Walk Against Woodchips

大使館前で「Walk Against Woodchips」横断幕を掲げる参加者

6歳の男の子が日本大使館員に折り紙で作ったカンガルーとともに手紙を渡した。


日本大使館に提出した手紙

在豪日本大使

高橋まさじ様

謹啓

 オーストラリアでは、毎年600万トンもの樹木が伐採され、木材チップにして日本に輸出され、日本で紙に加工されています。

 ちょうど30年前、大昭和製紙(株)は、貴殿が最近訪問したニューサウスウェールズ州のイーデンにおいて最初の海外事業を立ち上げました。

 イーデンが一番目でしたが、今では、オーストラリアのいくつかの州に10の木材チップ工場があります。自然保護論者はこれらの事業に反対してきましたが、現在初めて、入手可能なパルプ材の量を減らすことのない解決策を製紙企業に示そうという局面を迎えています。

 わが国では近い将来、全ての木材チップ製造企業が、天然林から撤退することができるのに十分な広葉樹の植林木が利用可能になるでしょう。王子製紙や日本製紙のように、より前向きな会社の中には、既に天然林の木材チップ利用を段階的に削減する取り組みを始めているところもあります。

 私たちはこのような取り組みやリサイクル推進の努力を評価するとともに、日本の多くの製紙会社が、オーストラリアには代替資源があることに気付き、早急に天然林の木材チップのための伐採を削減して欲しいと思います。貴殿には、天然林保護に資するために、日本の製紙企業に対して、事態は変化したということを伝えていただきたいのです。天然林から撤退すれば、代替資源からのパルプ材を利用した模範として世界中から称賛されるのだ、ということを。

 木材チップのための伐採に反対するデモ行進が今日キャンベラを出発しました。目指すは、イーデンの大昭和製紙のチップ工場です。

 これは木材チップのための天然林伐採に反対する85パーセントものオーストラリアの人々声を伝え、森と森に生息する動物や鳥を私たちが守る意思を示すものです。

敬白

以下の要旨説明は、在豪日本大使高橋まさじ氏への手紙に添付したものです。

 オーストラリア大陸の森林は、今ではヨーロッパ人が移住した時のたった10パーセントになってしまいました。

 オーストラリアの天然林では、毎年ほぼ600万トンもの樹木が木材チップにされ、日本に輸出されています。

 これはつまり、日本の製紙企業の変革が、オーストラリアの森林の運命に対して極めて大きな影響を持っていることを意味しています。

 もし、日本の製紙企業が環境改善事業の実施にのりだせば、残っている森林を救うことにつながるでしょう。

 これらの企業が前向きな政策を実施すれば、確実に代替資源が利用され始めるでしょう。木材チップのための伐採は、30年前に始まった時から論争の的でした。世論調査によれば、80パーセント以上のオーストラリア人が木材チップのための天然林伐採に反対しています。

 オーストラリアでは近い将来、木材チップ製造企業がすべての天然林から撤退しても、パルプ材を1トンも失わずに済むだけの広葉樹の植林木が利用可能になります。

 オーストラリア国立大学の新しい試算によると、現在行われている木材チップのための天然林伐採は、2005年までに植林木から得られるパルプ材にすべて転換できるとされています。

 オーストラリアの木材チップ製造業は、まさに岐路に立っています。木材チップのための天然林伐採に替わる、本当に信用できる産業が実現可能なのです。

日本とオーストラリア

 日本における企業再編の動きは、オーストラリアにおいても重要な意味をもちますが、関連企業とオーストラリアの森林にとっても興味深いチャンスをもたらしています。

 日本の製紙産業は、多くの合併と買収を伴う、大規模な再編と変革の時期にあります。

 すでに今年、保護論者たちはキャンペーンのために何度か日本を訪れ、成功を収めました。

 保護団体は、日本政府が率先して厳しいリサイクル基準を設けたことを評価し、歓迎しています。

 私たちは今、日本政府と先進的な製紙企業が、より高い天然原料の転換目標の設定、非木材紙の利用とリサイクル、リサイクルシステムの改善やケナフなどの代替原料の開発の推進、既存の植林木のさらなる利用など、企業の様々な環境基準を改善することによって、これを達成することを期待しています。

 私たちの狙いは、獲得されたものはすべて、オーストラリアだけでなく木材チップを供給するすべての国々に与えることです。私たちは、他の国、特に発展途上国の犠牲の上にオーストラリアの森林を守ることを目指しているわけではありません。しかし、オーストラリアに事業展開している日本企業は、天然林から撤退してオーストラリアにすでに存在する広葉樹植林木の利用を増やすことで、世界的に率先することができるのです。

 日本の製紙企業の中には、他と比べてより先進的な企業もあり、王子製紙や日本製紙は、より現実的で環境に配慮した未来に向けて、植林木原料の利用を増やし始めています。

 今は、より環境に配慮した対策をとる用意のある企業を識別、奨励して、広葉樹植林木事業に参入したオーストラリアの製造企業の市場を確保するべき時です。

 オーストラリアの環境保護論者は、広葉樹植林について、特に植林の際に天然林が皆伐されることを強く危惧しています。しかし、既存のほとんどの植林木は、西オーストラリア州の農地だった土地か、すでに皆伐された土地につくられたものです。

 これらの資源は正式な「認証」を持ってはいませんが、天然林の皆伐を必要とする植林と同じような環境懸念を引き起こすことはありません。

※大昭和製紙は合併により2003年4月に日本製紙となりました。

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