反安保実 NEWS 第1号

 巻頭言●
 9期のための報告と課題の再確認
 ◆――「反安保NEWS」定期発行に向けて
             天野恵一(事務局)

  


 第9期の課題については、『止めろ!戦争』(3号・第8期最終号のニュース)に具体的に、すでに書いている。おなじことをくり返すスタイルは無意味だから、まず、やや事務的な問題について報告する。私たち「反安保実」の事務局メンバーが中心になって「戦争協力を拒否し、有事立法に反対する全国Fax通信」(月二回刊)を発行し続けてきた。もちろんこの「Fax通信」は、つくりだされた契機も運営(編集・製作・発送を含む)も、「反安保実」とは、全く別であり、購読者の支払いによって支えられていた会計は、当然、独立したものであった。しかし、つくり手(発送者)が「反安保実」とほぼダブっていたのだから、実際上は「反安保実」のニュースに準ずるものとして活用されてきた。この「Fax通信」は、各地の運動体が相互に連絡するシステムが成立し、自分たちの基本的な役割は終ったとの判断から、第7期を最終期と決めて、先日、最終期の最終号を出し幕をおろした(この点については『止めろ!戦争』3号の水垣奈津子の報告を参照)。
 直接、「反安保実」のニュースではなかったとはいえ、月二回コンスタントに発刊され続けたこの運動情報のメディアがなくなった穴は、「反安保実」にとっては、正直なところ実に大きい。
 とにかく、ニュースをコンスタントに出す態勢をつくって、この穴を少しでも埋める努力をしようという方向が決められ、今号が準備されている。二カ月に一回は出そうという確認で。また、「Fax通信」に連載され続けた、各地の運動報告の中心「定点観測」の欄は、このニュースに移動して、そのまま継続させていただくこととした。もちろん、月二回という「Fax通信」の発行ペースを考えると、とてもこれだけで穴が埋まったとはいえないことは、十分、私たちも自覚しているつもりである。ただ、自分たちの身たけ(力量)にあったニュースとしては、残念ながら、今のところ、これが限界との判断である。
 もちろん、このニュースは、「Fax通信」よりページ数は多い。だから、運動の情報にとどまらない内容のある論議が、ここから発信されるように、編集上の努力をつみあげていきたいとは思っている。
 さて、くりかえしになるが今期の課題である。イラク派兵に反対し、イラクからの自衛隊撤兵を要求する運動を全国的につないでいく努力。これは一月十五、十六日の名古屋での「全国討論合宿」をスプリング・ボードに、キチンと持続したい。
 何人もの負傷者を出しながら米軍新基地づくりのためのボーリング調査に反対する行動を展開している沖縄・名護の人々の闘い。これとの〈連帯〉をめざす、毎週くりかえされている対防衛(施設)庁抗議行動と、名護へのカンパ集めを軸とした運動の大衆化のためのさらなる努力。
 諸「有事立法」をテコにした、「国民」監視・戦争動員体勢づくり(「訓練」体勢の日常化)への各地域からの反撃(それの連絡)。
 「防衛大綱のみなおし」から「武器輸出三原則のみなおし」にいたる、日本国家の武装国家化・攻撃的派兵国家化と日本社会の軍事化の同時進行に抗する〈非武装国家化=非軍事社会化〉を抵抗の原理とする反戦行動の多様な展開。
 最後に憲法改悪との闘いである。なんと自衛隊の「制服組」が自民党の改憲プランの九条のつくりかえの部分に関与していることも明らかになり、この「素案」は撤回された。しかし、平和主義だけでなく国民主権の民主主義も人権尊重主義も、ことごとく踏みにじる天皇主義を復活した、すさまじい案。これと基本的に同じものが再提出されることになるだろう。だから私たちは九条(絶対平和主義)の大切さを十分にふまえ、単純な「九条護憲」主義を超えた、トータルな改憲攻撃に反撃する反戦運動を構想していきたい。
(あまの やすかず)  

 イラクからの自衛隊撤退と沖縄の米軍基地撤去を求める実行委員会(反安保実IX)
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