紀藤弁護士からの意見表明

 先ほどから二世の話、元証人の被害者、永岡会長の話を聞きました。カルトを語ると二時間でも話せるのですが今日はほんの少しだけ話します。私はカルトとは1990年から関わった。霊感商法にも関わったがこれほどひどいものとは思わなかった。これは自分より上の世代が完全に取り残してきた問題であり、自分の世代で解決できないだろうかと思っている。

 1990年前半に比べると格段に世の中はカルトとマインドコントロールに関心が深くなった。浅見先生などは、昔に比べ天国みたいに感じている。でもまだ足りない。社会は暗い、未来がないと言われているけど努力してもこれまでしか達しないのが辛い。なんとかしなければ……。皆さんも最前線で取り組むほど辛いことばかり。でもやらないといけない。この会も12回になるがエホバが伸びなくなっているのも統計上明らかになっている。ものみの塔とモルモンはカルトの中でも一番難しいと言われてきた。モルモンも辛くなってきている。社会の目が厳しくなればなるほど教団は伸びなくなる。抜ける人が多くなれば構成しにくくなる。活動は大事だが努力が足りないとはいつも思っている。しかし自分の世代で絶対に解決するという決意でやっていきたい。社会のせいにしてはだめだ。政治家が悪いと言ってもしかたない。少しずつ相手の力をそいでいく活動が一番よかったのだと思う。

 韓国の雑誌『新東亜』が反統一協会のキャンペーンを張った。協会の信者は東亜日報の輪転機を破壊し、占拠した。朝鮮日報も東亜日報も、協会を批判する特集をしている。韓国ではこれほど統一協会が問題になっている。日本では「摂理」の中で統一協会が問題になっている。阿倍官房長官が祝電を打ったことが話題になっている。92年、協会の合同結婚式が問題となった。今年もそれが俎上に上る。信教の自由を安易に許すと、結果的に個人の信教の自由に目がいかなくなる。個々人の信教の自由が侵害されない世の中にしようとすると、人権の問題にいきつく。統一協会も、ホームオブハートの問題も、いろんなところで突発的に起きる、人権侵害も関心を持っていく。大事な報道は応援してもらいたい。いい報道あれば、もっとやれと声を出すのがいい。黙っているのは黙認になる。視聴率があるから、やらない。エホバの証人の二世問題はホームオブハートと共通している。カルト問題では、二世は無責。それが加害者になるのは悲劇。私も解決していきたいと決意している。

 


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