プレスリリース

2004年10月23日

日本が輸入するインドネシア合板が違法材を原料としている実態を明らかに

 熱帯林と世界の森林保全のために活動するNGO、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)は、報告書「インドネシア合板と違法伐採」を発表し、インドネシアの合板会社の多くが違法に伐採された木材に依存している実態を明らかにした。日本はインドネシアから合板を大量に輸入していることから、日本においても生産国の法律や環境に責任を持った対策を進める必要がある。

 JATANは、2003年9月と2004年1月の2回、インドネシア・スマトラ島のリアウ州にある5つの合板工場が利用している原木やその調達状況について現地調査を行なった。その結果、いずれの工場も伐採が禁止されている直径50cm以下の小径木や、伐採権を持たない地域住民や出稼ぎ労働者が伐採した原木などの違法材を利用していることが明らかになった。

 小径木の利用は、森林資源の持続可能な経営を目的とした「インドネシア択伐・天然更新システム(TPTI)」によって制限されており、伐採権を取得した地域内においても伐採が禁止されている。また、地域住民による伐採については、彼らの森林利用権に関わる難しい問題だが、伐採権が認められていない現状においては、現実に森林破壊を招いており、持続可能なものではない。

 違法伐採による森林破壊によって、ゾウやトラなどの多くの野生動物が生息地を失い、森林に生活を依存している人々が影響を受けるばかりでなく、慣習的な土地管理を行なってきた地域住民と伐採企業や移民・出稼ぎ労働者との対立などの社会的な混乱をも招いている。

 インドネシアの合板会社が違法材に依存している状況については、リアウ州に限らない。グリーンピース(イギリス)は、インドネシアで最大の合板輸出企業であるバリト・パシフィック・グループが違法伐採材を利用している状況を報告している。また、イギリスの木材貿易連合組合も、インドネシアの13の合板工場を調査した結果、すべての工場において法律の遵守状況が悪かったと報告している。インドネシア国内で生産される木材の8〜9割が違法伐採によるものと推測されることからも、合板会社が違法材に依存している状況は、インドネシア全土で進行していることは間違いない。

 日本国内で消費されている合板の6割が製品として輸入されており、その内の約5割がインドネシアからのものである。違法材や環境・社会に悪影響を与える方法で伐採された木材を原料として生産された製品を取り扱うことは、現地のそうした操業を支持していることになる。その意味で、インドネシアの違法伐採の問題は、消費者にも責任がある。

 JATANは今後、住宅メーカーや建設会社などの合板ユーザーに対して、生産地における環境や社会への影響に対して責任ある調達を行なう方針を立て、製品に用いられている原料の合法性と持続可能性を確認し、合法であることが確認された原料を用いて生産された製品だけを購入し、持続可能な森林経営から得られた原料を用いて生産された製品の利用を進めることを働きかけていく。

出版物「インドネシア合板と違法伐採」 | 報告記事「インドネシアの合板会社と違法伐採」

資料室 | ホームページ

© 1999-2004 熱帯林行動ネットワーク(JATAN)