緊急声明

1998/05/13

盗聴法案の国会審議入りに抗議します

インターネットを使って、ひとびとが国境を越えて情報をやりとりし、
伝えことが可能になってきました。私たちは、平和、環境、人権、開発
などの分野で市民が自由に情報をやりとりし、社会変革につなげていく
ための道具として、インターネットを広めたいと考え、行動しています。

市民が自由に討論したり、情報を交換することは、現在の社会を生きて
いくための基本的な権利です。それは、公共的な情報にアクセスできる
こと、公表したい情報を自由に発信できることと同時に、公表したくな
い情報は秘密にできることが保障されることをも意味します。自分の情
報は、出したいものも出したくないものも完全にコントロールできるこ
と、それが通信の自由であり、もしそれが脅かされるなら、それは私た
ちの人権の侵害に他なりません。

現在、盗聴法案(通信傍受条項を含む組織犯罪対策法)が国会に上程さ
れ、審議入りされようとしています。この法案には、警察の恣意的な判
断で電子メールを合法的に盗聴できるという項目も加えられています。
この法案が成立すれば、今後私たちの通信活動は、日常的に警察による
直接的な監視下に置かれる恐れがあります。これは、上に述べた通信の
自由と通信の秘密の権利を著しく犯すものです。

私たちは、断じてこのようなことを許すことはできません。このような
問題を含む盗聴法案の国会での審議入りに、私たちは強く抗議します。

憲法によって明確に保障されている権利を冒す今回の盗聴法案について
は、私たちのみならず、多くの法律家、通信産業従事者、ジャーナリス
トの方々が、それぞれの専門的立場から、その重大な問題点を指摘され
ています。そして、それらの方々の多くが、通信の秘密を守ることこそ
自由な言論を保障し恐怖のない社会を作るのに必要な条件であり、盗聴
法案は廃案にされるべきであると明言しています。

私たちは、これらの専門家を含む多くの憂慮する市民と手を携えて、こ
の法案の問題点をインターネット上で知らせたり、国会議員への働きか
けを行うなどの手段を通じて、盗聴法案を廃案にするためのさまざまな
行動を呼びかけ、実行していきます。


         1998年5月13日

         盗聴法成立阻止ネットワーカー連絡会 ※1
         JCA-NET セキュリティ委員会

※1 市民コンピュータコミュニケーション研究会のプロジェクトです。


参考資料: 日本弁護士連合会 「組織的な犯罪に対処するための刑事法要綱骨子」に関する意見書 http://www.nichibenren.or.jp/sengen/iken/980203.htm 盗聴法成立阻止ネットワーカー連絡会 http://www.jca.ax.apc.org/jca/wiretap/ JCA-NET http://www.jca.ax.apc.org/
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