プレスリリース

2003.11.20

森林環境に配慮した木材調達方針の始まりとその拡大への要望

 イギリスの木材貿易会社の業界団体、木材貿易連合組合(Timber Trade Federation)のアンディ・ロビー氏と、カナダのNGO、クラクワット・サウンドの友(Friends of Clayoquot Sound)のダン・ルイスは、欧米において、木材を取り扱う企業が、森林環境への影響を配慮した木材調達の取り組みを進めている状況について報告し、違法伐採による森林破壊が進むインドネシアで調査活動を行っているNGO、テラパックのアルビ・バレンティヌス(Arbi Valentinus)らは、木材需要の大部分を海外に依存する日本に対しても、欧米と同様の取り組みを推進するよう要望した。

 現在、日本は国内の木材需要の約8割を海外からの輸入に依存している。インドネシア、パプア・ニューギニア、ロシア、カナダなど、様々な国から大量の木材を輸入しており、森林破壊を招いている。インドネシア、パプア・ニューギニア、ロシアでは、違法な伐採が行われており、適切な森林の管理が行われていないことを象徴している。また、カナダでは、オールドグロス林(原生林)が持続可能でなく、先住民の権利を奪う形で伐採され、日本などに輸出されている。

 このように世界の森林減少・劣化が進む中、欧米では、森林の伐採現場における環境や社会への影響を考慮した木材調達の方針を進める企業が増えている。イギリスの木材貿易連合組合は、2002年、違法伐採木材を排除し、認証木材の推進を目的とした自主規制を行動規範として取り決め、全ての会員に対して拘束力があるものとしている。ロビー氏は、環境への取り組みを行っている企業の方が、取り組みを行っていない企業よりも株価や経営指標が上回ったという研究結果などについて報告し、日本の木材輸入商社に対して、違法材の取り扱いの停止に向けた欧米の取り組みに参加するよう求めた。

 カナダでは、これまでに、71の出版社が原生林材を原料として含む紙の利用を停止することを宣言している。それによって、現在では、原生林材を原料として含まない紙を取り扱っている印刷会社は、カナダで8社になっている。

 アメリカにおいても、1999年頃より、ホームデポ社を初めとしたホームセンター各社やIBMやマイクロソフトなどのハイテク企業が、オールドグロス林から産出された木材や紙の販売と使用を停止する取り組みを行っている。今年に入ってからも、世界最大手の木材製紙会社であるインターナショナル・ペーパー社、最大手の住宅建築会社のコンテックス・ホームズ社、木材企業の最大手のボイジ・カスケード社などが同様の木材調達方針を行うことを発表しており、取り組みが広がっている。

 日本でも最近、違法伐採材や原生林材を利用しない方針を立てる企業が見られ始めた。日本国内の一般製材業、木材・木製品製造・販売業に携わる約3万社が加盟する(社)全国木材組合連合会は、昨年11月に「違法伐採に関する声明」を発表し、「明らかに違法に伐採され、又は不法に輸入された木材を取り扱わない」ことを傘下の木材業界に勧告した。

 また、リコーは今年6月に「リコー及びリコーファミリーブランド紙製品に関する規定」を制定し、リコーグループが販売する紙製品やリコー製品に同梱するマニュアル類などの原料の仕入先に対して、リコーが定義する「保護価値の高い森林」(オールドグロス林、原生林など)の保護をお願いすることを発表している。

 世界最大の木材輸入国である日本の取組みが世界の森林問題の鍵であると言っても過言ではない。世界の森林問題の改善に貢献するため、また、環境にやさしい企業になるために、日本企業による森林環境に配慮した木材調達の取り組みが拡大することを要望する。

報告記事「シンポジウムを開催! 森林環境に配慮した木材調達の進め方」

違法材・原生林材不使用キャンペーン

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