【声明】海上自衛隊の洋上給油作戦継続法案の成立を阻止しよう!
    アフガニスタンでの戦争・占領をやめろ!
    海上自衛隊はただちにインド洋から撤退を!


海上自衛隊の洋上給油作戦継続法案の成立を阻止しよう! アフガニスタンでの戦争・占
領をやめろ! 海上自衛隊はただちにインド洋から撤退を!
                    
                     新しい反安保行動をつくる実行委員会

 10月10日から衆議院の「テロ対策特別委員会」で海上自衛隊のインド洋での洋上給油活動を継続するための法案が審議されている。法案は10月20日にも委員会で採決に付され、21日の衆議院本会議で可決した上で参議院にまわされ、速やかに参院で否決した後、ただちに衆院での3分の2による「再議決」によって可決・成立することがもくろまれている。私たちは解散・総選挙のドサクサにまぎれて「洋上給油延長新法」を成立させる動きを許すことはできない。
 海上自衛隊のインド洋・ペルシャ湾での多国籍軍支援のための「洋上給油活動延長法案」の成立は、きわめて困難と報じられていた。公明党も総選挙対策の面から「3分の2」条項を適用して強行採決を行うことには消極的だった。福田前首相の政権投げ出しは、来年1月で期限切れとなる洋上給油活動を継続させる新法案の成立に、公明党の協力が得られないことが一つの要因だった。しかし麻生新政権が成立するや、状況は一変した。
 麻生新首相は、与党大敗が必至と予測されている総選挙を少しでも有利に展開するために民主党にターゲットを絞り、「テロと戦っている世界の中にあって、日本だけがテロとの戦いを放棄してアフガニスタンから撤収するという選択肢はない」とゆさぶりをかけた。福田政権の時に衆院「再議決」という手段を再び使用することに抵抗した公明党も、今回はあっさりと「再議決」に賛成した。洋上給油作戦に反対してきた民主党もまた、もっぱら「早期解散」を実現するための取り引き材料としてスピード審議に応じ、「洋上給油活動延長新法」の成立に手を貸している。「法案の内容は変わらない。審議は昨年に十分尽くした。審議は1日で十分」というのがその理由だ。
 私たちは、アフガニスタンでの「対テロ」戦争への自衛隊の支援継続のための法案を、もっぱら総選挙のための手段として取り扱う麻生政権と与党、そして民主党の対応を厳しく批判する。民主党が自衛隊の洋上給油活動の延長法案成立に事実上協力していることは、彼らが「テロとの戦い」への自衛隊の派兵に、「国連」の衣を着せた上で賛成していることの結果である。それは昨年の小沢一郎代表の『世界』論文、ならびに自衛隊の海外派兵についての「基本法」=「派兵恒久法」の早期制定をうたった「給油新法」への対案を昨年末に国会に提出したことで明らかである。
 2001年の「テロ特措法」にもとづく海上自衛隊のインド洋・アラビア海での給油作戦は、ブッシュ米政権が発動した国連憲章にも国際法にも違反するアフガニスタンへの「対テロ」先制攻撃戦争を無条件に支持した違憲立法である。2001年の「テロ特措法」は、その後のイラク戦争への加担と「イラク特措法」につながり、米国の指揮の下で自衛隊が海外での実戦に参加する体制づくりを本格的に築き上げるための踏み台となった。海上自衛隊は米国をはじめとする多国籍軍に無償で石油を供給し続けた。イラク戦争開始にあたっては、「テロ特措法」にも違反してイラク攻撃に参加する米艦への補給をも行った。
 しかし、航空自衛隊がイラクで行っている米軍への輸送作戦が「テロ特措法」にも違反する違憲の戦争行為であることは、今年4月17日の名古屋高裁判決によって明らかになった。これは確定判決となり、そのことも大きな要因となって政府は年内のイラクからの撤収方針を発表した。
 他方、7年間に及ぶアフガニスタン侵略戦争と占領支配も完全に泥沼状況に陥っている。イラクと同様にブッシュの大量殺戮戦争はアフガニスタンでも破綻した。米・NATO軍の「武装勢力掃討作戦」は多くの一般市民を虐殺し、生活基盤を破壊し、民衆の間で反占領・反外国の意識が拡大している。米国が押し立てたカルザイ政権から人心は離反し、タリバン勢力が影響力を拡大している。NGOのアフガニスタンでの住民支援活動は、米・NATO軍の作戦によってきわめて困難に陥っている。軍隊との協力を拒否しつつ住民への支援活動で大きな成果を上げてきたNGO・ペシャワール会の伊藤和也さんが誘拐・殺害されたことは、それを象徴する悲劇だった。さらに戦場は米国にとって「対テロ」戦争の主要な同盟国の一つだったパキスタンにも拡大している。米軍のパキスタンへの越境攻撃は、パキスタンでの反米意識を拡大し、政権の危機をもたらしている。
 戦争で平和を作りだすことはできない、という事実はアフガニスタンにおいても実地に示されている。今こそ、すべての占領軍はアフガニスタンから撤退しなければならない。「洋上給油活動継続」のための新法案を廃案とし、海上自衛隊はただちにインド洋から引き上げなければならない。それこそが民衆にとっての平和のための前提条件である。
 しかしいま政府・与党、さらに民主党もふくめて米国の要請に応じて、陸空自衛隊をアフガニスタンに派兵するというアドバルーンも上がりはじめている。この動きは派兵恒久法制定=実質改憲とセットのものであり、私たちはこうしたもくろみを打ち砕くことをも合わせて訴える。

2008年10月17日

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