Date: Sat,  8 Jan 2000 10:35:36 +0900
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Subject: [keystone 2237] 解かれた核の封印−三沢基地
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 三沢空港は昭和五十年五月十日に、日本エアシステムの前身の東亜国内航空
が、東京線一日二(往復)便と札幌線一日一(同)便の運航を始めた。
 同六十年には現在の空港ターミナルビルが完成。平成五年に伊丹線、八年には
関空線を開設したが、関空線は九年十一月から運休中で、現在は東京線一日四
(往復)便、札幌線と伊丹線一日各一(同)便を運航。この間四回、国際チャー
ター便も運航している。

 利用客は平成二年から年間四十万人台、六年から五十万人台で推移し、今年一
月三日までに九百九十九万九千六百十八人に達し、四日午前十一時三十分三沢発
東京行きで一千万人を突破した。
(2000年1月5日 東奥日報)
 
と軍民共用空港の「利用価値」を宣伝していましたが、乗客の内訳はわかりませ
ん。

 東奥日報では、「解かれた核の封印−三沢基地40年目の真実」を連載中で
す。
 公表された文書(58年後半から60年代)は、戦闘爆撃機F100D(スーパー
セーバー)などに関するものです。

こちらでは、今までの非公式な資料や米軍関係の情報などの分析をもとに、関係
者は現在イラクに展開しているF16も核搭載可能戦闘機であると位置づけてそ
の撤去を求めてきましたので、地元ではおおよそのことは知られていますが、文
書として公開されたのを見るのはじめてです。

 沖縄がどう扱われてきたかは以下に明白です。
<三沢基地に置かれていたのは核弾頭抜きの爆弾本体だけで、核弾頭は有事に嘉
手納基地から輸送機で運び込まれる計画だった。日本の非核三原則によって「核
の貯蔵」ができないためで、爆弾本体は三沢基地の滑走路北側にあるTOF(戦
域作戦施設)と呼ばれる極秘の特別施設に厳重保管されていた。>(水爆MK2
8・MK43核爆弾=爆発力は五キロトンから広島型原爆の七十倍の一メガトン
まで調節できた。MK7核爆弾=一キロトンから広島型原爆の五倍に当たる七十
キロトンまで爆発力を調節できた。)

 わたしは、この「機密文書」の内容は過去の資料としてではなく、ヤマサクラ
がそうであるように、これから、東北から西国へ移行されるであろうシステムの
一つとして興味を持っています。

 今回公開された資料に「三沢にいた二年半(六〇−六二年)に、十一人が訓練
中に死亡した。ベトナム戦争を上回る死亡率だった」という証言が載っていま
す。
  F16釜石墜落事件の事故調査報告書によって、在日米航空団の訓練情況
や、低空飛行訓練の実態が解明され、データとしても貴重な資料となりました。
  しかし、今回の事故が、ベテランパイロットによるミスであるにもかかわら
ず、人為的ミスについて究明されていません。

 高速の低空飛行では地形追従システムや自動操縦は使えず、パイロットの目と
手の勘に 頼る手動による操作が基本です。
 AFSCの統計によれば、F16の墜落事故原因の五十%以上は空間識喪失
(機体の上下が分からなくなる)、空中衝突、Gによる意識喪失(旋回時にかか
る重力加速度による貧血が原因)などによるヒューマンエラーであるとしていま
す。

 にもかかわらず、最も「安全性」にかかわるはずの部分の分析がされていない
ということは、 九九年年一月十四日に「在日米軍による低空飛行訓練について」
の日米合同委員会の合意文書の「低空飛行は、日本で活動する米軍の不可欠な訓
練所要」であり「安全性は最重要であることから、在日米軍は、低空飛行訓練を
実施する際に、安全性を最大限確保する」としたのは、単なる「神話」に過ぎな
いということです。

 強いていえば飛行機の欠陥による事故であれば、軍隊の「安全性」にかかわる
重大事であるけれども、ヒューマンエラーによる墜落事故の損失は、たとえパイ
ロットが死亡したとしても「必要経費」の一部でしかないのです。
 しかも、事故が起きるのはアメリカ本土ではなく、被害をこうむるのは米軍基
地を置く国や攻撃相手国であり、その必要経費に含まれる消耗品としての兵士の
費用を日本政府が負担しているのですから、日本政府が事故の解明でもしない限
り、原因も明らかにされないまま事故は起こり続けます。

 米軍が情報の公開に鷹揚なのも、支配する側だからでしょう。「植民地」は人
権や環境問題の対象外です。
 支配すると同時に支配される側でもある「秘密」趣味の強い防衛庁の、埼玉県
で起きた自衛隊訓練機の墜落事故の調査報告書の公開も注目しています。
 
 真実の見据えようによって、事実のとらえ方はさまざまでしょうが
 最近「機密文書」の公開が目白押しのようです。それも米国の「国益」に添っ
たものだとしたら、この国が「独立国」であるかのように勘違いしないようにと
いう米国の日本政府への「思いやり」かもしれません。そろそろ日本政府にか
わってこの国が「植民地」であることを明確に「日本国民」に示しておかない
と、またどんな無理難題をふっかけられるかわからない。先の国会でアメリカへ
の軍事的貢献を日本政府が約束したのですから、アメリカとしては「正当な権
利」であるにもかかわらず悪者扱いされるのも理不尽でしょうし。

 制空権を提供し、もろもろの軍事介入も日本の資金援助がなければ不可能だっ
たといわれるほど、あまたの血税を巻き上げながら、日本政府は「安保ただ乗り
論」にあおられて「人的貢献」も上乗せしてしまいました。今後この国に住む私
たちを含むアジアの人々は、アメリカに住む7割の貧困層の人々とともに、原発
か軍隊のロウムシャとして平和的生存権を脅かされることになるでしょう。

 しかし、「世界の平和と安定のため」の軍事同盟があったとしても、侵略戦争
は戦争犯罪であるという意識が国家間でも共通認識になりつつある今、この国が
軍隊を持つ根拠は「自衛権」しか残されていません。だからこそ、その拡大解釈
に必死に取り組もうとしているのだろうと思いますが、日本政府は憲法制定当
時、「自衛戦争の名において侵略戦争を起こした過ちへの反省から九条を制定し
た」と国会で述べています。

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 陸自空の自衛隊から在外公館に赴任している「警備官」は、形式的には自衛隊
を退職しているため、制服着用、階級呼称を認めてこなかったが、今年から認め
ることになった。
今回の措置で、警備官による防衛駐在官(一佐クラス)のサポートや、警備官だ
けが赴任している国での防衛交流などを円滑にする効果が期待される。
 防衛庁筋「(相手国の軍関係者と対応する際、身分を示さないと)信頼関係を
得るのに苦労する」
 背景には1996年にペルーで起きた大使公邸人質事件で公邸の危機管理強化
が求められたことがある。
 外務省は省令改正により、1月中にまずオーストラリア、メキシコなどに着任
する6人について、今回の措置を始めて適用する。
          (産経1月6日)



 
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