反安保実 NEWS 第2号

 巻頭言●
 改憲国民投票法案・自衛隊法改悪案の成立を阻止しよう!
 ◆――今通常国会で進む戦争国家づくりに抗して
            ●国富建治(事務局)

  


 一月二十一日に始まった第一六二通常国会の施政方針演説で、小泉首相は「国民の『安全』の確保」を前面に押し出し、「治安の確保」、「テロ対策」や「国際平和協力活動への主体的協力」を強調した。さらに「教育基本法の改正については、国民的な議論を踏まえ、積極的に取り組んでまいります」「戦後六十年を迎える中、憲法の見直しに関する論議が与野党で行われております。新しい世代の憲法の在り方について、大いに議論を深める時期であると考えます」と述べて、今国会が改憲をふくむ「国家・社会の大改造」に向けた重大なステップであることを示したのである。
 「安全の確保」を第一に強調したことは、「共謀罪」の導入をふくむ刑法改悪案など、「有事」を常時想定した、監視・弾圧体制を本格的に可能にする法整備が、今国会での重要なテーマであることを示しているが、ここでは改憲関連と自衛隊法改悪問題にしぼる。

国会法改悪と改憲国民投票法案
 教育基本法改悪については、与党との公明党との間で「愛国心」などの位置づけをめぐって折り合いがつかず、先送りになったようである。しかし、憲法改悪については四月に衆院憲法調査会の最終報告が発表され(参院での最終報告は五月になりそうである)、また四月に自民党改憲草案の大綱がまとめられることになっており、それとの関係で「国会法改悪」と憲法改悪のための「国民投票法」の成立が至上命題になっている。
 国会法の改悪案は、衆参両院に置かれている憲法調査会を改組し、「国民投票法案」を審議する委員会に改組するというものだ。同法案は、三月中に国会に上程し、スピード審議で可決・成立に持ち込みたいというのが政府・与党の思惑である。この点については最大野党の民主党もとくに異論がないようである。そして国会法改悪を行った上で、新しく設置される委員会で改憲「国民投票法案」を上程し、成立に持ち込むというのが政府・与党の方針である。
 国民投票法案の最大の問題点は、改憲の是非を問う投票の様式が、各「改正」項目ごとに個別に○×をつけるのか、それとも改憲案一括した○×なのかが明記されていないことであろう。現在の世論調査では、改憲が多数を占めているが9条に限っていえば改悪反対意見が過半数である。改憲派にとっては、個別にに是非を問うて9条改悪項目で×が多数を占めるようなことになることを避けなければならない。したがって、自民党のねらいはあくまで一括○×方式である。そこをあいまいにした欠陥法案のままで、民主党との合意をとりつけて国民投票法案を成立させることが自民党の方針となっている。
 残念ながら、この「国民投票法案」の問題点については、いまだ人びとの間に浸透していない。しかし、この法案は憲法改悪に向けての重大な突破口である以上、問題点を浮き彫りにして成立を阻止することが重要なのである。

ミサイル防衛と関連した自衛隊法改悪案
 自衛隊法改悪案についてはどうか。昨年十二月に閣議決定された新防衛計画大綱、そして今年二月の日米安保協議委員会(2プラス2)で、日米安保のグローバルな軍事同盟に向けた「共同戦略」が浮き彫りになった。それは自衛隊を米軍との密接な「任務分担」の下で、海外での作戦を主任務に組み入れるための法改悪が企てられている。現在のところ、閣議決定されたのはMD(ミサイル防衛)システムの発動にあたり、閣議決定を省略して現場指揮官の判断によってミサイルを発射するようにできるというもの。現行法では武力攻撃事態と認定した上で、首相が防衛出動を発令することがミサイル発射の手続きに必要なのだが、それを省略し、「武力攻撃」の「おそれ」がない段階から、三六五日二四時間「常時迎撃」命令を出したままミサイル発射態勢を整え、指揮官の判断で発射させることになる。それは事実上、先制攻撃を可能にする態勢である。
 自衛隊の海外での軍事作戦を「本務」化する改悪案については、いまだ最終決定にはいたっていない。しかし、この点でもわれわれは注意を怠ることなく迅速な反対運動を作り上げるキャンペーンを広げる必要がある。
(くにとみ けんじ)

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