Mime-Version: 1.0
X-Sender: kaymaru@mail.jca.apc.org
Date: Wed, 16 Feb 2000 19:52:02 +0900
To: keystone@jca.apc.org
From: "MARUYAMA K." <kaymaru@jca.apc.org>
Subject: [keystone 2373] 転載:『日本の公安警察』(青木理)
Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 2373
Precedence: bulk
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org

 [keystone 2370] に出てきた『日本の公安警察』の紹介を転載します。

amlから(改行位置等若干変更)。

========================= 転載ここから ================================

Date: Tue, 25 Jan 2000 01:45:13 +0900
From: YAMASITA Makoto <caa43460@pop06.odn.ne.jp>
Subject: [aml 16107] 現役記者が書き下ろし『日本の公安警察』
    (講談社現代新書)はすごいゾ
To: aml@jca.ax.apc.org, privacy@jca.ax.apc.org
 

『日本の公安警察』青木理著 講談社現代新書
ISBN4-06-149488-0 C0236 680円

青木理(あおき・おさむ)氏は共同通信東京社会部記者

1月20日に刊行されました。
『お笑い公安調査庁』とかの公安の内幕物が出てますが,これは現役の記者が
書き下ろしてくれたホットな本です。JCA-NETのネットワーカー必読の一冊!

目次:

1章──厚いベールの内幕

1 公安警察の組織機構
治安機関の中枢……警察庁を頂点とするピラミッド……権力の上昇構造……
公安警察の役割……警察庁警備局……警視庁・各県警の公安

2 資金と人員
ベールに包まれた活動費……流用、ピンハネ……硬直化したままの共産党対策
……組織人員

3 公安警察と刑事警察
刑事警察との違い……別件逮捕、転び公妨……幹部の特権……刑事警察との不仲
……「公安偏重」は終わるか
 

2章──特高から公安へ

1 特高警察の解体と警察民主化
特高警察の猛威……「公安課」の誕生……“治安のシンボル”を温存……
GHQの警察観……四七年警察法

2 本格化した情報活動
GHQの政策転換……東大ポポロ事件……警察法改正……破防法登場……
「新特高の中核」警備二部……非合法手段も訓練

3 新警察法の誕生
中央集権を目指して……強行採決……「特別講習」の驚くべき内容……
公安部の誕生……安保闘争と右翼テロ……緊迫する六〇年代後半……
公安警察の完成
 

3章──監視・尾行から工作まで

1 基本的な情報収集術
「警備警察全書』……尾行……視察……拠点・アジトの視察……慎重な視察活動

2 協力者という名のスパイ
工作……スパイ候補の「基礎調査」……接触から説得へ……獲得と運営

3 協力者獲得のケーススタディ
沖縄県警での実例……大阪府警の“落とし物”

4 一九五八年・大阪での工作
検討会……お好み焼き屋にて……協力の開始……洗脳工作を推進せよ……
大学生に接触

5 公安警察官と協力者
女子学生への手紙……女性協力者の放火事件……不思議な感情……基礎調査

6 投入と謀略の過去
投入……投入は終わったか?……菅主事件……消えた男……正体は公安警察官
……マスコミが接触……裁判で明かされた真実……地検次席検事の回想……
出世した公安警察官……息づく“亡霊”
 

4章──公安秘密部隊

1 「サクラ」部隊
公安警察の暗部……発足直後の「サクラ」……盗聴……精鋭が集まる……
偽名で講習を受ける……個人責任の原則

2 共産党幹部宅盗聴事件
暴露された盗聴……プロの手口……遺留品が語ること……「サクラ」にまで及
んだ処分……組織的盗聴と断罪……技師の証言……「サクラ」の指示は「直結」

3 「サクラ」から「チヨダ」へ
公安一課から警備企画課へ……「チヨダ」誕生……各県警の「協力者対策」を
統括……人事権も掌握……裏理事官の顔ぶれ

4 政治との距離……「カード作成」対象者……官庁の共産党員を徹底調査……
もう一つの「エリートチーム」……代議士との癒着
 

5章──戦後の公安事件簿

1 右翼と外事
体制側の“憲兵”……右翼と公安警察……三無事件……新右翼の勃興……
外事警察……金太中拉致事件……KCIAの組織犯罪

2 先鋭化した左翼闘争
赤軍派……よど号ハイジャックと浅間山荘事件……権力の敵から国民の敵へ
……日本赤軍……連続企業爆破事件……公安と刑事の遺恨
 

6章オウム・革マル派との“戦い”

1 オウム残滅戦
井上嘉vs公安……腰が重かった公安……国松長官狙撃……微罪、別件を乱発
……井上逮捕……麻原逮捕

2 組織を揺さぶる告発
一通目の紙爆弾……二通日の紙爆弾……公安部長更迭……信者警官はわかっ
ていた

3 革マル派による警察無線傍受
大量の押収物……“おとなしかった”革マル派……デジタル化無線……
筒抜けだった情報……元長官宅にも侵入

4 出遅れた公安警察
捜査中断……革マル派は知っていた?……極秘部隊の交信記録

5 全面対決へ
革マル派の抗議……「最高機密」も傍受……対決は始まったばかり
 

7章──警察の外にある公安

1 公安調査庁の活動と実態
活動に制限……公安調査庁の機構……高額な謝礼……協力者獲得マニュアル
……対象者を選ぷポイント……公安警察との不仲

2 公安調査庁の歴史と野望
内務省調査部が源……組織改革の波……市民オンブズマンも調査対象……
オウム事件という“チャンス”

3 必死の生き残り戦略
「不要論」に抗う……「破防法改正私案」……盛り上がる改正論……
「オウム新法」浮上……「政治家に接近せよ」

4 内閣情報調査室の現状
米国情報機関の補完的役割……警察庁から多数出向……防衛庁の「公安」
 

8章──監視社会と公安警察

1 道路に光る監視の目
発達するテクノロジー……Nシステム……張り巡らされる監視の目……
「犯罪捜査」か「人権侵害」か……警官の女性問題調査にも

2 整備進む治安法と総背番号制
盗聴法とオウム新法……改正住民基本台帳法……出雲市での“実験”……
監視と管理が進む

 おわリに
 公安閑連年表
 参考文献

どうです,おいしい本でしょう(^_^)。これだけのものを現役の記者の方が
よく書いてくださったものです。

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YAMASITA Makoto
山下 真
E-mail : postx@anet.ne.jp
(転送メール)
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========================= 転載ここまで ================================
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 MARUYAMA K.  kaymaru@jca.apc.org
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