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マレーシア

 1990年代より、マレーシア政府は「受け入れ可能な」木材貿易の形を模索してきた。木材をはじめとする林産物はマレーシアの代表的輸出製品のひとつであり、年間30億ドル近くの額に達している。最も木材輸出量の多いサラワク州をはじめとする13州の全てが熱帯材を輸出しているマレーシアは、世界最大の熱帯材丸太及び製材の輸出国である。また、マレーシア国内の木材需要量も昨年だけで12%増加している。しかし一方で、違法伐採は1989年から1993年にかけて2,346件を超え、森林に依存している先住民の土地権は無視され続けている。国連食糧農業機関(FAO)は、年間約40万ヘクタールの森林が失われていると推定しているが、これは国土の3分の1を占める森林面積の1〜2%にあたる。マレーシア政府は持続可能な伐採を行っていると主張しているが、この速度での伐採は長期的には持続可能ではない。

 長年にわたり、マレーシアは森林経営に関する国際標準に従うことを拒んできた。そのため、1989年には、サラワク州北東部に住む先住民プナン人が、伐採操業を阻止するために道路封鎖を行うという、最悪の事態を迎えた。伐採により土地は荒らされ、野生動物はいなくなり、また、表土が河川へ流出した結果、魚は死滅し、飲用でもある河川の水が汚染されたことにより、移住生活を続けるプナン人などの生活が脅かされていた。1987年に道路封鎖を取り締まる新法案が可決されたのを受け、道路封鎖は撤去され、道路封鎖に関わった多くのプナン人が逮捕された。この2年間、プナン人はこの深刻な事態に対し繰り返し抗議を行ってきたが、マレーシア政府はそれを無視し続け、伐採の速度は上がるばかりだった。

 しかし、大きな問題は、伐採権を持たない者による違法伐採や、割当量を超える量の木材伐採、あるいは認可された地域外での伐採といった伐採権所有者による違法伐採である。1993年、マレーシア政府は、この様な違法行為を行った者を実刑判決、罰金あるいは兵役強制の対象とすると発表した。しかし、多くの森林保護団体は、政府内の汚職という根本的問題に触れられていないと非難している。サラワク州警察をはじめとする州警察自体が大量の伐採権を自ら取得し、伐採会社から賄賂を受け取って伐採を認可している。このような政府と伐採会社間の汚職がある限り、森林経営の向上を図ろうとするのは無理である。1998年、サラワク州資源計画省は、熱帯雨林を保護林や保安林に再分類する森林法を導入した。先住民社会は、自分たちの土地に対する権利をそれから60日以内に主張することは可能であった。しかし、この法の本当の目的は、伐採や油やしプランテーションのための開発にあった。60日経てば、それまでの土地権の主張は無効となってしまうからだ。

 地球の友マレーシア、ボルネオ資源研究所、アースアイランド研究所(ボルネオプロジェクト)等の団体の支援の下、プナン人は自分たちの土地の地図を作成し、地方事務所に提出することができた。しかし他の遠隔地の地域住民は、新聞からの情報も得ることができないばかりか、地方事務所から遠く離れているため、必要とされる書類を提出することができず、今もなお危険にさらされている。

 近年、マレーシアのマハティール首相は、木材をはじめとする林産物が適切な森林経営に基づくものであるという認証を取りまとめている森林管理協議会(FSC)が定めた基準に、マレーシア政府も準拠することに合意した。サラワク州の森林保護活動家は、2000年12月に初めて会議に出席し、政府関係者や地域社会から200人の代表者が集まり、認証制度に合意した。

 もうひとつの問題として、この10年の間に、マレーシアの多国籍伐採企業が成長し、その活動が拡大していることがあげられる。国内の木材供給量が減少するのに伴い、マレーシアの伐採会社は、パプアニューギニア、ソロモン諸島、ガイアナ、バヌアツ等の諸外国で操業するようになり、その国における伐採権の半分かそれ以上を取得している。こうした多国籍企業の多くは、地域社会や環境を軽視していると抗議を受けている。マレーシアの伐採会社リンブナン・ヒジャウ社は、持続可能ではない伐採操業や、先住民が土地権を譲渡するよう強制しているとして、度々非難されている。同政府が国内外で伐採会社を取り締まることができれば、国外における木材会社の伐採操業に大きな影響を及ぼすことができるだろう。

日本の団体の関連ホームページ:

サラワク・キャンペーン委員会