keystoneML2000/04

Date: Thu, 6 Apr 2000 12:26:48 +0900
From: 加賀谷いそみ<QZF01055@nifty.ne.jp>
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Subject: [keystone 2561] <秋田＞改憲阻止１００人委員会結成
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４月２日、「改憲阻止、九条を守り憲法を暮らしに活かす秋田１００人委員会」
（改憲阻止１００人委員会）が結成されました。
　国会に憲法調査会を設置し、憲法の改悪をたくらむ弱者切り捨ての強権政治勢
力の前に、それらを阻止し、憲法を暮らしに活かそうとする護憲勢力の未熟を自
覚しつつ、どうしたら憲法を暮らしに活かす政治が実現するかたくさんの仲間と
議論してきました。
　その中で、憲法を守ろうとする多くの市民と共に、市民が主人公の草の根運動
を創って行こうという決意にいたりました。
　昨年秋頃から新社会党などから秋田市を中心に呼びかけが始まり、賛同者は現
在約９０人となってます。
当面の取り組みとして、①憲法記念日等講演会や街頭宣伝を行い、改憲を許さな
い世論の形成、②憲法の条文の学習会の開催、③全県に賛同者を広げネットワー
クの拡大を図る、④会報を発行し、改憲勢力の動きについて情報を提供する、な
どを計画しています。
　結成集会には約６０人が参加。「いかなる武装にも戦争にも反対する」とする
非武装宣言を採択。同日、講師に内田雅敏弁護士を迎えて、「憲法をめぐる状況
と改憲勢力が狙うもの」と題して記念講演が行われました。

　　　　　　　　　　　　　　　結成宣言（案）
　今、憲法が危ない。
　自民党の綱領には「憲法改正」が詠われています。そして、それを実現しよう
と今、憲法調査会を舞台に議論されています。改憲論者の論法はほとんどが「押
しつけ憲法論」です。今まで、「戦争協力法」「盗聴法」「国民総背番号法」
「国旗・国歌法」と平和憲法の理念をねじ曲げて次々と悪法を成立させました。
いわゆる「解釈改悪」という手法でなし崩し的に改憲を目論んできたわけです。
　ところが今回の憲法調査会をはじめとする動きは、「自自公」の連立政権のも
とで国会の改憲勢力は衆議院で約８割、参議院で約７割と言われ、明文改悪を発
議できる政治勢力を背景にしています。国会ではいつでも改憲を発議できる政治
勢力を持つに至ったわけです。
　いったん改憲案が発議されたならば彼らはあらゆる手段を講じなりふり構わず
国民投票での勝利を目指すでしょう。これと対抗するためには護憲の勢力の総結
集を目指し、不退転の決意を込めた護憲運動の展開が不可欠です。「改憲阻止、
憲法を暮らしに活かす秋田１００人委員会」（略称、改憲阻止１００人委員会）
はこのようにして結成されました。
　しかしながら、改憲勢力に比べて私たち護憲の力は大きなものではありませ
ん。だからこそ「護憲」で一致できるすべての個人・団体と共同行動が迫られて
おります。
私たちはそのための苦労ならいといません。

　私たちは、平和憲法を守り、その精神や理念を活かすことによって、人々が安
心に暮らし、働き、互いに尊重しあい、協力する社会、平和のうちに人権と民主
主義が発展していく社会を目指します。
　そのために私たちは次のことを宣言します。
　１．私たちは「自衛権」という名目による軍事も含めて、いかなる武装にも戦
争にも反対します。軍備はそのものが戦争を誘うものであり、非武装の平和主義
こそが真の安全保障です。
　２．言論・出版・集会・結社・人権などの諸権利と共に福祉や環境、労働、教
育に関する権利が保障されていなければ人間が人間らしく生きることはできませ
ん。これらの権利が破壊されることに断固反対します。
　３．私たちは平和で人間らしく生きるため、市民による市民のための政治を求
めます。それを阻止するすべての差別を否定します。もちろん、天皇の元首化や
神格化、教育の国家への従属にも反対します。
　４．私たちは、平和憲法が掲げる諸原則を尊重し、地域や国籍を越えて、平和
のうちに生活していくことを目指します。人権の否定に繋がる、あらゆる策動に
反対します。

以上宣言する。
　　　　　　　　２０００年４月２日　
　　　　　　　「改憲阻止、憲法を暮らしに活かす秋田１００人委員会」結成総
会　

○内田雅敏さん（講演案内より）
　１９４５年愛知県に生まれる。早稲田大学法学部卒。市民派護憲弁護士として
ゴラン高原自衛隊ＰＫＦ派遣違憲訴訟やわだつみ会訴訟を引き受けるほか、沖縄
基地反対の市民集会を組織したり、又、県北の「花岡事件」の訴訟にもかかわっ
ている。

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
　内田さんのお話は憲法、日米安保、沖縄、天皇、日の丸・君が代と多岐にわた
りましたが、最も印象的だったのは、日本国憲法九条の持つ「光と影」というこ
とです。
　「国旗・国歌法」では旧刑法から削除された不敬罪（７３～７６条）を、日米
新ガイドライン関連法の「後方支援」の名の下では、日米安保体制という日本の
占領も乗り越えられなった九条の壁を破壊し、利敵罪（８３～８６条）を復活さ
せようとしているものとのこと。
　憲法調査会などで「押しつけ論」が喧伝されているが、押しつけられたのは九
条か、一条か、また天皇の戦争責任を免責した憲法第九条が、沖縄の切り捨ての
上に成立し、民衆の戦争責任も免責してきたのではないかという問題提起は、身
に突き刺さるものでした。
　
　米英中のカイロ宣言（１９４３年）、国際連合憲章成立（１９４５年６月２６
日調印、１０月２４日成立）、ポツダム宣言（１９４５年８月１４日日本受諾
）、１９４６年の日本国憲法の公布、４７年５月施行、同年９月の象徴天皇の沖
縄メッセージ（沖縄を２５年から５０年間、米国が軍事支配することが日米共通
の利益に適うとした）、１９５０年朝鮮戦争勃発、１９５１年、事前にダレス特
使が吉田首相に、賠償しなくてもいいからと再軍備を約束させてからなされた、
サンフランシスコ講和条約署名（５２年発効）と日米安全保障条約調印などを続
けると、１９４０年日独伊三国同盟の成立、１９４１年アジア・太平洋戦争開
始、占領、日米安保体制、戦争法の成立という流れが輪になってつながり、その
中に平和憲法を埋没させ、国家がはじめる「人道的」な「正義の戦争」なんてす
べて「不正義」に終わってきているのに、私たちはずーと終点のない電車に乗っ
たまま、そこから降りられないでいるのを感じます。

　そして、この国では私たちのへその緒までしみこんだ「天皇制」が、日々の暮
らしのひだの隅々にまで刷り込まれ、その上「国体護持」が武装国家の「国益」
にもかなうというやっかいな存在になっていて、これらを一つひとつ洗い出す作
業一つを考えただけで、ついつい「沈思黙考」して動かず、語らずというところ
に身を置きたくなったのでした。

　でも、一人の人間の中に、人殺しに参加した加害者と、戦争に反対している平
和主義者が、武器を持たされた「戦争被害者」として何の矛盾もなく同居してい
る人やそれらに「理解」を示す人を見ると、いまだ補償されることなく、皇民化
を強いられ、性奴隷や強制労働者として人権を奪われた人々や、今も地上のどこ
かで同じ運命に追い立てられている人がいることを考えれば黙っていられなく
なってしまう。

　とうわけで、最近は手法を加えて、ことあるごとに「日本国憲法読んだことあ
る？何回読んだ？」と聞くことにしています。私も読んだのは成人になってから
なので大きな顔はできないが、問題意識を持っている人でも予想以上に読んでな
いですね、ここまで平和憲法に危機が迫っている今頃になっても。

　森喜郎さんが、首相になった後の記者会見で、「シナ事変」の年のお生まれ
だって。１９３７年は南京大虐殺が起きた年。森さんの歴史認識で外交して大丈
夫かしらと。外務省でうまく訳すだろうし、日本の大臣の外交交渉の特徴は、３
Ｓ（スリープ、サイレント、スマイル）だかそうだから、短命ならごまかせそう
だが。

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2000年　　　　　1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月

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