社会運動・市民運動サイトからの情報

「戦争をとめよう!安倍9条改憲NO!2018新春の集い」に1300名

フォーラム平和・人権・環境 - 2018/01/07(日) 16:20

1月7日、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」と「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」は、「戦争をとめよう!安倍9条改憲NO!2018新春の集い」を、東京・北区の北とぴあで開催、市民など1300人が参加して、今年の年頭の記者会見で改憲への決意を表明した安倍晋三首相の「9条改憲」と真っ向から対決して、改憲阻止に向けたたかう決意を確認し合いました。
 主催者を代表して長尾詩子さん(安保関連法に反対するママの会・弁護士)が「昨年の総選挙は立憲民主党の誕生と野党共闘の力で最悪の事態を免れることができた。これは、2015年以降の市民のたたかいの力があったからだ。今の野党を動かしているのは私たち市民の声だ。このことに確信をもって、新年の新しいスタートにしよう。3000万署名を早期に達成し、私たちの力で9条を守り、平和を守っていこう」と訴えました。


 

 次は俳優・タレントの松尾貴史さん(写真左)のミニトークが行われ、巧みなユーモアを交えながら「私は護憲派でも改憲派でもないが、国民から変えてほしいと湧いているのでなく、憲法に縛られる権力者の側が変えたいというのはおかしい話だ。憲法が国民の権利などをより強く守るようになる改正なら賛成だが、今、変えようとする人たちにそれができるとは思えない。憲法は変えてほしくはありません」と言い切りました。
 次に、石川健治・東京大学憲法学教授(写真右)が講演を行い、安倍首相の9条に3項として自衛隊を明記する9条改憲案の持つ意味とその危険性を語りました。石川教授は「現在の9条は軍隊の保持を禁じる権力統制の典型。9条を変えれば統制がなくなってしまう。憲法があまりわかっていない人たちが進めている改憲なので、軍事組織に統制がなくなり、政治が軍隊をコントロールできなくなる。このような改憲は最も危険な改憲と言わなければならない」と訴えました。
 その後、各政党からのあいさつとして、自由党の青木愛参議院議員、共産党の小池晃書記局長、立憲民主党の福山哲郎幹事長が登壇。そろって安倍9条改憲に反対する姿勢を明らかにし、市民と野党との共闘の力で、9条改憲阻止に向け、ともにたたかい抜く決意を表明しました。
 リレートークとして、岡本達思さん(安倍政権にNO!東京地域ネットワーク)、遠藤俊夫さん(戦争させない!9条壊すな!総がかり取手実行委員会)、野田静枝さん(オール埼玉共同行動実行委員会)、岸牧子さん(横須賀市民9条の会)が、それぞれ地域の中で奮闘してきた報告と今後の決意を述べました。
 最後に行動提起うぃ、福山真劫さん(総がかり行動実行委員会共同代表・全国市民アクション運営委員)が行い「私たちは大統領を退陣に追い込んだ韓国の民衆のように、安倍政権を打倒するには至っていない。総がかりを超える総がかり運動をさらに強め、9条改憲を絶対阻止し、安倍政権打倒に向け3000万署名を絶対集めなければならない。その上で、当面の行動として1月の19日行動、1月22日の国会開会日行動(いずれも議員会館前)などへの参加をはじめ、特に、今年の5月3日の憲法集会には10万人が集まろう。私たちは絶対に負けないことに確信を持とう!」と訴え、集いを終えました。
 

【今週の風考計】1.7─年始の早々から気がかりな三つの動静

日本ジャーナリストクラブ(JCJ) - 2018/01/07(日) 10:57
■あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。さて、年始の1週間、気になって気になって、しまいに腹が立ってきた三つの動静を挙げておきたい。

■まずは安倍首相の日々だ。渋谷・富ケ谷に豪邸がありながら、昭恵夫人ともども都心の高級ホテルに連泊しゴルフ三昧、そして昼となく夜となく3つ星クラスの料理店で贅沢な食事。これらの費用は税金から? 昭恵夫人は自宅で朝の味噌汁など作らないのか? もしや森永ビスケットで済ませてしまうのか? 私たち庶民には、すぐに浮かぶ素朴な疑問だ。

■二つは、9日に開催される韓国と北朝鮮との高官級会談に対する日本政府の態度である。2年ぶりの対話による南北関係の改善は、北朝鮮の非核化に向けた環境づくりに役立つのは間違いない。大歓迎だ。
■だが政府は南北会談を歓迎し成功を祈るどころか、北朝鮮の脅威を「国難」と煽り、制裁・圧力に血道をあげるだけ。北朝鮮にミサイル核の放棄を求めるのなら、まず国連で可決された核兵器禁止条約に賛成するのが先だろう。戦争核による唯一の被爆国・日本が、いまだに反対し続ける態度に、ブーイングの声は世界中に広がっている。
■あまつさえ、安倍首相は12日から東欧6カ国を訪問し、「北朝鮮への制裁・圧力強化に向け緊密な連携を強化したい」と意欲マンマンだ。

■三つには原発への態度だ。「原発輸出」に拍車をかけ、担う民間企業には、巨額な銀行融資が可能となるよう、政府保証まで与えて厚遇する。10日には小泉・細川元首相らが、脱原発運動を積みあげてきた成果を踏まえ、「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を発表する。22日に召集の通常国会に提出するという。世界から拍手や歓迎の声が挙がるだろう。安倍首相、少しは煎じて飲んだらよい。(2018/1/7)

韓国:「労働地獄・アルバ天国」の延世大?

レイバーネット - 2018/01/07(日) 02:00
延世大学校が清掃、警備の非正規職労働者をリストラして、 空席に短時間のアルバイト労働者を投入して論議がおきている。

「12・7障がい者 辺野古のつどい」に全国から集結 市民運動に障がい者の視点を

週刊金曜日 - 2018/01/05(金) 17:03

沖縄・辺野古。障がい者が「すみません」と繰り返さないですむ社会を。(撮影/冨田きよむ)

「戦争が起こると一番先にやっかい者あつかいにされるのは障がい者」(後述する集会のチラシより)――それは数々の戦争や紛争で実証されつくしてきた。

12月3~9日の国際障害者週間に日程を合わせて、7日、沖縄県名護市辺野古・キャンプ・シュワブゲート前で「障がい者 辺野古のつどい」が開催された(主催・同実行委員会)。開会の午前11時のはるか前から県内はもとより、長野、滋賀、兵庫、愛媛各県などから車いすの障がい者ら約150人が続々と辺野古に集結した。

「障がい者がデモなどで声を上げるたびに、『車いすの乞食』、『めくらの乞食』と、街宣車に揶揄されてきた悔しさをどこにもっていけばいいのか悩み続けました」と、実行委共同代表の門屋和子さん。障がい者が市民運動に参加するとき、足手まといになるのではないかとの怖れが常に付きまとう。

同実行委共同代表の成田正雄さんは、「反戦運動の中に障がい者の声がない。命の重みを語る運動の中でともすると障がい者が顧みられてこなかった。今回の集いは、障がい者自らが主体となって命の重さを守る戦いの始まりだと言える」と、集会で叫んだ。

神戸で、脳性麻痺で車いす生活を送る大島秀夫さんは「三里塚のデモの時、途中で疲れ果てて止まってしまったら見捨てられたことが忘れられない。市民運動の中にこそしっかりと障がい者の視点がなければならない。だから辺野古に来て自分で声を上げたかった」と、障がい者としての口惜しさと平和に対する強い思いを話した。

家を一歩出た瞬間から「すみません」と繰り返して生きる障がい者が、大変な労力と体力を使って辺野古に集結した。障がい者が「すみません」と繰り返さなくても生きていける社会は外国の基地などない社会だと参加者は口々に主張した。

(冨田きよむ・フォトジャーナリスト、12月15日号)

≪おすすめ本3冊≫ まず伊藤詩織『Black Box』─性暴力被害に屈せず闘い続ける強い矜持=伊藤和子(弁護士/「ヒューマンライツ・ナウ」事務局長)

日本ジャーナリストクラブ(JCJ) - 2018/01/05(金) 11:45
 昨年6月、デイビッド・ケイ国連特別報告者は日本の表現の自由に関する調査報告書を国連に提出、報道の自由を確保するよう勧告した。
 彼は「日本のメディアは政府からの圧力を跳ね返す力が弱い」とし、記者クラブ制度など報道機関と政権の癒着に疑問を呈し、ジャーナリストの横の連帯、調査報道の環境醸成を訴えた。この提起は主要メディア内では、必ずしも掘り下げられなかったが、現状を打ち破る新しい動きが起きた。

 東京新聞の望月衣塑子記者による政権追及である。著書『新聞記者』 (角川新書)には、記者を志した軌跡、官邸会見で追及する心の葛藤や熱い想いが綴られている。
 多くの記者が政権幹部に踏み込んだ追及をしなくなる中、あえて質問を重ねる勇気を支えるのは権力監視というジャーナリストとしての強い使命感だ。「前川さんや詩織さんがたった一人でも戦おうとし、社会的に抹殺されるかもしれないリスクと背中合わせで疑惑を追及している。2人の勇気をだまって見ているだけでいいのか」と問う。

 その詩織さんは、首相に近い元テレビ記者による性的暴行被害を告訴、逮捕状執行が直前で見送られ不起訴に。検察審査会でも「不起訴相当」。それでも諦めず記者会見で被害を実名告発し、伊藤詩織『Black Box』 (文藝春秋)を出版した。
 屈せずに闘い続ける動機は「自分の中で真実に向き合えないのであれば、私にこの仕事をする資格はないだろう」というジャーナリストの強い矜持にある。性暴力被害者に泣き寝入りを強いる日本の社会的法的システムを、実体験から克明に問題提起した価値ある一冊だ。

 最後に横田増生『ユニクロ潜入一年』 (文藝春秋)を挙げたい。企業内部の過酷労働の実態を追及するため、自ら働き、潜入調査するという究極の調査報道姿勢に心から敬意を表したい。圧巻のルポだ。彼らに孤独な戦いをさせてはならない。社会が、そしてジャーナリストの横の連帯がこれを支え、真実に迫り権力を監視する報道が強まることを期待する。

《月間マスコミ評》NHK記者過労死、当確報道に疑問=諸川麻衣

日本ジャーナリストクラブ(JCJ) - 2018/01/04(木) 17:24
 2013年7月24日、NHK首都圏放送センターで都議選、参院選取材に当たってきた佐戸未和記者が、月159時間余の時間外労働の末に31歳の若さで過労死した。4年後の今年11月20日放送の「プロフェッショナル 仕事の流儀 過労死と闘い、命を守る」では、冒頭で生前の佐戸さんの活躍や今のご両親の声を紹介、過労死問題は「この番組を作るNHKにとっても大きな課題です」と述べた。
 調べてみると実はNHKは06年度に既に、年間総労働時間2100Hを指標に各職場で働き方を見直すという「働き方総点検」を始めていた。さらに12年度にはこれを「働き方改革」に発展させ、「業務の棚卸し」を課題とした。13年度には、全経営業務量に見合う要員数(約一万)の枠内で各職場の「歪み」を解消するため、要員再配置や業務の調整=「全体最適」に乗り出した。
 翌14年5月に佐戸さんの過労死が認定されたが、この年は改革の重点事項に「過重労働防止による健康確保」を掲げ、記者の勤務制度の議論、「専任職」を労働時間を管理する一般職に移行する、三六協定の上限を超えた勤務を「限度越え」として報告するよう労組が呼びかける、などの動きが見られた。
 その後、番組の編集期間に休日を設けるなども行われ、16年度には全部局で年間総労働時間平均が前年度を下回り、全体最適も達成されたという(ただし「限度越え」報告は14年度以降一貫して増え続けているらしい)。
 そして今年度には記者の「専門業務型裁量労働制」が発足、10月に佐戸さんの過労死がやっと公表された。また12月7日には、NHKグループ全体として「長時間労働に頼らない組織風土をつくります」と宣言した。
 このように、NHKが過重労働問題にまったく無策だったとは言えない。ただし、佐戸さんの件は当初、職場集会参加者に口頭で報告されただけで、一斉周知はされなかったという。「過労死の事実をしっかり伝え、再発防止に役立ててほしい」とのご両親の気持ちは裏切られていたのである。「できるだけ早く当確を打つ」という意義不明な目標のために人材を集中投入する選挙報道のあり方への根本的な見直しも、ほとんど見られない。
 一方で佐戸さんの過労死はメディアの他社でも反響を呼び、選挙取材期間の勤務管理のあり方を見直す動きが出ているという。三年後、五年後、放送の現場が「以前よりは働き方がまともになってきた」と実感できるようになれば、報道人として志半ばで斃れた佐戸さんの無念は少しは晴れるだろうか? 
      

座り込みお休みのお知らせ(お正月)

明けましておめでとうございます。

お知らせが遅れて、すみません。
本年のお正月(1月1~3日)は、座り込み(高江)をお休みとさせていただきます。
1月4日(木)から再開します。
北部訓練場撤去に向けて、抗議・監視・発信の為、座り込みを続けていきます。
本年もよろしくお願いいたします。

「ヘリパッドいらない」住民の会


JCJに多額遺贈 元出版部会の阿部丈夫さんは、「静」と「動」の人だった=池田隆(出版部会世話人)<br />

日本ジャーナリストクラブ(JCJ) - 2018/01/02(火) 13:14
 出版部会会員だった阿部丈夫さんは「静」と「動」の人でした。1953年4月に日本出版販売(日販)に公募1期生として入社し、7年間ほどは「自称」文学(演劇)青年として活動、青春を謳歌。動の人生に入った転機は、60年「安保闘争」だった。労組執行委員としてデモ行進に参加、壮大さに触発、感動、その後23年間組合役員として活動した。私と阿部さんとの出会いは67年の青年部結成でした。69年から8年間書記長として民主的労使関係の確立に向け千代田区労働組合協議会(千代田区労協)、75年には日本出版労働組合連合会(出版労連)に参加し、その先頭に立って実現した。背景には常に民主的出版物の普及に貢献したいという信念でした。

 退職後は、23年間の運動を記録した組合機関紙や資料を、過ぎた事として廃棄するのは忍び難いと7年間にわたって住まいがあった草加市であったことから「想過思今」として編集、かつての仲間に送付。その集大成は全3巻私家版「日販労働運動史」として刊行された。「出版流通九条の会」の結成にも尽力された。

 阿部さんは81歳で昨年4月に亡くなられたが、相思相愛、同志でもあった夫人の明子さんが今年4月に亡くなられ、生前お二人の遺志で何らかの費用に活用してほしいということでJCJに遺贈された。

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2017年12月25日号

宮下公園での野宿者強制排除についての我々の考え(もしくは)なぜ我々はNPOをとらないのか

 2017年3月27日に、渋谷区は宮下公園を突然封鎖し、野宿者を追い出した。その混乱の中で警察は抗議する仲間のうち二人を逮捕、約20日の拘留の後、一人はおととい釈放されたが、もう一人は未だ渋谷署の代用監獄に監禁されたままとなっている。 この野宿者強制排除は、渋谷駅周辺の再開発の一環として行われた。中でも宮下公園の敷地の真ん中にホテルを建て、その屋上に名ばかりの公園を乗っけるという、三井不動産による大規模開発において、宮下公園で暮らす野宿者の排除は避けて通れない障害であり、最も重要なプロ...

日本の破壊は続く~ 防衛予算をめぐって

フォーラム平和・人権・環境 - 2018/01/01(月) 09:09

 2018年度防衛関係費の概算要求は、過去最大の5兆2551億円に達した。当初予算での増額は、安倍政権下で編成した13年度以降6年連続となる。防衛省が発表した「我が国の防衛と予算」における2018年度の概算要求の考え方では、「格段にきびしさの増す財政事情を勘案し、我が国の他の諸施策との調和を図りつつ」と記されているが、どのように調和を図っているのだろうか。

 義務的経費の増加分を除くならば、防衛費は突出している。その予算の多くが、米国からの軍備品購入に充てられる。1基1000億円のイージスアショア(地上配備型イージスシステム)を2基購入することを決定し、約115億円のオスプレイ17機や約150億円のF-35A戦闘機42機の購入を決定している。米政府に価格決定の主導権のある有償軍事援助(FMS)によって、防衛省が購入した装備品の額は、主に民主党政権時代の2008年から2012年までは3647億円だったものが、安倍政権になった2013年から2017年までで1兆6244億円にも上っている。

 トランプ大統領は、米朝危機を理由に日本の軍備増強を求め、安倍首相は手放しで応じている状況だ。トランプ大統領訪日時のワシントンポストは「日本の指導者安倍晋三は、トランプの忠実な手下の役割を演じた」と報じている。「いまはまさに『すべての選択肢がテーブルの上にある』というトランプ大統領の方針を私は一貫して支持する」と発言する安倍首相は、まさにトランプの忠実な手下に違いない。

 日本の防衛費は、専守防衛の旗の下で、長いことGDPの1%枠内に収めてきた。しかし、安倍首相は「GDPと機械的に結びつける考え方は適切ではない」と述べ、1%を超えての防衛費拡充をにおわせることとなっている。トランプ大統領の要求次第では、平和憲法の下での抑制的措置も失われかねない。

 厚生労働省の専門家会議の調査で、大都市で小学生と中学生のいる家庭では、生活扶助が18万5000円余りで、低所得世帯の収入を2万5000円上回ったとして、14%程度の大幅な引き下げを検討していることが報道されている。「他の諸施策との調和を図りつつ」としながらの防衛費の増額は、お粗末な日本の社会保障政策とどのように関連するのだろうか。敗戦から73年、米国による日本占領はいつまで続くのか。評論家の佐高信さんは、ある集会で「安倍首相と菅官房長官は、破防法違反だ」と言った。日本の破壊が続いている。
(藤本泰成)
 

ニュースペーパー2018年1月

フォーラム平和・人権・環境 - 2018/01/01(月) 08:56

2018年、いや明治150年!?の年明け! 安倍9条改憲阻止!!
 2016年10月、政府は2018年の今年が明治維新から150年を迎えるのに合わせて記念事業を実施すると発表し、国が行う行事に「明治150年記念」の冠をつける方針を打ち出しました。これを受け、今年の国民体育大会および全国障害者スポーツ大会の名称は「明治150年記念第73回国民体育大会」「明治150年記念第18回全国障害者スポーツ大会」に決まりました。なお50年前の1968年10月23日には、安倍晋三首相の大叔父である佐藤栄作首相(当時)が「明治100年記念式典」を行っています。その年の国民体育大会は「明治100年記念」という冠称が付いていました。
 これまで、安倍首相は「米国によって押しつけられた憲法が、日本人の精神に悪い影響を及ぼしている」など、憲法「改正」をめざした発言を繰り返しています。そして、2017年5月3日には、憲法への自衛隊明記を訴え「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と意欲を示しました。憲法「改正」発議をするには、今年2018年、いや明治150年は、安倍首相にとって打って付けの年ではないでしょうか。
 平和フォーラムは、2017年9月に発足した「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」に結集し「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」に全力を挙げて取り組み、改憲阻止に向けた大きなうねりをつくりだしていきます!

インタビュー・シリーズ:128
立憲民主の理念を軸として、次の時代へ
立憲民主党代表・弁護士 枝野幸男さんに聞く


えだの ゆきおさん プロフィール
 1964年栃木県生まれ。中学・高校と合唱部に所属し、中学では、NHK全国学校音楽コンクールに出場。東北大学法学部卒。弁護士を経て、1993年日本新党の候補者公募に合格し、第40回衆議院議員総選挙で初当選。現在9期。2017年10月に結成された立憲民主党代表。

─衆院選挙中「枝野さんありがとう」との言葉を頻繁に聞きました。しかし、立憲民主党の立ち上げは大変だったと思いますが、決断に至る経過はどのようなものだったのでしょう。  新党を立ち上げることが良いとはわかっていても、当初は、無所属で出馬することになるだろうなと思っていました。両院議員総会のあった9月28日の翌日夕方、地元に戻ったのですが、なんとなく新党を作るのだろうという空気がありました。周辺では「民進党で立候補できないの?」「それは無理だろう」という話になり、それでは「新党を立てるしかないね」と、私よりも周りの人たちが、新党結成へという考えになっていたのです。そういう雰囲気があったので、私自身は新党結成の決断そのものに迷ったというよりも、実務的に可能であるかどうかが、むしろ最大の懸念でした。
 10月10日公示に間に合うように、党を作って、候補者揃えて、供託金を準備し、届け出をするということが可能なのかどうか。どれだけの人に、どうのように声かけていったらいいのか。今から新党を立ち上げて、一緒にやろうと言っても、参加してもらえるだろうか。そんな迷いは当然ありました。しかし、一緒に新党を立ち上げることになった辻元清美さん、長妻昭さん、近藤昭一さん、赤松広隆さんらと話し合っていくなかで、間に合わないことがあっても、「立憲民主の旗」をきっちりと立てることが大事なんじゃないかということになりました。大事な決定なので、慎重に考えはしましたが、大きなためらいはありませんでした。

─格差と貧困の問題を、立憲民主党は立ち上げの時から政治課題としてとらえています。この問題と背景にあるアベノミクスについてどのように考えていますか。
 「格差」という言葉は、周知されているので使いましたけれども、むしろ深刻なのは「分断」だと思います。アベノミクスは成功していると思っている人が、世の中には一定数の塊でいます。一方で、本当にひどい生活状況で、なおかつ目も向けてもらえない人も相当な塊でいるのです。単に経済的な差がついているだけではなく、社会の構造として分断されてしまっている。これが深刻だと、私は思っています。
 景気は悪くないと思っている人たちにとっては、貧困は特別な一握りの人としか見ていない。分断されている下の側からすると、自分たちは見捨てられている、放置されていると思って自暴自棄、あきらめきっている。だから、この分断をどうにかしなくてはと思っています。
 「格差是正は景気対策です」。この言葉は、私が選挙の時も強く意識し、これからも言っていこうと思っています。今の分断された状況下で「格差の下の人が気の毒だから、助けてあげましょう」というのでは、分断の中の勝ち組は反応しません。自己責任論という考えに流れていってしまっています。この人たちが、1、2割ならいいのだけれど、自分のことを勝ち組だと勘違いしている人びとが、おそらく半分か半分以上いると思います。そうしたなかで、「気の毒だから助けましょう」と訴えても、マジョリティーにはならない。だから「景気対策」なのです。「社会が分断されて格差が広がれば広がるほど、社会全体の成長力が落ちる」ということを、かなり意識して強く訴えたつもりです。ここに反応してくれた新しい層が、着実に増えてきていると思うのです。
 アベノミクスの考え方は、高度成長期の右肩上がり時代の成功体験でしかありません。人口が減少し、成熟した社会では、強いものをさらに強くすれば、格差はより広がり、ますます分断が進み、必ず消費は落ちます。従って経済にもマイナスであるということを、しっかりと訴えていかなければいけません。多くの人は、株が上がったからいずれ良くなるはずだといまだに感じています。株が先行指数だった時代は終わっています。そこから説明していかないと、なかなか広がりを持たないし、特に勝ち組だと勘違いしている人には届かないと思います。


市民連合の政策要望書を受け取る枝野代表
(2017年10月3日) ─民進党が希望の党に合流する際、改憲への姿勢が問題とされました。立憲民主党は明確に反対の声を上げました。しかし、9条や緊急事態条項に対する闘いは極めて厳しいと思います。
 安倍晋三首相の改憲論は、立憲主義に対する無理解を前提に、憲法をおもちゃに使っているということだと思っています。どこでもいいから条文を変え、とにかく改憲の実績を残したいという安倍さんにとっては、憲法はおもちゃに過ぎない。憲法が権力を制約しているルールなのだという立憲主義の自覚が全くない。だから、同じ土俵で議論のしようがないくらいに前提が違うと思っています。とはいっても、きちんとおかしいことを詰めていかなければなりませんから、正直言って悩ましいところです。

─枝野さんは、護憲という立場にいるわけではないのですね。
 24年前に選挙に出たときからそうなのですが、新聞などで全候補者アンケートがあって「護憲ですか、改憲ですか」と聞かれるわけです。でも答えようがありませんでした。良い方向に変わるなら改憲に賛成だし、悪くなるなら変えるのに反対という立場です。しかし、それではあいまいだと批判を受け続けてきました。良いか悪いかは中身によるので、良い方に変わるのに変えちゃいけないっていう護憲は、僕にとってはありえないと思っています。逆に何でもいいから条文を変えればいいという改憲論も、あり得ないと思います。

─「情けは人の為ならず」って言葉を、枝野さんはよく使っていますが。
 僕のものの考え方の背景にあるのは、政治が短期でものを見るか、長期でものを見るかということなのです。短期でものを見ている人からすれば、アベノミクスは正しいのかもしれない。労働法制のこれまでの改悪が典型ですが、目先の企業利益のためには、安くて首を切りやすい労働者は便利ですよね。でも、安くて首を切りやすい労働者を増やしてきた結果、何が起こるかというと、購買力が落ちるわけですから、消費が停滞する。付加価値を見いだし、それを作り出すのは人材なのですが、貧困の連鎖でしっかり教育を受けられない世代が出てきています。非正規雇用の労働者のなかでは、オン・ザ・ジョブ・トレーニング、すなわち働くなかでスキルアップを受けられない人が多数生まれています。中・長期的な意味からは、ものすごくマイナスなことになってしまいます。
 私たちは、中長期にものを考えましょうと言いたい。目先でものを考えたら損のように感じることでも、長い目で見たら得でしょうということを、ちゃんと国民に政治が伝えなければなりません。政治は、直近の選挙を意識して、どうしても超短期で物事を判断する方向にぶれていってしまいます。それがたぶん安倍政治であろうと思います。しかし、国民に伝えようと思ったら「情けは人の為ならず」の「情けは人の為だけではなく、いずれ巡り巡って自分に恩恵が返ってくるのだから、誰にでも親切にせよ」という本来の意味をみんなが見つめ直さないといけない。
 もう一例出すと、若い世代からは、年金、医療、介護などに力を入れると損だと言われるけれど、それは違う。若い世代の祖父母や親に対する扶養責任は、以前と比べたら大幅に減っています。年金制度が崩壊して困るのは若い世代なのです。介護サービスが十分でないから、現役世代の介護離職が出てくるのです。年金、医療、介護は若い世代のための政策です。まさに「情けは人の為ならず」です。でも、今の日本の政治は、人気取りだけで動いている。だから日本の経済は低迷しているのです。
 安倍政権が続く間に、世の中は本当に刹那主義に陥っています。政治運動のレベルに止まるなら、立憲民主党は政権を担うには至らないでしょう。刹那主義を破り将来を見据えた社会運動にしていかないといけない。刹那的に物事を判断するような社会風潮そのものを一緒に変えていこうという運動にしていかないと、政権には手が届かないと思っています。

─枝野さんが言われる「保守」という考えの中に、自民党が進めてきた戦後政治のあり方に対する疑問があって、以前には「脱近代」とも主張されていたように思います。枝野さんの言う「保守」には、近代への対抗的思想があるのではないでしょうか。
 こういう言葉を使うと誤解されるかもしれませんが、明治維新は「和魂洋才」だったと思うのです。ところが、安倍さんの頭には全くそれがない。要するに、アメリカナイズすることが良いことであると思っているのではないでしょうか。でも、それは、明治維新のスタートの時の意識とは全然違うと思います。欧米流の民主主義や近代資本主義、そして大量生産技術なども、日本は明治維新をきっかけにして導入することが出来たと思うけれど、それが、日本の守るべき歴史と伝統なのかと思っています。
 大量生産型経済というのは、成功はしたけれども今は限界に達している。経済のグローバル化も世界的には限界を迎えているのではないでしょうか。明治維新にスタートした欧米流の近代化政策が、今日壁にぶつかっているのに、そこに戻ってどうするのかという意識が私には強くあります。明治時代以降に取り入れた良い部分をきちんと活かしながら、本来日本社会が大事にすべきなのは何なのか、というのが私の言っている「保守」という一つの意味でもあるし、脱近代ということの一つの意味でもあるのです。
 微妙なテーマである天皇制と9条に関しても、実は明治維新から1945年の敗戦まで天皇が大元帥として統帥権を掌握した、直接軍事に関与したという時代は、おそらく後醍醐天皇の時代と明治・大正・昭和というこの時代だけですね。それだけおかしい時代だった。歴史を知らない人が「保守」とか言ってほしくないですね。
 日本は「和を以って貴しとなす」のはずだから、もともと平和志向なのです。第二次世界大戦で負けたから平和主義になったのではなく、その直前のたぶん1930年代から40年代が日本史にとって異色の時代だったからこそ、憲法9条を取り入れたわけです。
 戦後民主主義も、明治維新からの近代化の行き過ぎた部分を、再び加速させてしまったと思います。私は、あえて「保守」を強調して、戦後民主主義とそこにつながる明治維新より前からの歴史と伝統ということに着目していきたい。例えば、日本の村社会っていうのは、村八分みたいな近代社会では許されないことがあった一方で、相互扶助があったわけです。それが戦後の企業内福祉とか終身雇用制などに繋がっているというような歴史感覚が必要なのではないでしょうか。おそらく安倍さんや、「保守」と声高に叫んでいる人々にはないだろうと思います。そういう意味で、私は近代というものを評価しながら次の時代に入っていきたいと思っています。

─今後、どのようにこの困難な政局を乗り越え、立憲民主の旗を守っていかれますか。
 私自身も民主党、民進党で政権から離れた後の5年くらいは、後付けと言われるかもしれませんが、違和感は覚えながらも、とにかく野党が出来るだけ大きな塊になっていく、大きな政党になっていくということが、自民党に対抗することなのだと考え、その一端を担ってきました。その間の反省を込めて、政治的な主張というのは、クリアでなければいけないと思っています。政治は妥協であるというのも本質だけど、軸があっての妥協であって、軸が感じられないようなものは支持を受けられないのだと痛感してきました。結果として成功するかどうかは別としても、今回私も含めて、立憲民主党の旗で当選させてもらった人間は、まさにその理念政策を明確したことへの期待をもって勝っているわけですから、そこをぶれさせてはならないということは強く感じています。
 軸をぶれさせないで許される妥協の範囲というのは、政治家にとって、それは永遠の命題だと思うのですが、硬直的過ぎてもいけませんが、とにかく今まで軸が見えなさ過ぎたのです。そういう反省が出発点だということは大切にしたいと思います。


新宿駅南口で街頭演説(2017年10月14日) ─衆議院選挙の時に、名古屋駅前で枝野さんの演説を聞いた人が、立憲民主党の近藤昭一選挙事務所に「何か自分にも手伝うことはできないか」と言って訪ねてきたという話がありました。立憲民主党に期待している方は多いです。
 今回の選挙は、24年間私が地元でやってきたことを全国展開しただけなのです。私の地元のボランティアチームの人たちも、私の駅前の演説を聞いて、それで事務所に来てくれた人がほとんどです。最初の2回の選挙は落下傘で、組合の応援もなく大変でした。3回目の選挙からそれなりに格好がつくようなボランティアチームが生まれてきました。まさに街頭勝負で育ってきた政治家なので、今でも街頭で訴え、それに対する反応があり、「何か手伝いたい」とボランティアの方が来ていただけることは、自分が変わってないという意味で、ものすごく安心ができます。
 やはり話す中身と話し方の両面が重要なのです。今も趣味のカラオケで、どうやったら伝えわるかと考えながらトレーニングしています。これはものすごく演説に役に立ちます。間の取り方とか、抑揚の付け方とか。政治家には思いを伝えていく表現力が大事ですね。しかし、そんなこと考えながら演説していたらだめですから、自然に出るようにしないと。カラオケを練習したほうが良いと若い人達に言ってみようかな。
 次の段階は、今回支持してくれた人、手伝ってくれた人たちを、どのように緩やかなネットワークにしていくかということですね。そういう自主的に集まってくれた人を固いネットワークにしてしまってはだめです。緩やかなネットワークで、しかし、ずっと応援し続けてもらうために、まだブレーンストーミングの段階ですが、どうしていこうかと議論を始めています。当面は、全国どこに行っても話を聞いてもらえると思うので、年明けからまた各地を回って、直接訴えていきたいと思います。

インタビューを終えて
 「明治維新からの日本の近代化政策が限界を迎えている。そこに帰ってどうするのか」。枝野さんの言う「脱近代」の姿が浮かんでくる。将来を見据えた社会のあり方を問う場面で、そこに「分断」が立ちはだかっている。格差を通り越して「分断」された市民をどうつなぎ合わせていくのか、「立憲民主党」枝野代表の力の見せ所ではないのか。全力で支えよう。
(藤本泰成)

このページの先頭へ

沖縄はあきらめない!
全国の運動と連帯深め軍事強化と強権政治に抗う
沖縄平和運動センター 事務局長 大城 悟

政府による県民分断を許さない
 名護市辺野古では、県民や全国の支援者の反対の声を押し潰し、政府による埋め立て工事が強行されている。昨年の4月25日から石材を海中に投下した護岸工事が始まったが、現在、大浦側のK9護岸と辺野古側のK1、N5という護岸の工事が推し進められている。すべてが水深のない浅瀬の工事であり、政府のやり方は、できるところを優先させ、工事の既成事実化を図り、国の力を見せつけ、反対運動の衰退を狙ったものである。
 しかし、工事の工程は既に3年以上遅れ、護岸工事以外の本格的な工程の見通しはいまだ立っていない。予想以上に海底地盤は脆弱であり、その対策は簡単ではない。国もそのことを認め、今においてもボーリング調査船を何度も呼び戻し、地質調査を繰り返している。活断層の存在も報道されるなか、逆に焦っているのは国の方である。
 無論、少しずつではあるが工事が進捗しているのも事実であり、連日、ゲート前で反対運動を継続しながら完全に止めることが出来ていないところは悔しいかぎりだ。現場での阻止行動は何といっても数の力であり、工事は遅れているとは言え、楽観してはならない。あらためて阻止行動を強化する決意を固めたい。
 また、沖縄防衛局は工事の遅れを取り戻すため、資材(石材)の搬入を陸上のゲートだけではなく、海上からの搬入を計画し、昨年11月に試験的に海上輸送を実施した。その海上輸送に使われる港の使用許可を沖縄県が許可したことから、県民から不安と疑念の声が上がり、県が釈明することがあった。行政手続きは関連法令に照らして行われるということは一定の理解はするが、ことが事だけに納得いかない県民もいるだろう。しかし、私たちは、翁長雄志知事は一貫して辺野古新基地建設を阻止する姿勢を変えてないこと、そして、これは国のゆさぶりであり、県民の分断を目論んでいることを認識しなくてはならない。
 今後、港の使用については、あらためて沖縄県は許可条件の違反の有無などを精査し、許可の取り消しを含め、適切な判断をすることになる。私たちは、行政と県民が各々の立場でできることをしっかりやり、連帯することが最も需要であることを忘れてはならない。


早朝から飛行訓練をする米軍機(嘉手納基地) 宮古島の自衛隊ミサイル基地を止めよう
 与那国島の自衛隊監視部隊に続き、宮古島と石垣島へのミサイル部隊の配備が強行されている。既に宮古島では、地元住民の反対の声を無視し、工事の準備作業が始まっており、沖縄本島の米軍基地と併せ、沖縄全土が軍事基地化されようとしている。また、米軍と自衛隊の合同訓練の激化に見られるように、今後は、施設の共同使用も拡大され、アジアの緊張がさらに高まるのは明らかだ。軍備による抑止力と沖縄の地理的優位性を標榜した安倍政権の沖縄への基地押し付けは到底許されない。73年前の悲惨な歴史を繰り返してはならず、軍備増強によらない外交、防衛が求められている今、安倍総理の戦争する国づくりの暴走を止めなくてはならない。

弾圧を撥ね退け、名護市長・知事選挙で民意を示す
 2月4日が名護市長選挙の投開票日である。何としても稲嶺進現市長の再選を勝ち取らなくてはならない。市長は「陸にも海にも基地は造らせない」と、市民とともに基地建設に反対する姿勢を一貫して主張してきた。他方、政府からは「国に逆らった」として、基地所在自治体に交付されていた基地再編交付金を打ち切られた。しかし稲嶺市長は、不断の努力によりこれまで交付されていた以上に市の財政を確立させ、市民福祉や教育環境などを充実・拡大させてきた。姑息な国の常套手段である「アメとムチ」を真っ向から否定し、真の地方自治を確立させた行政手腕は高く評価されている。
 これは今後の辺野古の新基地建設に行方に大きく影響しているのは当然であり、ともに県民をリードしてきた11月の沖縄県知事選挙を左右する。名護市の発展と沖縄の未来を掛けたこの2つの選挙に勝利し「新基地NO」の民意をあらためて強く示さなくてはならない。
 山城博治沖縄平和運動センター議長らに対する裁判が、昨年12月20日結審し、判決は3月14日に出される。山城議長に対する検察の求刑は3人で最も重い2年6月で、リーダーとして運動を首謀したとした。これは憲法で保障された国民の権利を抑圧する不当極まりない弾圧である。特定秘密保護法や安保法制、共謀罪法と、この間、安倍政権が推し進めてきた戦争へと突き進む強権政治の典型である。
 沖縄、あるいは自らの権利と平和を願う市民に対する国や権力による不条理な仕打ちに負けてはならない。そして、動き出した憲法改悪を阻止し、平和と民主主義を守っていかなくてはならない。全国の運動とさらなる連帯と決意を固めたい。
(おおしろさとる)

このページの先頭へ

自治体の連携でオスプレイ配備と飛行訓練を止めよう
―自治体アンケート報告集の活用を─
ピースデポ副代表・オスプレイと飛行訓練に反対する東日本連絡会代表世話人 湯浅 一郎

安全性への不安は払しょくされていない
 「オスプレイと飛行訓練に反対する東日本連絡会」は、2017年2月から3月にかけ、米軍横田基地へのCV22オスプレイ配備及び飛行訓練に関係すると見られる81自治体(7都県、74市町村)を対象に、オスプレイに関するアンケート調査を行った。72%に当たる58自治体から回答を得て報告集を作成し、対象とした全自治体及び議員に送付した。
 アンケートの回答から、多くの自治体がオスプレイの「安全性を中心に政府の説明」を求めていることがわかった。後述するように、配備から時間が経つ中で、事故が頻発している状況から、安全性への懸念が払しょくできないと考えている自治体が多く、政府に説明を求めているのではないか。
 群馬県を中心に、長野、新潟、福島、栃木県にまたがる空域は、多くの市民が普通に暮らす空域であるにもかかわらず、米軍は「ホテルエリア」と呼び、この間、空母艦載機を中心に低空飛行訓練が常態化しており、これへの不安と不満が鬱積している状況も背景にある。その結果、具体的な要求として「訓練日、飛行ルートの情報提供」を求めている。この先には「フライトプランの事前提出」が自治体にとって共通の要求課題になることが見えている。
 しかし、2016年12月に沖縄県名護市の海岸で発生した普天間基地配備オスプレイの墜落事故に関しては、横田基地周辺自治体を除き、多くの自治体が「何も行っていない」と答えた。オスプレイの事故は、まだ他人事なのであろうか。しかし、2020年以降、横田基地に特殊作戦部隊の輸送を任務とするCV22オスプレイが配備されれば、本州における低空飛行訓練の実施は必至であることを視野に入れるべきであろう。


沖縄・高江で離着陸訓練を繰り返すオスプレイ 下がらない事故率 政府は説明できず
 こうした背景には、飛行時間が増えているのに事故率は減らず、むしろ上昇している事実がある。普天間基地配備のオスプレイは、近年、事故が絶えない。2016年12月13日、夜間空中給油訓練中、沖縄県名護市の海岸に墜落。さらに、2017年8月5日、豪州で訓練中、海に墜落し3人死亡。8月に大分空港、9月には新石垣空港に緊急着陸するなど事故続きである。
 政府は、配備当初、「オスプレイは10万飛行時間当たりのクラスA事故率が1.93で、海兵隊平均2.45と比べ最も低い。その上、飛行時間が増えれば、この値は更に小さくなる。だから安全」と説明した。クラスA事故率とは、被害総額が200万ドル以上、あるいは死者が発生したような重大事故の10万飛行時間当たりの発生回数をいう。しかし17年9月末時点で事故率は3.27と、過去最高になってしまった。「事故は、パイロットのミスによるもので、機体の安全性に問題はない」としているが、事故率が下がらない理由を政府は説明できないままである。これでは、自治体や住民の安全性への懸念が払しょくできないのは当たり前である。

自治体は市民の有している情報の活用を
 アンケート報告集で我々は、自治体に対し4つのお願いをしている。

  1. 県を窓口に、関係する自治体の連絡会を作り、情報の共有や意思表示を行ってほしい。
  2. 沖縄では、オスプレイ配備に当り全自治体が「反対」の声を上げているが、この声を聴いてほしい。
  3. 地元住民に対し、目撃情報の収集や提供を呼びかけ、市民と協働して、この問題に向き合ってほしい。
  4. オスプレイの運用に対する国内法の適用の第一歩として、航空法第97条に基づき国土交通省に提出している「飛行計画」(フライトプラン)の自治体への開示を求めてほしい。
 多くの自治体は、米軍基地問題の担当がいるわけではなく、大抵は総務課とかが仕事の一部として担っているのが現状である。従って、オスプレイの問題性につき自力で情報を集め、調べることには困難が伴うであろう。それを考慮すれば、整理された情報提供は、大いに感謝されるはずである。本アンケート報告集は、他の自治体の動きや意識を知ることにもなる。
 こうしたことを積み重ねることで、自治体からの信頼感を得られれば、今後、緊密な協力関係を形成できるであろう。自治体は、米軍機の訓練の最前線にいる住民の声を集めることができる強みがある。その声を活かして、自治体が政府に迫っていく構図を作りだすためにアンケートが寄与できればと考えている。
 このアンケートは首都圏エリアでのものであるが、米軍機の飛行は全国展開されているので、他の地域の運動体に対しても、とりくみの指針となりうるはずである。各地の皆さんに活用していただくことをお願いしたい。
(ゆあさいちろう)

このページの先頭へ

食とみどり、水を守る全国集会in熊本を開催
熊本地震からの復興や「水俣病」問題も課題に

 平和フォーラムなどで作る実行委員会主催の「第49回食とみどり、水を守る全国集会in熊本」が11月17~18日に熊本市で開催され、全都道府県から780人が参加しました。同集会は毎年、食の安全や農林業政策、森林や水を中心とする環境問題などについて、情勢や課題を話し合うために各県持ち回りで開かれているもので、今年は、昨年4月に大地震に見舞われた熊本で、震災からの復旧・復興に向けた課題や、61年前に同県水俣市で公式確認された「水俣病」の歴史や教訓を学ぶことも目的に開催されました。


シンポジウムで震災問題を討議
(11月17日・熊本市) 震災のダメージ大きい規模拡大・効率化農業
 全体集会で、主催者を代表して石原富雄・集会実行委員長(全農林労組委員長)は「衆議院総選挙で自公政権が3分の2を超え、憲法改悪の危機も迫っている。農林業政策でも、多面的機能を無視した効率優先の政策が一層進められようとしている。今後の政策や運動方向についてしっかり議論しよう」と訴えました。
 「熊本地震の復旧・復興から見えてきた課題」と題した全体シンポジウムは、「こうした震災は日本のどこでも起こりうることであり、熊本の経験を共有したい」(コーディネーターの久保研一・熊本県実行委員長)として開かれました。上益城農業協同組合の松本和文・益城総合支所長は、地震による農業の被害状況を説明し「特に、最新式の技術・設備を導入して、栽培面積を広げた所の方がダメージが大きい。災害の多い日本では、大規模化一辺倒は問題が多いのではないか」と指摘しました。
 熊本市内の水道局に務める佐藤智洋さん(全水道労組)は、水道の復旧に尽力した経験を振り返りながら、「熊本はまだ回復も早かったが、これが東京など水道管の老朽化が激しい大都市で起こったならば大変なことになる。今から対策が必要ではないか。また、水道事業は公営の方がこうした災害には強い」と民営化の流れにも警鐘を鳴らしました。
 地元の熊本日日新聞編集委員の小多崇さんは、被災者の避難所生活などを取材した経験から「さまざまな課題を顕在化させるのが震災だ。みなし仮設住宅を退去した後の生活再建までの見通しや生活困窮、孤立に陥らない目配りが必要だ」などと、今後の課題を提起。これに対して、宮城県の参加者から2011年の東日本大震災の時の仮設住宅問題についての経験が報告されました。
 最後に、「まだまだ道のりは長いが、日頃から祭りをやっているなど、地域のまとまりがあるところは復興が早い。一方、災害時には携帯電話を使った情報伝達が有効だったように、先端技術とアナログな人間関係を組み合わせることが大事ではないか」(コーディネーターの久保さん)などとまとめられました。

水俣病は経済成長重視の国策の問題
 特別報告として「水俣病の歴史と教訓、そして今の水俣に学ぶ」として、水俣市立水俣病資料館館長の島田竜守さんが、事件の発生から今日までの動きを説明し「水俣病は単に一企業の問題ではなく、経済成長を重視し、人の命や環境を省みなかった日本の国策の裏に隠れた大きな問題として捉え直すべきだ」と訴えました。第2日目の分科会でも「シンポジウム水俣病問題を考える」が持たれ、熊本学園大学水俣学研究センター研究員や、水俣病裁判を支援してきたチッソの元労働組合委員長、長年、水俣病問題を取材してきた地元新聞記者などが、「水俣病はいまだに終わっていない」として、今後の課題を議論しました。
 一方、「食の安心・安全・安定」を課題とする分科会では、県内の農業生産者や生協理事長から有機農業の拡大への課題が提起、また、広島県内の学校給食栄養教諭からは「食育事業により、子どもたちが地域に目を向け、農家に感謝の気持ちを持つようになってきた」との報告がありました。
 「食料・農業・農村政策」をめぐっては、安倍政権の進める「グローバル農業」化の動きに対し、県内の生産者、県議会議員などから「輸出依存ではなく、内需拡大を目ざす農林業を」「過疎が進む地域を立て直すために環境支払い制度が必要」などと提起がありました。
 「森林・水を中心とした環境問題」の分科会では、九州森林管理局担当者から、熊本地震や九州北部豪雨を例に山地災害と復興対策についての報告があり、森林の適切な管理の重要性が指摘されました。一方、大阪の市民運動団体代表から大阪市の水道民営化計画に対する取り組みが報告され、「水道民営化は時代遅れであることを市民に訴え、民営化を止めた。自治体行政への住民の関与が大切」と訴えました。
 また、フィールドワーク分科会は、熊本地震の被災地である益城町や南阿蘇村を訪ねて、震災の実態を目の当たりにしながら、被災地の「震災の語り部」から説明を受けました。
(市村忠文)

このページの先頭へ

韓国の脱原発政策の実情
福島惨事の教訓を活かせない韓国の原子力ムラ
円仏教環境連帯(韓国) キム・ポンニョ

進展しない「脱核」を宣言後の原発政策
 新たに誕生したムン・ジェイン大統領の原子力政策には大きく失望させられている。ムン大統領は「老朽原発は寿命延長しない、建設中のものは白紙化させる、増設はない」と公約し、期待と関心が高かった。大統領に就任してからいつ建設を中断させてくれるのかを反原発派は待っていた。
 昨年6月19日、古里1号機の閉鎖式典に参加したムン大統領は「もうこれ以上新しい原発建設はない、これからは脱原発へ向かう」と「脱核」宣言をした。しかし白紙化の対象である建設中の新古里4号機と新ウルチン1・2号機には一切言及することなく、新古里5・6号機の建設中断の是非についても公論で決めると発表した。明らかにこれまでの公約とは違うにもかかわらず、反原発派は、公正で徹底的な議論の場が保障されるなら勝つと考え、公論化を受け入れた。
 公論化委員会が無作為に市民500人を任命し「市民参加団」を作り討論させた。しかしながら結論の発表までに3ヶ月という期間はあまりにも短すぎた。巨大な建設会社や韓国水力原子力発電(韓水原)を始めとする核産業界の嘘をただす時間も足りなかった。原発ゼロでも十分な電力設備があるにもかかわらず「原発建設を中断すると、3割近く建設したお金が無駄になり、電気料金も高騰する」と宣伝された。さらに、「再生可能エネルギーが原発を代替することは不可能だ」と原子力工学や機械工学の教授たちが推進のラッパを吹いた。「建設中断は困るので新古里5・6号機を最後の建設にするから、これだけは建設させてほしい」という訴えが、公論化「市民参加団」を動かしたようだ。もっとも、この「市民参加団」には最初から建設継続の賛成派が多数いたことが後で分かった。
 強固な原発推進派の自由韓国党は、「脱原発政策は原子炉輸出の障害であり、重金属の固まりであるソーラーパネルを屋根に乗せてそれでも生活しますか」、など強烈な発言(虚偽)を振りまいている。にもかかわらず青瓦台(大統領府)と与党は、中立を理由として沈黙していた。国営のテレビKBSや公営のMBC放送局は、ちょうどストライキの最中だった。とんでもない攻撃をただす反論の機会を逸してしまった。
 新古里5・6号機の建設継続には「市民参加団」の59%が賛成する一方で、原発は拡大よりは縮小だという意見が4倍以上も多く、矛盾する意見が出て驚かせた。しかし最初から推進派が多く、議論が深まらないまま多数決で決まってしまった。民主主義の仮面を被りながら、それでいて少しも公正でなかった公論化の議論を、「円満に成功させた」と青瓦台は自画自賛し、マスコミもそれに追随した。


200回目の霊光原発定例抗議デモ(2016年9月) 建設中断と早期閉鎖に主力を
 現在、韓国の原発24基と、建設中である5基は、霊光にある6基以外は全て東海(日本海)に並んでいる。さらに建設中のものは世界で一番大きい140万キロワットで、5基の出力を合わせると古里1号機(58.7万kW)の10倍を超え、設計寿命も30年から60年に延びている。慶州にある月城1~4号機のキャンドゥ炉以外は全て加圧軽水炉である。事故が起きると放射能は偏西風に乗り日本海へ流れる。
 耐震設計はたった196ガルに過ぎない。地球は地震の活動期に入っており、韓国でも地震が襲っている。2016年9月、慶州でマグニチュード5.8、2017年11月には、ポハンでマグニチュード5.4の内陸地震が発生して韓国人を震わせた。韓国には大きい地震がないと思いがちだが、歴史的に見たら1600年代と1700年代には推定規模マグニチュード7以上の地震が起きて死者が発生している。
 韓水原は、御用学者や原子力文化財団を利用して、韓国の原発は世界一安全だと宣伝している。今まで大きい事故がなかったし、岩盤の上に造ったので安心できる、水素除去装置を設置したので万が一核燃料が溶けても水素爆発はないと豪語している。大地震が起これば、水素除去装置ぐらい簡単に壊れることは言わないず、市民を騙している。
 反原発派は、公論化の罠に落とされた。慶州地震よりポハン地震の方が規模は小さかったのに、被害は5倍も大きかった。もしポハン地震が公論化議論の途中で起きたら、議論は違ったものになっただろう。地震が多発しつつある韓国でも脱原発を急がねばならない。古里原発や霊光原発でも格納容器ライナーの内張り鉄板で穴が幾つも空き、補修したことが明らかになった。霊光4号機では蒸気発生器内でハンマーが発見され、蒸気発生器を丸ごと交換することが発表された。事故や事件が次々と明らかになりつつある。
 政権は代わったけれど、原子力ムラは健在で、原発に関連する恐ろしいニュースだらけである。始末できない核のごみ問題と原発震災の危険性を浮き彫りにしながら原発安全神話を壊したい。

このページの先頭へ

核兵器発射ボタンの指 米上院で41年ぶりに議論

 昨年11月14日、米国上院外交委員会は大統領の核兵器発射命令に関する公聴会を開きました。この問題についての公聴会は41年ぶりのことです。次回選挙の不出馬を表明しているボブ・コーカー委員長(共和党)は、秋に「彼がしているようなコメントでは我々は第3次世界大戦に向かっていることになるかもしれない」とトランプ大統領の言動について懸念を表明していました(ニューヨーク・タイムズ10月9日)。この日の公聴会では「大統領がこの命令を出す唯一の権限を持っている。それが敵からの核攻撃に対応するものであるとないとにかかわらず。この命令が出され、それが本物であることが確認されれば、これを撤回する方法はない」と述べています。公聴会開催の背景には、大統領の権限を制限するための法案を提出しているエドワード・マーキー上院議員(民主党)らの働きかけがありました。元戦略軍司令官ら3人の証人は、現状でも大統領は軍部などのアドバイザーらと協議する体制になっており、このような制限を課すことには慎重であるべきだと主張しました。マーキー上院議員は「将軍たちを信頼して大統領の監視役を任すべきとは思わない」と応じました。

大統領の権限を制限する法案と公聴会
 マーキー上院議員らの法案は次の通りです。(1)議会の宣戦布告なしの核兵器先制使用を禁止する法案(マーキー上院議員及びテッド・ルー下院議員(民主党)、トランプ大統領就任から4日後の2017年1月24日提出)(2)議会の承認のない北朝鮮に対する先制攻撃を禁止する法案(マーキー上院議員及びジョン・コニャーズ下院議員(民主党)、2017年10月26日提出。コニャーズ議員が12月5日にスキャンダルで辞職したため先行き不透明)(3)議会の承認のない北朝鮮に対する先制攻撃戦争を禁止する法案(クリストファー・マーフィー上院議員10月31日提出)(4)核兵器先制不使用を米国の政策とする法案(準備中。アダム・スミス下院議員がナンシー・ペロシ下院民主党院内総務の支持を得て)。
 今回の公聴会が開かれたことは、「北朝鮮はこれ以上米国を脅さない方がいい。世界がこれまで見たことのないような怒りと炎に見舞われることになる」(8月8日)などと発言しているトランプ大統領が核兵器使用命令を出せば数分のうちに核兵器が発射されてしまう現状についての懸念が広がっていることを示しています。

証人らは大統領の権限制限に否定的
 3人の証人の発言は次のようなものでした。
ロバート・ケーラー元戦略軍司令官(空軍大将)
「米国軍部は大統領の命令があればそれが何であれ目を瞑って従うわけではない。核兵器使用の大統領命令は違法なものであってはならない。」
(18日、現在の戦略軍司令官(空軍大将)ジョン・ハイテンがカナダ・ハリファックスで開かれた国際安全保障会議で、同様の発言。大統領が違法な命令を出せば、軍部は合法的な代替案を「提案する」というもの。)
ブライアン・マッキーオン元政策担当国防次官代理(オバマ政権)
「国家安全保障会議(NSC)や文民及び軍部のアドバイザーと協議するようになっている。」(差し迫った脅威となっていない核兵器国と戦争を始めることを考慮しているなら、そのような行為は議会の承認を必要とすると説明。トム・ユーダル上院議員(民主党.)に「差し迫った脅威」の定義を聞かれ、状況によると答えた。要するに、大統領が独自に判断できるということ)。
ピーター・フィーバー元NSCスタッフ(クリントン及ブッシュ(子)政権)
 軍部には「命令は合法だとの推定がある」、「状況によっては他の閣僚らの承認を必要とするようにするなど、改善の可能性を考えてみてもいい。」
 ユーダル上院議員が核兵器の「先制使用についての決定を有効なものにするには少なくとももう一人の承認を必要とするようにするのが理にかなっていないか」と問いかけましたが、3人ともこのような変更に反対しました。
 現状でも文民が関与できるという話について、ウイリアム・ペリー元国防長官(クリントン政権)はそんなことにはなっていないと言います。「命令は直接戦略軍に行くかもしれない。国防長官はこの過程に必ず入るようにはなっていない。だから、5分、6分、7分というような決定において、国防長官は恐らく、時すでに遅しという段階まで耳にしないだろう。もし、時間があって、大統領が国防長官と相談したとしても、それは助言にすぎない。それだけだ」(ポリティコ、2017年11月14日)。
 コニャーズ・マーキー法案を通過させるべきだというペリー元国防長官は「今は通過しそうにないが、状況は変わるかもしれない」と述べています。

核兵器の本質にかかわる問題
 マーキー・ルー法案の支持者は増えてきています。現在、上院は13人(一人は無所属)、下院73人(一人は共和党)。上院では民主党議員の4分の1、下院では3分の1の支持を得ているということです。マーキー上院議員は、公聴会で「米国あるいは同盟国に核攻撃があったというのでなければ、一人の人間が人類によって考え出された最も大きな破壊力を一方的に解き放つ権限を持つべきではない」と述べました。今回の焦点は米国のトランプ大統領ですが、特定の国の特定の指導者に関わる問題というより、核兵器の本質にかかわる問題です。
 *本稿は主として米プラウシェアーズ財団のトム・コリーナ(ディフェンス・ワン、17年11月14日)と米NGO軍部管理軍縮協会(ACA)のキングストン・レイフ(ACA、17年12月1日)及び米憂慮する科学者同盟(UCS)のスティーブン・ヤング(私信、17年12月)に依拠。

このページの先頭へ

《投稿コーナー》
技能実習法の成立とその限界─安易な拡大は根本的な改善にならない
移住者と連帯する全国ネットワーク・運営委員/公益社団法人 自由人権協会・理事 旗手明


外国人労働者の権利を求めてデモ
(2017年3月12日・日比谷野音) 急増著しい技能実習生 労働法違反も頻発
 いま日本は超高齢化社会に向かう中、外国人労働者は2016年に100万人を超え、在留外国人は17年6月には247万人に達しており、日本社会はすでに外国人、外国人労働者とともに歩む時代に入っています。
 他方、日本政府は、ここ数年、外国人の建設・造船就労者、家事支援人材、在留資格「介護」の創設、農業支援外国人(特区のみ)など、矢継ぎ早に外国人労働者の導入政策を展開してきています。しかし、「移民政策と誤解されないように」という安倍晋三首相の言葉に従ってか、包括的な外国人労働者政策が描かれないまま、人手不足の厳しい分野からなし崩し的に受け入れるものとなっています。
 こうした中、17年11月1日に技能実習法が施行されました。1993年に始まった技能実習制度は、それまでの「研修」と連結されワンセットで実施されてきました。しかし、さまざまな人権侵害が明らかとなったことを受けて、「研修」とは分離して、労働法を全面的に適用する在留資格「技能実習」が2010年7月に創設されました。それでも問題解決の見通しが立たず、今回、特定の在留資格に対する単独立法としては初めて技能実習法が制定されたのです。
 現在、技能実習生は急増しており、その在留数は、2011年末の141,994人から17年6月末には251,721人(77.3%増)となっており、就労可能な在留資格545,549人の46.1%を占めています。
 そして、厚生労働省労働基準局が毎年発表する「外国人技能実習生の実習実施機関に対する監督指導、送検の状況」をみると、労働法規違反の事業場数も、13年の1,844件から16年は4,004件と2倍を超えて増加しています。違反内容としては、「時間外労働に対しては、実習1年目は時間単価が300円、2年目は400円、3年目は450円しか支払われない」「技能実習生4名に、最低賃金額未満の賃金及び不払の割増賃金、総額約520万円が支払われた」「繁忙期の人手不足で、実習生11名に1ヵ月最長130時間程度の違法な時間外労働を行った」などとなっています。

送出し機関への刑事罰規定が無いなど多くの欠陥
 技能実習法では、(1)監理団体を許可制とし、実習実施者を届出制とする、(2)技能実習生ごとに作成する技能実習計画を認定制とする、(3)技能実習機構を新設し、実習計画の認定、実地検査、実習生に対する相談・援助等を行う、(4)人権侵害について罰則を規定する、などの規制策を定めています。また、送出し機関への規制は、送出し国との二国間取決め(協力覚書)によることとし、2017年11月までにベトナム、フィリピン、カンボジア、インドの4か国と締結しています。
 他方、拡大策では、優良な実習実施者・監理団体に限定して、技能実習3号(2年間=従来の3年から5年への延長)を認めることとしたほか、受入れ枠の大幅な拡大、受入れ職種の拡大も図られています。しかし、こうした拡大の前提となる「優良」の判断基準は極めて甘く、安易な拡大になってしまう可能性が高いと言わざるを得ません。
 旧制度での受入れ枠は、常勤職員数が「50人以下」の時は最大9人まででしたが、「41人以上50人以下」では最大60人まで、「6人以上30人以下」は最大36人までなどと大幅に拡大されました。
 しかし、技能実習法には、送出し機関に対する刑事罰規定がないこと、技能実習生の意思に反する強制帰国にも刑事罰が定められていないこと、実習実施者への現地調査が3年に1回にとどまっていること、低賃金労働に対する効果的な規制が図られていないこと、二国間取決めには法的な拘束力がないことなど、多くの欠陥があります。その結果、技能実習法が制度の根本的な改善を実現できるとは到底考えられません。
 また、技能実習・介護の始まりは、技能実習制度が生産現場のみならず、人々の生活の場に進出することを意味しています。と同時に、介護を受ける人たちのいのちと健康に直結していることも忘れてはなりません。しかし、実習生の日本語能力が十分担保されておらず、サービスの質や緊急時の対応などにも懸念が残っており、介護分野への拡大には大きな問題があります。
 技能実習制度に対しては、「強制労働」や「人身売買」として国際的な批判が続いています。国連からは、2008年の自由権規約委員会をはじめ、女性差別撤廃委員会、人身売買に関する特別報告者、移住者の人権に関する特別報告者、人種差別撤廃委員会などから問題が指摘され続けています。また、米国国務省人身取引報告書では、2007年から2017年まで毎年問題を指摘されています。
 このままでは技能実習制度の改善が覚束ないまま、制度の急速な拡大が進行することになります。私たちは、これまで以上に厳しい眼をもって、技能実習制度の状況を注視しなければなりません。
(はたてあきら)

このページの先頭へ

加盟団体の活動から(第1回)
「白タク」合法化反対、安心できる「ハイタク」へ
全国自動車交通労働組合連合会 書記次長 森田 貫二


安全破壊の白タク合法化阻止!ハイタク労働者総決起集会
(2016年3月8日 東京・日比谷)  全自交労連は終戦後の1947年9月、京都市で、「大衆の足」であるタクシーの公共性を明らかにしつつ、要求の積み上げに取り組み、ハイヤー・タクシー労働者の賃金、労働条件、生活と権利を守る砦として、全自交労連の前身の「全旅労連」として産声を上げました。
 労連の結成宣言には「ハイタク労働者の団結を強調するのみならず、労働戦線全体の統一を熱望している。すべての政策目的は働く者の幸福を伸張するにある如き社会の達成を」と、その展望を明確に指し示し「団結こそは労働者の武器である」ことを誇らかに宣言し、ハイタク労働者の期待を担いつつ、闘う労働運動の潮流に加わりました。
 しかし、ハイタク労働者の要求実現のためストライキ闘争を強化するも、資本の巻き返し攻撃を受け、すでに獲得していた経営参加の権利や人事権などもはく奪され、組織的な攻撃も受け、かなり困難な事態を迎えた時期もありました。その後「神風タクシー追放運動」をはじめ、運転代行や軽貨物による白タク行為排除の闘いを押し進め、この取り組み等を通じて培われた運動は、今日の規制緩和反対の闘いに引き継がれています。
 この20年余は、規制緩和攻撃との闘いに明け暮れた時代でした。1980年代前後に台頭した市場原理万能主義の潮流の中で、ハイタク事業にも規制緩和の圧力が強まりました。私たちは、破壊的な競争により輸送の安全を損ない、良質なタクシーを瓦解させるとその危険性を訴え、規制緩和反対を掲げ組織の総力をあげて闘ってきました。
 いま「シェアリングエコノミー」という美名の下で、「ライドシェア」と称する無資格者が自家用車を使い、一般人をお客とし運賃を収受する、いわゆる「白タク」を合法化しようとする動きが顕著になっています。世界ではウーバーやリフトというIT企業が媒体となり、手数料を搾取し、運送の安全管理や責任は一切負わないということが問題となっています。こうした事業を日本政府は推進し、導入しようとしています。
 私たちは、ハイタク産業全体の命運をかけて、この合法化を阻止するとともに、これからも安全で安心して「大衆の足」となる業界を維持発展させるため、市民団体などとともに団結を強化し闘います。
(もりたかんじ)

このページの先頭へ

〔本の紹介〕
崩れた原発「経済神話」―柏崎刈羽原発から再稼働を問う
新潟日報原発問題特別取材班/明石書店


 いま、東京電力が柏崎刈羽原発を再稼働させようと動き出しています。その是非を問うものの一つとして、原発がこれまで地域社会にもたらした経済効果について、藤堂史明・新潟大学経済学部准教授(環境経済学)と新潟日報が協力して実証的に分析したのが本書です。地元企業100社に、原発がどれだけ経済的恩恵を与えているかをアンケート調査した結果、原発による地域発展がいかに「幻想」であったかが明確に示されています。
 私たちは、原発がなければ地域社会は発展しない、経済も良くならないと、原発推進側からよく言われてきており、いまも言われ続けています。電源三法交付金などで、立地地域に道路や箱物などが整備され、多額の金が動き、豊かになったように感じられました。柏崎刈羽原発でも建設工事などで活況を呈した時期も確かにありましたが、それもその時だけでした。工事が終われば状況は一段落となり、税収も年々減っていく。原発に頼ればさらに原発を誘致するという「悪循環」に陥ることになります。そして福島県双葉町に象徴されるように、財政が破綻し、早期健全化団体へと自治体が転落するところまで出始めました。原発で永続的に栄えた町はないのが実態です。
 柏崎刈羽原発を分析することによって、原発=発展、地域社会に原発は不可欠とする「経済神話」が虚構であったことが様々なデータによって浮かびあがりました。そのことは各地の原発立地地域にも共通する構造だと思います。「幻想」の後に残るのは、原発の廃炉と危険性だけです。そのことを実証的に示した本書は、一読の価値があるものです。
 また、東北電力管内の新潟県や福島県に東京電力の原発が設置された、その根本的な遠因についても紹介しています。電力が地元ではなく、首都圏の大電力消費地に送られていく構造が、すでに明治期から始まっていることが述べられ、地域の発展より都市の発展が優先される構造が今日まで連綿と続いていることが明らかにされています。地方の収奪によって都市の繁栄がもたらされていることが如実にわかります。
 まさに今にもつながる話であり、その原発を再稼働させようとする動きは、「経済神話」の延命と「地方の収奪と危険性の押し付け」を固定化するもので、許されるものではありません。
(井上年弘)

このページの先頭へ

核のキーワード図鑑


武器と原発でもうけたい

このページの先頭へ

戦争とめよう!安倍9条改憲NO!
2018年新春のつどい

 改憲をめぐる情勢と今後の取り組みについて、1月7日に「新春のつどい」が開催されます。多くの参加を呼びかけています。

日時:1月7日(日)14:00~16:30(入場無料)
場所:東京都北区王子「北とぴあ・さくらホール」(電:03-5390-1100)
   (東京メトロ南北線・王子駅5番出口直結、京浜東北線・王子駅北口徒歩2分)
内容:○ミニ・トーク:松尾貴史さん(俳優)
    ○講演:石川健治さん(東京大学教授)
    ○立憲野党あいさつ
    ○3000万署名運動リレートーク主催:安倍9条改憲NO!全国市民アクション
    戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

安倍9条改憲を許さない、安倍内閣の退陣を要求する1・19行動

日時:1月19日(金)18:30~19:30
場所:衆議院第二議員会館前
主催:安倍9条改憲NO!全国市民アクション
    戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

国連安保理、2017年に4回の北朝鮮制裁決議を採択 決議に沿えば、米国は平和的解決をめざさねばならない 湯浅一郎

フォーラム平和・人権・環境 - 2017/12/31(日) 14:06

 17年9月11日、国連安保理は朝鮮民主主義人民共和国(DPRK、以下、北朝鮮)が同年9月2日に行った6回目の核実験に対する非難・制裁決議(2375)を全会一致で採択した。

北朝鮮への輸出入の制限を強化した安保理決議2375
  決議●1は前文で、DPRKの核・ミサイル関連活動により「国際の平和と安全に対する明確な脅威が引き続き存在している」とした上で、同決議が国連憲章第7章(平和への脅威)第41条(兵力の使用を伴わない措置)に基づくことを明記する。「第41条」は安保理が決定し加盟国に要請できる「兵力の使用を伴わない措置」を規定しており、06年10月14日に採択された北朝鮮の核実験への最初の非難決議1718以来、安保理の対DPRK決議はすべて第41条に基づいてなされている。今回の決議は、決議1718以来9度目で、これまでの決議の継続を前提に、それらに上乗せするものである。
決議は、まず主文第1節で「9月2日の核実験を最も強い言葉で非難」する。第3節から第23節で決議1718を基準にして制裁対象を様々な領域に拡大し、加盟国が履行すべき義務を詳しく規定している。今回、新たに加わった主なものは以下である。
◆加盟国は、液化天然ガスや天然ガスの副産物である軽質原油コンデンセートの全面輸出を禁止(第13節)。
◆加盟国は、石油精製品の輸出量として年間200万バレルに上限を設定(第14節)。
◆北朝鮮への原油供給の年間上限は過去12カ月の総量とし、現状を維持(第15節)。
◆北朝鮮の主要輸出品である繊維製品は契約済みなどを除き輸出禁止(第16節)。
◆海外での北朝鮮の出稼ぎ労働者の受け入れは安保理制裁委員会が認めた場合以外は禁止し、雇用契約が切れた後の更新も禁止(第15節)。直近の8月5日の制裁決議2371では更新は許されていた。
◆公海上で決議違反の物資を運んでいる疑いがある船舶への臨検を加盟国に要請(第7節)。
米国は当初、「可能な限り強力な制裁決議を目指す」と宣言した。今回、初めて原油の全面禁輸を盛り込もうとしたが、ロシアと中国がこれに強く反対したため、米国は、全会一致をめざすことを優先し、全面禁輸は見送り、現状保持に留めた修正案を採択した。それでも、禁輸対象は、石油精製品の輸出制限や、液化天然ガス等の禁輸が加わった。更に北朝鮮輸出総額の第2位を占める繊維製品輸出の禁止が加わったことも大きい。既に安保理決議2270により北朝鮮産の石炭、鉄鉱石、金・チタン鉱石など鉱物資源の輸出禁止●2が実行されている上での繊維製品禁輸の追加措置で輸出総額の9割相当の北朝鮮産品が禁輸対象となったことになる。従来からの決議を含め、一連の決議は、世界中からDPRKやその関係組織に流出入し往来する「ヒト、モノ、カネ」を断つことを狙うものとなっている。

それでもミサイル発射を続ける北朝鮮
本決議に対し北朝鮮は直ちに米国を強く非難する声明を発し、強い抗議の意思を表明した●3。声明は、米国を強く非難し、「今後の北朝鮮による措置は、歴史の中で最大の痛みと苦しみを米国にもたらす」とした。そして直後の9月15日、北朝鮮は、弾道ミサイル「火星12号」を北海道上空に向けて発射し、これは約3700km飛翔し、太平洋に落下した。
更に11月29日未明には、米本土にも到達可能な飛行距離1万3千キロにもなると見込まれる新型ICBM「火星15号」の発射実験を行なった。これは、「最高高度4475キロに達し、水平距離950キロで53分飛行し、日本海中央部のあらかじめ設定された海域に落下した。」●4。
  11月29日に新型とみられるICBM級の弾道ミサイル「火星15号」の発射実験を行ったことを受け、17年12月22日、国連安保理は、更なる制裁措置を強化する10回目となる決議2397号を全会一致で採択した。累次の決議に加え、「石油分野における更なる供給規制や報告義務の新設による手続きの厳格化のみならず,北朝鮮の輸出による外貨収入を事実上枯渇させるための措置や,北朝鮮籍海外労働者の24か月以内の送還,海上輸送に係る一層厳格な措置」等を盛り込み、「北朝鮮に対する制裁措置を前例のないレベルにまで一層高める」ものとなっている●5。詳細について別の機会に譲るが、基本的な構図は従来のものと同じである。また参考に資料1として過去8回目までの安保理決議の日時と内容を添付した。

過去8回の安保理決議

いずれにせよ2017年には、6月,8月,9月,12月と何と4回にわたる決議が採択されたことになる。
しかし経済的には、それなりに厳しい制裁決議が次々と出されるにも拘わらず、北朝鮮が核・ミサイル開発を抑制する姿勢は一向に見られない。中ロの提案するダブル・フリーズも無視され、緊張を解く糸口は見いだせないままである。

「平和的に事態を解決する約束をする」主文第29節
こうした中で、トランプ大統領は、17年9月の国連総会での演説で、「米国と米国の同盟国を守らなければならないときは、北朝鮮を完全に破壊する選択肢しかない」と発言したように、全ての選択肢がテーブルにあると息巻き、武力行使による対応もありうるとの立場を公言している。そして安倍首相は、このトランプ大統領の姿勢を全面的に支持するとしている。しかし、本決議の主文第29節は、以下のように書いている。
「29.  朝鮮半島と北東アジア全体で平和と安定を維持することの重要性を繰り返し表明する、平和的、外交的そして政治的な事態の解決への関与を表明する、そして委員会メンバー並びに他の国々の対話による平和的、包括的な解決に向けた努力を歓迎する;そして朝鮮半島とそれを越えた地域の緊張を減らすための取り組みの重要性を強調する。」
つまり「朝鮮半島と北東アジア全体で平和と安定を維持することの重要性を繰り返し表明し、平和的、外交的そして政治的に事態を解決することを約束する」としており、武力行使はしないことを誓約しているのである。これに照らせば、トランプ大統領や安倍首相の発言や姿勢は、明らかに主文29節に違反していると言わざるを得ない。その意味で、本決議は、米国が軍事的な行動に踏み出すことを抑制する機能を果たしている。
更に主文28節には、以下のような記述がある。
「28.  6か国協議への支持を再確認し、その再開を求め、2005年9月19日に中国、DPRK、日本、韓国、ロシア連邦、及び米国によって発出された共同声明に記された、6か国協議の目的が平和的な方法による朝鮮半島の検証可能な非核化でること、米国とDPRKが相互の主権を尊重し、平和的に共存すると約束したこと、そして6か国協議が経済協力の促進を約束したこと、及び他の関連する誓約を含む、諸誓約への支持を繰り返し表明する。」
即ち、「6か国協議への支持を再確認し、その再開を求め、」「6か国協議の目的は平和的方法による朝鮮半島の検証可能な非核化である」としており、「平和的、外交的な事態の解決」の手段として6か国協議があることを示唆している。本決議も含め、これまでの全ての制裁決議が主文においてこのように記述しているのである。
この際、国際社会は、制裁をより強化してきた10年強にわたる経過を全体として振り返り、第28節を呪文の如くくり返すのでなく、本気で具体化させていく方向、即ち6か国協議の再開に向け舵を切るべきである。
以上、見たように国連安保理決議は、北朝鮮に対し厳しく経済的な制裁措置をとってはいるが、一方では主文において6か国協議の意義を支持し、かつ問題への対応策として「平和的、外交的な事態の解決」を約束している点を忘れてはならない。これは、トランプ政権が一方的に武力攻撃による解決へと向かうことを食い止める役割を果たしている面があることに留意せねばならない。


●1   「核兵器・核実験モニター」第534号(2017年12月15日)に抜粋訳。
●2  「核兵器・核実験モニター」第492号(2016年3月15日)。
●3 「朝鮮中央通信(KCNA)」2017年9月11日。英語版サイトから日付で検索。
www.kcna.co.jp/index-e.htm
●4  「朝鮮中央通信(KCNA)」2017年11月30日。
●5 「国連安全保障理事会決議の採択について(外務大臣談話)2017年12月23日。

【今週の風考計】12.31─ウオッチ・ドッグとして歩んでいきたい

日本ジャーナリストクラブ(JCJ) - 2017/12/31(日) 10:00
◆ゆく年くる年、酉が飛び立ち、戌が走ってくる─使い納めとなる年賀52円はがきに、「9条が正念場、懐憲ストップ! 力を合わせよう」と認め、投函する。

◆このほど組まれた防衛予算を見れば、背筋が寒くなる。なんと5兆2千億、6年連続の増額、過去最高となる。弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の導入だけではない。射程千キロに及ぶ巡航ミサイルを、ステルス戦闘機に搭載するシステムの予算化まで図る。
◆加えて護衛艦<いずも>を「攻撃型空母」へ改修する計画だ。空母化すれば米軍のステルス戦闘機F35Bが垂直のまま離着陸できる。まさに「専守防衛」どころか「敵基地攻撃能力」を持つ兵器の導入と活用のオンパレードじゃないか。憲法9条2項「戦力の不保持」を踏みにじる“戦争予算”と言っても過言ではない。

◆政官歩調を合わせ、南スーダンPKO部隊に派遣された自衛隊の「日報隠し」に始まり、<モリ・カケ>疑惑にはフタをし、「ご意向や忖度」にキュウキュウとする。国会では「共謀罪」法を強行可決し、準備・計画・未遂の行為まで処罰する。政治権力にとって、目障りな人々や組織を監視・処罰する法律に一変するのは必定だ。
◆あらためてJCJは、「忠犬ポチでなく、ウオッチ・ドッグ」に徹したい。しかも市井に暮らす人びとの心に寄り添い、危険を嗅ぎとったら鋭く吠える役目を果たしたい。

◆お年玉は、初読みにおすすめの一冊、ボストン・テラン『その犬の歩むところ』(文春文庫)をあげよう。犬も人間も等しく翻弄され過酷な目に遭うが、互いに助け合いながら逆境を克服していく感動の物語だ。(2017/12/31)

≪おすすめ本≫ 新垣毅『沖縄のアイデンティティー』 沖縄メディアで奮闘する記者の情熱と使命感=米倉外昭(「琉球新報」文化部記者)

日本ジャーナリストクラブ(JCJ) - 2017/12/30(土) 13:36
 「新聞記者をしながら本を書く」ということがどれほど大変なことか、私には、正直なところ実感できていない。今年、2人の畏友がそれを実行した。
 沖縄タイムスの阿部岳『ルポ沖縄 国家の暴力』(朝日新聞出版)が8月に発刊された。そして11月、琉球新報の新垣毅『沖縄のアイデンティティー』(高文研)である。

 阿部は北部支社報道部長として基地問題の最前線を担当。副題は「現場記者が見た『高江165日』の真実」である。全国から機動隊を動員してヘリパッド(オスプレイ発着場)の建設工事が強行された「戒厳令下」の現場を、軍事基地に反対する住民の立場に身を置いてリアルに描写。「政府の暴走を本土の無関心が可能にしている」と指摘する。
 名護市安部海岸のオスプレイ墜落など、大事件が相次ぎ、忙殺されている阿部が本を出したと知った時は驚いた。あとがきに、半年間、休日を全て執筆にあてたとある。日本全国に伝えなければという強い情熱と使命感ゆえであろう。
 ネトウヨの攻撃にもさらされている沖縄メディアには、多くの「本土」出身記者がいる。東京生まれの阿部は「沖縄に対する本土という多数派、加害者の側にいる者として」「責任の果たし方は、これからもずっと問われていくだろう」と記し、本土出身という「十字架」を背負って現場に身を置くことの決意を示した。

 一方、新垣は「沖縄人」としてアイデンティティーを正面から問うた。東京支社報道部長の新垣は、沖縄と「本土」がぶつかり合う第一線である東京で多忙な日々を送る。そんな中で、20年前の修士論文を基に、その後の取材や変化を踏まえて加筆・修正したという。
 記号論、言説(ディスコース)理論、ポストコロニアリズムなどの用語は、ややとっつきにくいが、「うちなーんちゅとは何者か」と自問自答しながら、格闘してきた成果を結実させた。これも情熱あふれる一冊である。

≪リレー時評≫ 最高裁の受信料制度「合憲」判決、公共性が問われるNHK=隅井孝雄

日本ジャーナリストクラブ(JCJ) - 2017/12/28(木) 09:28
 NHKの現行の受信料制度について、最高裁判所は12月6日「合憲」と認めた。
 放送法は「NHKを受信できる設備を設置した者は、NHKと受信契約を結ばなければならない」としている。一方受信料の支払いは、NHKの内部規約だ。そこでこれまで「受信者はNHKの番組や経営姿勢に同意できない場合には、支払拒否もありうる」という解釈が有力だった。判決は「双方の意思表示の一致は必要だ」としながらも、「受信料は合理性、必要性がある」とした。NHKとっては追い風だ。

 1990年代の初頭、本多勝一『受信料拒否の論理』に触発されて、受信料拒否が注目された。2004年紅白歌合戦の制作費着服の発覚をきっかけに、不払いが広がり、2005年1月海老沢勝次会長が引責辞任した。収納率は低下、2006年度末までには63%まで落ち込んだ。NHKが不払いに対する裁判を始めたのは2006年11月からだった。
 その後、籾井勝人元NHK会長が、「政府が右というものを左とは言えない」と発言(2014年1月)、政府寄りの姿勢を見せたことから、市民の新しい運動形態として「籾井退任まで支払いを保留する」という動きで、一期での退任という結果となった。
 受信料訴訟のほとんどはNHKによる。だが奈良地裁では視聴者が「NHKは放送の公正を守っていない、放送法順守義務違反だ」として46人が集団訴訟している。

 現在、NHKはインターネットへの放送再送信を計画しており、受信料をデジタル機器所有者にも付加するかどうかが論議を呼んでいる。デジタル時代、変化する受信料環境に、最高裁は全く触れなかった。
 私が注目するのは最高裁判決が受信料の役割を述べている部分だ。
(受信料は)「特定の個人、団体、国家機関から支配や影響が及ばないよう、広く負担を求めた」。「憲法が保障する表現の自由の下、国民の知る権利を充足する」。

 現実はどうか。安倍第二次政権下で、政府主導のメディア操作、NHK御用化が進んでいる。「公正ではない放送を繰り返せば、免許停止もありうる」発言(高市元総務相、2016年2月)、国谷裕子キャスター退任(2016年3月)、「安倍首相の意向を代弁するレポートばかりだ」と批判される記者、秘密保護法、集団的自衛権、安保法制についてNHK報道が民放に比べて著しく不十分、などなどを視聴者は体験している。
 果たしてNHKは「国家機関からの影響が及ばない」、「知る権利を充足する」公共放送なのか、という疑問が市民、視聴者の間で広がっている。

森友で財務省がまた“嘘” ごみ撤去費用10分の1だった

週刊金曜日 - 2017/12/27(水) 11:57

地下埋設物処分費「84,372,643円」と明記されている近畿財務局の算定書。(撮影/片岡伸行)

ごみ撤去費用は8億円超どころか8437万円にすぎなかった――。学校法人森友学園(大阪市)への大阪府豊中市内の国有地売却を「適正」と言い続けている財務省の“嘘”がまた一つバレた。

12月7日に開かれた文科委員会・内閣委員会連合審査会で、森ゆうこ参議院議員(自由党)が示したのは、別の学校法人が同じ国有地8770平方メートルの購入を申し出た際に近畿財務局が作成した2012年7月20日付の「評価調書」。そこでは地下埋設物の処分費用は「8437万2643円」と算定されていた。この学校法人は「7億円前後で購入したい」と申し出ていたが、価格が折り合わず、購入を断念した経緯がある。

しかし、その翌年に森友学園が同じ土地の購入を申し出ると、近畿財務局は特例で10年間での貸付契約を締結(15年5月)。その後、「新たな地下埋設物」の撤去費用として8億1900万円を値引きし、1億3400万円で売却した(16年6月)。しかも、10年分割払いという特例だった。この間、14年12月には安倍晋三首相の妻・昭恵氏が森友学園の建設する小学校の名誉校長就任を了承し、財務省もこれを把握していた。

同じ敷地のごみ撤去費用がわずか4年で10倍になるはずがなく、会計検査院も11月22日の報告書で、8億円値引きの「算定根拠が不十分」と指摘していた。しかも、通常は、不動産鑑定書→審査調書→評価調書→予定価格調書という流れで販売価格を決定するところ、別の学校法人には作成していた「評価調書」を森友学園に対しては「失念」して作成せず。それでも財務省は「売却価格は適正」と言い張る。もはや見苦しい限りだ。

財務省にこの事実を認めさせた森議員は「良心的な事務方は、『完全に詰み』と言っている。森友、加計、詩織さん準強姦事件は国家私物化3点セット。安倍首相が辞めるまで徹底的にやる」と話す。

(片岡伸行・編集部、12月15日号)

戦争の危機迫る 自衛隊員の心境は=橋詰雅博

日本ジャーナリストクラブ(JCJ) - 2017/12/26(火) 17:06
 安倍晋三政権は安保法成立など戦争する国に向かい着々と手を打っている。戦争の最前線に立つことになる自衛官は今、何を思っているのか。東京・練馬区の陸上自衛隊駐屯地を中心に部隊の行動の監視と自衛官への接触を行う練馬平和委員会の坂本茂事務局長(64)に今の自衛官の心境を聞いた。

――安倍政権が戦争する国づくりを進めていることに自衛官はどう感じているのか。
 昨年10月16日に中央観閲式予行訓練が陸上自衛隊朝霞駐屯地訓練場で行われた際、一般向け入場券で駐屯地内に入った。警務隊などが尾行していましたが、「安保法をどう思うか」「8月、家族向けに配布された安保法解説書の感想は」などの質問を自衛官にぶつけた。「安保法は違憲」「入隊する際に署名捺印する『服務の宣誓書』には日本国憲法及び法令を遵守と書かれており、これと矛盾する」「解説書は美辞麗句だらけでインチキ」などと答えた。

20人が答える
 また、PKO(国連平和維持活動)の新任務である駆け付け警護の訓練を経験した自衛官(1曹)は「海外に派遣されたら死ぬかもしれない」ともらした。3年に1回実施される中央観閲式は自衛隊のひのき舞台。予行演習とはいえ、本来は一般の人とのおしゃべりは厳禁です。にもかかわらず直撃インタビューに20人もの自衛官が答えたのは、命が危ういという不安の現れだと思います。

――九条改憲について何か言っていますか。
 九条改憲には口を閉ざしているが、自衛隊のイラク派遣(2003年12月から09年2月)でこんなエピソードがあります。イラクに6カ月間派遣されて帰国した幹部自衛官は、私に「九条があったから生きて帰れた」と話してくれました。憲法改正についてどうなのかと尋ねると「政治問題には答えられない」と言いました。

ドタキャン増加
――志願者の大幅減により自衛官募集も相当減っているそうですが……。
 13年から一般曹候補生(正社員に当たる)募集は毎年2割ペースで激減している。1年を通して募集している非正規雇用に当たる自衛官候補生(陸自2年、海自・空自3年の任期制)も同じペース。
 最近目立つのが試験当日のドタキャンです。母親や祖父などから『紛争地への海外派遣もあり得る。命は一つ。受験は止めなさい』と忠告されて止めるという。ある自衛官募集担当者は「上官から縁故募集も命令されている。わが子は自衛隊以外の仕事に踏み出したので、内心ホッとしている」と話した。若者の自衛隊離れは加速しています。

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2017年12月25日号

《おすすめ本》 『亡国の武器輸出』 池内了+青井美帆+杉原浩司編=橋詰雅博

日本ジャーナリストクラブ(JCJ) - 2017/12/26(火) 16:50
 2014年4月、安倍晋三内閣は「防衛装備移転三原則」を閣議決定。武器輸出三原則が撤廃されて武器の輸出が全面解禁になった。「平和国家」から武器輸出を国家の「成長戦略」として政策が転換されたことで、大物防衛利権フィクサーが再び蠢動している。

 秋山直紀氏だ。秋山氏は防衛利権に絡んだ事件で約1億円の脱税容疑によって11年10月に懲役3年執行猶予5年の有罪判決が確定した人物。彼の復活を印象付けたのは16年5月都内のホテルでの現職の国会議員と防衛官僚による講演会の仕掛け人として名前が挙がったのだ。自ら理事を務める国際平和戦略研究所の代表理事、久間章生元防衛相を呼びかけ人として講演会開催を企画した。ただ、講演会は、直前に中止になった。本書執筆陣の一人であるジャーナリストの田中稔氏は、その理由を有罪になった人物が関係する会合で国会議員らが講演するのはまずいと防衛省などが判断したと指摘する。
 本書は武器輸出の問題点を15人が多面的に摘出した好著。
(合同出版1650円)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2017年12月25日号
 

社会運動・市民運動サイトからの情報

コンテンツ配信