世界の森林問題ニュース

 ウルグアイと英国に事務所のあるNGO、WRM(世界熱帯林運動)の通信から、表題と要約を紹介します。

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W R M B U L L E T I N 22
             APRIL 1999
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論説

 二つの対照的な会期間会合-IFF

 5/3-14にジュネーブで開催される第三回森林に関する政府間フォーラム(IFF)に向け【討議】と多くの提案が行われた、森林の減少・劣化の背景要因(Underlying Causes, UC)についてのコスタリカ会合と、植林/人工林についてのチリ会合の2つの会期間会合に関する論説。
 UC会合の意義は、まず開催できたことにある。特にNGOや先住民族団体も参加して、多くの視点から直接要因-背景要因の関係を探ることができた。そのプロセス自体が大きな成果である。
 これと比べると後者の会合は従来型の専門家による会議で、植林推進派のチリ、Nzの林産業界主導で行われた会合であった。NGOは発表の機会はなく、専門家たちは会合中の先住民族マプチェ族によるチリ現地での植林反対デモに気が付きさえもしなかった。二つの会合のアプローチの違いは大いなる分断を意味している。

各地の闘いとニュース

【アフリカ】

- ナイジェリア:危機に瀕したマングローブ林

 ナイジェリアのマングローブ林は、この地域での石油開発や川の浚渫工事などで危機に瀕している。

- ナイジェリア:人権侵害続く

 民政移管したはずだが、ナイジェリアの人権侵害は引き続いている。投獄されている環境/人権活動家たちの状況は改善されていない。

- マダガスカル:リオ・チント社から森林を守るコミュニティ

 マダガスカルでは、Rio Tinto社の子会社によるチタン鉱山の開発から森林と水系を守れという声が高まっている。

- 南アフリカ:外来種の植林は緑の荒れ地

 南アフリカからの手紙の紹介。保護地域の周辺が大規模の単一樹種植林に囲まれた地域では、すでに生物多様性が破壊されている。水資源への依存も大きな問題となりつつある。

【アジア地域】

- "Made in Vietnam, cut in Cambodia"

 欧州向けの家具材として、ベトナム人がカンボジア領内で森林伐採を行っている。
 カンボジア軍はその違法伐採業者からわいろを受けて守っている。英国地球の友とグローバル・ウィットネスの2団体は、表題のスローガンで、3月からキャンペーンを開始した。

- タイ:民衆の集会への支援の訴え

 4/25からタイ北部で4000人の集会があり、共同体への侵害を止め、人権を守るよう訴えた。森林を利用する農民や少数民族の権利を訴え、法律が新たな憲法の共同体の権利に関する条項と整合していないことを訴えている。このデモは5/21まで約1ヵ月続いた。

- タイ:森林保全の2つのアプローチ

 3/21のセミナーでの林業相発言にあった、新たに大企業に荒廃地のコンセッションを与え共用林にする、という方針に対して、環境派と農民たちは不可能で非現実的であると批判している。冒頭で紹介した、UCアジア地域会合でも報告されたような、環境保全型農業や共同管理などの住民が完全に参加できる代替案こそが望ましい。

- タイ:地域住民がダムに抵抗

 新規のダム開発に伴う土地収用や、出来あがったダムの環境への悪影響のために、タイでもあちこちで反対運動が広がっている。3/23に5000人が集まり、パク・ムン・ダムで座り込みを行い、漁業資源の喪失や伝染病の増加に対して補償を求めた。

- タイ:ヤダナ天然ガスパイプラインの闘いから一年

 森林破壊を伴う、ビルマのヤダナ天然ガス田からタイへの越境ガスパイプライン計画より一年の3/7の反対集会での発言。

- マレーシア:大規模ダム計画への反対

 マレーシアのスンガイ・セランゴール・ダム開発で、600haの森林が破壊されるとともに先住民族が立ち退きを受けるとして反対キャンペーンが始まった。上流地域での森林伐採により、既に洪水時の増水や地滑りは記録的に増えており、大災害に繋がる可能性もある。

- ラオス:ダムによりもたらされる環境と社会の破壊

 IRNが最近発行したラオスのダム開発の報告書"Power Struggle"によると、6つの調査地点の全てで、資金の妥当性の疑問や、違法伐採の促進、強制移住させられた少数民族の死亡率の上昇などの根本的な問題点が多く、政府による一方的な政策と世銀やアジア開発銀行などの多国間開発銀行による援助の見直しを求めている。

【オセアニア地域】

- パプアニューギニア:熱帯林に危機迫る (前号の手紙書きキャンペーンで紹介)

 この3月PNG政府は、森林政策を弱め、貴重なこの地域の熱帯林を破壊に導く新たな方針を打ち出した。最近数年の間は森林伐採企業に対して、比較的まともな政策を打ち出していたのだが、経済危機に伴って、輸出関税の撤廃、中心部80万haの森林を外資企業へ売却、伐採地域の違法な一括指定、SGS社との丸太輸出モニター契約の破棄など、木材輸出で外貨を稼ぐ方向に転換した。緊急手紙書きの要請付き。

【南米】

- ブラジル:アラクルーズ社の絶大な権力

 ブラジルでのエスピリオ・サント州での条例で、ユーカリ植林に有利になるよう他の利用を制限する土地利用計画が立てられた。
現農業相はアラクルーズ社の前社長である…。アラクルーズ社は、ユーカリには全く環境に害はないという一般向けの宣伝を活発に行っている。

- チリ:体制派の専門家と現実

 冒頭に紹介した、植林の役割に関するIFF会期間のチリ会合の報告。

- チリ:証言の重さは"科学的"事実より重い

 チリ会合における植林の環境影響についてのマプチェ族の証言。

- ベネズエラ:Smurfit社の戦略変更

 ベネズエラでは、林業会社Smurfit社が、敵対していた大統領に接近し、新たな土地利用法を使って、紙パルプ用植林のプロジェクトを正当化しようとしている。

- ベネズエラ:Smurfit社問題での大統領への手紙

 同、ベネズエラ政府へ送った賛同署名付き手紙の紹介。

- ベネズエラ:政府への申し入れ

 4/22のアースデイに首都カラカスで、石油や電力、木材資源開発による、森林や水系、そして先住民族の文化の破壊に反対する大規模デモがあり、政府に申し入れを行った。

- コロンビア:ウワ族への支援を

 オクシデンタル社によるコロンビアの石油開発問題で、抗議の集団自殺をすると誓ったウワ族へ、今こそ支援を。

- ボリビア:森林の運命についての憂慮

 3/16の政府とNGO代表の会合で、森林伐採コンセッションの設定に対して、実際の森林を保全しようという政治的意思の欠如など、様々な憂慮がNGO代表から出された。

【中米】

- ベリーズ:貴重な森林がダム開発で脅かされる

 中米で最も多く森林が残っており、保護地域に指定されているベリーズでも、チャリーロ・ダム開発によって、1100haの森林が破壊される。また五世紀からのマヤ文明の遺跡も水没するという。

- ホンジュラス:活動家の受賞

 草の根の活動家を表彰する、ゴールドマン環境賞の南米大陸の部の99年度受賞者に、農漁民団体の活動家Jorge Varela氏が選ばれた。マングローブ林を破壊するエビ養殖事業への反対と、海岸の保護地域への編入の活動が認められた。

【北アメリカ】

- メキシコ:観光とエビ養殖で破壊されるマングローブ林

 カリブ海沿岸、QuintanaRooマングローブ林地域での大型ホテル建設に反対するキャンペーン

総論

- ペナン宣言から10年

 WRMの当初の森林問題に関する宣言に対する検証。

- 欧州での森林認証討論: PEFC vs FSC

 どちらの森林認証制度がまともか、産業界主導のPEFCセミナーの報告。

- WRMの一般的活動

- 事務局ニュース

 3/30-4/2まで運営委員会開催。
 WTO閣僚会議向けの意見書提出など。 ■
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WORLD RAINFOREST MOVEMENTのWebサイト: http://www.wrm.org.uy
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