「第2回 輸血拒否死亡者追悼式」

                             式辞 平洋子

 

本日ここに、「第2回 輸血拒否死亡者追悼式」を行なうにあたり、エホバの証人
問題に関わる方々を代表して式辞を述べさせていただきます。

 

 ものみの塔聖書冊子協会はこの組織を存続させるため、聖書を自分たちの都合
の良いように解釈し、その独自の聖書解釈の支配下に、エホバの証人たちを置い
てきました。輸血拒否の教義もその一つです。この事の故に尊い命をおとされた
エホバの証人の方々のことを思うと悲痛の念が胸に迫ってまいります。と同時に、
様々な批判に直面しながらも、今だ、輸血拒否の教義を取り下げようとしない、
ものみの塔の欺瞞性には、強い憤りを感じます。

 

今まで、ものみに塔は様々な教義を変更してきました。輸血拒否の教義も同様で
ありますが、特にこの事は、直接人の命に関わる事であり絶対許す事は出来ませ
ん。最近の情報によれば、毎年900人もの方々が輸血拒否により尊い命が犠牲と
なっており、これは、アメリカで起こった人民寺院事件が毎年起こっているようなも
のなのです。ものみの塔側の正式発表がないので、その実態を明らかにする
ことは出来ませんが、しかし、その数は相当数にのぼるものと思われます。

 

私たちがエホバの証人であったときには、輸血拒否をすることこそ、立派な信仰
者であると信じ、人々にも勧めてきました。今、私たち元エホバの証人は、過去
を謙虚に振り返り、深い反省の意を表わすとともに、これ以上犠牲者が増える事
のないように声を大にして、現役のエホバの証人や一般社会の人々、次の世代
にも訴えてまいりたいと思います。

 

終わりに、輸血拒否により亡くなられた、エホバの証人、そのご家族の方々の今
なお変わる事のない深い悲しみと苦しみに思いを致すとともに、一日でも早い教
義の撤回と輸血拒否による死亡者「0」を目指して、またエホバの証人たちが社
会から孤立しないためにも愛をもって接してまいります。それこそが、追悼式典の
重要な目的なのです。

 

 

 

                        

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