=================================================== 日本消費者連盟からJCA-NETに対する公開質問状への回答 =================================================== 日本消費者連盟 代表運営委員 富山洋子 様 nishoren@jca.apc.org 目黒区目黒本町1-10-16 JCA-NET 代表 菅原敏夫 office@jca.apc.org board@jca.apc.org 2001年7月9日 6月29日付で、日本消費者連盟から出された公開質問状に対して、下記のよう に回答いたします。回答期限までに、回答できるよう最大限の努力をいたしま したが、若干の項目については、後日さらに追加の回答を行うこともあります。 以下回答に先だって、文言の定義を書いておきます。 JCA-NET JCA-NETは、広義には市民組織JCA-NETおよび(株)市民電子情報網によ る「JCA-NETサービス」の両方を指しますが、以下の回答では「JCA-NET規約」 に基づく市民組織JCA-NETを指すものとします。 JCA-NETサービス (株)市民電子情報網が「JCA-NETサービス規約」に基づ いてJCA-NETの会員に対して行うインターネット・サービス・プロバイダーと してのサービスを指すものとします。このサービスには、基本サービスおよび オプション・サービス、ホスティング・サービスも含まれるものとします。 POEM (株)市民電子情報網の別名。People on Electronic Media Inc.の略称。 ================================ (1) 「JCA−NETサービス」に関して、正会員及びユーザ会員(以下会 員)と直接契約を結んでいるのはJCA−NETでしょうか、(株)市民電子情 報網でしょうか。また、そのような契約となっている理由について説明して ください。 =============================== 回答 ご質問にある「JCA-NETサービス」とは、「JCA-NETサービス規約」に基 づくサービスを指すものとして、回答いたします。 このサービスは、JCA-NETの会員申し込みに際して、会員がPOEMとの間で契約 をすることによるもので、この契約に基づいて、IDの発行業務、コンテンツに かかわらないインターネットへの会員の接続、メールサーバやウエッブサーバ 等の使用に必要な技術サービス等がPOEMより提供されます。 したがって、JCA-NETサービスは市民組織JCA-NETの会員に対してのみ提供され るサービスであり、会員資格を失えば同時に、このサービスは受けられなくな ります。 この契約関係は、JCA-NET規約およびJCA-NETサービス規約によって、規定され ているものですが、現在の入会申込書、パンフレットその他案内において、明 記されていません。そのため、JCA-NETサービスも市民団体JCA-NETが直接運営 しているものとの誤解を会員に与える可能性があるので、入会申込書を改訂し、 JCA-NETサービスが(株)市民電子情報網との間の契約であることを会員に周知 できるように検討します。 ======================================== (2) 会員が支払う会費は、全額JCA−NETの収入として計上されますか。 されるとすれば、どのような規約及び契約に基づくものでしょうか。全額JC A−NETの収入として計上されないとすれば、一人分の会費における支払先 別の内訳とその理由を示してください。 ======================================= 回答 会費とは、JCA-NETの会員が年間に支払う全ての費用と解釈します。しか し、以下では、混乱しないように、会費とはJCA-NETの年会費のみを指し、 POEM へのJCA-NETサービスへの支払いを「料金」と区別して説明します。 「会費」は、市民組織 JCA-NET の「年会費」です。年間 2100 円です。この 会費は、JCA-NET側の予算、決算に計上されます。 「JCA-NETサービスの料金」は、基本サービスとしてJCA-NETのユーザ IDの使 用権とオプション料金等からなります。この料金は、JCA-NETサービスへの対 価ですから、POEMへの支払いとなります。初期設定料は 3150円/個人契約、ま たは 5250円/グループ契約です。ユーザ ID使用料は、年間12600円(月額1050 円)です。オプションサービス (別名アドレス、メーリングリスト、Webサイト など) の料金についてもJCA-NET サービスへの対価ですから、POEMへの支払い となります。 通常上記の会費とサービス料金を一年分まとめて徴収しています。会費等の徴 収はJCA-NETが一括して行い、領収書はJCA-NET代表の名前で発行されています が、会費の請求事務はPOEM側が行っています。 会費、サービス料金について、今後申込書、各ユーザ宛の請求書等において、 契約先を明記するように改善します。また、料金支払いに際しての問合わせ等 は、JCA-NET が窓口であることもはっきりわかるようにします。 ======================== (3) JCA−NETという団体の性質上、「JCA−NETサービス」が団 体の活動そのものの根幹を成すと考えますが、会員にその内容の決定に参加す る権利はあるのでしょうか。また、それはどのような根拠に基づくものか示し てください。 ======================= 回答 JCA-NETの活動の基本は、下記の通り、規約の第3条、第4条となります。 ------------------ 第 3条 JCA-NETは、使いやすい電子ネットワーキングのためのサービスを提 供・開発することにより、様々な課題に取り組む市民の活動や、平和、経済、 社会公正、人権、環境、持続可能性に関わる世界中の運動を拡大し触発するこ とを目的とする。 第 4条 本会は前条の目的を達成するため、次の事業を行う。  (1)市民の電子コミュニティづくりの支援  (2)市民の情報およびコミュニケーションの戦略的利用の促進  (3)情報およびコミュニケーションの内容、道具の開発およびその運用  (4)電子メディアに関する政策提言とそれに関する世論喚起  (5)その他本会の目的達成に必要な事業 ------------------ JCA-NETは上記の目的のために、たとえば http://www.jca.apc.org/ にJCA-NET独自のコンテンツを展開しています。 JCA-NETサービスは、上記目的を達成するために必要なインターネット接続サー ビス(ウエッブサーバやメールサーバの利用等のサービス)の部分です。これは 会員のメールサーバやウエッブサーバ管理が含まれますが、POEMは、JCA-NET が作成しているコンテンツ、JCA-NETの会員が作成するウエッブやデータ等の 内容にはいっさい関わりをもちません。 他方で、市民運動は、その性格上、収益の有無が活動目的にはなりませんが、 接続サービスを安定的に提供するためには、少なくとも安定した経営が必要で あり、市民運動の組織原則では運営できないのが現状です。そこでこの接続サー ビスをPOEMに委ねています。 JCA-NETとPOEMとの間には、会員に対する接続サービスおよびJCA-NETの活動を 円滑に行うために、連絡協議会が設置されています。この協議会は、JCA-NET 理事会とPOEMの経営スタッフから構成されています。たとえば、現在行われて いないJCA-NETサービスを取り入れて欲しいという場合、会員がその権利とし て直接できることは、理事会に宛てサービスの改善や追加の要求をだすことで すが、理事会はこうした要望を連絡協議会を通じてPOEMと協議することになり ます。 では、なぜ、JCA-NETサービスをJCA-NETの市民運動本体から切り離して、POEM が担当することになっているのか。この点は、JCA-NETの設立の経緯にもかか わります。当時も現在も、インターネットの接続業者は、ユーザのコンテンツ に対する警察等による摘発等にさらされることがたびたびあることはご承知の ことと思います。接続サービスとコンテンツ業務を別組織とすることによって、 コンテンツの一部への弾圧が、JCA-NETサービスを利用するすべてのユーザに 及ばないようにとの考えから、組織を分けました。 接続サービスを提供するPOEMを民間の会社としたのは、設立当初のさまざまな 議論の末選択されたものです。接続サービスには、ある程度の資金が必要であ ること(資金調達が容易でなければならない)、接続サービスが外部からの干渉 を排除できなければならないなどさまざまな条件を考慮し、また組織形態につ いても、協同組合や、当時法案として論議されていたNPO法人なども含めて検 討されました。その結果、資金調達のしやすさから民間の会社組織とすること になりました。NPO法人は、当時、将来の一つの選択肢として議論されました が、NPO法の成立が不確定だったことや、政府への報告義務がユーザのプライ バシーに関わるデータの提出につながる危険性を排除できなかったために、選 択されませんでした。 また、資金調達についても、市民組織と民間の会社とでは異なります。 JCA-NETは市民運動として、さまざまな非営利組織支援のためのファンドを利 用できます。この点を最大限に生かす必要がありますが、接続サービスはこう したファンドによる支援対象になることが難しいのが現状です。 このように、JCA-NETはその技術的なサービス部分を委託受託契約や運営協議 会等を通じてPOEMに委ねていますが、「JCA-NET」という呼称が狭義の市民組 織JCA-NETを指す場合と、POEMによる「JCA-NETサービス」部分をも含めた全体 を指す場合があり、会員には分かりにくくなっている現状を理事会も十分把握 しており、総会で設置が決まった将来検討グループを中心として改善をしてい きます。 POEMは、民間の会社であり、法的な意味での最終的な意志決定権は、POEMにあ ります。ユーザから要求のあったサービスを行うかどうか、その価格をどのよ うに設定するかについてもPOEM側に最終的な決定権があります。しかし、 JCA-NETの会員は「正会員」となることによって、POEM側にユーザとしての要 求を提起する回路があります。jcanet2001のメーリングリストはテーマによっ ては直接POEM側との対話が可能であり、理事会を介して、連絡協議会を通じて 要求等をPOEM側に伝えることができます。理事会は、会員の要求等をPOEM側と 調整することが重要な任務であると考えています。(POEMの株主については資 料2を参照) 案内等ではJCA-NETサービスについてもJCA-NETが直接携わり、したがって JCA-NETの会員となった場合にはこれらJCA-NETサービスについても直接決定に 参加する権利が発生するような誤解を招く記述となっています。先に回答(1) 等でも述べたように、この点で誤解を生じないように改善を行うよう検討しま す。 また、「JCA-NETサービス」に限らず、会員の意見、要望が積極的にJCA-NET の運営・活動に反映されるような仕組みと活動のスタイルを形成し育てていく ことが必要であると考えています。 ======================= (4) (1)〜(3)について、入会希望者に対し、入会前にどのような説明を行っ ていますか。具体的に示してください。 ====================== 回答 すでに回答したように、入会希望者への説明では、「JCA-NETサービス」 について明確な区別を入会希望者が理解できるようには説明されていません。 この点は、ウエッブ上の案内、パンフレットの説明にある通りです。 ウエッブやパンフレットでの説明を、上記回答にそった形で改善します。抜本 的な改善の必要な点は時間がかかりますが、早急に対処すべきこととして、ウ エッブやパンフ等で追加説明などを行うことで、でできる限り補うこととしま す。 ============================================= (5) 現在、JCA−NETが直接に雇用している事務局員はいますか。 ============================================= 回答 いません。POEMには有給の社員がおります。この社員が、JCA-NETとPOEM との委託受託契約に基づいて、JCA-NETの事務等を行っています。 JCA-NETでは、通常の市民団体がおこなう事務処理等の内、独自の会計処理な どを除く大部分の事務処理等(電話の応対などを含む)を、POEMに業務委託し、 業務委託料を支払っています。したがって、JCA-NETの事務局には、現在有給 職員はいません。JCA-NETの事務スタッフは、POEMの事務担当および技術担当 が兼務しております。ただし、POEMが提供している電子メールによるサポート サービスのうち週3日間は、JCA-NET会員2名が無給で担当しています。 ================================ (6) 現在、JCA−NETから(株)市民電子情報網に委託しているすべての業 務内容について、具体的に項目立てて示してください。また、業務委託につい て両者で取り交わされた契約書など関連する文書があれば、そのすべてを公開 してください。 ================================ 委託受託契約書 資料1は、市民組織JCA-NETと(株)市民電子情報網(契約当時は有限会社組織) との間で交わされている委託受託契約書です。この契約書は、JCA-NETの正会 員のメーリングリスト(jca-net2001)で、今年の3月27日に公開されているも のです。 委託業務の内容 (1)会員管理業務 第1条、2条で、市民組織としてのJCA-NETの、会員名簿の管理、会費の請求と 入金の記帳などが委託されています。 実際の名簿は、インターネット・サービス・プロバイダであるPOEM が 「JCA-NETサービス」を提供している「ユーザ会員」の名簿と一致するもので、 会員名簿とユーザ会員名簿は単一の名簿として管理・運用されています。 (2)経理業務 第3条では、JCA-NETの経理業務の一部が委託されています。JCA-NETの理事会 で財務諸表の作成を行っています。 第6条は、POEM側からJCA-NETに委託される業務で、具体的には、会員から入金 する会費、ID使用料およびそれに付随するオプションサービス料などが市民組 織の口座に振り込まれるため、ここからID使用料およびそれに付随するオプショ ンサービス料などを、POEMの銀行口座に振り込む業務を指しています。 *この市民組織の口座への入金する「POEMの口座に振り込むべき金額」は、決 算期の繰り越し分が「預かり金」として計上される場合を除き、市民 組織の 会計には計上されていません。 JCA-NETサービスに関わるPOEM側に委託されている経理業務の詳細は以下の通りです。  【会費等】  (1)会員からの入金処理。    (a)現金での入金は、JCA-NETの現金口座に入金されます。      この現金での入金は、例外処理に属します。    (b)郵便振込みは、JCA-NETの郵便口座に入金されます。      公的機関の記録が残りますので、この方法での入金を      原則としています。    上記の(a)(b)以外の入金は原則としてありません。  (2)郵便振込みの通知をもとに、データ入力します。     現金での入金は例外処理ですので、省略します。    (a)振込み通知の伝票番号を基に、金額確認をして、      伝票控えに入金日を記載します。    (b)台帳に入金額と入金日を入力します。    (c)会員のJCA-NET電子メールアドレス宛に入金の報告を送信します。    (d)振込用紙に住所変更の旨記載があれば、台帳を変更します。  (3)請求書を発行します。    (a)次月更新予定の人宛に請求書を郵送します。      次月に更新日を迎えるオプション料も請求します。      前回の請求書発行からこの日までの新規オプションの請求をします。    (b)宛所不明の場合は、JCA-NET電子メールアドレス宛に住所変更の      お願いメールを出します。  (4)未入金の情報をチェックします。    (a)先月発行の場合は、請求書確認の電子メールを出します。    (b)先々月発行の場合は、期日指定でお支払のお願いをします。    (c)3ヶ月前に発行した場合は、期日指定で凍結の連絡をします。  (5)退会届の処理と凍結処理をします。    (a)退会届の出ているユーザIDについては、ユーザID抹消処理を      します。    (b)上記(4-c)でも未入金は凍結処理をします。     原則ですが、請求書郵送・電子メール3回・最後に郵送で凍結連絡を     致しますので、都合5回の連絡をしています。  (6)その他    (a)住所変更等の対応。    (b)入会案内希望者に送付。 なお、第3条にある「補助金・助成金交付の交渉」は、実際には事務局長・理 事ベースでおこなわれており、POEMは直接関与していません。 (3)インターネット関連の業務  【サーバ処理】  (1)入会申込より、会員情報データベース入力、サーバ情報設定をします。    (a)特定の担当者がサーバ処理します。    (b)入会申込・「登録のお知らせ」を経理担当に回送します。    (c)経理担当は請求書発行・台帳入力して郵送します。      尚、「登録のお知らせ」の控えはとりません。  (2)オプション申込の処理をします。    オプションの種類に関しては、Webをご覧下さい。    (a)サーバ上に設定します。    (b)設定情報から請求情報を付加して経理担当のMLに回送します。      経理担当は、この情報を基に上記(3-a)の処理をします。    (c)独自ドメイン希望に関しては、インターネットに未設定か調査。      業者依頼、受付後銀行振込、振込確認後業者登録、      その後JCA-NETサーバ情報設定、経理担当のMLに回送します。      経理担当は、この情報を基に上記(3-a)の処理をします。  【オフィス問合せ】  (1)事務的な問合せに対応します。  (2)サポートの問合せは、サポートに回送します。  (3)トラブルの問合せに関して電話でのサポートをしています。     事務所のパワーからして、電話でのサポートには限界があるので、     電子メールでサポートが可能な場合は出来るだけ     で対応するようにしています。      【サポート処理】  (1)オンラインサポート 曜日別サポートはJCA-NET側によるボランティア (4)その他の委託業務 第5条に規定される具体的業務には、LAN工事やシステム構築・導入に伴う資機 材の納入(販売)などが含まれます。これら以外の業務はほとんど発生してい ません。 資料1 委託受託契約書 =========================================================================                業務委託受託契約  JCA-NET(以下甲という)有限会社市民電子情報網(以下乙という)は下記に ついて取り決めをする。 第1条 会員業務受託契約     乙は甲の会員の管理業務を受託する。     1.会員名簿の記帳・更新     2.会員の各種連絡     3.会員情報の案内     4.上記に付帯する一切の業務 第2条 会費請求業務受託契約     乙は甲の会員会費請求業務を受託する。     1.会員別による会費の記帳     2.会費の請求     3.上記に付帯する一切の業務 第3条 経理業務受託契約     1.帳簿の記帳     2.領収書の整理     3.請求書の整理     4.納品書の整理     5.資金繰りの立案     6.補助金・助成金交付の交渉及び実施     7.上記に付帯する一切の業務 第4条 インターネット関連の受託契約     乙は甲のインターネットに関する業務を受託する。     1.ホームページの制作・保守の代行     2.コンピュータ関連機器の取り扱いの指導及び代行     3.インターネット接続に関する指導及び代行     4.電子機器の維持・保守及び管理     5.電子機器の改造・修理の請負及び管理     6.上記に付帯する一切の業務 第5条 乙は甲の以下の業務を受託する。     1.電子機器・器具の販売及び賃貸及び管理     2.事務用品等の販売及び管理     3.設備の防災・警備・廃棄物処理の管理     4.上記に付帯する一切の業務 第6条 甲は乙の以下の業務を受託する。     1.システムユーザの初期設定料の代理徴収     2.システムユーザの各種設定による付加料の代理徴収     3.上記に付帯する一切の業務 第7条 1.上記の期限は1年契約とする。     2.1997年9月6日より開始する。     3.本契約は双方の異議がない場合には、更に1年の自動契約更新す       る。 第8条 受託額は別段取り決めた乙の請求書により支払う事とする。 第9条 本条に定めのない事項については、甲乙双方が協議し、決定するもの    とする。  契約の証として本契約書を二通作成し、甲乙双方捺印の上、各自一通宛保管する ものとする。 1997年9月6日            甲 東京都千代田区神田錦町3−21 三錦ビル3F              JCA-NET              代表  浜田 忠久            乙 東京都千代田区神田錦町3−21 三錦ビル3F              有限会社 市民電子情報網              代表取締役 安田 幸弘 ========================================================================= 資料2 POEM発行株数と株主のなかのJCA-NET会員の割合          POEM発行株数 株主数       合計  206株  61名    JCA-NET会員  187株  46名   JCA-NET非会員  19株  15名