違法材・原生林材不使用キャンペーン

はじめに

違法伐採と木材輸入

原生林の保護

森林・木材認証制度

提言

得られる利益

段階的方法

欧米企業の取り組み

関連情報

欧州における木材調達の取組み

 欧州では、1990年代から認証材の利用推進などの木材調達の取組みが進められ、最近では違法伐採問題への対策が積極的に行なわれています。

 FoE Japanと地球・人間環境フォーラム、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)は、2004年6月にイギリス、オランダ、スイスの企業や業界団体などを訪問し、取組みの状況やその方法、取り組みによるメリットなどについて調査しました。その中から、木材貿易連合組合(TTF)、ティンメット社、B&Q社、マークス&スペンサー社、クワンタム社、トロピカル・フォレスト・トラスト(TFT)の取り組みについて報告します。

木材貿易連合組合(TTF)

 イギリス木材貿易連合組合(TTF)は、違法伐採問題に対して積極的に取り組んでいる業界団体です。行動規範やガイドラインの内容、TTFが提言している「共通の監査枠組み」などについて、CSR(企業の社会的責任)部門の顧問、ロビー氏に聞きました。

業界全体の取組みをリード

 イギリス木材貿易連合組合(TTF)は、全350社、木材輸入会社の87%が加盟する業界団体である。輸入会社以外にも、代理店や輸入会社、商社、一部メーカーなど、様々な企業が加盟している。

 イギリスにおいては、以前より企業がその社会的責任を果たす取組みの一環として、認証材等の利用を推進する取組みが積極的に行なわれてきた。しかし、イギリス政府が、公共事業の木材調達にあたり、木材が最低限合法であることを証明しなければならないことを義務付け、さらに持続可能な森林からのものであると認証された木材の使用を推奨したことから、今までこの問題について特段意識していなかった中小の建設会社も含め、業界全体に危機感を与えることとなった。この動きに対して業界全体の取り組みをリードしたのが、TTFである。

「行動規範」と「木材調達方針」

 TTFは「行動規範(Code of Conduct)」において、「木材及び木材製品を合法的で適切に管理された森林から調達することを約束する」と明記している。本規範は原則的なものであり、TTFの全会員企業が遵守義務を負う。本規範の不遵守の場合は、異議申し立て手続きに則り、罰金の徴収、会員権の一時的な撤回、連盟からの追放につながることがある。

 2001年には、行動規範の精神に則り、それをより具体化させた「木材調達方針」を策定した。木材調達方針は行動規範と異なり、署名した会社のみが遵守義務を負うもので、TTFが実施する環境保全プログラム"Forest forever"の参加企業を中心として、現在70社が署名している。署名した企業は、環境管理の実施、合法性の確保、絶滅危惧種の不買などの具体的なコミットメントを行い、以下の手順で実施する。

  • @ 目標の設定
  • A 供給会社のデータベース等の情報システムの構築
  • B 従業員教育の実施
  • C 供給会社への森林管理状況についての質問票を送付
  • D 回答の評価。供給会社のランク付け。不十分な回答についてのフォローアップ
  • E 顧客に対する方針の伝達
  • F 供給会社のモニタリング継続
  • G @〜Fのレビュー

 署名した企業は、本方針の達成状況についての報告と継続的な改善義務を負う。また、ガイドラインには、供給会社の評価システムの例、供給会社への質問票の例などが添付されている。

 現在、TTFは、本ガイドラインを見直し、リスク評価の手法、継続的な改善のための段階的方法などを盛り込んだ、より詳細な「責任ある調達方針」(アルファ・バージョン)を公表しており、2004年10月から実施に移す予定である。本方針は以下のウェブサイトで入手できる。

 http://www.ttf.co.uk/forests/responsible/

インドネシアの工場の合法性調査から共通の監査枠組みの構築へ

 2003年6月、TTFの会員企業は、ますます厳しさを増す違法木材の問題に対処するための議論を行い、行動計画を決定した。この計画の中には、イギリスが輸入する熱帯木材合板の40%がインドネシアからのものであることから、将来合法な木材製品を提供できる可能性のある工場を探すことを目的とした、インドネシアの木材工場の合法性についての調査が含まれている。

原産国における木材サプライチェーン構築の枠組み この調査は、13ヶ所の合板工場と3ヶ所のモールディング工場を対象として、政府割当量、合法な原木の割合、伐採権地との関係などをスコア化する方法で、それぞれの工場の木材利用に関する法律の遵守状況を調査したものである1。この調査の結果、合計スコア30点に対して、最高のスコアを得た工場でも19点(達成率63%)2と、すべての工場において法律の遵守状況が悪いことが明らかになった。これを受けてTTFは、工場ごとの行動計画を策定し、これに基づいた改善の取組みを支援することを計画している。

 また、TTFは、熱帯材の購入者が、段階的方法により合法性の基準に向かって改善していると第三者機関によって証明された熱帯材を調達するための、信頼できる統一された「共通の監査枠組み(Common Auditing Framework)」を構築することを提言している(右図)。TTFはこの枠組みを包括的で堅固なものとするために、オランダの木材貿易団体とともに検討中だが、さらに幅広い層の関係者、生産国、及び他の消費国との議論を行っていきたいと考えている。

1 "Scoping Study: Sourcing Legal Timber from Indonesia"

2 工場の合法性に関するスコアの概要については、TTFへのインタビューによる。

次のページ

違法材・原生林材不使用キャンペーン | 調査報告書「北米・欧州における森林環境に配慮した木材・紙調達の取組み」 | ホームページ

© 2004 熱帯林行動ネットワーク(JATAN)