『 捜査一課長 』清水一行著(絶版)とは


『 捜査一課長 』清水一行著(絶版)とは

 山田さん再逮捕(1978年2月27日)の直前、小説「捜査一課長」(清水一行著,集英社刊)が発表された。
 この小説は、甲山事件をモデルにし、捜査する側から描き、山田さんを犯人視するものであった。内容的には、場所と登場人物の名前を変えただけで、本来秘密であるはずの警察の捜査資料を引き写し、山田さんを犯人らしく見せるためにのみ事実をゆがめ、山田さんの人格を変えている。まさに冤罪に荷担する人権侵害の小説であった。約5万部刊行され、その後、山田さんや救援会の再三の抗議にもかかわらず、新書(祥伝社刊,発行元小学館,2万部)、文庫(集英社刊,10万部)と刊行され続けた。

 これに対し山田さんは、人権回復のために、1986年2月25日、著者清水一行,出版社集英社・祥伝社・小学館に損害賠償と謝罪を求めて大阪地裁に提訴した。争点は名誉毀損と共に、本来秘密にされるべき捜査資料の引用など山田さんのプライバシーの侵害である。被疑者,被告人の権利の問題は余り前例がなく、これまでほとんど無権利状態に置かれていたといえる。人権と報道の問題ともつながる新しく、かつ重要な課題である。

 1994年9月結審し、裁判所が和解を勧告したが、至らず、1995年12月19日判決。名誉毀損を認め、清水・集英社・祥伝社に総額176万円(請求額は2200万円)の賠償金を支払いを命じる。清水一行・集英社・祥伝社は大阪地方裁判所の判決を不服として大阪高裁に控訴。1997年10月8日控訴審判決。控訴を棄却し、再び『捜査一課長』が名誉毀損であることを明確に示す。清水一行・集英社・祥伝社は大阪高裁の判決を不服として最高裁に上告。
 最高裁は1999年2月4日、清水一行・集英社・祥伝社に上告棄却の判決を言い渡し、原告・山田さんの勝訴が確定した。
 最高裁は、上告に理由があるかどうか法律的・判例的な審査をする審級であるため、通常、口頭弁論(審理を開く)を行うことはない。したがって、当事者相互の主張を陳述することなく、われわれも上告審の進行状況をつかめないままあったところ、突然の朗報となったのである。


争 点  原 告 側 の 主 張  被 告 側 の 主 張
モデル性 ・地名,人名を変えただけのモデル小説。
・主人公が誰とか、メインテーマが何であるかは関係ない。
・作品中、田辺が原告のことであると認識されうるかどうかが問題。
・ヒントにしただけ。《執筆の動機》甲山事件は密室の連続殺人にもかかわらず、犯人が判明しない、きわめて残忍な事件。捜査の難しさを描く。
・原告をモデルにしていない。
・テーマは捜査官の苦悩。
・捜査本部の活動を描く。
プライバシーの定義 ・個人的に情報の一切が、他人による評価の対象とされないまま確保されている状態。
・秘密であるべき捜査資料を犯人に結びつける形で公表したことは、プライバシーの侵害だ。
・プライバシーとは「私事」に限る。
・逮捕され、起訴された以上、他人の評価からは自由ではありえず、刑事手続き以外に、社会的にも、批判の対象となるのは当然。
・原告自らマスコミに登場し、プライバシーを自ら放棄。
・原告の主張は定義の範囲を逸脱。
名誉毀損 ・山田さんを犯人視したこと。
・無罪の推定を受ける被疑者・被告人を犯人視することは許されない。
・山田さんはパブリックフィギュアに該当しない。
・マスコミでさえ制限されるのに、モデル小説にまで情報を流す権利はない。
・「営利目的」=原告の名誉を食い物にしたものだ
・再逮捕前後、「山田さん=真犯人」との社会的評価はない。
・モデルにしていないし、犯人と決めつけていない。
・小説中の事実はすでにマスコミで報道されたことである。
・社会の全面に出て自己主張する以上、原告はパブリックフィギュア。批判されてもやむを得ない。小説は公正な論評ともいえる。
・専門家でも結論を異にし、一般の人が「犯人」と思ってもやむを得ない。
・差し戻し判決によって、原告の主張は前提を欠く。
・時効期限の3年をすでに経過している。



裁判経過

年.月.日 公判回数   内  容
1986.02.25 損害賠償(2200万円)と謝罪広告を求めて提訴
1986.04.17 第 1回 被告:管轄(なぜ大阪地裁か)のことで求釈明(文書で)
1986.06.12 第 2回 訴状の陳述 被告求釈明 原告釈明(管轄)
被告答弁書(請求の棄却を求める)と求釈明「プライバシーとは具体的に何か」「どこがプライバシーの侵害か」
1986.08.28 第 3回 原告:第1準備書面=釈明「秘密の捜査資料の公表がプライバシーの侵害」
被告:第1準備書面=認否「甲山事件をヒントにしたがモデル性はない」
1986.10.02 第 4回 被告:第2準備書面=求釈明「プライバシーとは何か」など
原告:第2準備書面=祥伝社・集英社に対する釈明(語句の説明)。書証提出。
1986.12.04 第 5回 原告:第3準備書面=釈明「私生活、取り調べの経過、捜査資料がプライバシーであリ、公開はプライバシーの侵害」。
1987.02.13 第 6回 被告:第3準備書面=主張、原告はプライバシーの意味を拡大している。
 ・「捜査一課長」のメインテーマは捜査活動にある。よってモデル小説ではなく、プライバシーの侵害も、名誉毀損もない。
 ・主要な争点は、名誉毀損につきるから、刑事裁判の結果を待つべき。
1987.04.13 第 7回 原告:第4準備書面=反論/地名、人名を変えただけのモデル小説。
 ・捜査資料の公表はプライバシーの侵害。
 ・刑事裁判とは無関係(出版は原告の社会的評価を下げた)。"
1987.06.26 第 8回 原告:第5準備書面=小説中の捜査資料引用の例を挙げる。
1987.09.25 第 9回 原告:第6準備書面=祥伝社の責任について(出版責任)。
被告清水:第4準備書面(原告第4準備書面への反論等) 
 ・原告のプライバシー概念は独自の見解、不当な拡大。
1987.12.04 第10回 被告清水一行:第5準備書面=作家清水一行について(作品一覧表付き) 
 ・作風−社会派現代小説。
 ・「捜査一課長」は正しい捜査活動の紹介。
 ・捜査資料の入手は容易。
 ・モデル性も、名誉毀損もない。
被告集英社:第4準備書面
 ・事件を大きくしたのは原告。言論の批判を受けて当然。
被告祥伝社:第5準備書面=反論/「事件との関連は知らなかった。」
  小学館:第4準備書面=「何も知らなかった。」"
1988.02.25 第11回 被告集英社:第5準備書面
 ・捜査資料の入手に関与していない。
 ・「捜査一課長」のテーマは捜査活動、捜査官の苦悩。
 ・断片的社会的事実の推理や解釈が合理的であるかぎり、当然表現の自由の範囲のものとして許される。
 ・新聞報道の論調以上の表現はない。"
1988.05.19 第12回 原告:第7準備書面=反論/新聞以上に、小説ではなおさら許されない。
1988.07.14 第13回 被告:書証(救援会発行の新聞記事コピー、雑誌の記事)提出。
1988.10.13 第14回 原告:甲10〜41号証提出(捜査記録)。
1988.12.22 第15回 原告:甲42〜75号証(捜査記録)、証拠説明書、第8準備書面。
1989.05.12 第16回 原告:4/24付「証拠説明書」(甲10〜75号証の立証趣旨など)
1989.06.03 第17回 争点整理のための裁判官室での協議。
1989.08.04 第18回 被告清水(6)集英社(6)祥伝祉(6)小学館(5)の共同準備書面(名誉毅損箇所の特定を求める)。
1989.09.22 第19回 争点整理のための裁判官室での協議
原告:第9準備書面(回答)。
1989.12.08 第20回 被告清水(7)集英社(7)祥伝社(7)小学館(6)の共同準備書面。
 ・マスコミによって犯人視されており、小説により社会的評価が低下したわけではない。
1990.03.01 第21回 原告:第10準備書面(反論)
 ・「真犯人に違いない」との社会的評価はない。
 ・原告の名誉を食い物にした「営利目的」の小説。
1990.06.07 第22回 被告清水(8)集英社(8)祥伝社(8)小学館(7)の準備書面(反論)。
 ・原告の主張は主観的。社会的評価は「真犯人にほぼ間違いない」である。
 ・「無罪の推定」とは刑事手続きの問題。一般人が論評するのは自由。
 ・起訴−無罪−破棄と専門家でも結論を異にし、一般の人が「真犯人」と思ってもやむを得ない。
 ・差し戻し判決によって、原告の主張は前提を欠く。
1990.10.04 第23回 清水一行に対する被告側質問の1回目。
 ・事件経過を時系列にまとめ、要所に調書などの捜査資料を引用した厚さ2.5pほどのメモと、死体等の鑑定書についての厚さ1pほどのメモ、この2冊をマスコミから入手。
 ・清水の取材スタッフの高橋 k.は、甲山事件第1次捜査の捜査主任、当時兵庫県警捜査一課長補佐、警部の高橋亨の甥。
 ・密室での殺人事件で原告以外の容疑者はでてこない、原告が犯人と確信し、事件が一日も早く解決するようにと思い書いた。"
1990.11.29 第24回 清水一行(和幸)に対する被告側質問の2回目。
 ・入手したメモは焼いた。
 ・甲山事件は多くの人に知られているから、事実と異なると違和感をもたれるので周知の事実はそのまま引用した。
 ・モデルとされたと取られてもしかたない。
 ・名誉については考えたが、事実を書く方を選んだ。
1991.03.08 第25回 清水に対する被告側質問3回目。
 ・犯人らしく描いたものではない、事実経過が犯人を差し示す。
 ・自白場面は甲山事件がモデル。
 ・繊維に関する記述は読者にスッキリ分かってもらうため創作した。
 ・(プライバシーについて)初めて私が書いたのではない。
 ・(名誉毅損について)犯人と名指ししていない、マスコミも原告以外の容疑者はいないという立場で、私が初めてではない。
 ・新聞コメントは軽率だったかもしれない。
 ・集英社が増刷しないので、判型変更で自ら祥伝社に持ち込んだ。
1991.05.31 第26回 清水に対する原告側質問1回目。
 ・経歴、作家生活、作風、取材システム。
 ・76年に高橋から甲山事件のことを聞いた。本格取材は77年7月。
 ・甲山事件での労組の動きを、組合では考えられない行動ととらえ独善を批判。
 ・捜査側からすると、容疑者はただ一人。追いつめる警察、追いつめられる原告という構図。
1991.09.13 第27回 清水に対する原告側質問2回目。
 ・高橋亨と会ったが「立場上話せない」と言った。
 ・「メモ」は今も現役の記者からもらう。名前は出せない。金は払っていない。
 ・捜査資料の本物を見たことがなかった、本来秘密にしておくべきだという認識はまったくなかった。現在は反省している。
 ・原告当人には取材しないというのが基本的姿勢だ。
 ・男女のからみを書かなかったことが配慮だ。
 ・裁判は初めてであり、これまでクレームをつけられたことはない。
1991.11.22 第28回 清水に対する原告側質問3回目。
 ・検察審査会の議決書は別のルートから入手、資料価値はなかった。
 ・読者には、真犯人に怒りを持ってほしいと思った。
 ・(山田さんを犯人らしくするために事実をゆがめている部分について)
   みかんの件は錯覚だった。意図して書いた覚えはない。ミスをお許し下さい。
   繊維は読者が理解しやすいように変えた。
   ポリグラフは警察関係者の「特異反応」という非公式コメントから。
   園児証言は手際よくまとめた。
 ・この小説は大増刷しますよ。
1992.02.27 第29回 山田さんへの原告側質問。
 ・「捜査一課長」について、精神的被害状況他。
 ・提訴を決意したのは一審判決後の清水氏のコメントを見て。
 ・自ら好んでマスコミに出たのではない。
 ・この裁判が人権を確立する一里塚になればいい。
1992.05.21 第30回 山田さんへの被告側質問 ──質問は以下のとおり──
 ・被告代理人、山田さんの当時の異性関係をしつこく質問。
  「清水が私生活については書かなかったことの立証だ」とうそぶく被告代理人。
 ・マスコミに抗議していなくて、清水に抗議するのはおかしい。
 ・救援会資料や「記憶の闇」でプライバシーを放棄している。
1992.08.27 第31回 山田さんへの原告、被告双方からの補充質問。
 ・「捜査一課長」でも異性関係は書かれている。
 ・当時、マスコミヘの抗議、提訴のことまで思いが及ばなかった。
 ・テレビに出たことも、誤ったマスコミ報道や、「捜査一課長」へのささやかな対抗手段に過ぎない。
 ★被告側は山田さんは自らプライバシーを放棄していると質問。
1992.11.05 第32回 集英社社員 大波加弘証人(被告側申請)調べ。
 ・本人がテレビなどマスコミに出ていたので、モデル性は問題ないと判断。
 ・資料については知らない。
 ・この作品は現実の事件をなぞったものと認識。
 ・再出版は裁判の結果によって検討する。
1993.02.18 第33回 @祥伝社社員 渡辺起知夫証人(被告側申請)調べ。
 ・清水から「判型を変えて出版しないか」と持ち込まれた。
 ・甲山事件をヒントにしていることは全く知らなかった。
A小学館販売社員新堂雅章証人(被告側申請)調べ。
 ・小学館、祥伝社、小学館販売の契約にもとづき販売を代行。
 ・本は読んでいない。内容も「断り書き」も知らない。
1993.05.19 第34回 裁判所による職権和解、被告側一切の謝罪拒み、不調に終わる。
1993.07.07 第35回 裁判所による職権和解、被告側一切の謝罪拒み、不調に終わる。
1993.09.01 第36回 裁判所による職権和解、被告側一切の謝罪拒み、不調に終わる。
1993.10.21 第37回 原告側、「メモ」を証拠申請。
1994.01.27 第38回 原告:第11準備書面 『捜査一課長』と「メモ」の符合。
被告:第9(小学館は第8)準備書面 「メモ」は不知。
1994.03.15 第39回 被告:第10(小学館は第9)準備書面。
 ・原告の言う「メモ」を参考にしたことはない。
 ・原告が入手したことは資料の流布の証し。
1994.06.21 第40回 高橋 k.(原告側申請)証人調べ。
 ・高橋亨にはたびたび会ったが、捜査資料は入手していないし、詳しい話も聞いていない。
1994.09.27 第41回 最終弁論、結審。被告側、時効を主張。裁判所、和解を勧告。
1995.12.19 第42回 判決。名誉毀損を認め、清水・集英社・祥伝社に総額176万円(請求額は2,200万円)の賠償金支払を命じる。(判決全文
 ・モデル性/事実と虚構が渾然一体となったモデル小説の典型。
 ・プライバシー/捜査資料の公開がただちにプライバシーの侵害にあたるとは言えない。
 ・名誉毀損/小説中で犯人であるとの印象を与え、実際の甲山事件である可能性が非常に高いとの印象を強く与える。
      /事実に対する論評とは言えず、「公正な論評(フェアーコメント)」にはあたらない。
      /たとえ「公的人物」でも、名誉権がなくなるわけではない。出版の目的も、営利目的にあり、公益を図るものではない。
 ・時効/単行本については79年末ころから3年の経過により時効が成立。
1995.12.26 清水一行・集英社・祥伝社、大阪地裁の判決を不服として大阪高裁に控訴。
1996.05.23 控訴審
第 1回
控訴人(清水他):第1準備書面=控訴理由
 @本件小説は原告を犯人であるとの印象を与えていない。
 A被疑者・被告人はすでに社会的評価は低下しており、本件小説によってそれ以下には低下しなかった。
 B仮に名誉毀損があったとしても、真実であると信ずるにつき相当の理由があれば、違法性はない。(表現の自由)
 C内容が同じだから、新書判・文庫判も新たな不法行為ではない。新書も79年末で流通していないと考えるべき。よって時効(3年)が成立する。
1996.07.03 控訴審
第 2回
被控訴人(山田さん):第1準備書面=反論
 @犯人との印象を与える事実を積み重ねていくストーリー展開である。「捜査官の苦悩」は「犯人である」ことが前提でなければ、成立しない。
 A法律上、無罪推定を受けている。起訴されたとしても、本件小説は名誉毅損である。
 B判決の論旨を曲解したもの。論評ならばモデル小説の形式をとる必要はない。
 C新書も文庫も新たな契約発行である。新書は少なくとも84年2月までは流通していた。
 (86年2月提訴。単行本は時効が成立と判決された。)
1996.10.01 控訴審
第 3回
被控訴人:第2準備書面=反論
 ・小説を構成する「虚構事実」「素材事実」、そこから導き出される「演繹的事実」「骨格的事実」という用語を使って、小説全体が一般の読者に与える印象を問うべきであるとする、「捜査一課長」が山田さんの名誉を毀損していることを指摘した判決の説明は明解である。
 ・虚構事実が読者に真実と誤認されるような表現方法をとっていて、このような形態の小説にまで積極的に表現の自由を保証しえないのは当然。
集英社:第2準備書面=
 ・本件小説の一般読者に与える印象について、アンケートの結果回答のあった4人中、犯人と断定したのは1人だけで、4人とも小説と現実を区別している。
 ・本件小説はフィクションであり、「意見」だから、表現の自由として保証されるべき。
祥伝社:第2準備書面=
 ・本件小説は犯人と断定していない。
 ・無罪推定とは関係ない。
 ・流通されなくなって時間がたち、時効が成立する。
1996.12.12 控訴審
第 4回
集英社:第3準備書面=「原判決の違法阻却事由について」と題する意見
 ・名誉毀損している場合でも、真実ならば、例外的に違法性を免れる。
 ・控訴人において真実の立証は事実上不可能であり、「犯人の疑いがある」ことの証明で足りる。それは起訴されたという事実で為されている。故に違法阻却事由の立証はされている。
集英社:書証=アメリカでの名誉毀損に関する論文。
清水一行:論文=「小説について」
 ・作者がその小説の中で真犯人が誰であるかを推理することは、それこそ想像力の事由の範囲に属するものと言ってよい。それは「作品内」の問題であって「現実」とは無関係である。
1997.05.21 控訴審
第 5回
結審。新たな文書等の提出はなく、提出済の最終準備書面の確認と判決期日の決定。
1997.10.08 控訴審
第 6回
判決。控訴を棄却し、再び「捜査一課長」が名誉毀損であることを明確に示す。(控訴審判決全文
・プライバシー/小説における表現の自由が個人のプライバシーや名誉との関係で常に優先するものとはいえない。
       /素材事実と虚構の事実が渾然一体となったモデル小説では、そこで示された事実が関係者の社会的評価を低下させる場合などには、プライバシーや名誉の侵害になる。
・名誉毀損/「捜査官が保母を自白に追い込んでいく過程を描いたこの小説は、保母が小説中の事件の犯人との印象を与え、ひいてはそのモデルである山田さんが甲山事件の犯人であるとの印象を読者に与える」とし、一審と同様に名誉毀損を認めた。
1997.10.17 清水一行,集英社が上告
1997.10.21 祥伝社が上告
1999.02.04 最高裁が上告を棄却する判決。(上告審判決全文



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