人権擁護推進審議会
会長 塩野 宏 殿
1999年7月19日
〒106-0032 東 京都港区六本木3−5−11
人権フォーラム21代表  武者小路 公秀
事務局長       江橋 崇

人権擁護推進審議会におけるパブリック・コメントのあり方に関する意見


 人権擁護推進審議会(以下、「審議会」)は、本年6月18日、「人権尊重の理念に関する国民相互の理解を深めるための教育及び啓発に関する施策の総合的な推進に関する基本的事項について(答申案)」(以下、「答申案」)にかかわるパブリック・コメントを募集し、これに応じてわれわれも含めて多くの国民が意見を提出しました。ところが、「審議会」による今回のパブリック・コメント制度の運営のありかたにはいくつかの深刻な難点があり、意見の提出を著しく阻害し、制度の趣旨からして看過できない逸脱があると思われます。
 この際、人権にかかわる重要施策のパブリック・コメントとしては、ちょうど1年前におこなわれた「男女共同参画審議会基本問題部会」の男女共同参画社会基本法(案)の「論点整理(案)」に関するものがあることが想起されます。このときに全国から提出された3,611通の意見は、「男女共同参画審議会」の委員によって慎重に考慮され、その後の最終報告と内閣提出の男女共同参画社会基本法の法案立案過程に大きく影響しました。これはパブリック・コメントに関する閣議決定(「規制の設定又は改廃に係る意見提出手続」1999年3月23日閣議決定。以下、「閣議決定」)以前のものですが、パブリック・コメントという制度の趣旨がよく活かされた好ましい実例であります。
 「閣議決定」は、このような先例を調査してそれを踏まえて成り立っており、先例の水準を下回ることが絶対的に禁止されているものではないとはいえ、その水準の維持、向上が強く期待されているしだいです。しかし、残念なことに、「審議会」による今回のパブリック・コメント募集においては、「男女共同参画審議会」の場合にくらべて著しい水準の低下がみられます。これを漫然と放置しておけば、人権にかかわる施策の領域での制度運用のレベルダウンを容認するとともに、悪い先例を残すことにもなります。そこで、以下に主要な問題を5点指摘して、「審議会」に、今後の審議のありかたについて再考を求めることとします。

1 パブリック・コメント募集の期間が短かすぎること
 「審議会」は、6月18日から7月16日までの29日間という期間を設定してコメントの提出を求めました。この期間は短かすぎます。
 人権に関心のあるNGO、NPOのなかでは、1、2カ月に1回の定例会を開催して活動を管理し、団体を運営しているものが多数です。これらの団体にとっては、「審議会」の設定した1カ月弱のスケジュールでは、団体の内部で「答申案」を十分に検討して意見を集約し、コメントとして発表することが著しく困難であります。
 ご承知のように、「閣議決定」は「意見・情報の募集期間」として「1か月程度を一つの目安」とすることを求めており、「審議会」の設定した29日間という期間はこれに適合しているかのようですが、「閣議決定」は、同時に、募集期間の設定に関しては「意見・情報の提出に必要と判断される時間等を勘案して」決定することを求めております。今回の募集では人権NGO、NPOの運営に関する社会常識が無視され、各団体の内部的意見集約が著しく困難な短かい期間が設定されています。一方、「男女共同参画審議会」の場合は、1998年6月16日から7月31日までの46日間が募集期間であり、NGO、NPOの意見集約ははるかに容易でありました。今回の期間の設定は、「閣議決定」がいう「提出に必要と判断される時間等」の判断を誤った不当なものといわなければなりません。

 2 募集期間中の広報が決定的に不足していること
 「閣議決定」によれば、パブリック・コメントの公表方法は、「ホームページへの掲載、窓口での配布、新聞・雑誌等による広報、広報誌掲載、官報掲載、報道発表」などであり、これらを活用し、積極的に周知を図ることが求められています。今回の募集では、会長の記者会見の報道、総務庁ないし法務省のホームページへの掲載のほかにどのような手段がとられたのか明らかでありませんが、国民のなかでの認知度の低さからすると、これが不足していたと推測して誤りはないと思われます。
 「閣議決定」のいう「窓口での配布」について申し上げます。今日、インターネット利用者がなお国民の少数であることを思えば、印刷媒体による広報、周知徹底が重要であることはいうまでもありません。今回の募集では、国民の多数であるインターネット非利用者への配慮が欠けていることが致命的な欠陥なのです。
 ここで先例の実際を思い起こしておきます。「男女共同参画審議会」では、パブリック・コメントの募集を決定すると、ホームページへの掲載にくわえて、募集開始日にはやくも論点整理の小冊子を作成・配布しております。これは、全国各地の自治体の担当課や自治体が設置した女性センターなどにも置かれて閲覧、複写に提供され、多くの国民が「論点整理・案)」の内容を知ることができました。今回の募集でこのような印刷媒体による広報手段の活用があったとは聞いておりません。
 また、「閣議決定」によれば、「専門家、利害関係者には、必要に応じ、適宜周知に努める」こととなっております。人権問題に関する専門家、専門NGO、当事者の多くは、インターネットの非利用者である現状からすると、小冊子などの印刷物の作成、配布が強く望まれたしだいですが、残念なことに、「審議会」のヒアリング対象団体は別として、一般にこうした手段がとられた形跡はありません。そのために、専門家や人権当事者、その団体の多くが、今回のパブリック・コメントについて知らないままでした。
 パブリック・コメントの制度は、「国民等の多様な意見・情報・専門的知識を行政機関が把握するとともに、その過程の公正の確保と透明性の向上を図る」観点からおこなわれるべきものであります。今回、「審議会」がとった手段は、いかにもおざなりで、「閣議決定」が意図したなるべく多くの国民の意見を聞こうという制度の趣旨からすれば、真摯な広報努力が著しく不足した不当なものといわなければなりません。

3 公聴会など、国民の意見を直接に聞く機会を設けなかったこと
 短い期間にパブリック・コメント募集の事実を周知徹底するうえでは、国民にたいする説明会や公聴会の開催が有効です。「男女共同参画審議会」の場合は、6月16日にパブリック・コメントを募集するとともに「論点整理・案)」の末尾で各地での意見交換会(「閣議決定」のいう公聴会に匹敵するもの)の開催を予告し、実際、6月27日の青森市での開催をはじめとして、7月に入ると3日に東京、5日に北九州市、14日に東京(追加開催)、17日に福井市、18日に名古屋市で立て続けに意見交換会を開催し、合計で1,900名以上の国民の参加をえました。
 これは、開催場所が全国各地に及んだこと、開催曜日も火曜日、金曜日、土曜日、日曜日と多様であったこと、各々の公聴会に審議会委員が最低でも2名、場合によっては3名参加して誠実に説明していることなど、国民の意見を聞こうとする真摯な姿勢が明らかで、きわめて好評でありました。とくに東京の場合は、当初7月3日に総理府の庁内で開催する予定であったところ、参加希望者が溢れてしまい、急いで7月14日に東京ウイメンズプラザでの追加開催に踏み切ったものであります。
 また、これらの意見交換会における国民の意見は、事務局によってまとめられて文書化され、のちの審議会での審議に活用されました。ご承知のように、「閣議決定」は、意見・情報の提出方法として、公聴会の開催も想定しており、そこで表明された意見は行政機関において文書化する必要があると考えられております。「男女共同参画審議会」の場合はよき前例であり、こうした手段を考慮していない今回の「審議会」は、著しく水準を引き下げた悪例であります。
 なお、この際につけ加えておきますが、「男女共同参画審議会」の場合は意見交換会の会場で意見用紙の書式が配布され、その場で書かれた意見もパブリック・コメントとして受けつけられました。審議会委員が直接に説明し、それを聞いた国民が意見を書き、その場で受けつけられるという手順は優れており、大いに参考になります。

4 国民の意見提出の字数が不当に限られていたこと
 今回、「審議会」は、800字以内という限定つきで意見を募集しました。対象となっている「答申案」の内容が多岐にわたり、膨大であったことを思えば、いかにも不十分な分量の字数であります。
 この点で「男女共同参画審議会」の先例を見ると、まず、分量が1項目1枚という枠内であればとくに字数に制限がなく、項目ごとに意見が述べやすくなっております。また、ここでいう項目は、「論点整理(案)」の項目をそのまま採用しており、それが意見用紙書式の上部に列挙されていて、それに丸をつければ項目が特定されることになり、書く方にも整理して読む方にもわかりやすくなっております。実際、事務局は、提出されたコメントをこの項目別に整理して、審議会の審議に役立てるとともに、項目別の意見数を公表しました。これにより、国民の関心のあり方、とくに項目「基本理念」における人権保護の明確化と、項目「推進体制」における苦情等の処理(オンブズパーソン)制度の必要性によせる強い関心と期待が明らかになりました。
 これとくらべると、今回の募集では項目別の整理がありませんので、提出者は800字のなかに自己の意見を圧縮して記載することとなり、結果として、1枚の用紙のなかに多くの項目に関する意見が混じりあい、事務局がこれを整理して分類し、国民の意見の動向を明らかにして「審議会」の審議に活用することが著しく困難です。もし事務局の整理作業の便宜のためにこのような方式を採用したのであれば、手慣れていない者の拙劣な判断であります。
 伝え聞くところでは、意見提出者のなかには、意見が多岐にわたって800字に収まりきれないので複数の用紙に分割して提出した者もいるそうです。逆に、不当に長大な意見を送付した例は聞いておりません。市民や人権当事者団体には、それなりに良識があるのでして、事務局がパブリック・コメントの募集時に、「論点ごとに整理してください。整理作業の支障にならぬように手短かにお願いします」と断わっておきさえすれば済んだ問題であったのです。「審議会」は、国民の意見を聞くというよりも今では不可避となった必置の手続きを最小の時間、最小の労力で切り抜けようとして、国民の意見提出を制限しにかかっているように見えます。いったい、何におびえているのでしょうか。不可解です。

5 提出される意見の整理、考慮の期間が不当に短いこと
昨年、「男女共同参画審議会」は、提出された3,611通の意見を7月31日の締切後に、事務局は夏休み返上で約1カ月かけて整理し、9月7日の基本問題部会に報告するとともに、それ以後の審議で活用し、審議会は、同年11月4日に最終答申を内閣総理大臣に提出しました。
 これと比較すると、今回は、総計で数万通の意見が提出されていると推測されます。しかもそれは、うえに述べたように、論点ごとの整理ができていないものですから、事務局の整理に要する労働量と時間とは膨大なものになるはずです。しかし、驚くべきことに、今回の募集では、「審議会」は、7月16日に締め切ると、わずか5日後の21日に予定されている「審議会」でこれを検討し、7月29日には最終答申を確定させる予定であります。
 「審議会」のこのようなスケジュールを進行させるためには、まず、事務局が、意見を、項目ごと、主張ごとに整理しなければなりません。締切後のわずか5日間で、それも週末と祝日を除けばわずか2日の労働日では、人権擁護局職員が総力を挙げても、数万通の意見をひととおり読むことでさえ不可能であります。もちろん、なかには早い時期に提出された意見もありましょうから、整理作業も早くから着手できますが、通常の例からすれば、締切日の直前の駆け込みが多数にのぼることが想定されます。
 いまさらいうまでもなく、パブリック・コメント制度の最大の眼目は、提出される国民の意見・情報について、募集する者に「考慮義務」を課した点にあります。「閣議決定」は、意見を募集する以上、提出された意見を真摯に受けとめ、これにたいする行政機関としての考え方を取りまとめることを命じています。したがって、事務局になしうるのは整理であって、それを読み、考慮し、採否の決定をおこなうのは「審議会」であり、「審議会」委員でなければなりません。
 「審議会」は、こうした短時間で、どのようにして膨大な意見を読み、それを考慮するのでしょうか。事務局の受付と整理すら21日に間に合うとは思えませんが、かりに意見募集係職員の超人的な努力により、21日までに一応の整理がなされたとしても、肝心の「審議会」の委員はいつこれを読むのでしょうか。21日の会議の席で初めて意見の山を眼にするのではないでしょうか。それならば、意見はいつ読まれるのでしょうか。それとも、読まないままで「考慮」し、採否を決定するのでしょうか。会長ご自身は21日までに何通の意見をお読みになって会議に臨まれるのでしょうか。他の委員は何通を読んでいるのでしょうか。この点については、なによりも事実に関する明快な説明が求められます。ここで「審議会」が意見の提出者と国民に対する説明責任を果たさないとすれば、「審議会」はパブリック・コメントの募集でアリバイ作りをしているだけで、実は提出された意見に目をとおす予定もそれを考慮する積もりもなかったのだと勘ぐられても弁解のしようがないのであります。
 くどいようですが、意見は「審議会」の会長を名指して、「審議会」の委員に読んでもらえるという期待を込めて書かれ、提出されています。読んでいただきたいからこそ、様式と分量に関する無理な注文にも対応して、「審議会」の求める形にして提出したのであります。かりに、事務局が代読して、「大同小異」と判断して「審議会」に説明して、委員に閲読の機会が与えられないとすれば、「閣議決定」によって「考慮義務」を負う「審議会」がその「義務」を履行するのでなく、事務局が「考慮」してしまうことになり、これはきわめて基本的な点でルール違反となります。募集要項には、どこにも、「事務局であらかじめ審査し、重要なものに限って審議会に提出し、委員が閲読する」という条件が書かれていないのですから、意見の提出者には「審議会」で「考慮」してもらう期待権が発生しております。(あえていえば、「閣議決定」には、こうした事務局による代読、予選という手順はまったく想定されていません。これを行えば、それもまた「閣議決定」違反になります)。「審議会」は、提出された意見について自ら「考慮」して採否を決定する責務を負っており、それを履行するためには、提出された意見の各々について、少なくとも複数の委員が目を通して意見の内容を把握しなければなりません。せっかく提出した意見であるのに、誰にも読まれずに葬られるようなことがあれば、意見の提出者にとってはあまりにも悲しい結末であり、新しく始まったばかりのパブリック・コメント制度に大きなダメージを与えることになります。
 「審議会」は、提出された意見の閲読をいつ始め、「考慮義務」をいつ履行するのか。締切後わずか2労働日で数万通の意見に関してこれをおこなうことが可能であるとはとうてい考えられません。締切のわずか5日後に「考慮」と「採否」のスケジュールを設定したことと、それからわずか8日後に「最終答申」、「提出された意見に対する審議会の考えかた」、「部分的に非公開の処置を加えた提出意見」を作成、公表すると設定したことが誤りだったのであります。募集期間と同様、意見の整理、考慮期間にももっとゆとりが必要であったのです。
 ここで、スケジュールに余裕がなくなったのは「審議会」自身の責任であり、会長以下の会議運営に問題があったことを指摘するのは失礼に過ぎると思います。いずれにせよ、今回の募集では、「審議会」は、「閣議決定」が求める「考慮義務」を果たすことが不可能な期間を設定したのです。これは「閣議決定」の深刻かつ重大な違反であり、とうてい看過することは許されません。
 なお、ついでに申し上げますが、「閣議決定」は、提出された意見に関する行政機関の考え方を、提出された意見・情報そのものとあわせて公表するようにも命じています。意見の数が膨大であれば、適宜整理したうえで公表することになりますが、最終答申の提出時には文書閲覧窓口などで閲覧の機会が提供されることになるはずです。これに向けた準備作業も短時間では困難です。「審議会」の「考え方」を集約するのも大変な作業ですが、これに加えて、提出された意見の公表に際しては、「提出した個人又は法人の氏名・名称その他の属性に関する情報」については、事前に公表を予定していると明示していないかぎり、部分非公開にするように「閣議決定」が定めておりますので、これの整理も大変です。しかし、今回の意見のなかには、日本社会で不当に差別されている当事者からの、差別の現状に関する生々しい訴えも多数あると思われます。たとえば部落差別に関して当事者から意見が述べられているとき、それを住所氏名ともに公開するのであれば、最大級の紛争が国際社会も巻き込んで発生することは目に見えています。同性愛者や出所者、あるいは在日外国人などについても、なおカミングアウトしていない者の意見も含まれていますので、個人識別情報の取扱はとくに慎重さが必要です。「審議会」が、ご自身でお決めになったスケジュールに縛られ、この辺のデリケートな処理も含めて、「閣議決定」の求めるところを短時間で済ませようとして軽率に取り扱うようなことがあれば、それも又新たな紛糾の原因になります。十分な時間をかけて、遺漏のないような処理がなされるものと期待しております。
 以上のような問題点を含んだ今後のスケジュールについては、緊急に再検討して合理的なものに改めていただきたいと思います。われわれは、意見提出者の一員です。われわれの提出した「意見」も、読まれないままに放置される危険性が高いのですから、そのようにならないよう、スケジュールの再検討を要求する資格は十分にあると思います。

 今回のパブリック・コメントに含まれる主要な問題点は以上です。そのいずれもが、実は、今回の募集が形式を踏んだだけであって、実際には、「審議会」は国民の意見を聞く積もりがないと物語っているように思えます。このようなにわかに信じ難い印象を払拭しようとしてさまざまに考えてきましたが、募集方法の実際からすると、どうしてもこうした印象を消しさることができません。意見提出の最終日には、提出先の法務省のFAX回線が混んでいてつながらないという苦情もありました。「審議会」は、十分な回線さえ用意していなかったのか、という印象が加わりまし た。
 「審議会」はパブリック・コメント制度を読み違っているのではないか。こうした疑問は強く残ります。それとともに、今回の募集がそのまま通用すれば、客観的に物語っている難点が悪い先例として残され、今後、人権問題に関する制度の改革にあたって、同様におざなりのパブリック・コメント募集が横行するのではないかという危惧の念とも重なります。
 したがって、「審議会」には、今回の募集の方法を自己点検するとともに、国民にたいして次の点をご説明いただきたいと思います。

(1) 今回のパブリック・コメント募集に関して、「審議会」でどのような検討がされたのか。とくに上記の諸論点について、どこでどのような検討がおこなわれ、誰が決定したのかを明らかにされたい。
(2) 国民に対する広報活動をどのように取り組まれたのか、印刷媒体、小冊子の作成などをなぜ行わなかったのか、また、公聴会をなぜ開催しなかったのかを明らかにされたい。
(3) 提出された意見の数、内容、それに関する「考慮義務」履行の実際について明らかにされたい。

 「審議会」としては、上記の難点を解消するためにも、パブリック・コメント募集期間の延長ないし追加募集期間の設定、意見整理期間の見直しを検討していただきたい。これはすなわち、答申の最終確定の延期を意味しますが止むをえません。この際、提出された意見の性急な処理や、答申作成作業における拙速は将来に禍根を残しますので是非とも回避していただきたいと思います。

最後に、とくに指名してお聞きしたいことがあります。21日の会議以前に、会長からご本人にぜひともご連絡ください。
 「審議会」委員のうち、庄司洋子、高島順子、辻村みよ子の各委員は、かねて女性問題に対する造詣がとくに深く、昨年おこなわれた「男女共同参画審議会」のパブリック・コメント募集の経緯と成果については熟知している方々です。お三人にとくにお聞きしたいのは、今回の募集のありかたが、昨年の事例に比較してみれば明らかに拙劣であるのに、なぜ、このような方式をお認めになったのかであります。公式の記録類には、お三人のご異論はとくに記録されておりませんので、これに賛成なさったものと考えております。なぜ、このようなレベルダウンに賛成なさったのか。お考えを「審議会」の席上で表明され、記録を通じて国民に対して説明責任を果たされることを希望します。
<注>『ジュリスト』1999年7月1日号72頁以下「特集:規制に関する意見提出(パブリック・コメント)手続」の関連論文コピーを添付します。


 

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