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X-Sender: kaymaru@mail.jca.apc.org
Date: Thu, 13 Jan 2000 02:14:28 +0900
To: keystone@jca.ax.apc.org
From: "MARUYAMA K." <kaymaru@jca.apc.org>
Subject: [keystone 2262] Re: 世界日報、新春沖縄特集
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At 0:09 AM +0900 00.1.11, HIRATA Yasunori  wrote.

> 世界日報紙で、新春特集としてサミットがらみで沖縄が取上げられています。
> http://www.worldtimes.co.jp/special/okinawa2000/main.html

> | 10.大田革新県政の功罪

> 項目10.では偏った箱物造り行政、恣意的な県政で失業率を高めたなどとして大田県
> 政を批判しています。

 沖縄県の完全失業率(労働力調査):

 復帰前の1970年は1%程度で全国平均とほぼ同じ。復帰後、第一次産業の衰退
(就業者が半減)に伴い、4%を越える。その後は、保守・革新県政を問わず全国平
均の約二倍と一定。つまり完全失業率が高いのは構造的なものであって、大田知事の
「恣意的な県政」で失業率が高くなったというのは真っ赤なウソ。よくも言ったり
「県政不況」。

 稲嶺当選時の8.4%(98年11月)は一年後も8.3%(99年11月)である。

1968年11月〜 屋良朝苗
1976年 6月〜 平良幸市
1978年12月〜 西銘順次(保守)
1990年11月〜 大田昌秀
1998年11月〜 稲嶺恵一(保守)

 完全失業率(%) 労働力調査

     沖縄 全国
1970   0.9  1.1

1974   4.0  1.4

1978   6.0  2.2 西銘

1982   4.9  2.4

1984  5.2  2.7
1985  5.0  2.6
1986  5.3  2.8
1987  5.2  2.8
1988  4.9  2.5
1989  4.4  2.3
1990  3.9  2.1 大田
1991  4.0  2.1
1992  4.3  2.2
1993  4.4  2.5
1994  5.1  2.9
1995   5.8  3.2
1996  6.5  3.4
1997  6.0  3.4
1998  7.7  4.1 

1998.11  8.4  4.4  稲嶺当選
1999.11  8.3  4.5  一年後
 

 出典:

 ・沖縄県統計年鑑など
http://www.pref.okinawa.jp/toukeika/
 ・総務庁統計局 労働力調査
http://www.stat.go.jp/054a.htm
 ・『最新データ&キーワード 日本経済』imidas特別編集(集英社)
 ・『沖縄経済の幻想と現実』来間泰男(日本経済評論社)
 

 「偏った箱物造り行政」というのは、当たっていないこともないが(例えば大国林
道建設など)、これは日本全国バブルに浮かれていたわけで、大田県政_だけを_攻
めるのは酷。稲嶺は日本政府に媚びることで_さらに_「偏った箱物造り行政」を行
おうとしているのでは?

 以下、「論点 1999年を総括する(新崎盛暉)」(『けーし風』第5号)から
引用:
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 (前略)

 ……沖縄サミットは、日米安保の軍事的要である沖縄基地の再編統合強化政策の一
環として、しかも“アメとムチ”の政策のアメの部分としても利用されている。こう
した政策にからめとられて醜態をさらしているのが、沖縄経済界を基盤とする稲嶺県
政の物乞い政策である。沖縄経済界は、戦後一貫して、支配者の政策に追随すること
によって目先の利益を追い求めることに慣れ親しんできた。その結果、自らの努力に
よって経済発展を追求するという自立心を著しく欠いている。彼らは「基地反対」を
叫ぶことで政府からカネを引き出せるとなれば、革新とともに県民大会の壇上に並
び、「基地容認」のほうがカネになりそうならば、ためらうことなくその道を選ぶ。

 昨年の県知事選挙で、稲嶺候補が、「沖縄はカネがない。何としてでも中央からカ
ネをもぎとってこなければならない」と甲高い声で叫んでいた姿がいまさらのように
思い浮かぶ。彼らの念頭にあるのは、沖縄社会の経済的発展ではなく、個別企業の集
合体としての経済界にどれだけのカネが落ちるのか、ということである。もとより、
子孫や未来社会にどのような負の遺産が残されるか、といったことは念頭にない。

 (中略)
 
 かつて、米軍に土地を奪われた伊江島の農民たちは、乞食になって沖縄中をへめぐ
り、その人間としての尊厳に満ちた行動によって多くの民衆の同情・共感・感動をよ
びおこし、島ぐるみ闘争の導火線を創り出した。だが、いまわたしたちの眼前にある
のは、上等なスーツを着こなし、高級車を乗り回すものたちの物乞い政治である。

 (後略)

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 参考資料:『沖縄から「日本の主権」を問う』リム出版新社(39頁)

 「沖縄県民総決起大会」1995年10月21日 でのあいさつ
 
===================

基地の整理・縮小求める

   稲嶺恵一(県経営協会長)

 復帰後も基地の集中による制約を受けて、本県の社会・経済は他県に大幅に遅れて
いる。戦後半世紀で基地の重圧から逃れたいとしている中で、この事件はこの上ない
怒りを覚える。本来、駐留地域の安全保障のために駐留している米軍が、逆に地域住
民の安全を阻害している。米兵に対する人間教育、被害者に対する補償、地位協定の
不平等を是正、米軍基地の整理・縮小を求める。

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 薄っぺらな怒りは物乞いへ向かった。まさに「上等なスーツを着こなし、高級車を
乗り回すものたちの物乞い政治」。

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 MARUYAMA K.  kaymaru@jca.apc.org
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