2000年7月5日


盗聴法の廃止を求めるアピール
−盗聴法に反対した政党は伸び、賛成した政党は凋落した−

盗聴法の廃止を求める署名実行委員会
連絡先 日本消費者連盟
東京都目黒区目黒本町1-10-16
@03-3711-7766 FAX03-3715-9378

総選挙が終わりました。

 今回の総選挙に示された市民の意思は自民党と公明党との連立政権の枠組みそのもの、そしてこの連立が進められる中で強行採決された一連の悪法、とりわけ盗聴法の成立を厳しく批判するものだったと評価できます。とりわけ、法成立後に明らかになった神奈川県警・新潟県警をはじめとする警察腐敗・不祥事は、警察が盗聴法などを利用して収集する市民のプライバシーが不当な目的に悪用されるのではないかという深刻で広範な懸念を引き起こしています。

 私たちは法成立後も市民のプライバシーを侵害する盗聴法の廃止を求める活動を続け、先の通常国会には請願署名6万1059名分を提出しています。このような活動を受け、本年3月には民主・共産・社民各党と良識ある無所属議員がこぞって盗聴法廃止法案を参議院に提出するに至っています。

 今回の選挙結果で第一に特徴的なことは、与党組織犯罪対策プロジェクトの座長として、マスコミ対策まで含めて法案成立を陣頭指揮した与謝野議員の落選には盗聴法成立に対する批判が関連していると考えられます。

また、公明党の上田議員は与党党首クラスの全面的な支援を受ける選挙協力体制をとりながら小選挙区では当選できませんでした。

 上田議員は当初は法案に反対することを市民集会で発言していながら、自ら法案推進の先兵となった政治姿勢に対する疑問が指摘されていました

 他方で盗聴法反対の先頭に立ち、選挙でも盗聴法の廃止と警察改革を強く訴えた民主党の枝野議員は圧倒的に選挙民からの支持を集めました。盗聴法に強く反対した民主党と社民党は選挙で議席をのばしています。このように、盗聴法を推進した政党と議員は市民の厳しい審判を受け、盗聴法の廃止法案を提案していた野党勢力は躍進を果たしたのです。

 このような選挙結果を受けて、私たちは民主・共産・社会民主の各党には公約に従って速やかに盗聴法の廃止法案を次の臨時国会に提案することを求めるものです。また、この間のロビー活動を通じて非公式にはこんな法律には反対だという声を多くの与党議員や秘書の方から聞きました。

 私たちは与党議員の先生方の中から「今の警察に盗聴の権限を認めたのは誤りだった」という良識の声がわき上がることを心から期待しています。警察の腐敗ぶりが白日に曝されたのは法案成立の後だったのですから、過ちを認めることをはばかる必要はありません。

 盗聴法は現在の予定では8月施行とされています。私たちは仮にこの法律が施行された場合にも、法律の実際の運用を厳しく監視していきます。廃止運動をあきらめるつもりはありません。成立すべきでない法律が成立しても、市民と良識ある国会議員の協同した力で廃止できるのだという民主主義の生きた実例を作るため、私たちは活動を続けていきます。どうかご理解とご支援のほどお願い致します。