オール沖縄で翁長雄志知事を支援する企業のかりゆしグループが4月3日、「オール沖縄会議」からの脱会を表明した。3月13日に共同代表を正式に辞任した金秀グループの呉屋守將会長に続く脱会は、今後の沖縄の動向にどんな影響を与えるのか。
かりゆしグループと金秀グループは保守・経済界の主要企業、「オール沖縄」の顔としてこれまで同会議の主要な構成幹事団体として活動を共にしてきたが、県民投票の実施方法をめぐる意見の不一致や、名護市長選挙での大敗の責任を取る形で相次いで同会議から脱会した。両グループが脱会に至った一番の要因は県民投票とされる。しかし、それぞれのグループでもその実施方法や考え方には大きな隔たりがある。
金秀グループの呉屋会長は「県民が署名を集め県民主体で実施することで反対の民意が再び示される。埋め立て承認撤回の公益性の根拠になる」と主張。一方、かりゆしグループと沖縄県議会の与党「会派おきなわ」は知事が先頭に立ち知事発議で行なう県民投票の実施を提案。与党3会派(社民・沖縄社会大衆党・結連合会派、会派おきなわ、共産党会派)がまとまり県議会で知事へ伝える時期を探ってきたが、3会派内でも意見は割れ、結論が出せていない。
また、連合沖縄や自治労といった「オール沖縄会議」の構成団体は過去に県民投票を実施した経験から慎重論を展開。県民投票を行なうことで生じるリスクよりも、数々の違法工事を強行する政府に条件を突きつけ、知事が「撤回」を行なうことが重要だと訴えている。同会議事務局は撤回の時期については政治的な判断になる可能性が高いとして、知事に全てを委ねる考え方を示している。
【「知事を支える」変わらず】
そんななか、翁長知事の膵臓に腫瘍が見つかったというニュースが飛び込んだ。4月10日、知事が浦添市内の病院で記者会見し明らかになった。県内外では翁長氏の去就など、秋に予定される知事選への影響を注視する動きが広がったが、複数の与党県議は、「2期目への出馬が既定路線。県民投票を巡っては意見が分かれているのが実情だが、知事を支えていくという思いはどの立場であっても決して変わらない」と語りオール沖縄の体制の再構築に奔走する。
一方、自民党側も天王山である沖縄県知事選挙へ向けて候補者選考の動きを加速させている。1月下旬、医療・福祉界からは県医師会副会長の玉城信光氏(69歳)を推す声があがった。2月中旬、県医師会は7支部(北部・中部・浦添・那覇・南部・宮古・八重山)の代表を集め、知事選へ意欲を示している玉城氏の投票を行なった。結果は3対4で否決。会長の安里哲好氏らは玉城氏の出馬を抑制する動きを見せていた。
また、県内で大手流通企業グループを率いる安里繁信氏(48歳)も立候補に動き出した。事実上の後援会組織となる「新しい沖縄を創る会」を2月26日に立ち上げ、同日浦添市で、3月16日には糸満市、22日宜野湾市、23日宮古島市で集会を開いた。
この動きを警戒・察知したのが自民党県連だった。3月31日に那覇市内のホテルで知事選候補者準備会を立ち上げた。選考委員には、仲井眞弘多前知事、チーム沖縄と称し翁長知事とは袂を分かつ島袋俊夫うるま市長や下地敏彦宮古島市長をはじめ自民党県連に所属する県議や国会議員らが名を連ねた。さらに、石嶺傅一郎沖縄電力会長や安里哲好県医師会会長、國場幸一國場組会長なども選考委員に加わった。
準備会終了後の記者会見で翁長政俊自民党県連副会長(県議)は、「次の委員会までには、選考基準をしっかりつくりたいと思っています。当選可能な人、人格高潔で能力の高い方、さらには、県民に幅広い支持の得られる方。こういうことが基本的な基準になっていく」と語り具体的な人選作業に入ったことをアピールした。
11月の天王山、県知事選挙に向けた各方面の動きが加速している。
(本誌取材班、2018年4月20日号)
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2018年5月1日
板門店宣言を歓迎し、日米両政府に真摯な対応を求める
(平和フォーラム・原水禁声明)
フォーラム平和・人権・環境
(平和フォーラム)
原水爆禁止日本国民会議(原水禁)
共同代表 川野浩一
福山真劫
藤本泰成
2018年4月27日、大韓民国文在寅大統領と朝鮮民主主義人民共和国金正恩朝鮮労働党委員長は、南北軍事境界線をまたぐ板門店において、南北首脳としては11年ぶりとなる会談に臨み「板門店宣言」を採択し署名した。宣言は、①自主統一への未来を早める、②軍事的緊張状態を緩和し戦争の危険を実質的に解消する、③終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換する、④完全な非核化を通じて、核のない朝鮮半島を実現するとして、様々なとりくみを上げている。平和フォーラム・原水禁は、この間の北朝鮮の核実験をきびしく批判するとともに、日米両国の北朝鮮への制裁措置と米韓・日米の軍事演習の停止、対話の再開を求めて来た。平和フォーラム・原水禁は、南北首脳の決断を心から歓迎する。
会談後の共同発表で、文在寅大統領は「民族の念願である統一のための大きな一歩を踏み出した」とし、金正恩労働党委員長も、「我々は闘うべき異民族ではなく、仲良く生きるべき一つの民族だ」とした。植民地支配と侵略戦争の結果、南北分断の要因をつくった日本と朝鮮戦争の責任を負うべき米国両政府は、南北両首脳のこの言葉に真摯に向き合わなくてはならない。朝鮮半島の民族の繁栄に、日米両政府は力を尽くさなくてはならない。
朝鮮半島における最大の軍事的脅威であった核兵器の問題に関しては、「南と北は完全な非核化を通じて、核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標を確認した」とした。金正恩労働党委員長は、加えて5月中に咸鏡北道豊渓里(ハムギヨンプクト・ブンゲリ)の核実験場を米韓の専門家やメディアへの公開の場で廃棄すると明言している。そもそも、核開発は米国の脅威への対抗としてきた金正恩労働党委員長が、南北首脳会談で「完全な非核化」に言及したことの意味をしっかりと捉えなくてはならない。
日本のメディアの論調は「非核化の具体策がない」「非核化には懐疑的」などきびしい論調が目立つ。しかし、後ろ向きの議論で日朝関係を正常化することが可能なのだろうか。東北アジアの平和に貢献できるのだろうか。南北両首脳が投げかけた言葉を、日本政府はしっかりと受け止めなくてはならない。日本政府は、米国の政策に与することなく、国交正常化へのとりくみを再開しなくてはならない。
米国政府は、「非核化されるまで最大限の圧力は続く」と表明している。米国は、完全で検証可能な不可逆的廃棄を求めている。しかし、段階を踏まずして廃棄まで進むとは考えられない。米国は、「核体勢の見直し」でも明らかなように、更なる核攻撃の能力の向上をめざしている核大国であることを忘れてはならない。また、休戦協定を平和協定へと言う南北両首脳の主張が、米国も対象にしていることを忘れてはならない。米韓合同軍事演習の規模・内容を含めて、米国が脅威であることは明白な事実だ。金正恩労働党委員長は、文在寅大統領に「米国と信頼を築き、終戦と不可侵の約束をすれば、我々が核を持つ必要があるだろうか」と語ったとされる。米国政府は、まず、平和協定締結へのとりくみをすすめるべきだ。
平和フォーラム・原水禁は、東北アジアの平和のために、米韓・日米の合同軍事演習のすみやかな停止と、朝鮮戦争を終戦に導き平和協定締結への道に進むことを、日米両政府に強く求める。また、その道筋を基本に、金正恩朝鮮労働党委員長には「完全な非核化」への具体策を示すことを強く求める。
昨年末、2018年度税制改正大綱に「森林環境税(仮称)」と「森林環境譲与税(仮称)」の創設が決まった。何度も浮上しては継続審議となっていたが、「森友学園問題」で予算委員会が紛糾する間隙を縫って、ほとんど審議もされないまま成立した。
森林環境税(仮称)は、個人住民税の均等割の納税者から、国税として1人年額1000円を上乗せして市町村が徴収する。税収については、市町村から都道府県を経由して国の交付税および譲与税配布金特別会計に入る。
個人住民税均等割の納税義務者が全国で約6200万人いるので、税の規模は約620億円となる。時期については、東日本大震災の住民税均等割の税率引き上げが23年度まで行なわれていること等を踏まえ、24年度から課税される。
一方、森林環境譲与税(仮称)は、国にいったん集められた税の全額を、間伐などを実施する市町村やそれを支援する都道府県に客観的な基準で譲与(配分)する。森林現場の課題に早期に対応する観点から「新たな森林管理システム」の施行と合わせ、課税に先行して、19年度から開始される。
譲与税を先行するにあたって、その原資は交付税および譲与税特別会計における借入により対応することとし、譲与額を徐々に増加するように設定しつつ、借入金は後年度の森林環境税(仮称)の税収の一部をもって償還する。譲与額を段階的に増加させるのは、主体となる市町村の体制の整備や、所有者の意向確認等に一定の時間を要すると考えられることによるもので、19年度は200億円から開始することとなっている。
だが、森林環境税には、大きな問題点がある。
第一に、都市部住民は森林環境税を支払っても、森林整備に対する受益がほとんどない。実感を得られないものに対する納税となる。第二に、森林環境税は、林業など特定の業種に対する補助金のような性質を持ち、特定の業種だけにメリットがある。補助金であるならば、予算から割り当てるのが原則で、国税としての徴収は問題がある。第三に、すでに地方自治体が導入している森林環境税との棲み分けや区分をどうするのか。二重課税になるのではないか、という点だ。
すでに、40近い県が森林環境税を導入している。各県の森林環境税は、県民税の超過課税である。超過課税とは、地方税法上で定められている標準税率を超える税率を条例で定めて課税する方式で、簡単にいえば、県民税に森林環境税が上乗せされたかたちのものだ。しかし県民税は使途が特定される目的税ではなく普通税のため、当時から「森林環境税が、本来の目的外の用途に使われるのではないか」という問題が指摘されていた。
そこに環境省や林野庁がほぼ同様の目的の「森林環境税(仮称)」を創設しようとしており、明らかな二重課税だと言えよう。
国民が無関心とはいえ、わずか年間1000円の増税だとしても、国会が森友問題で揺れるなかで十分に審議されることもなく増税が決まった。それも、東日本大震災の復興関連増税が終わった後に、森林環境税を導入するという姑息な方法だ。
(わしお こういち・経済ジャーナリスト。2018年4月13日号)
財務省が学校法人森友学園(大阪市)への国有地売却に関わる決裁文書を改竄した問題で、「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」(八木啓代代表)は4月9日、売却と決裁および改竄時に関連する業務に関わっていたとされる財務省理財局と近畿財務局の24人を、公用文書等毀棄罪、虚偽有印公文書作成および同行使罪の疑いで東京地検に刑事告発した。
告発されたのは、同国有地の売却(2016年6月決裁)時の理財局長だった迫田英典氏、迫田氏の後任で文書改竄時の理財局長だった佐川宣寿氏をはじめ、元理財局長の田中一穂氏、当時の国有財産審理室長で安倍昭恵氏付きの政府職員だった谷査恵子氏からの問い合わせに応じた田村嘉啓氏、同じく当時の近畿財務局長だった武内良樹氏、同統括管理官として売却を担当した池田靖氏ら。このほか、理財局の総務課や国有財産企画課、国有財産業務課の職員らも告発の対象となった。
告発状提出後、東京地裁内の司法記者クラブで会見した「市民の会」の八木代表は、文書改竄について「削除しただけで改竄とは言えないとか、虚偽内容でなければ改竄には当たらないなどという声もあるが、文書の意味がまったく違っているのだから改竄後の文書は虚偽。
また、改竄前の文書を捨てて新しい改竄文書を国会と会計検査院に開示したのだから、公用文書等毀棄罪も完全に成立している」とし、「最低限守るべきルールが守られないというのは法治国家でも民主国家でもないということ。それが裁かれない国になってはならない」などと述べた。
同会は昨年5月に迫田氏、佐川氏ら7人を公用文書等毀棄罪で東京地検に告発。現在、大阪地検で捜査されている。
「今回の告発は検察審査会に申し立てすることも想定している。検察はきちんと捜査してほしい」(八木代表)とあらためて訴えた。
(片岡伸行・編集部、2018年4月13日号)
4月6日に京都府知事選の市民派候補、福山和人の応援に行って、記者会見で「麻生太郎が日本の新聞のレベル(は低い)と言ったが、くやしくはないのか。問われているのは、選挙民と共に、あなた方新聞記者だ」と挑発した。
麻生太郎ならぬ、“阿呆太郎”如きにここまでナメられて首も取れない、それこそ日本の新聞のレベルも問題だが、かつて旧大蔵(現財務)官僚の接待汚職があった。
「ノーパンしゃぶしゃぶ」というコトバが世界をかけめぐったスキャンダルである。
あの責任を取って、当時の蔵相、三塚博は辞任した。
今度の公文書改竄はそれ以上の大失態なのに、なぜ麻生は辞めないのか?
彼らの言うように、前理財局長の佐川宣寿が勝手にやったことだとしたら、それをコントロールできない麻生は無能ということで、直ちに責任を取らなければならないだろう。麻生とコンビを組み、佐川に責任を押しつけて逃げ切ろうとする安倍晋三も辞めなければならないことは言うまでもない。
大体、麻生は首相はもちろん、議員にもなってはいけない人だった。差別意識が骨がらみになっている人間だからである。
歴代首相と「方程式」の話魚住昭著『野中広務 差別と権力』(講談社文庫)に、2003年9月21日の自民党総務会のことが出てくる。議題は党三役人事の承認で、楕円形のテーブルに総裁の小泉純一郎(当時、以下同)、幹事長の山崎拓、政調会長の麻生ら約30人が座っていた。総務会長は堀内光雄で、堀内の目の前に座っていた野中広務が、「総務会長!」と声をあげて発言した。
「総務大臣に予定されておる麻生政調会長。あなたは大勇会の会合で、『野中のような部落出身者を日本の総理にはできないわなあ』とおっしゃった。そのことを、私は大勇会の三人のメンバーに確認しました。君のような人間がわが党の政策をやり、これから大臣ポストについていく。こんなことで人権啓発なんてできようはずがないんだ。私は絶対に許さん!」
総裁候補に擬せられた野中を、麻生が自分の派閥の会合でけなしたのである。
それを知った野中の激しい言葉に総務会の空気は凍りついたという。麻生は顔を真っ赤にしてうつむいたままだったとか。
そんな麻生こそ絶対に首相にしてはならない人だった。しかし、その麻生が後に総裁になったということは、自民党は日本差別党だということだろう。あるいは差別主義者党である。ヘイトスピーチ党と言ってもいい。
松元ヒロと私の共著『安倍政権を笑い倒す』(角川新書)で松元が麻生の声色を真似てこう言っている。
「下々のみなさん、こんにちは。麻生太郎です。私はみなさんとはラベルが違いますよ。実家は福岡の飯塚にあります。敷地面積は広いですよ。東京ドームが1個スポッと入ります。まだ入れたことはないけどね。(東京は)渋谷にあります私の私邸は、実勢価格40億円です。40億。わかりますか、貧乏人のみなさん」
それに続けて私も自家製の「方程式の話」をした。
「小泉純一郎はアメリカ一辺倒で、日米関係と日中関係の二次方程式を解けなかった。次の安倍晋三は一次方程式も解けない。その次の福田康夫は最初から解く気がなくて、福田の次の麻生は方程式の意味がわからなかった」
こう話すと、笑いが起こるが、現在は一次方程式が解けない安倍と、方程式の意味がわからない麻生のツートップである。
まずは麻生から引きずりおろさなければならない。
(さたか まこと・『週刊金曜日』編集委員、2018年4月13日号)
平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックを契機に、北朝鮮の対話ムードが加速している。金正恩朝鮮労働党委員長は3月26日、中国を訪問して習近平主席と会談した。4月27日には韓国・文在寅大統領との首脳会談が開催され、またトランプ大統領との米朝首脳会談も予定されている。朝鮮半島の戦争終結と平和構築のための歴史的な合意がなされるのか。盧武鉉政権時に韓国統一部長官として南北首脳会談の準備を企画総括した李在禎(イ・ジェジョン)氏に話を聞いた。
――4月27日に南北首脳会談が開催されます。その意義は?
イ・ジェジョン 現在は京畿道教育庁教育監。2007年南北首脳会談当時、盧武鉉政権最後の統一部長官として会談準備を企画統括した。27日に予定されている南北首脳会談では、準備委員会諮問団委員。
今回、開催される南北首脳会談は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が1月1日の「新年の辞」で明らかにし、平昌五輪期間中に直接特使を派遣して文在寅(ムン・ジェイン)大統領と協議し、その後、文在寅大統領の特使が金正恩委員長を訪問して確定した。この過程で南北は米朝首脳会談を推進することにした。文在寅大統領は米国に特使を派遣し、トランプ大統領に米朝首脳会談に向けた金正恩委員長の意志を伝えた。それをトランプ大統領が電撃的に受け入れたことで、今年の首脳会談開催が発表された。その意味で最も重要な意義は、韓国・北朝鮮・米国の3者が、同時に意志を持って首脳会談を開催することで合意したということだ。
また、南北首脳会談が板門店「平和の家」で開かれることも非常に重要な意味を持っている。「平和の家」は南(韓国)の地であり、施設である。金正恩委員長が軍事境界線を越えて南にくる、最初の北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の最高指導者になるということだ。
――予想される議題は?
今回の南北首脳会談は大きな枠組みでの対話となるだろう。朝鮮半島の非核化、米朝外交関係の正常化と北朝鮮体制への積極的な支援、朝鮮半島の平和構築が議題の中心にある。過去数年間、北朝鮮が核実験とミサイル発射を行なうたびに、国際社会は国連安全保障理事会で強力な制裁決議をしてきた。とくに最近、米国は北朝鮮に対してあらゆる手段を動員し、最も強力な経済制裁による圧力を加えてきた。今回の首脳会談では、まず、金正恩委員長が韓国特使を通じて明らかにした「非核化の原則」と、それを推進するための基本的な原則を議論することになるだろう。非核化の原則と行程については、すでに1994年の「ジュネーブ合意」から2005年の6カ国協議での「9・19共同声明」まで数多くの合意と履行の過程があった。今回の会談では、北朝鮮の核兵器とミサイル開発の全面的な廃棄の問題とともに、北朝鮮と米国の外交的な正常化を通して、北朝鮮の体制をいかに保証していくか、ということが話し合われるだろう。それは同時に、終戦宣言と朝鮮半島の恒久的な平和を実現するための、平和体制に関する議論でもある