無実のゴビンダさんを支える会

Justice for Govinda Innocence Advocacy Group

The wise eye penetrates the truth

HOME PAGE

最新情報

「東電OL殺人事件」の概要

裁判の経緯

再審について

支える会の活動報告

ゴビンダ通信

面会日誌

裁判資料

冤罪リンク

メールアドレス

挨拶をしたら4類に格下げ  2008年4月3日

 4月3日、横浜刑務所は、美しく咲き誇った満開の桜に囲まれていました。
 「運動場にも、桜がきれいに咲いています。暖かくなったので、生活するのは楽になりました。でも、ひとつ残念なお知らせがあります」。
  先月、朝の始業前の工場で、自分の席から少し離れた席の知り合いに、「おはよう」とつい声をかけたところ、それが「不正挨拶」にあたるとして、「無事故」の腕章を取られてしまった。「懲罰」まではいかず、単なる「注意」だったが、これが査定にひびき、今月から「4類」に格下げされてしまったのだそうです。
 「4月から9月までは、面会が月2回しかできなくなりました。みなさん、ごめんなさい。次からは、なるべく1回に2〜3人ずつ来るようにしてください。私は大丈夫ですから」
 新しく来た工場部長がとてもやさしい人で、「ゴビンダが真面目にやっているのはわかっている。10月からまた3類に戻れるよ」と励ましてくれているそうです。「ランクをおとされたのは、私1人じゃなくて、あっちでもこっちでも、『あ〜、4類から5類になっちゃった〜』とかワイワイやってます」
 それにしても、一般の社会では、挨拶しないで怒られることはあっても、「挨拶した」のが規則違反で、しかもそのていどのことで格下げされるとは。
 「とにかく、いろんなこまかい規則が、いっぱいあって。とくに私は外国人だから、とっても覚えられない。だから、いつもピリピリしてなきゃならないんです。それがつらくって」
 前回の面会で頼まれていた「腰用のコルセット」を差し入れました。小さい丸椅子に座ったまま、脇見も許されない姿勢で作業をしているため、最近、腰痛がひどくなったと言うのです。しかし、今日、差し入れたコルセットも、医者の診断を受けて許可を得ないといけないので、実際に使えるようになるまでには、まだ暫く時間がかかるそうで、まったく不自由なことです。
 帰り道、「塀の向こうに見える丘が、(満開の桜で)真っ白になっているのが運動場からよく見えますよ」とゴビンダさんが言っていたのを思い出し、彼は、「塀の向こう」をどんな気持ちで眺めているのかなと、ちょっと悲しい気分になりました。
客野美喜子