうぞPam。

Q:抗議のために最初に侵入した人々についてお聞きしたいのですが。憲兵によって
基地が警備されているとしたら、そもそも彼らはどうやって基地に入ったのですか?
そうだとすると、抗議の人々が戻ってくるのを憲兵によって防げるとするあなたの考
えの根拠は何ですか?

ADM. QUIGLEY: どの基地でもほとんど例外はないのですが、もしあなたが確固たる意
志を持って基地に入ろうと思ったら、それは可能ですよ。Xという場所にある基地の
安全に対いして、それぞれの地域が抱える脅威を判断する場合にはいつもそれが問題
になる。実際の例としてViequesの地形を考えた場合、Viequesの演習場に入る手だて
はいくつもある。巨大なコンクリートの壁なんか有りはしないし、境界線全体に沿っ
てバラ線が張り巡らされているわけでもない。境界警備のために各所に人員を配置
し、フェンスもある。しかし、演習場に侵入する方法はあるし、実際に侵入すること
は可能だ。 特に、監視所から遠く離れたところからは、簡単に侵入できる。

Q:そこには軍隊の警備兵はいるのか ?

ADM. QUIGLEY: もちろん。間違いなくいる。軍の警備部隊もいる。海軍も常駐してい
る。Barbara、ずっと以前から常駐しているよ。つまり、警備部隊が引き揚げたとい
うわけではない。

Q:国防総省は、この件に関しての国際的なメディアの報道を懸念しているのか?島
にある射爆場の警備が確立した後も、通常の記者会見はあるのか?

ADM. QUIGLEY: これも、たぶん楽譜のない演奏(はっきり決まっていない場当たり的
な対応)となると思う。しかし、何らかの行動があった場合には、連邦政府のどの部
署も、その事実を認めることはやぶさかではないはずだ。すでになされた行動を追認
するのと、将来なされるであろう行動について予言することは違うんだ。

Q:誰が最終的な決断をするのか?作戦の計画を立てたりゴーサインを出すのは、司
法省か、大統領府か、それとも国防総省か?

ADM. QUIGLEY: 最初の段階から、いろいろな省庁が関わってきたし、これからもそう
だと思う。
 
(無関係の質問なので中略)

ADM. QUIGLEY: 誰かが質問したことだけど、――誰だか覚えていないが――、
George Washingtonがいつ配備されるかについてだが。6月の終わりか、7月のはじ
めだ。6月末の時間枠だと思う。
 で? どうぞ。

Q:州知事の要請によって軍隊を出動させるというあなたの出した例についてだが、
その意味は……。

ADM. QUIGLEY: そう、州兵のことだ。

Q:――州兵――、今回の件でこのような支援を要請できるのはプエルトリコの知事
だけという意味ですか?

ADM. QUIGLEY: プエルトリコの州兵の支援を要請するって?

Q:関係ありますよね。

ADM. QUIGLEY: プレルトリコの知事は……。

Q:いずれにしろ……。

ADM. QUIGLEY:  プレルトリコの知事は、ほかの州の知事と同様に、権限を持ってい
るだろう。自らの権限の及ぶ範囲で、この件ではプエルトリコ内で、州兵を、軍事活
動以外のために出動させる権限だ。洪水や山火事による被害者に救援などだ。これま
でもいろいろな活動がなされてきた。
 結局、州兵についてだが。例えば、現在、テキサス州の州兵がBosniaにいる。だか
ら、その意味では、彼らはテキサス州知事のために活動している訳ではない。彼らは
国家のために働いており、完全に異なる指揮系統で軍事部隊として働いている。
 どうぞCharlie。

Q:大統領がそれ(排除)を現役兵部隊を使ってもできるとあなたは先ほどにおわせ
たようにも思うのですが。言い換えると、大統領は、法執行官の移送やその他もろも
ろのことを海兵隊のヘリコプターにやらせることができるのですか?

ADM. QUIGLEY: えーと、またPosse Comitatus Actに戻ることになるな。もう一度言
うけど、それは権限として憲法に確かに何らかの言及があることだが、軽々しく使え
るようなことではない。しかも、軍隊をそのような目的に使うことは、アメリカの国
民が望んでいることではない。
 
Q:しかし、そうすることもできる。

ADM. QUIGLEY:憲法の規定する範囲では権限がある。しかし、繰り返しになるが、軍
隊がそうすることをアメリカの国民は望んでいないのだ。そして、それは従来の警察
権力、ハイウエーパトロールだとか、(普通の)警察とか、そういったもの方がうま
くやってのけられるのだ。

(以下略)

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・Posse Comitatus Act
http://internet.roadrunner.com/~sam1/freedom/posse_comitatus.html
・Fallon-Paceの調査報告:以下に関連記事
http://www.defenselink.mil/news/Dec1999/t12031999_t1203asd.html

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