ティンメット社は、約10万m3、イギリスの広葉樹材市場の10%を取扱っており、600以上の供給会社との取引を行なっている。地域別には、北米、ヨーロッパ、アフリカ、東南アジアの各地域からほぼ同量の木材を輸入しており、南米からは5%程度と少ない。 従業員数は約500人で、環境対策の部署には4人のスタッフが働いている。主な顧客は建具メーカー(窓、ドア)、小規模の家具メーカーや下請けの建築会社、小売りである。 リスクの高いものを計画的に削減ティンメット社は1990年代半ばに、ブラジルのマホガニーの輸入に関してFoEからの強いキャンペーンを受け、その後、1996年にリスク管理の一環として環境方針を策定した。
リスクのない FSC認証材や、合法性が確認されFSC取得に向けて行動計画が実施されている林地からのもの、例えばアメリカのホワイトオーク材など、リスクの低い組み合わせのものについては、それ以上の調査は行わない。しかし、カメルーンのサペリ材など、リスクの高い組み合わせについては、供給会社についてのリスク評価を行なう。訪問して森林管理の状態を調査したり、質問票(36ページ参照)を送ったり、コンサルタントに依頼する。そして、環境への取組み方針の内容、実施状況、管理計画、伐採地やその環境などについて評価し、環境面で信頼性が高いAから、質問に対する回答内容がよくないFまでのグレード付けをおこない、取引の判断をしている(34ページ参照)。 同じ供給会社でも、常に同じものが供給されるとは限らないため、現在では、供給会社ごとだけでなく、出荷(時期)ごとに評価する取組みを始めている。 数年間かけてリスクの高いものの調達の割合を少しずつ削減していく計画を策定しており、その削減計画は取締役会において決定される。
認証制度を評価して情報提供さらに、すでに認証取得しているもの、認証に向けて改善しているもの、合法性が確認されているものを選ぶようにしている。取り扱っている認証材の割合は、2年前は0.1%だったが、現在は8〜9%になった。市場における認証材の30%を取り扱っている。 様々な認証制度について、ティンメット社では、それぞれ追跡可能性、合法性、持続可能性の3つの基準から評価しており、FSCが最も良い認証制度であると考えている。他の認証制度はあまりよくないが、合法性は確認されているので、FSCと合法性が確認されていないものの中間に位置すると考えている。しかし、第三者機関によって何らかの確認されたかどうかに価値があると考え、認証制度についてはいずれも受け入れている。顧客に対してそれぞれの認証制度の実際や欠点について情報提供しているが、最終的に選ぶのは顧客である。 大きな影響を与えた政府の木材調達方針ティンメット社の顧客にとって、もっとも大きな圧力は政府の方針である。顧客は公共事業の孫請けなどを行っている小さい会社が多いため、政府の「木材が違法なものではないという証明が必要」という公共工事にかかる木材調達方針は大きな影響をもたらした。 また、投資家からの圧力も強い。建材小売の大手、トラビス・パーキンス社も、投資家から合法で持続可能な原料だけを用いるよう圧力を受けている。投資家は、NGOの活動に関して非常に敏感であり、社会的な批判にさらされるリスクがないことを会社に強く求めている。 取組みによって得られるビジネスとしての利益ティンメット社の顧客にとっては、持続可能な木材や様々な森林認証、認証に向けて改善している木材、政府の方針などは縁遠い話であるため、そうした情報を提供することによって顧客を支援している。大規模な顧客は投資家からの圧力を受けており、明確な要求をしてくるので、ティンメット社は顧客の環境戦略を進める手助けをしており、また、供給者に対しても、顧客が認証や合法性などの証拠を求めていると伝えている。 このようなコストは、広告やマーケティングにかかるコストと同じような投資と考えている。これによって顧客を維持できるだけでなく、新しい顧客を得ることができているからである。環境戦略を導入したことにより、トラビス・パーキンス社との取引額は1年間で2倍になった。ティンメット社は他社に比べて信頼のできる原料を供給できるため、取引を獲得することができている。 |
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