2006年1月12日

グリーン購入法における違法伐採木材対策に関する声明

熱帯林行動ネットワーク(JATAN)

 日本政府は1月10日、グリーン購入法における判断基準等の見直しで、合法性・持続可能性が確認された木材調達の判断基準(案)と「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン(案)」を発表し、パブリックコメント(意見)の募集を開始した。

 日本政府が違法に伐採された木材を調達から排除することによって、海外の国々で森林破壊の大きな原因となっている違法伐採を食い止めることに貢献し、木材輸入国としての責任を果たすことが期待される。しかし、今回発表されたガイドライン(案)には不十分な点が多く、効果的な対策となるよう改善する必要があることを訴える。

○合法性の証明方法が不十分

 ガイドライン(案)では、合法性の証明方法として3つの方法があげられている。そのうち、(1)の森林認証制度を利用する方法以外の(2)と(3)の方法は、林業・木材加工・流通の各事業者が「納入ごとに証明書の交付を繰り返して」証明を行うものである。

 この方法では、各事業者が証明書を発行するにあたって、その取組みを、それぞれの業界団体が認定することが定められているだけである。納入される製品やその原料を、サプライチェーンを通して特定できる情報は得られない。また、その証明方法は「合法性の証明がなされたものである旨を証明書に記載」することしか要求されていない。

 これでは、調達者である政府は、最終納入業者が提出する「合法性を証明する」とだけ記載された証明書だけを受け取ることになる。調達する木材製品が合法なものであることを保証するために、以下のような方策が必要である。

要求事項:

○輸入材の合法性証明方法が不十分

 違法伐採による森林破壊が問題となっているのは熱帯林諸国やロシアなどの海外であることから、輸入材に対する対策が十分でなければ、対策としての効果がない。しかし、上記のように合法性の証明方法が不十分であれば、輸入材の伐採現場で何が行なわれているかはわからぬままとなるである。

要求事項:

○持続可能性の証明方法は信頼できる森林認証制度のみとすべき

 適切な森林管理を進める観点からは、合法性は最小限の要求事項に過ぎないことから、持続可能な管理が行なわれている森林からの木材の利用を進めることが望ましい。

 ガイドライン(案)では、持続可能性の証明については、(1)の森林認証制度によるものだけでなく、各事業者が証明書の交付を繰り返すことによっても証明できるとされている。持続可能性には、環境面や社会面の様々な観点が含まれるものであり、その証明にはそれぞれの基準や指標が不可欠である。しかし、今回のガイドライン(案)では、持続可能性の定義として「持続可能な森林経営が営まれている森林から産出されたもの」と記載しているだけで、基準や指標を明確に示していない。したがって、何をもって「持続可能」であると証明すべきか、あるいは証明されたのかは、事業者にも調達者にもわからない。事業者が自らの主観で「持続可能」と判断し、そのように記載することが可能であれば、持続可能性の概念や世界中で進められている森林認証の取組みを損なうことにもなりかねない。

 また、森林認証制度については世界の様々な国や地域で開発されている。それぞれの制度は基準等が異なり、その信頼性について疑問視されているものも多い。森林認証制度の評価は調達する側が行なうものであることから、各制度が持続可能性を証明するにあたって信頼できるものであるかどうかについて、日本政府として検証し、信頼できると判断されたもののみを用いるべきである。

要求事項:

以上

グリーン購入法に係る特定調達品目及びその判断の基準等の見直しの概要(案)に対する意見の募集について(環境省)

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