違法材・原生林材不使用キャンペーン

はじめに

違法伐採と木材輸入

原生林の保護

森林・木材認証制度

提言

得られる利益

段階的方法

欧米企業の取り組み

関連情報

ノームソンプソン・アウトフィッターズ社

 ノームソンプソン・アウトフィッターズ社は、アメリカのカタログ通信販売会社です。同社は、環境に配慮した調達方針を積極的に進めている会社として知られています。同社の取り組みについて、企業の持続可能性部部長のスミス氏に話を聞きました。

持続可能性に取り組むオーナー

 ノームソンプソン・アウトフィッターズ社は、アメリカで一般消費者向けのカタログを発行している会社です。取り扱っている商品は、アパレル衣料、旅行用品、食品、贈答品で、贈答品には木材製品がたくさんあります。家具も扱っており、木材製品があります。売上げは2億ドル、従業員数は600人、業界で25番目の規模です。カタログの発行頻度は、季節ごとに2部ずつくらい。年間発行数部は、だいたい8000万部です。

 当社は個人所有の企業で、オーナー(CEO)は持続可能性、地球と世界の人々のことに関心を持っています。ですから、私たちは社内のすべてのことにおいて持続可能性を求めています。カタログの紙や、販売している商品、自然エネルギーの利用の面で取り組みを行なっているほか、税引き前利益の5%を環境・社会団体に寄付しています。

 オーナーは、1992年に1年間、会社を離れて途上国を回り、西洋諸国の企業による影響を見てきました。1993年に帰国した後、本社の建物を建設しましたが、環境に配慮した設計をしました。環境に配慮した最初のビルのひとつで、使われている木材はすべてFSC認証材です。この原料を選んだのは1994年で、FSCが始まった年です。FSC材を使った最初の会社のひとつのはずです。

すべての購入担当者が持続可能性を高める制度

 すべての商品について、それぞれの持続可能性評価キットとスコアカード(下表参照)があります。この取り組みは2002年に始めました。木材については、第三者認証、リサイクル材、農業副産物などについて掲載しています。これらのスコアを与える基準は、違法性、ワシントン条約(CITES)の掲載種などです。このガイドラインに沿って、社内の購入担当者や供給会社と共に取り組んでいます。

 また、販売している商品のひとつひとつについてランク付けをして、購入担当者ごとのスコアを付けています。担当者は、購入する商品を改善することによって、そのスコアを上げるよう目標が与えられています。社員の年次業績評価は、売上げや利益のほか、全体の10%は持続可能性のスコアによって行われています。昇給やボーナスは業績評価のスコアによって決まります。持続可能性を評価に盛り込んでいるのは、アメリカでも珍しいことです。

 私たちは、製品はいっさい作っていません。商品は卸売会社から購入しており、工場から直接買うことはありません。ですから、商品のサプライ・チェーンをすべて把握するのは大変です。商品のランク付けをするにあたって、供給会社から情報を得ていますが、質問しても得られない情報については、コンサルタントとともに推測をしています。

 購入担当者は、スコアカードのページを卸売会社に持って行って見せ、スコアの高いものが欲しいと求めます。卸売会社は、この調達方針に対してできる限り手伝うと言ってくれます。卸売会社も多くは木材の原料がどこから来たのかは知りません。多くの啓発と調査が必要です。時間をかけ、関係を構築するやり方で、彼らのニーズを聞き、問題点を理解しながら行っています。その方が持続的です。よい卸売会社に対しては持続可能性の賞を与えて、その会社の姿勢を評価しました。

ノームソンプソン社の持続可能性スコアカード(木材製品)

スコア 基準*(原材料の生産地)
3 1. FSC基準による第三者認証
2. 再生材・リサイクル材を70%以上含む
3. 農業副産物の利用:わら、小麦など
2 SFIまたはCSAによる第三者認証
主にアメリカかカナダで生産されたボード製品
1 アメリカかカナダで生産された木材で、問題となっていないもの(オーク、スプルース、非芳香性スギなど)
0 他の工業国で生産された非認証材
-1 北米の慎重を要する生態系から生産された樹種を用いた製品
-2 環境面で脆弱な地域から生産されたか、ワシントン条約の付属書IIに掲載された木材を利用した製品
天然林の皆伐の要因となっている非認証の竹材
-3 ワシントン条約の付属書Iに掲載された木材を利用した製品

* 基準については、他に健康と安全、製品寿命のカテゴリーがある。

カタログ用紙のために長年研究

 これまでに林産物の方針において取り組んできた対象は紙です。大量の紙を購入しているからです。古紙原料や、森林からカタログになるまでの原料の追跡について、5年間調査しました。再生紙については、値段、質についてとても詳細に研究しました。古紙を入れて紙の質が悪くなると、印刷機が回らないし、消費者に与えるイメージも悪くなって売れなくなるからです。ビジネスに悪影響を与えない程度の取組みとして、すべてのカタログには最低10%の市中回収古紙を利用しています(「森林保護・紙調達方針」参照)。恐らく、アメリカで発行されているカタログの99%は古紙を利用していないと思います。ですから、他社の担当者にも再生紙を使うべきだと話しています。

 紙は卸売会社から買い、卸売会社は製紙会社から買います。インターナショナル・ペーパー社が一番大きな製紙会社ですが、彼らの環境面における行動を改善するよう、ずいぶん議論しました。

 回収古紙以外の紙の原料に関する情報については、どこから来たものでどのような樹種かを、供給会社から情報を得ています。私たちの使っているパルプは、北米、おそらく一部はカナダ、亜寒帯林、その他はアメリカの私有林から来ていますし、ヨーロッパからも購入しています。FSCの紙はそれほど多く入手可能ではないので、カタログのすべてを印刷できるほどありません。SFIのものはたくさんありますが、だからと言ってどのような森林管理が行われているかはわかりません。2005年末までに、すべての紙原料について確認し、持続可能なものにすることが目標です。

供給会社との取り組みは長期的な利益を改善させる

 こうした調達方針の取組みを行うことによる会社にとってのメリットは、まずブランドを高めることができます。また、卸売会社との関係を強化することができました。電話をかけて注文するだけでなく、私たちの森林に関する関心について実際に会って話すことによって、お互いによく知り合うことができ、環境問題だけでなく、他のビジネスについても話すことができます。これによって、長期的な利益の改善に役立つのです。社員は、会社のやっていることを気持ちよく感じていますから、生産性も高くなります。NGOともいい関係が得られることによって、学び、より良い活動ができます。さらに、活動のために使った額よりも、節約できた額の方が大きいので、経済的な利益も得られます。

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