プレスリリース
2006年6月27日
熱帯林と世界の森林保全のために活動するNGO、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)は、インドネシアのスマトラ島で熱帯林の皆伐を続けているアジア・パルプ&ペーパー(APP)の製品を日本国内で販売している主な小売会社の調査結果を発表した。
アジア・パルプ&ペーパー(APP)は、インドネシア最大の紙パルプ企業グループで、熱帯天然林の皆伐によって、スマトラゾウをはじめ多様な生物が生息する豊かな生態系の破壊をまねいている。APPが利用している原料のうち、植林木は50%前後に達していると報道されているが、残りは天然林を皆伐して得られた原料に依存している。また、地域住民が伝統的に利用してきた森林を次々に奪い、伐採してきたため、いくつもの村で会社と住民との対立が起きている。
APPの製品は、主にPPC(コピー)用紙として日本に輸入されている。2004年には、日本国内で販売されているPPC用紙の約28%がインドネシア製品になっており、そのうちの約85%がAPPの製品であると推測されている。APPの製品ブランドには、PAPER EXCELPROとPAPER WIDEPROがあるが、OEM生産によって、ブランド名や生産国が表示されていない商品も多数販売されている。
熱帯林行動ネットワークは、APPの製品を販売している小売会社に対して、APPの操業による環境や社会への影響について指摘し、製品の取扱いを再検討するよう働きかけてきた。これらの小売会社のうち、返事が得られず、現在でもAPPの製品の販売を続けている主な10社を公開し、一般消費者に向けた手紙書きキャンペーンを開始した。手紙書きキャンペーンは、これらの会社に対して、現地の環境や社会への影響の状況について確認し、同製品の取扱いについて再検討するよう求めるハガキを出すことを、呼びかけるものである。
また、現地の状況に付いてまとめたビデオクリップをホームページで公開し、この問題について改めて訴えた。
インドネシアのPPC用紙については、これまでに大手オフィスサプライ会社や大手スーパーなどが、現地の環境や社会への影響を憂慮した結果、取扱いを停止している。その結果、一本調子に増加を続けてきたインドネシアから日本へのPPC用紙の輸入量も、2005年には初めて前年を下回った。しかし、現在でもホームセンターなどの多くの小売店がインドネシアのPPC用紙の取扱いを続けている。
熱帯林行動ネットワークなどの森林問題に取り組む5団体は、2004年10月に「森林生態系に配慮した紙調達に関するNGO共同提言」を発表しており、調達する紙製品のバージンパルプ原料が、保護価値の高い森林の生態系を破壊するものや、地域住民との対立や紛争が生じている地域からの原料などでないことを確認するよう提言している。
※JATANの調査によって明らかになったもののうち、主なものをあげた。
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