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JCA-NETは、3月10日から14日の予定で開催されている ICANNアクラ会議(アクラ市:ガーナ)に向けて、 ネットワーク反監視プロジェクト(NaST)とともに緊急に以下のような共同声明を作成し、 賛同団体・賛同者を募り送付することを決定しました。

賛同団体については団体名と代表者のお名前を、 賛同人についてはお名前と所属を以下の電子メールアドレスにお送りください。

<toshi@jca.apc.org> 担当: 小倉利丸 (JCA-NET理事)

また、この共同声明の背景については、別の文書を ご参照ください。


共同声明: ICANNの組織改悪に反対する

2002年3月10日

ICANNのプレジデント、スチュアート・リンは、2月24日に、 ICANNの大幅な組織改変を提案するレポートを公表した。 私たちは、リン報告と提案に反対する。 というのは、リンの提案は、ここ数年多大な努力を傾注して、 グローバルな民主主義の実現を模索してきたすべての努力を抹殺するものだからである。 とくにこの組織改変案では、ICANNの意思決定の迅速さを優先し、 インターネットの一般ユーザによる意思決定への参加の道を大幅に制限する一方で、 少数の政府の全面的な参加に道を開いている。 このような改変は、 ICANNが模索してきた各国政府の利害にとらわれないグローバルな民主主義への試みを 否定するものであって、認めることはできない。

もし、ICANNがこのリン提案を受け入れ、少数の政府に大幅な権限を与え、 一般ユーザの参加を事実上閉め出す組織改変を受け入れるとすれば、 ICANNは、WTO/IMF/WBといった従来の多くの国際機関と 事実上何ら変ることのない組織となるであろうことは明白である。 ドメイン名とIPアドレスはインターネットのコミュニケーションの基盤であり、 しかもICANNで扱うこの狭い分野について、 現実の国家を通じて民主的に一般ユーザの意見を反映させることは困難である。 従って、ICANNの政策決定からの一般ユーザの排除は、自由なコミュニケーションを阻害し、 一部の有力な政府、多国籍企業のための利益を優先し、 政治的、軍事的な目的に従属することとなるだろう。

リン報告は、「ICANNの創設当時の推進の理念はコンセンサスであったが、 9月11日の事件によって、効率性がむしろ重要になっている。 中核的なインフラの管理をになうすべての組織の責任に共通することだが、 ICANNもまた必要なときに行動できなければならない。」と率直に述べている。 ここで言及されている「効率性」は市場の効率性ではなく、 政治的、軍事的な意思決定のための効率性であり、 そのためにコンセンサス重視というICANNの基本理念を放棄するというものである。 これは、インターネットのインフラを戦時、有事のために、利用し、 自由とプライバシーが保障されたコミュニケーションをないがしろにするものであって、 断じて認めることはできない。

コミュニケーションの権利は、基本的人権であり、 インターネットのガバナンスは、この権利を保障することを最優先すべきである。 そして、社会的なインフラと技術的なアーキテクチャは、 いかなる理由があろうともこのコミュニケーションの権利を侵害することがあってはならない。 残念ながら、リン報告は、この基本的な理解を欠き、コミュニケーションの権利よりも、 一部の国家の利益を優先させる間違った立場に立っている。

インターネットのグローバルな展開は、 国境を越えた人々の自由なコミュニケーションを支え、 市場と先進諸国によるグローバル化の暴力と闘うグローバルな民衆のネットワークを支えてきた。 しかし、リン報告によるインターネットのガバナンスの改悪は、 民衆のグローバルなコミュニケーションの権利に深刻な打撃を与えかねず、 その結果として、グローバルな民衆の運動に対しても深刻な影響を与えかねず、 絶対に認めることはできない。

私たちは、特に、「効率性」の重視、 コンセンサスと民主的なプロセスを否定する報告書の提案については容認できない。 以上の点をふまえて、ICANN理事会が下記の点を速やかにウエッブ上に公表することを要求する。

  1. ICANN理事会は、リン報告の線に沿った組織改変を行わないことを明確にすべきである。
  2. ICANN理事会は、リン報告が提出されるにいたった経緯と理事会における議論を明らかにすべきである。
  3. ICANN理事会及びリンCEOは、各国政府、特に合州国とどのような議論がなされたのかを明らかにすべきである。
発起団体
JCA-NET
ネットワーク反監視プロジェクト(NaST、ICANNのNCDNCメンバー)
連絡先
小倉利丸 <toshi@jca.apc.org>

賛同団体、個人(順不同。更新されたものは別ページに。)

賛同団体

個人