Interdocの原則(案)  Interdocとは?    恵まれない人びとのための変革を求め、弱者を搾取するのではなく、力 付け、富の集中ではなく、富の分配を、自然の破壊ではなく調和を求める 社会運動。その大きな潮流の一部として自分たちをみなしているものたち のネットワーク、それがInterdocである。  Interdocの活動領域は、情報分野である。その分野とは、科学的技術的 知識、文化、それぞれの土地固有の考え方、伝統的な習慣、さらに、情報 や娯楽のメディア、出版、コンピュータ、通信、データベース、遺伝に関 する情報、そしてその最終結果が非物質的な形態を持つようなものである。  新テクノロジーによってもたらされるこの分野における急激な変化が、 以下のような新しい懸念を作り出している。  −情報を発する権利  −ツールやインフラストラクチャーへの容易なアクセス  −情報の集中  −情報の独占  −文化の多様性を守ることと、豊かにすること  Interdocは、これら懸案に取り組むことを目的とする。  以下の原則が、Interdocのメンバーを結びつける。  1 情報のための権利  人類がこれまで集積した知識・経験・情報は、人々の共有財産であって、 誰もがアクセスできるものでなければならない。  情報は、理性にとっての食糧である。情報にアクセスできることは、人 間の生存と社会の発展にとって基本的な要素である。  すなわち、 ・自由にコミュニケートすること ・自分自身で情報を発すること ・お互いに情報を交換すること ができることが、人々の基本的権利である。  情報とコミュニケーション機器へのアクセスを民主化することは、社会 の民主化を助けることになる。有用な情報を共有することは、その情報が が持つ社会的用途を広げることである。  Interdoc は弱者が力をつけ、 周縁に追いやられた少数者が、政治、経 済、社会的生活を自分たちで決めていく力をませるように、コミュニケー ションと情報テクノロジーを使うために活動する。  2 ツールとインフラストラクチャーへのアクセス  情報の権利には、コミュニケーション機器を使う権利と、情報交換のた めの社会的基盤(インフラ)にアクセスできる権利が含まれる。  会社や政府の加える制限によって、あるいは価格のせいで、これらの機 器やインフラへのアクセスが不平等になるなら、それは情報のための権利 を民衆が行使することを実質的に不可能にするものである。  Interdoc は、 ・独裁的な統制を防ぎ、 ・これら機器やインフラへのアクセスを民主化し、 ・より低価格、簡単で、それゆえ自分たちのものにしやすく、小規模な技 術の発達を促し、 ・巨大な情報インフラが必要なところでは、それらが人びとの共有財産と なるように活動する。  3 情報の集中に反対して  情報源へのアクセスに関しては、先進国と開発途上国の間に、顕著な不 公平がすでに存在する。特権的社会階級とそうでない層との間にも同様の 不公平がある。  この不公平は、一方では先進国や特権層に情報源がいっそう集中するこ とにつながる。  情報の集中は、権力の集中である。政府や会社組織の手に情報が集中す ることは、個人のプライバシーにかかわる情報に関してはとくに危険であ る。機器やインフラが一握りの人間の手に委ねられているほど、この危険 は高い。それは、情報独裁の発生に、結果としてつながりかねない。  Interdoc は、次のような立場に立つ。 ・情報共有に関する望ましい社会的実践のために存在する。その実践とは、 ・情報とコミュニケーション機器への人びとのアクセスを拡げ、脱中央化 し、民主化する。 ・政府や会社組織による侵害に対して個人のプライバシーを守る  4 情報の独占に反対して  情報を商品化することは、情報を支配したり、所有権を主張しようとす る強い欲望につながる。情報に関する知的所有権は、人びとの情報を共有 する権利を妨げることによって、また情報の独占的な権利を設定すること によって実効する。これら独占権が情報の独占を生み出すのである。  特許や著作権のような知的財産権は、元来は知性が創造的活動をするこ とを支援するための社会的な合意であった。ところが、いままではそれが、 情報を完全に私有化することを認めるような意味にねじ曲げられている。 これが情報の集中と独占に導いている。  Interdoc は情報を商品化し、 知的財産権を独占的な意味合いにおいて 行使することによって、人々が相互に情報を交換する権利を制限すること を正当化することに反対する。  Interdoc は知的活動に対して独占的な解釈に立って対価を支払うこと とは異なるオルタナティブを探ることを支援する。  5 文化の多様性を守る  人類社会は、幅広い多様な文化をはぐくんできた。そのそれぞれの文化 は、生存し、社会的な活動をし、自然と調和していくための教訓の、ゆた かな宝庫としての情報をそれぞれに持っていた。が、不幸にも、金銭に変 えがたいこうした過去の遺産は、私的利益に動機づけられた商業資本の宣 伝にのっかった無節操な消費文化に置き換わってしまった。  会社や政府が、情報とコミュニケーション機器の多くを支配することは、 こうしたジャンク文化がマスメディアを通じて世界的に広がることを許し てしまう。世界的に文化が単一化していくことは、これら過去の教訓を消 し去り、文化の多様性を、環境を、ひいては人類の生存を脅かすものだ。  Interdocは、情報技術によって文化の多様性を高め、過去と現在の世代 のもっているもっとも良い教訓を保存し、質を向上させ、そして自由にこ れらのものを次世代と分かち合えるように働いていきたい。  我々は、責任−上記原則にしたがって、これから出現するであろう社会 構造を形作っていくという責任−を、ともに担ってくれる人を歓迎する。 これらの原則を分かち合い、また、密に互いの接触を保ち、互いに自分た ちの活動を知らせ合い、互いに相手の努力を支え合い、そして連帯して働 くのに同意する人は、Interdocのメンバーと考えられる。