フィリピン・マニラ首都圏にあるパヤタスごみ処分場で働くスカベンジャーへの緊急支援金を募集しています!
マニラ首都圏中からごみが運ばれてきたパヤタスごみ処分場もその処分容量が満杯になったことを理由に10月の閉鎖が決まりました.このごみ処分場では約1600人のスカベンジャーがごみを拾って生活していますが,この閉鎖決定後,ごみを運んでくるトラックの激変により,スカベンジャー達の収入も以前の2分の1から3分の1までに落ち込んでしまい,多くのスカベンジャーは生きていくのさえが非常に厳しい状況になっています.
そのような中,8月3日,降り続いた豪雨のため,ごみの山が崩れ,ごみ捨て場に隣接した最も貧しいスカベンジャーたちの家が埋まるとの災害が発生しました.幸い生き埋めになった人達は救助されましたが,豪雨のため,処分場は引き続き危険な状況にあり,スカベンジャー達は仕事にでることもできません.
このような状況で,10月に処分場の閉鎖に伴う強制立退きが行われた場合,立ち退のこうにも立ち退く余力がないスカベンジャーが多く,餓死者さえでるのではないかと予想されています.
私どもでは,これまでも,住民が運営する薬局を支援したり,乳幼児への栄養改善プログラムを支援してきましたが,8月の災害や10月の処分場の閉鎖に伴う混乱に備えるために,
1)衣料品や食料品などの緊急援助
2)ごみ捨て場閉鎖後の仕事のための職業訓練
を行う準備をしており(一部,実施済み),平行してその募金を一般の方に募集しております.皆様のご協力をよろしくお願いします.
郵便振替口座
1)加入者名 アジア日本相互交流センター ICAN
2)口座番号 00860-8-49077
注)通信欄に「パヤタス緊急支援」と記述して下さい.
問合せ先 TEL 052-804-9669 (ICAN事務局 担当 龍田)
E−mail ican@jca.apc.org
マニラ首都圏の北東に位置するケソン市に、ごみ廃棄場のある「パヤタス」という地域があります。パヤタスは、以前は緑豊かな谷でしたが、その後のゴミの廃棄によって、現在はごみの山が高くそびえています。このごみ捨て場のあるパヤタスB地区は人口およそ8、000人、そのうち20%(1、600人)がフルタイムのスカベンジャーとして働いています(パートタイムで働く人々を入れればその数はもっと膨らむでしょう)。彼らはごみの山の中から、金になりそうなものをから探し出し、周りにあるジャンクショップ(廃品回収業者)に売り、生計を立てています。
フィリピンではごみは焼却せずに捨てられ、廃棄場に積み重ねられてゆくので日に日にそのごみの山は高くなります。ここパヤタスもゴミでほぼ満杯になり、近年は、ごみ捨て場周辺に住む人々の家を強制的に取り壊し、ごみ捨て場を拡張してきました。しかし、ついに、これ以上の拡張ができなくなり、今年の10月に閉鎖されることに決まりました.
既に影響は出ています.処分場へのトラック量が激変しているため,スカベンジャー達の収入も50〜70%まで減りました.約50ペソ(1ペソ=3.4円)で平均一家6〜8人が暮らしていくのは非常に困難です.
さらに悪いことに,大雨で8月3日,パヤタスのごみ捨て場が崩れ、家が倒壊したということです。中には生き埋めになった人もいましたが全員救助されたそうです.避難している家族が今後どうするのかは今はまだ分かりませんが、現在も大雨は続き、ごみ捨て場付近は非常に危険な状況です。スカベンジャーはもちろんごみ拾いに行かれません。また、雨で家が流されたり、床上浸水する家も出てくるでしょう。
折りからの豪雨のため,ごみの山が崩れ,民家へと押し寄せた!
ごみの山近くにあった最も貧しい家が,ごみに埋まった.
まず,災害の被害にあった家族を支援する必要があります.衣料品や食料品が今もっとも必要です。とりあえず現在避難している家族に衣料品や食料品などの緊急援助をする予定です。
さらに,根本的には,10月の閉鎖に伴う備えがより重要です.パヤタスの現状は,トンドのスモーキーマウンテンの閉鎖に比べ,より深刻です.立ち退きに応じられないスカベンジャーが多くいるからです.餓死者さえ出る可能性があります.それを緩和するためには,
1)緊急支援として,衣料品,食料品,医薬品などの提供
2)閉鎖後の収入を得るための職業訓練
などが必要です.
先日,ごみ捨て場閉鎖後の仕事についてはスカベンジャー達と話し合いました。
1 フィッシュボール売り。
2 サリサリストア(雑貨や駄菓子を売る小さな店)。
3 ものを仕入れて売る(フィリピンでは店を構えずにすることもできます)。
4 豚の飼育
5 スリッパ、足拭きマットや雑巾やハンディクラフト作り
などが考えられそうです.
いずれにしても,資金が不足しています.
日本でキャンペーンをして資金を調達していただけるよう,お願いします.
伊藤洋子(マニラ)
【現地からの続報(8/12)】
8月3日に,パヤタスごみ処分場で,折りからの豪雨のため,ごみの山が崩れ,この処分場でゴミを拾って生計を立てているスカベンジャーたちの家が埋まったり,床上浸水の被害を受ける家庭が多く出るとの災害が発生しました.現地での調査を行い,その内容がわかりましたので,報告します.
分かっているだけで8家屋がごみで埋まりました。また、崩れたごみがクリークを塞いだため、ごみ山から流れ出た有害物質を含んだ黒ずんだ水が溢れ、多くの家屋が床上浸水の被害に遭いました。現在41家庭が近くの小学校や幼稚園に避難しています。幸い,生き埋めになった人は全員救助され,
重傷や死亡等の報告は今のところありません。しかしながら、避難所の衛生状態は悪く,子供から大人まで下痢が蔓延しています。また,避難している人々がもとの家に戻れる可能性はほとんどありません。
現在もごみ処分場は危険な状況なので,今回の被害を受けた受けなかったに関わらず,スカベンジャーたちは,ごみを拾って収入を得ることができません.
蓄えもなく、その日暮らしをするスカベンジャーの家庭にとって一日ごみ拾いに行かれないことは、その日食べるものが買えないことを意味します。普段でも貧しい家庭ではごはんに塩やバゴオン(フィリピンの塩から)をかけたり、ごみ捨て場から拾ってきた食べ物(まだ食べられそうな肉など、調理し直して普通に食しているそうです)を食べていますが、大雨のためごみ拾いにも行かれず、お米も買えない家庭が出てきています。そんな家庭は近所から食べ物を分けてもらったり、借金したりして飢えをしのいでいます。
パヤタスへの緊急支援として,避難所にいる人々のための食料費や乳児用ミルクを提供し始めました.
また,10月にパヤタスを閉鎖すると発表されているので,強制立ち退きに備え,閉鎖に伴う混乱時の食料および衣料確保,閉鎖後の収入確保のための職業訓練なども行う必要があります.
8月11日 マニラ 伊藤洋子