アッピール

朝鮮学校生徒への脅迫を深く憂え
        抗議するアピール、および要望書

 9月17日の日朝首脳会談で北朝鮮側が拉致を認めたことで、全国的に在日朝鮮人への嫌がらせが相次いでいます。埼玉県内でも、埼玉朝鮮学校初中級学校(さいたま市)の女子児童が下校途中に40代の男性から「悪いことをしてやろうか」と脅されたほか、女子生徒が20代の男性10人以上に取り囲まれたりしました。また同校ホームページに「殺してやる」「リンチしてやる」などの書き込みがされました。25日には同校と埼玉朝鮮幼稚園(川口市)あてに、脅迫状が送られてきました。そこには、朝鮮学校の生徒たちが制服登校を止めたことに触れて、「制服を私服に変えても当方は見逃さぬ、切り刻んで、悪の首領に送りつけてやる、必ず決行する」と書かれていたと言います(以上、28日『埼玉新聞』『朝日新聞』『毎日新聞』など)。 

 拉致について、それを人権の観点から追及していかなければならないのは勿論ですが、在日朝鮮人へのこういった行為は、問題をはきちがえたものであり、どのような理由によっても正当化できるものではないと思います。全国的には朝鮮総連の事務所への街宣車のおしかけ、さらには朝鮮料理店への脅迫など、同様の行為が在日朝鮮人社会全体を襲っています。 

 こころない一部メディアの無神経な「北朝鮮=テロ国家」を印象づける報道がこうした行為を煽り立てることになることを深く危惧しています。拉致問題以外にはニュースがないかのような、センセーショナルな報道姿勢にも大きな責任があると思います。手をこまねいていれば、98年朝鮮総連千葉県本部の職員が何者かによって惨殺された事件のようなことが繰りかせされかねません。埼玉県でも1979年に上福岡第三中学校でおきた生徒の自殺の背景には、この生徒が在日朝鮮人生徒であったことによる差別もあったことを忘れることはできません。1923年の関東大震災においては、6000人以上の在日朝鮮人が日本人自警団によって虐殺された事件もありました。とりわけ埼玉県内での嫌がらせが、在日朝鮮人の子ども達に集中していることを私たちは重視し深く憂えています。 

 在日朝鮮人は、その多くが日本のかつての侵略と植民地支配によって100万人以上の人々が強制連行、強制労働を強いられ、日本での生活を余儀なくされた人々であり、その二世、三世、四世です。かつての侵略と植民地支配の負の歴史を超えて日本と朝鮮の人々、在日朝鮮人が友好的に、共に生きるためには、日本の側が、過去の加
害の歴史的事実について心から謝罪し、その反省を忘れることなく、在日朝鮮人の民族的権利や基本的人権を守っていくことが求められています。それが真の友好関係の出発点でなければなりません。日本政府が過去の負の歴史の清算と賠償、補償を拒否していることによって、いまだ日本社会には在日朝鮮人への不当な迫害と差別が抜きがたく続いています。その最大の責任は、謝罪と補償を誠実に行なっていない戦後の日本政府にあり、教科書問題に象徴されるように日本の子どもたちへの加害の歴史教育を回避しようとしてきた文部科学省(文部省)にも重大な責任があります。 

 また、メディアによる、報道の社会的意味、社会的結果を考慮しない報道のあり方は再考されてしかるべきではないでしょうか。むしろ、メディアには、日朝の過去の歴史の克服と今後の友好関係を切り開く方向で、冷静かつ掘り下げた報道が求められているはずです。 

 日本も締約国である「子どもの権利条約」では、民族の違いを尊重し、いかなる差別も禁止しています。在日朝鮮人の子どもたちが尊厳を傷つけられず、安心して学べるための保護、及び人権尊重のためのあらゆる措置をとることが、政府や地方自治体に義務づけられています。 

 また県民もこのような暴言や脅迫などの人権侵害を黙認してはならないと広く訴えます。
以下、要望いたします。

1、 嫌がらせや脅迫行為は人権侵害であり、絶対に許せません。県民の皆様、どうぞ黙認しない勇気を持って行動しましょう。
2、 暴言、脅迫は犯罪行為であり、埼玉県警は再発防止に責任をもって下さい。
3、 日本政府、埼玉県知事は市町村長とも連携し、在日朝鮮の子どもたちを含む人々を保護し、安全を確保する措置を直ちにとるべきであり、県市町村教育委員会も、このような人権侵害があってはならないと、各学校、社会教育を通じて啓発して下さい。
4、 メディア各社は、北朝鮮敵視、朝鮮人への排外主義を煽るような報道は止め、過去の日本の加害の歴史をふまえ、互いの非人道的行為を認めた上で、日朝友好への道筋を示するような冷静な報道を求めます。

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朝鮮学校の子どもたちを守るリボンをつけましょう!このリボンは子どもたちの味方です
              
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