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伐採地の状況 |
伐採地の状況アメリカ南東部チップ工場、パルプ工場と皆伐アメリカの南東部から中南部では、丸太を丸ごと砕いて紙やパーティクルボードなどの原料となる木材チップを生産する、高度に機械化されたチップ工場が急増している。このため、森林と地域の経済は深刻な危機に直面している。太平洋岸の北西部の森林の伐採が過度に進んだ結果、巨大な木材会社がこの地域に移り、1985年以来100以上のチップ工場が建設された。そして、大規模な皆伐がこの地域で増加してきた。おおよそ50万haの森林が毎年伐採され、現在この地域で操業中の140あるチップ工場に供給されていると推定される。さらに、現在計画中あるいは建設中のチップ工場が7つある。
アメリカのパルプ需要のうち、約70%は南東部の森林を伐採して得られている。さらに、南東部から海外の製紙工場への木材チップの輸出は、1989年から1995年にかけて5倍に増加した。この地域での森林の消失が激しいため、水質や野生生物の生息域、土壌生産性、地域経済、生活水準の低下が深刻になってきている。 長期的には、現在の水準で伐採を続けることは不可能であることが、産業界や政府の研究で明言されている。木材業界のアナリストとアメリカ森林局は、針葉樹(マツ)については、この地域全体の成長量を超えて伐採が行われていると認めている。さらに、現在の傾向が続けば10年以内に広葉樹の伐採量も成長量を上回るようになると予想している。このように資源不足が差し迫っているため、チップ工場は今、北に向かってミズーリ州、オハイオ州、イリノイ州、インディアナ州、ペンシルバニア州に進出している。 地域における経済面の弊害最近の政府の研究では、パルプ産業のような資源集約的な産業は経済を悪化させると明言している。強い経済力をつけるためには、天然資源依存型の経済から脱却すべきであると経済学者は言っている。 森林皆伐の大きな代償危機に陥った地元の製材工場この地域において広葉樹を利用する産業(製材工場や家具製造会社)は、チップ工場やパルプ工場が、将来製材用木材となるような広葉樹の幼齢樹をチップ用に伐採してしまうために、影響を受けている。チップ工場を稼動させるのには従業員は5、6人しか必要とせず、このため平均的な製材工場が1年間かかって消費する以上の木材を1ヶ月で消費してしまうのだ。また、この地域の製材工場は皆伐ではなく択伐を行っている。テネシー州ジャクソンにあるミラー&カンパニー社のボブ・ヘンダーソン社長は言う。「チップ工場が皆伐を行うおかげで、我々が将来製材用木材として頼りにしている、若くて質が高く、成長中の資源を奪ってしまう。たとえ広域的なものではないとしても、地元では木材資源不足による材木不足がおこると思われる。」 観光、余暇産業への影響
水質低下に伴うコスト伐採用道路と皆伐により土壌浸食と水質低下が起き、雨が降ると湿地や河川に大量の土砂が流入し、魚などの水生生物が窒息死する。テネシー渓谷当局が行ったノースカロライナ州北西部のリトル・テネシー・リバー盆地の研究によると、伐採により2つの郡で発生した土砂による被害は、年間140万ドルにのぼる。これを地域内のすべての郡に当てはめるとどれほどになることか。いまだに増えつづけているチップ、パルプ産業のために皆伐が進むにつれて、水質悪化によるこの地域の被害も増えつづけている。 生態系の荒廃と絶滅の危機に瀕した生物種チップ工場のための皆伐に伴う環境破壊に関する影響については、連邦政府機関による多くの報告がある。1990年代前半に、テネシー川沿いに計画されている3ヶ所のチップ工場について、3つの連邦政府機関により環境影響評価が行われた。この結果、チップ工場向けの皆伐は水質や生態系、絶滅危惧種に対して大きな影響を及ぼす可能性があることが報告され、3ヶ所とも許可が取り下げられた。こうした経緯にも関わらず、140ヶ所のチップ工場が許可を受け、伐採による環境への影響が評価された工場は1ヶ所もないのである。 野生生物の生息域の破壊この地域で皆伐が盛んになった結果、成熟した手付かずの森林に依存する野生動植物の生息域が破壊されてきている。シカやシチメンチョウといった多くの狩猟鳥獣はカシ・ブナ類の実を餌としている。森林が皆伐されてしまうと、木が成長して再び実をつけるようになるまでに少なくとも50年はかかる。皆伐が進むとこれら動物の餌もなくなるのである。これに加えて、neo-tropical migratory songbirdsやサンショウウオといった多くの動物種が、手付かずの森林に依存して生息しているのである。皆伐はこれらの動物種の生存に必要な生息地を破壊するのである。同様に、皆伐が行われるといくつかの植物種も回復するまでに何百年もの歳月を要する。ジョージア大学の生態学者の研究によると、ユリ類、エンレイソウ類、シダ類のいくつかの種は、皆伐が行われた後には二度と回復できない可能性があるとしている。 森林の植林地への転換アメリカ森林局の推定によると、この地域の天然マツ林の36%が既に早成型のマツ植林地に転換された。さらに、紙需要の増加に応えるために、2020年までに天然マツ林の70%が植林地に転換されると予測している。マツ植林地に転換された広葉樹林の割合を示したデータはないが、この地域の空中写真による調査からは、恐ろしい勢いで天然広葉樹林が植林地に転換されている十分な証拠が得られる。生物多様性に関する権威でハーバード大学教授のE.O.ウィルソン博士の試算によると、マツ植林地は天然林よりも種の多様性が95%低いとのことである。 絶滅の危機に瀕する種アメリカ鳥獣魚類局は、この地域のチップ工場のための皆伐の増加による、国のリストに挙げられた絶滅危惧種への影響に関心を示し続けている。皆伐によりこの地域で絶滅の危機に陥っている動物としては、インディアナコウモリ、ハイイロコウモリ、レッドヒルズサンショウウオ、アメリカハヤブサ、ハゲワシなどが挙げられる。 チップの大部分が日本へ1992年以降、この地域から輸出される広葉樹チップの90%が日本向けになっている。1989年当時、日本は広葉樹チップの大部分(46.5%)をオーストラリアに依存していた。1995年までに、オーストラリアの割合は29.4%に下落し、一方でアメリカの割合が26.9%、チリの割合が18.7%にそれぞれ上昇した。この変化は、オーストラリアのユーカリチップの供給が、現地のパルプ工場の計画によって脅かされたことによるものである。日本は代替原料をアメリカ南東部に求めたのである。 資料提供:Dogwood Alliance |
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