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インドネシア

 インドネシアには世界に残る原生林の10%が存在するといわれているが、元来の森林面積の70%が既に失われており、今でも年間1%の割合で破壊され続けている。インドネシアは世界で生産される合板の40%を生産しており、そのほとんどが日本や中国および韓国で消費されている。また、毎年7%の割合で伸びている世界のパーム油需要量を満たすために、多くの投資家が森林を油やしプランテーションへと転換している。

 国際通貨基金(IMF)や世界銀行の刺激策によって、インドネシアの紙パルプ業界は、シンガポールを拠点としたアジア・パシフィック・リソース・インターナショナル・ホールディングス(APRIL)社をはじめ、日本、韓国、オーストラリアなどを拠点とする外資系企業が中心的役割を果たすようになっている。スマトラ島北東部にあるAPRIL社のインドラヨン工場は、地域における水位の急激な低下や、漁獲量の減少、パルプの漂白過程で使用される塩素による河川の水質汚染を引き起こしたため、数千人の住民が住めなくなってしまった。こうした影響に対して地域住民は激しく抗議を行った。

 1990年代半ばに世界銀行が新しく立てた林業政策は、森林経営をそれまで以上に企業に任せるというものだった。また1998年には、丸太やパーム油の輸出を促すような融資計画に基づく林業政策がIMFにより導入され、その結果、海外の投資家が森林を切り開き、油やしプランテーションを造成できるようになった。インドネシアではここ3年間、森林火災が多発しており、森林や野生動物に大きな影響を与えているが、科学者や政府は、この火災の原因は油やしプランテーションの開発にあるとして、企業や海外の投資家を非難している。

 1997〜98年のアジア経済危機や、旧スハルト政権の崩壊後の政治的混乱の時期と前後して、違法伐採は急激に増加した。認可された木材供給は、ほぼ完全に輸出産業に向けらているため、国内需要はその大部分を違法伐採でまかなっていると言われている。公式な丸太生産量と木材輸入量の合計と、木材輸出量と国内消費量の合計とを比較すると、年間千万m3単位の相違が見られ、木材の全生産量に占める違法伐採によるものの割合は、7割にも達すると推計されており、保護されているはずの国立公園内でも行われているという報告が数多く出されている。インドネシアからマレーシアに向けての違法な木材の取引が行われていることはよく知られており、マレーシアに密輸された木材は、そこからさらに中国、日本、台湾、香港などに輸出されていることが明らかになっている。

 生物多様性と経済の両面において非湿地低地林が重要であるが、現在の減少速度で進めば、スマトラの低地林は2005年までに、カリマンタンは2010年を過ぎた頃にそれぞれ消失してしまうと予想されている。

日本の団体の関連ホームページ:

熱帯林行動ネットワーク 「インドネシアの熱帯雨林の状況」