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 朝の5時。朝の霧がオーストラリアの古代からの森に立ちこめると、コアラは動きだし、新しい穏やかな日を迎える。その日はいつもと同じように始まったが、その後には悲劇が待っている。なぜなら、今日はこの一帯の森林が皆伐されるからである。

 氷河期を生き延びてきた生態系は、昼食の頃には消えてしまう。コアラも同じである。

 巨木が地面にたたきつけられると、朝の霧はほこりに変わり、木材はトラックに乗せられ、残った木々や枝は燃やされる。くすぶり、何もなくなった一帯には、生物は完全にいなくなり、原始の世界のすべては永遠に消えてしまう。

 これは、オーストラリアの木材チップ産業が現実に行っていることである。古代からの木々は、500円硬貨程の大きさの木材チップと変わり、日本の製紙会社によって紙製品になるのである。

 日本の消費者が日本の主要な製紙会社から紙を買えば、上に述べたような過程でオーストラリアの原生林から生産された木材チップが、かなりの量含まれている可能性がある。

 オーストラリアの森林は、世界でも最もすばらしく、独特で、豊かな多様性を持つものの一つである。オーストラリアには、世界で最も高い顕花植物(ユーカリの一種のレグナン種)の他、世界の動植物種の約5%が存在する。オーストラリアの森林は、世界に残る最も高い原生林の一つである。残念なことに、今は元々あった森林の8%が残るのみで、伐採から保護されているのは、その半分以下である。

 オーストラリアの残された森林は、驚くべき速さで伐採され続け、主に木材チップに加工されている。王子製紙、日本製紙、大昭和製紙、大王製紙、三菱製紙などの日本企業が、日本で紙を生産するために、約700万トンもの木材チップをオーストラリアから購入している。生産された紙のほとんどは日本国内で消費されている。オーストラリアの天然林を伐採して生産された木材チップを購入している日本企業は、以下のとおりである。

  • オーストラリアのハリス大昭和は、大昭和製紙と伊藤忠商事が100%出資している会社である。大昭和製紙は、オーストラリアの天然林を自らの工場(ニューサウスウェールズ州のイーデンにある)で木材チップに加工している唯一の日本企業である。ニューサウスウェールズ州の南部の森林とビクトリア州の東ギプスランドから、毎年約80万m3の天然林木材チップを輸出している。
  • 日本製紙は、タスマニア、西オーストラリア州、ビクトリア州における、主要な購入企業である。
  • 王子製紙、三菱製紙、大王製紙は、タスマニアの木材チップの主要な購入者である。
  • 丸紅は、西オーストラリア州の木材チップのすべてを購入しており、北越製紙や日本製紙、名古屋パルプ(大王製紙の子会社)に売り渡している。

※大昭和製紙は合併により2003年4月に日本製紙となりました。

 オーストラリアで行われている世論調査によると、常に80%以上の人々が、木材チップのための原生林の伐採を中止すべきであると考えている。森林は人々および将来の世代のためのものであり、短期間の利益を得るための一握りの企業のものではないと考えているのである。

 オーストラリアの消費者は、木材チップのための伐採に対する反対の意思を様々な形で示している。例えば、オーストラリアの最も大きな木材チップ会社であるウェスファーマ社が経営するオーストラリア中の店の製品をボイコットする運動は、大きな成功を収めている。

 残念ながら、オーストラリアの原生林の木材チップのための伐採を終わらせることに、圧倒的な支持が得られているにもかかわらず、政府や企業は人々の希望を無視し続けている。オーストラリアの著名な経済学者が、原生林を伐採しなくても、日本に木材チップを輸出するだけの十分な植林木の供給があるというレポートを発表したにもかかわらず。

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