盗聴法(組織的犯罪対策法)の廃止を求める

市民団体共同声明

 第145国会の最終日の前日8月12日の参議院本会議において、盗聴法をはじめとする「組織的犯罪対策三法」が可決成立したことになっています。しかし私たちはそれを認めることはできません。

盗聴法は法務委員会で可決されていません

 8月9日の法務委員会において、可決されたことを前提として、本会議の採決がされたのですが、この9日の法務委員会では、民主党の円より子議員が、総理大臣をはじめとする全大臣出席の総括質疑を求めたのに対して、委員長が後刻理事会で協議すると答えた直後、突然自民党委員が立ち上がり「委員長」と言っただけで、何を採決するのか不明のまま、委員長は「挙手を願います」と言い、挙手の数を確認もせず、退場してしまったのです。これで、委員会で採決されたと言えるのでしょうか。NOであることは、誰が考えても明らかなことです。

盗聴法は憲法に違反し、市民の半数以上が反対しています

 この盗聴法は、通信の秘密を侵してはならないとする憲法第21条に違反し、合法的に警察による盗聴を許す法律です。これは市民の自由な発言を封じ、プライバシ−を侵害し、人権をないがしろにするものであるとして、日弁連、ペンクラブ、刑法・憲法学者そして一般市民などからの反対の声が広がっています。世論調査でも市民の半数以上が反対しています。

施行上の問題点が多数残る欠陥法です

 参議院法務委員会での審議の中では、つぎつぎとこの法律の問題点が明らかになりました。電子メ−ルなどインタ−ネットによる通信ではその構造上、無関係の通信に盗聴が及び、FAXも盗聴範囲を限ることはできません。インタ−ネットのプロバイダ−によっては立会人の協力の困難さ、また暗号の解読はむつかしい、携帯電話の盗聴は困難であるなど、技術的ないくつもの法律の欠陥が指摘されました。これらについては、与党側推薦の、参考人や公聴会意見陳述人によっても提起されていますが、法務大臣はじめ担当関係者からは、明快な回答が得られないままです。これだけでも欠陥法といわざるをえません。また同委員会においては、盗聴法については審議が始まっていましたが、他の2法「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制などに関する法律」や「刑事訴訟法の一部を改正する法律」はほとんど審議されていません。そして交通情報通信委員会などとも密接な関係があるとして、連合審査の要求が出ていることに対してもなんら対応しないままです。

盗聴を警察に許すことはできません

 盗聴法が可決されるのを待っていたかのように、神奈川県警の不祥事が次々に明らかになりました。そのひとつに、押収したネガフィルムをネタに、女子大生に交際を迫ったということがあります。しかもそれを県警の組織ぐるみで隠蔽しようとしていたのです。盗聴法は、警察官が盗聴で知った事実の秘密を守ることが大前提となっています。ところが上記のようなことをやる警察に、盗聴を許せばどのようなことが起こるかわかりません。神奈川県警はこればかりでなく、緒方靖夫議員宅(当時共産党国際部長)の盗聴事件についても、裁判所で確定した判決で明らかになっているにもかかわらず、いまだにその事実を認めていません。私たちはこのような警察組織に個人の秘密を握られるような権限を与えることはできません。

自自公の横暴な国会運営を黙って見過ごすことはできません

 このような状況の中で、本法案を採決に持ち込むことに、私たちは強く反対してきました。ところが左記のように委員会での正当な採決が行われないまま、「可決した」ことにして、本会議に提出し、これまた、自民・自由・公明の数合わせだけで可決してしまいました。民主主義を踏みにじり、議会の正常な運営ル−ルを全く無視した国会のありようを私たちは絶対に許すことはできません。私たちは、どんな法律でも国会を通過したらそれで終わり、もうどうしようもないという立場にはたちません。違憲・違法の悪法は廃止させるべきです。組織的犯罪対策法を廃止し、市民の人権とプライバシ−の確立をめざして、私たちはたたかいます。

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